住宅取得住宅購入で損しないお金の知識|住宅ローンの選び方・控除・保険を解説【2026年最新】

マイホームの購入は、多くの人にとって人生でいちばん大きな買い物です。数千万円の住宅ローンを組み、何十年もかけて返済していくことになるため、お金の知識があるかどうかで、総支払額に数百万円もの差が生まれることもあります。

そこで役立つのが、FP(ファイナンシャルプランナー)の知識です。FPの学習では、住宅ローンの仕組みや税金の優遇制度、保険の選び方など、住宅購入に欠かせない知識を体系的に学べます。

この記事では、住宅購入で損をしないために知っておきたいお金の知識を、FPの視点からわかりやすく解説します。

マイホーム購入は人生最大の買い物

住宅を購入するときにかかるお金は、物件の価格だけではありません。

購入時には、頭金のほか、登記費用、ローンの手数料や保証料、火災保険料、不動産取得税などの「諸費用」がかかります。購入後も、住宅ローンの返済に加えて、固定資産税や修繕費、マンションなら管理費・修繕積立金などが毎年必要です。

これらを見落としたまま購入を決めると、「思っていたより家計が苦しい」ということになりかねません。住宅購入は、物件選びと同じくらい、お金の計画が重要なのです。

住宅ローン選びで知っておきたい4つのポイント

住宅ローンを選ぶとき、多くの人がまず注目するのは金利です。もちろん金利は重要な比較ポイントですが、金利だけを見ていては、自分にとって最適な住宅ローンを選べるとは限りません。

1. 金利タイプの違いを理解する

住宅ローンの金利タイプは、大きく3つに分けられます。

金利タイプ特徴向いている人
変動金利型市場金利に合わせて金利が見直される。当初の金利は低めだが、将来上がる可能性がある金利上昇に備えられる資金の余裕がある人、返済期間が短い人
全期間固定金利型借入時の金利が完済まで変わらない。金利は高めだが、返済額が確定する返済計画の安定を重視する人、子育て期など支出が増える予定の人
固定期間選択型当初の一定期間(3年・10年など)だけ金利を固定し、その後は再選択する一定期間だけ返済額を確定させたい人

近年は金利が上昇局面に入っており、変動金利を選ぶ場合は、金利が上がったときに返済額がどれくらい増えるかを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

2. 返済方法の違いを知る

返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

元利均等返済は、毎月の返済額(元金と利息の合計)が一定になる方法です。返済計画を立てやすい一方、返済当初は利息の割合が大きく、元金がなかなか減りません。

元金均等返済は、毎月返済する元金の額が一定になる方法です。当初の返済額は大きくなりますが、元金が早く減るため、総返済額は元利均等返済より少なくなります。

3. 金利以外の費用も比較する

住宅ローンを借りる際には、事務手数料や保証料のほか、団体信用生命保険の保障内容によっては金利上乗せが発生する場合があります。

事務手数料には、借入額にかかわらず一定の「定額型」と、借入額に一定の割合をかける「定率型」があります。定率型は借入額が大きいほど手数料も高くなるため、注意が必要です。保証料が無料の住宅ローンでも、その分、事務手数料が高く設定されていることがあります。

住宅ローンも金融機関の商品であり、金利や各種費用を総合して収益を考えています。特定の費用が安いからといって、総額で安いとは限りません。繰上げ返済の手数料など、借りた後にかかる可能性のある費用も含めて、総額で比較しましょう。

4. 団体信用生命保険(団信)の内容を確認する

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、保険金でローンの残高が完済される保険です。民間の金融機関の住宅ローンでは、団信への加入が借入の条件になっていることが一般的です。

最近では、がんや三大疾病などで所定の状態になった場合にも保障される団信もあります。保障が手厚いほど金利が上乗せされることが多いため、すでに加入している生命保険や医療保険とのバランスを考えて選びましょう。

「借りられる額」より「返せる額」で考える

住宅ローンでよく言われるのが、「借りられる額より、返せる額で考える」という言葉です。住宅ローンを申し込むときは「審査に通るか」が気になりますが、本当に大切なのは「将来にわたって無理なく返し続けられるか」です。

返済負担率の目安

年収に占める年間返済額の割合を「返済負担率」といいます。金融機関の審査では年収の30〜35%程度まで借りられることもありますが、無理なく返済するためには、世帯の状況にもよりますが、一般的には手取り収入の20〜25%程度に抑えるのがひとつの目安とされています。

キャッシュフロー表で将来をシミュレーションする

「今は無理がなくても、将来も返し続けられるか」を確かめるのに役立つのが、FPの学習で必ず学ぶ「キャッシュフロー表」です。

キャッシュフロー表は、家族の年齢、収入、支出、貯蓄残高の推移を、年ごとに一覧にしたものです。子どもの進学に合わせた教育費の増加や、車の買い替え、転職や病気などのリスクも織り込んで、住宅ローンを返しながら家計が回るかを確認します。

とくに注意したいのが老後です。返済期間を35年などの長期にすると、60歳や65歳を過ぎても返済が続くケースがあります。退職後も年金収入で返済を続けられるのか、それまでに繰上げ返済できるのかを、借りる前に検討しておくことが大切です。

繰上げ返済の2つの方法

繰上げ返済とは、毎月の返済とは別に、ローンの元金の一部をまとめて返済することです。繰上げ返済には2つの方法があります。

期間短縮型は、毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする方法です。利息を減らす効果が大きくなります。

返済額軽減型は、返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす方法です。教育費がかかる時期など、毎月の負担を軽くしたいときに向いています。

ただし、繰上げ返済で手元の資金を使いすぎると、いざというときの備えがなくなってしまいます。生活防衛資金を残したうえで、計画的に行いましょう。

住宅購入で使える税金の優遇制度

住宅購入では、税金の優遇制度を上手に活用することで、負担を大きく減らせます。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、年末のローン残高の0.7%が、所得税(引ききれない分は一部住民税)から控除される制度です。控除期間や借入限度額は住宅の種類などによって異なり、最長13年間の控除を受けられます。

2026年度の税制改正により、2030年12月31日までの入居分まで5年間延長されました。また、床面積要件については、一定の所得要件を満たす場合に40㎡以上へ緩和される措置が設けられています。さらに、中古住宅への優遇も拡充されています。

借入限度額や控除期間は、新築か中古か、住宅の省エネ性能、子育て世帯かどうかなどによって異なります。とくに新築住宅では、省エネ基準を満たしているかどうかで控除を受けられるかが変わるため、購入前に必ず確認しましょう。

控除を受けるには、入居した年の分について確定申告が必要です。会社員は、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。

【参考】国土交通省「住宅ローン減税」

住宅取得等資金の贈与税の非課税特例

親や祖父母から住宅購入のための資金援助を受ける場合、一定の要件を満たせば、贈与税が非課税になる特例があります。

2026年12月31日までの贈与が対象で、非課税になる金額は、省エネ等住宅の場合は1,000万円、それ以外の住宅は500万円までです。暦年課税の基礎控除(110万円)と組み合わせることもできます。

この特例を受けるには、贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要です。また、2027年以降の取り扱いについては、今後の税制改正の内容を確認してください。

【参考】国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」

火災保険・地震保険の選び方

住宅購入で役立つのは、住宅ローンや税金の知識だけではありません。マイホームを持ったら、火災保険や地震保険への加入を考える必要があります。

住宅会社にすすめられた保険をそのまま契約しない

住宅会社や不動産会社から火災保険をすすめられることがありますが、そのまま契約するのはあまりおすすめできません。

住宅会社などの多くは損害保険の代理店になっていますが、すべての保険会社の商品を扱っているわけではありません。提携している特定の保険会社の商品の中から提案されるのが一般的です。

また、すすめられる保険には、特約がたくさん付いていることもあります。これは必ずしも悪意からではなく、「万が一のときに補償の対象外だった」ということがないように、付けられるものは付けておこうという心理が働くためでしょう。

自分にとって不要な補償に保険料を払い続けないためにも、FPで学ぶ保険の知識を生かして補償内容を決め、複数の保険会社から同じ条件で見積りを取って比較しましょう。複数社の見積りをまとめて取れるサービスを利用するのも一つの方法です。

補償内容を見直すポイント

火災保険は、火災だけでなく、落雷、風災、水災、盗難など、さまざまな損害を補償します。たとえば、高台にある住宅やマンションの上層階なら、水災の補償を外して保険料を抑えるといった選択も考えられます。ハザードマップで住まいのリスクを確認したうえで、必要な補償を選びましょう。

地震保険は火災保険とセットで加入する

地震や噴火、津波による損害は、火災保険では補償されません。地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットで加入します。

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で設定し、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。地震保険は、被災後の生活再建を支えるための保険と考えるとよいでしょう。

FPの知識は住宅購入以外にも役立つ

ここまで紹介したように、住宅購入では、ローン、税金、保険、ライフプランなど、幅広いお金の知識が必要になります。そして、これらはすべてFPの試験範囲で学べる内容です。

住宅購入で役立つ知識FP試験の分野
キャッシュフロー表、住宅ローンの仕組み、団信ライフプランニングと資金計画
火災保険、地震保険リスク管理
住宅ローン控除タックスプランニング
登記、不動産の税金、建ぺい率・容積率不動産
住宅取得等資金の贈与の特例相続・事業承継

FPの知識は、住宅購入だけでなく、教育資金の準備、保険の見直し、資産運用、老後の資金計画、相続など、人生のさまざまな場面で役立ちます。知っているかどうかで大きな差が出るからこそ、「FPの知識は何より自分自身の役に立つ」のです。

住宅購入とお金に関するよくある質問

頭金はどれくらい用意すればいい?

頭金が多いほど借入額が減り、利息の負担も軽くなります。一般的には物件価格の1〜2割程度が目安とされますが、頭金を出しすぎて手元資金がなくなると、急な出費に対応できません。諸費用や生活防衛資金を残したうえで、頭金の額を決めましょう。

変動金利と固定金利はどちらがいい?

どちらが得かは、将来の金利の動きによって変わるため、一概にはいえません。金利上昇のリスクを家計で吸収できるかどうか、返済額が変わることに不安を感じるかどうかで判断しましょう。

住宅ローン控除を受けるにはどうすればいい?

入居した年の翌年に、確定申告をする必要があります。会社員の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。

まとめ:FPの知識で、後悔しない住宅購入を

住宅購入で役立つお金の知識を解説しました。本記事のポイントは以下のとおりです。

  • 住宅購入では物件価格のほかに諸費用や維持費がかかるため、総額で資金計画を立てる
  • 住宅ローンは金利だけでなく、金利タイプ、返済方法、手数料や保証料、団信の内容を総合して比較する
  • 「借りられる額」より「返せる額」で考え、キャッシュフロー表で将来の家計をシミュレーションする
  • 2030年12月31日までの入居分まで延長。住宅取得資金の贈与の非課税特例も活用できる
  • 火災保険は住宅会社のすすめをうのみにせず、補償内容を見直して複数社を比較する

住宅購入に必要な知識は、FPの学習で体系的に身につけられます。マイホームの購入を考えている方は、この機会にFP3級から学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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