FP(ファイナンシャルプランナー)3級は独学で合格できる試験です。
とはいえ、これから受検する人の中には「本当に独学で大丈夫かな?」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、FP3級が独学で合格できるといわれる理由について紹介します。
加えて、独学する際の勉強方法や教材の選び方などについてもお伝えしますので、独学でのFP3級合格を目指している人は参考にしてみてください。
FP3級は独学で合格できる!その理由は?
FP3級は独学でも十分に合格を目指せる国家資格です。
独学でFP3級に合格できる理由として、以下の3つを紹介します。
- 試験対策をすれば確実に合格できるから
- 試験自体の難易度が低いから
- 教材が豊富で独学しやすいから
それぞれ確認していきましょう。
試験対策をすれば確実に合格できるから
FP3級試験では、おもにお金に関する基礎的な知識が出題されます。
難しい専門知識までは求められないため、市販のテキストやYouTubeで公開されている解説動画などを使って独学でも対応可能です。
FP3級は「相対評価」ではなく「絶対評価」によって合否が決まります。
受検者同士の順位や成績位置を基準に合格が決まる相対評価に対し、絶対評価では基準点を超えれば合格できます。
このため周りの受検者と競う必要はありません。
FP3級の合格ラインである60%以上の得点がとれるように、計画的に勉強しましょう。
FP3級の合格率は学科・実技ともに60~75%程度と高めです。
適切に試験対策をすれば確実に合格できる資格といえます。
試験自体の難易度が低いから
FP試験の中でも、3級は難易度が低めで入門的な位置づけです。
FP3級の試験は、学科・実技ともに多肢選択式で実施され、記述や口述のような高い表現力は求められません。
必要な知識を身につけ、適切な選択肢を選ぶことができれば合格できる試験です。
また、FP3級では過去問と似たパターンの問題が多く出題される傾向があります。
過去問を繰り返し解くことで、「どの分野がよく問われるのか」「どの知識を重点的に覚えるべきなのか」といったポイントが、自然と把握できるようになります。
出題傾向をつかめば、効率的に得点につなげられるでしょう。
さらに、FP3級は合格に必要な勉強時間も80〜150時間程度とされており、他の国家資格と比べると少なめです。
比較的、短い勉強時間で合格を目指せる資格といえます。
教材が豊富で独学しやすいから
FP3級は受検者が多いため、市販のテキストや問題集、オンライン講座などの教材が充実しています。
初心者向けや短期集中型の学習者向けなど、幅広いタイプの教材があるので、自分の学習スタイルに合わせて教材を選びやすいのも特徴です。
独学でも、自分に合った方法で効率的に学習を進められる環境が整っているといえるでしょう。
FP3級に独学で挑戦するときのポイント
ここまで解説してきたように、FP3級は合格率が高く試験の難易度も低いため、独学でも合格を目指せる資格です。
ただし、テキストを読むだけで「わかったつもり」になっていると、実際の試験で思うように解答できない可能性があります。
個人差はありますが、FP3級に合格するには80〜150時間程度の勉強時間が目安とされています。
この勉強時間を確保するためには、1日2時間勉強した場合、2~3カ月の期間が必要です。
まず、自分が毎日どれくらいの勉強時間を確保できそうか考えてみてください。
それをふまえて受検日を決め、受検日から逆算して具体的な学習スケジュールを立てましょう。
計画通りに進んでいるかを定期的に確認しながら、着実に知識を積み上げていくことが大切です。
勉強時間の確保に加えて、無理なく勉強を続けられる方法を考えることも重要です。
おすすめの勉強方法は、このあとくわしく解説します。
合格に必要な勉強時間は、こちらの記事も参考にしてください。

FP試験に合格するまでの勉強時間はどれくらい?
FP(ファイナンシャルプランナー)試験に合格するまでに必要な勉強時間を教えて下さい。一般的には、FP2級は150~300時間、FP3級は80~150時間ほど…
FP(ファイナンシャルプランナー)試験に合格するまでに必要な…
【FP3級学科試験】独学で合格するための勉強方法3選
ここからは、FP3級の学科試験に独学で合格するための勉強方法として以下の3つを紹介します。
- インプットとアウトプットを繰り返す
- 難しい分野を集中的に勉強する
- スキマ時間を活用する
FP3級に独学で合格するには、自分なりの勉強の流れを作ることや、勉強を習慣化させることがポイントになります。
具体的な方法について見ていきましょう。
インプットとアウトプットを繰り返す
まず、テキストと問題集を1冊ずつ、さらに最新の過去問を用意しましょう。
FP3級では、過去に出題された問題とよく似た問題が出題される傾向があります。
そのため、過去問を繰り返し解くことが合格への近道です。
ただし、初学者の場合、いきなり過去問に挑戦しても問題の意図を理解するのは難しいでしょう。
そこで過去問を解くための準備として、最初にテキストを使って基本的な知識をインプットし、問題集でアウトプットする流れを意識すると効果的です。
問題集で間違えた問題はかならずテキストに戻って確認し、記憶を定着させましょう。
その後、過去問に取り組み、間違えたところをまたテキストで復習するという流れで勉強を進めます。
知識を確実なものにするため、過去問はできれば3回程度繰り返し取り組みましょう。
難しい分野を集中的に勉強する
FP3級の出題分野は以下の6つです。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
実生活で関わる機会が少ない分野は難しく感じやすいでしょう。
人によって苦手分野は異なりますが、難しい分野として「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」を挙げる人は多いようです。
合格するには、難しいと感じる分野を後回しにしないことが大切です。
集中的に取り組むことで、知識を定着させられたり出題パターンに慣れたりできれば、自信を持って選択肢を選べるようになります。
苦手分野こそ十分な学習時間を確保し、集中して取り組んでみましょう。
スキマ時間を活用する
独学でFP3級に挑戦する際には、勉強時間をどう確保するかが大きなカギになります。
忙しくて机に向かう時間を取りにくい人には、スキマ時間を活用する勉強スタイルがおすすめです。
テキストや問題集に加えて、YouTubeで公開されている解説動画やスマートフォンで学習できるアプリなど、場所を選ばず勉強できる教材も充実しています。
通勤時間や家事の合間などのスキマ時間を活用すれば、効率よく着実に知識を習得できます。
こうした教材を上手に取り入れることで、時間のない人でも毎日の勉強ペースを保ちやすく、継続的な学習が可能になるでしょう。
【FP3級実技試験】独学で合格するための勉強方法2選
日本FP協会では「資産設計提案業務」の1種類、きんざいでは「個人資産相談業務」「保険顧客相談業務」の2種類の実技試験が実施されています。
受検者はこの中から1つを選択することになります。
合格するには3種類すべての分野について対策する必要はなく、自分が受検する分野だけの対策で問題ありません。
あらかじめどの分野の試験を受けるのかを決め、その出題傾向をふまえて学習することが大切です。
ここからは、いずれの実技試験にも共通する、以下2つの勉強方法を紹介します。
- ある程度知識がついてから実技対策をはじめる
- 過去問を繰り返し解く
実技試験の傾向と対策については、こちらの記事でくわしく解説しています。
ある程度知識がついてから実技対策をはじめる
基本知識が問われる学科試験に対して、実技試験は知識を前提にした応用問題です。
そのため、学科試験の勉強を優先し、過去問がスラスラ解けるレベルになってから実技試験の対策に取り組むとよいでしょう。
実技試験では「保険の見直し相談」や「住宅取得時の税金計算」など、事例をもとに知識を使って検証する問題が出題されます。
基礎知識があいまいな状態で実技試験の問題に取り組むと、内容の理解が不十分になり、学習効率も下がってしまいます。
用語や基本的な制度を理解し、知識の土台を固めてから対策を行うことで、実技試験の問題もスムーズに解けるでしょう。
過去問を繰り返し解く
実技試験では、具体的な事例を用いた問題や、状況に応じた判断や計算が求められる問題が出題されます。
とはいえ、実技試験のためだけに特別な対策をする必要はありません。
出題形式は学科試験と同じく多肢選択式で、出題範囲も学科試験と共通する分野から出題されるからです。
自分が受ける実技試験の種類に合わせてテキストと問題集、過去問を準備し、勉強を進めましょう。
学科試験と同様、実技試験でも、過去に出題された問題と同じようなパターンで出題されることが多いです。
繰り返し過去問に取り組めば、出題パターンにも慣れ、得点しやすくなるでしょう。

FP3級実技試験の傾向と対策
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FP3級の実技試験でズバリどこがでますか?教えてください。F…
FP3級に独学で合格するためのテキスト・問題集の選び方
テキスト・問題集・過去問は、自分に合ったものを1冊ずつ選ぶのがおすすめです。
購入の際は、法改正や制度変更に対応した最新版を選ぶようにしましょう。
解説を重視したもの、要点が整理されているもの、具体例が豊富なものなど、教材の特徴はさまざまです。
独学の場合、使いやすさを重視して選ぶことが学習を継続するためのカギです。
テキストや問題集は、以下のポイントを参考に選ぶとよいでしょう。
- 説明が丁寧で、理解しやすいか
- 内容ごとに要点が整理されていて、全体像がつかみやすいか
- イラストや図解があり、視覚的に理解しやすいか
- 書き込み欄やチェック欄があるなど、繰り返し復習しやすい構成になっているか
- 持ち運びしやすいサイズか
- 音声・動画解説、アプリ連携などの付録があるか
テキストと問題集は同一シリーズのものをそろえると、構成や表現が統一されており、学習効率の向上が期待できます。
また、問題集や過去問を選ぶ際には、解説の質をチェックしておくことも重要です。
間違えた問題の理解を深められるような、わかりやすい解説がついているかどうかを確認しましょう。
FP3級試験はいつどこで受けられる?
FP3級試験は、コンピュータで受検できるCBT方式で実施されています。
全国約360カ所以上のテストセンターで行われているため、受検しやすい試験会場を選択しましょう。
試験日も自分の都合に合わせて、自由に選べます。
申込みは通年で受け付けており、いつでも可能です。
また、都合が悪くなった場合には、試験日の3日前までなら変更やキャンセルができます。
FP3級に独学で挑戦してみよう!
FP3級に独学で合格できる理由とおすすめの勉強方法を解説しました。
- FP3級は難易度が低く教材が豊富なため、独学でも合格を目指せる
- FP3級合格には80~150時間程度の勉強が必要。受検日を決めて、勉強スケジュールを立てよう
- 学科試験の勉強はインプットとアウトプットを繰り返そう。苦手分野への取り組みやスキマ時間の活用もポイント
- 実技試験は3種類のうち、どの試験を受検するか決めてから対策しよう
- 独学で合格を目指すなら、自分に合ったテキスト・問題集・過去問を1冊ずつ選ぼう
- FP3級はCBT方式で実施されており、試験日や会場は自由に選べる
FP3級は独学でも合格を目指せますが、学習の継続に不安を感じる方は講座の活用も検討してみてください。
スタディングのFP講座は、AIによる問題復習機能や動画教材などが充実しており、スキマ時間で効率よく学習したい人におすすめです。
自分に合った方法で合格をつかみ取りましょう。