FPの勉強を始めてみたいと思っているのですが、計算問題は難しいのでしょうか? | |
FP試験の計算問題は、公式や場面に応じて使う係数をしっかりおさえておけば、数学・数字が苦手な方でも対応できます。 |
数学・数字が苦手でも問題なし
お金の専門家を養成する試験だけに、ローンの金利や金融商品の利回り、支払い額の算定など、「計算問題がたくさん出る」と思われる方も多いはず。しかし、実際には計算問題の出題は数問程度にとどまるため、数学や計算をことさら意識する必要はないでしょう。
その計算問題も、高等学校で習うレベルのものではありません。公式や使うべき係数をしっかりおさえておけば、数字や数学が苦手な方でも対応できるでしょう。
しかも、試験では電卓の使用が認められています。頭を使って正解の数値や金額をひねり出す必要はありませんし、適切な数値を公式にあてはめて打ち込んでいくだけです。FP試験ではむしろ、電卓を器用に使いこなすスキルが求められるでしょう。
FP試験の計算問題
参考までに、2018年実施のFP3級学科試験で出題された計算問題を見てみましょう。
元金2,000万円を、利率(年率)1%で複利運用しながら10年にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取金額は、下記資料の係数を使用して算出すると(○○○)となる。
<資料>
「終価係数:1.1046」「減債基金係数:0.0956」「資本回収係数:0.1056」
一見すると、「数字ばかりで難しそう」と思ってしまいがちですが、係数の意味と公式さえ覚えておけば、それほど難しい問題でないことが分かるはずです。上記の問題例もそうですが、FP試験で出題されるのは、保険やローンといった生活に密着したテーマばかりです。そのため、計算問題を解く場合でも、自分の生活に関わることとして考えることができます。個人や家族の生活に多少なりとも関係があれば、興味を持って接しやすくなるもの。そのような意味でも、中学・高校で習う数学の世界とはだいぶ様子が異なるのです。
「数字をみるだけで頭が痛くなる」という方でも、少し視点を変えるだけで苦手意識の克服につながります。保険金額の計算や、住宅ローンの利率比較にしても、「自分が選ぶ立場としたら、どれがいいだろう?」という目線で考えると、興味が湧いてこないでしょうか?今はそうでなくても、保険や住宅ローンとはいずれ付き合うことになるかもしれません。その知識があるかないかで、生活に与える影響は大きく異なります。
ローンの利回りの仕組みや税金の計算方法が分かれば、その知識を金融商品の選択や節税などに生かせるようになります。生活に役立つ知識と分かれば、覚えるのも苦にならず、むしろ楽しさを覚えるかもしれません。このような要素は、勉強のモチベーションを維持するうえで非常に大切です。
(上記問題の計算結果は、2,000万円×資本回収係数0.1056=2,112,000円となります。)
FPの資質として重要なのは?
FPの役割は、お金に関する専門知識を活用して、依頼者の相談にそったライフプランを提案することです。FPとして求められるのは、計算処理スキルより、依頼者の立場になってライフプランを設計する視点と、的確な言葉で伝えるコミュニケーション能力。依頼者からすればこの二つが大切であり、数学が苦手とか得意とかはあまり問題ではありません。
FP資格をビジネスシーンで活用する場合は、対人スキルやコミュニケーション能力が重視されます。そのため、これらのスキルが不足すれば依頼者の信頼は勝ち取れないかもしれません。反対に、これらのスキルがしっかり備わっている方は、数字や計算が苦手だとしても職務をまっとうできる可能性は十分高いといえます。
FPの役割や求められるスキル、FPとしてやりたいことに目を向けるようにしてください。数学や計算が苦手であっても、多くの受験者は目的意識を持って取り組むことでFP資格取得を達成しています。
参考サイト:
https://www.zettaigoukaku.com/entry/47825973
https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_03/
https://www.jafp.or.jp/exam/mohan/
https://www.jafp.or.jp/exam/mohan/files/g3_201805_…