【2026年最新】FP実技試験はどっちを選ぶ?協会ときんざいの違い・合格率・合格点

FPの実技試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)のどちらで受けるか、どの科目を選ぶかで出題内容も合格率も変わります。

結論からいうと、はじめてFPを受ける方や、どれを選ぶか迷っている方は、日本FP協会の「資産設計提案業務」がおすすめです。保険・銀行などの業務に直結させたい方は、きんざいの科目も選択肢になります。

この記事では、2026年9月時点の公式データをもとに、級別の科目と合格点、職種別の選び方、CBT方式ならではの対策法を解説します。

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結論:迷ったら日本FP協会の「資産設計提案業務」がおすすめ

まずは、この記事のポイントを表で確認しましょう。

こんな方おすすめの実技試験
はじめてFPを受ける・迷っている日本FP協会「資産設計提案業務」
保険会社・保険代理店で働いているきんざい「保険顧客資産相談業務」(3級)/「生保顧客資産相談業務」(2級)
銀行・証券・信用金庫で働いているきんざい「個人資産相談業務」
経営者・事業承継支援に関わっているきんざい「中小事業主資産相談業務」(2級)

どの実技試験に合格しても、取得できる資格は同じ「FP技能士」です。受検する機関や科目によって資格の価値に差はありません。

FPの実技試験とはどんな試験?

FP試験は、日本FP協会(以下「FP協会」という)と金融財政事情研究会(以下「きんざい」という)の2つの機関で実施されており、難易度の低い順に3級・2級・1級と3つのレベルに分かれています。

いずれの級も、学科試験と実技試験で構成されており、両方に合格することでFP技能士の資格を取得できます。

学科試験が知識を問う試験であるのに対し、実技試験ではFPとして顧客の相談に応じる場面を想定した問題が出題されます。顧客の家族構成や資産状況などの設例を読み取り、知識を使って計算・判断する力が問われるのが特徴です。

学科試験はFP協会・きんざいともに共通の内容ですが、実技試験は機関ごとに科目や問題が異なります。どの機関のどの科目を受検するかは、受検者が自由に選べます。

「実技」といっても、面接形式の口述試験があるのはきんざいの1級のみです。ほかの級は多肢選択式や記述式の筆記試験で、3級・2級は学科・実技ともに「CBT方式」と呼ばれるパソコンでの受検となっています。

実技試験の科目は、個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務、資産設計提案業務など複数あり、試験実施機関や級によって異なります。

CBT方式についてはこちらの記事でくわしく解説しています。

【2026年9月時点】FP実技試験の合格率

FP実技試験の合格率を、級・機関・科目別にまとめました。

級 実施機関 科目 合格率
3級 FP協会 資産設計提案業務 83.29%
きんざい 個人資産相談業務 68.38%
保険顧客資産相談業務 43.79%
2級 FP協会 資産設計提案業務 56.73%
きんざい 個人資産相談業務 57.53%
中小事業主資産相談業務 34.88%
生保顧客資産相談業務 58.53%
損保顧客資産相談業務 69.62%
1級 FP協会 資産設計提案業務 75.63%
きんざい 資産相談業務 84.35%

※合格率は実施時期によって変動するため、あくまで参考値としてご覧ください。
※3級・2級は2026年4月〜8月実施分(CBT方式)、1級はFP協会が2025年9月実施分、きんざいが2026年6月実施分
※出典:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」、金融財政事情研究会「試験結果」(2026年9月確認)

級ごとの難易度の目安を見ていきましょう。

FP3級は初心者レベル

FP協会の3級実技試験は、CBT方式に移行した2024年度以降、合格率83〜86%程度で推移しています。基本的な問題が中心で、FPの勉強がはじめての人でも取り組みやすい内容です。

一方、きんざいの3級実技試験は、個人資産相談業務が68.38%、保険顧客資産相談業務が43.79%と、FP協会より低くなっています。

ただし、合格率の差には試験内容だけでなく、受検者層の違いも影響していると考えられます。FP協会は個人で申し込む受検者が中心であるのに対し、きんざいは勤務先の金融機関などによる団体受検も多いとされるためです。

3級の実技試験は、機関・科目による差はあるものの、基本的な内容をしっかり学習すれば合格を目指せる初心者レベルの試験です。

FP2級は中級レベル

FP協会の2級実技試験の合格率は、CBT方式に移行した2025年度以降、56〜70%程度で推移しています。

きんざいは科目による差が大きく、中小事業主資産相談業務が34.88%と低い一方、損保顧客資産相談業務は69.62%となっています。4科目全体では57.40%です。

2級は3級より実務的なスキルが問われ、計算問題や記述式の問題も増えるため、どちらの機関でも3級より合格率が下がります。専門的な知識の理解度が試される、中級レベルの試験といえるでしょう。

FP1級はプロフェッショナルレベル

1級実技試験の合格率は、FP協会が75.63%、きんざいが84.35%と、2級より高くなっています。

しかし、1級の実技試験が簡単というわけではありません。1級の実技試験を受けるには、1級学科試験の合格やCFP®認定など、厳しい受検資格を満たす必要があるためです。1級学科試験の合格率は1割前後と非常に低く、実技試験の受検者は高度な知識を持つ人に限られています。

FP1級は、FPのプロフェッショナルを目指す上級レベルの試験です。

受検資格の詳細は、各機関の公式サイトでご確認ください。

【参考】
日本FP協会「1級FP技能検定 試験要綱」
金融財政事情研究会「受検資格」 

試験全体の難易度や合格率の推移は、こちらの記事でも紹介しています。

【級別】FP実技試験の科目と出題内容

FP実技試験の科目は、FP協会ときんざいで異なります。級ごとに確認していきましょう。

FP3級の実技試験は3種類

試験実施機関試験科目
FP協会資産設計提案業務
きんざい個人資産相談業務
保険顧客資産相談業務

3科目とも、FPに必要な倫理観や関連法規を理解したうえで、顧客に応じたプランニングができるかが問われます。

資産設計提案業務(FP協会)

ライフプラン、保険、金融資産運用、税金、不動産、相続の6分野から幅広く出題される科目です。顧客情報を正しく把握し、キャッシュフロー表の読み取りなど、ファイナンシャル・プランニングのプロセス全体を理解しているかが問われます。

個人資産相談業務(きんざい)

個人顧客の資産相談を中心とした科目です。公的年金、金融資産運用、所得税、不動産、相続などの相談に、顧客の立場に立って答える力が求められます。

保険顧客資産相談業務(きんざい)

保険に関する相談を中心とした科目です。顧客の加入している保険や家族構成を把握し、必要保障額の計算や保険の見直し、保険と税金に関する相談に応じる力が求められます。

3級実技試験の出題傾向は、こちらの記事でくわしく解説しています。

FP2級の実技試験は5種類

FP2級の実技試験は全部で5種類です。

試験実施機関試験科目
FP協会資産設計提案業務
きんざい個人資産相談業務
中小事業主資産相談業務
生保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務

資産設計提案業務(FP協会)

3級と同様に6分野から幅広く出題されます。キャッシュフロー分析、個人バランスシートの分析、保障分析、税金の計算などを通じて、顧客の希望に沿ったプランを提案する力が求められます。

個人資産相談業務(きんざい)

個人顧客の資産相談が中心の科目です。顧客のライフプランに応じた提案を、計算による数字の裏付けをもって示すことが求められます。

中小事業主資産相談業務(きんざい)

中小企業の経営者を対象とした資産相談に関する科目です。法人税、役員退職金、自社株の評価、事業承継など、法人に関する専門的な知識が必要になります。

生保顧客資産相談業務(きんざい)

生命保険に関する相談を中心とした科目です。個人・法人の保険契約を把握したうえで、適切な保障の提案や、保険にかかわる税金の相談に応じる力が求められます。

損保顧客資産相談業務(きんざい)

損害保険に関する相談を中心とした科目です。自動車保険、火災保険、地震保険などの知識をもとに、個人・法人の顧客に適切な保険を提案する力が求められます。

2級実技試験の出題傾向は、こちらの記事でくわしく解説しています。

FP1級の実技試験は2種類

FP1級の実技試験は2種類です。

試験実施機関試験科目
FP協会資産設計提案業務
きんざい資産相談業務

各科目の試験のポイントは、以下のとおりです。

資産設計提案業務(FP協会)

顧客の生活設計上の希望を具体的な数値目標に落とし込み、資産状況の分析にもとづいてプランを作成・提示する力が求められます。論述問題も出題されます。

資産相談業務(きんざい)

顧客の保有資産や不動産の情報をもとに、資産運用、相続、事業承継などの相談に対応する口述試験です。適切で現実的な解決策を、顧客にわかりやすく説明する力が求められます。

【実施機関別】FP実技試験の問題数や形式、合格点

ここからはFP実技試験の問題数や形式、合格点について解説します。同じ級でも、実施機関によって問題数や形式、満点が異なります。

FP協会

FP協会で実施される実技試験の問題数や形式、合格点は下記のとおりです。

級問題形式問題数試験時間合格点
3級多肢選択式20問60分60点以上
(100点満点)
2級記述式
(数値・語句記入・語群選択など)
40問90分60点以上
(100点満点)
1級記述式
(択一・語群選択・空欄記入・論述)
2題
(20問)
120分60点以上
(100点満点)

2級の「記述式」は論述ではなく、数値や語句を入力・選択する形式です。論述が出題されるのは1級のみです。

きんざい

きんざいで実施される実技試験の問題数や形式、合格点は下記のとおりです。

級問題形式問題数試験時間合格点
3級多肢選択式5題
(15問)
60分30点以上
(50点満点)
2級記述式
(数値・語句記入・語群選択など)
5題
(15問)
90分30点以上
(50点満点)
1級口述試験2題1回12分程度120点以上
(200点満点)

きんざい1級の実技試験は、面接形式の口述試験です。異なる設例にもとづいて2回行われ、設例はそれぞれの試験開始の約15分前に渡されます。

FP協会ときんざいでは満点が異なりますが、どちらも6割以上の得点で合格です。

きんざいは問題数が少ない分、1問あたりの配点が大きくなります。1問のミスが合否に影響しやすい点は覚えておきましょう。

FP実技試験はどれを選ぶべき?職種別のおすすめ科目

ここからは、FP協会ときんざいのどちらを選ぶべきか、目的別に解説します。

迷ったらFP協会の「資産設計提案業務」

はじめてFPを受ける方や、どれを選ぶか迷っている方には、FP協会の「資産設計提案業務」がおすすめです。

理由は3つあります。1つ目は、6分野から満遍なく出題されるため、学科試験の勉強がそのまま実技対策になることです。2つ目は、ライフプランや住宅ローン、税金など、自分の生活になじみのあるテーマが多く、学習しやすいことです。3つ目は、3級・2級・1級のすべてで同じ科目を受検できるため、順を追ってステップアップしやすいことです。

出題範囲は広いものの、基本的な知識で解ける問題が中心で、合格率も高い水準で推移しています。

保険業界で働く方は、きんざいの保険系科目

保険会社や保険代理店で働いている方は、きんざいの「保険顧客資産相談業務」(3級)や「生保顧客資産相談業務」(2級)がおすすめです。

出題の中心が保険分野になるため、日ごろの業務知識を得点源にできます。学んだ内容をすぐに顧客対応へ生かせるのもメリットです。

銀行・証券・信用金庫で働く方は「個人資産相談業務」

金融機関で個人顧客の資産相談にかかわる方は、きんざいの「個人資産相談業務」が向いています。金融資産運用、年金、相続など、窓口や渉外の業務で相談を受けやすいテーマが中心です。

経営者や事業承継支援に関わる方は「中小事業主資産相談業務」

中小企業の経営者や、事業承継の支援にかかわる方には、2級の「中小事業主資産相談業務」が選択肢になります。ただし、法人税や自社株評価など専門性の高い内容が多く、合格率は30%台と低めです。十分な準備期間をとって臨みましょう。

なお、FP協会ときんざいの違いについては、こちらの記事でもくわしく比較しています。

CBT方式のFP実技試験で落ちないための対策法

3級・2級の実技試験は、CBT方式への移行によって対策のポイントが変わりました。ここでは、実技試験に落ちないための対策法を3つ紹介します。

過去問に頼りすぎず、良質な問題演習を積む

紙の試験の時代は、毎回の試験問題が公式サイトで公開されていたため、「過去問を繰り返し解く」ことが定番の勉強法でした。

しかしCBT方式では、受検者ごとに異なる問題が出題され、毎回の問題は公開されなくなりました。FP協会では、毎年5月下旬頃に1セット分の問題と解答が公表されています。

公式に公表される問題は限られているため、過去問だけに頼るのではなく、出題傾向を押さえた問題集や講座の演習問題で、幅広い論点に触れておくことが大切です。紙の試験時代の過去問も出題傾向の把握には役立ちますが、法改正で数値や制度が変わっている場合があるので注意しましょう。

【参考】
日本FP協会「試験問題・模範解答 」
金融財政事情研究会「試験問題」

パソコン画面で解く練習をしておく

CBT方式では、問題文や資料をパソコンの画面上で読み、解答を入力します。計算問題は画面上に表示される電卓機能を利用できます。紙の試験のように問題用紙へ直接書き込むこともできないため、画面の資料を読み取りながら、画面上の電卓とメモ用紙を使って計算を進めることになります。

とくに実技試験は、キャッシュフロー表や保険証券などの資料を読み取る問題や、計算問題が多く出題されます。手元の電卓に慣れている人ほど、マウスやキーボードで操作する画面上の電卓に戸惑い、紙で解くより時間がかかりがちです。普段から画面上で問題を解き、パソコンの電卓操作にも慣れておくと、本番でも落ち着いて取り組めます。

本番と同じ制限時間で時間配分を身につける

実技試験は、問題文が長いものや計算に時間がかかるものが多く出題されます。練習の段階から本番と同じ制限時間で解き、1問あたりにかけられる時間の感覚をつかんでおきましょう。

合格ラインは6割ですので、すべての問題に正解する必要はありません。難しい問題は後回しにして、確実に解ける問題から得点を積み重ねることがポイントです。

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FPの実技試験でよくある質問

FP実技試験はFP協会ときんざいのどちらが簡単?

合格率だけを見ると、3級はFP協会のほうが高い傾向にあります。ただし、合格率の差には受検者層の違いも影響しているため、一概に「FP協会のほうが簡単」とはいえません。

FP協会は出題範囲が広いものの基本的な問題が中心、きんざいは出題範囲が絞られている分、踏み込んだ内容が問われる傾向があります。両機関が公表している問題を実際に見比べて、解きやすいと感じたほうを選ぶのもおすすめです。

実技試験の合格点は何点?

FP協会は3級・2級・1級とも100点満点中60点以上、きんざいは3級・2級が50点満点中30点以上、1級が200点満点中120点以上で合格です。いずれも6割以上の得点が合格ラインになります。

学科試験と実技試験は同じ日に受検できる?

3級・2級は、学科試験と実技試験を同じ日に受検することも、別の日に受検することもできます。同じ日に受検する場合は、1つ目の試験の終了予定時刻から15分以上あけて、次の試験を予約することが推奨されています。

1級は学科試験に合格した方のみが実技試験を受検できるため、同じ日に受検することはできません。

学科試験と実技試験で、違う機関を選んでもいい?

学科試験と実技試験で、それぞれ異なる機関の試験を受検することは可能です。たとえば、学科試験をFP協会で、実技試験をきんざいで受検しても問題ありません。CBT方式では受検日時や会場を自由に選べるため、異なる機関の試験を同じ日に受検することもできます。

ただし、合格証書を受け取るには、機関ごとに所定の手続きが必要です。手続きの状況によっては、合格証書の発行が遅れる場合があります。

実技試験だけ落ちた場合はどうなる?

学科試験のみ合格して実技試験に落ちた場合は「一部合格」となり、次回以降の受検では学科試験が免除されます。免除を受けるには、受検申請の際に免除申請が必要です。

一部合格による免除には期限があり、合格した試験の実施日の属する年度の翌々年度末までとなっています。期限を過ぎると免除制度を利用できないので注意しましょう。

実技試験に不合格だった場合は、科目を変えて受け直すことも可能です。同じ科目で得点が伸び悩んでいる場合は、自分に合った科目を選び直すのも一つの方法です。

【参考】
日本FP協会「2級・3級FP技能検定 試験要綱」
金融財政事情研究会「試験の免除申請について」

CBT方式になって、実技の過去問はどこで手に入る?

FP協会では、毎年5月下旬頃に1セット分の問題と解答を公式サイトで公表しています。紙の試験時代の過去問も引き続き掲載されていますが、法改正で内容が古くなっている場合があります。きんざいの公表状況は、公式サイトの「試験問題」ページでご確認ください。

公表される問題は限られているため、最新の法改正に対応した問題集や講座の演習問題を活用するのが効率的です。

まとめ:自分に合ったFP実技試験を選んで、合格を目指そう

FPの実技試験について解説しました。本記事のポイントは以下のとおりです。

  • FP試験は学科と実技の両方に合格する必要があり、実技ではFPとしての相談業務を想定した問題が出題される
  • 実技試験の科目はFP協会ときんざいで異なり、3級は3種類、2級は5種類、1級は2種類
  • 合格ラインはすべての実技試験で6割以上。口述試験があるのはきんざいの1級のみ
  • 迷ったらFP協会の「資産設計提案業務」、業務に生かしたいならきんざいの科目がおすすめ
  • CBT方式では毎回の問題が公開されないため、過去問に頼りすぎず、画面上での問題演習と時間配分の練習が重要

どの実技試験に合格しても、取得できるFP技能士の資格は同じです。本記事を参考に自分に合った科目を選び、計画的に学習を進めていきましょう。

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