弁理士試験に合格するのに出身大学・学歴は関係ある?|スタディング

弁理士は、難易度が高い資格と言われています。実際、合格率は10%にも満たないことから、難関国家資格の1つと言えます。
そのため、「高学歴でないと弁理士試験には合格できない」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
では、本当のところ、弁理士試験に合格するには、出身大学や学歴が関係するのでしょうか、探ってみたいと思います。

弁理士試験の合格者は、難関大の出身者が多いと聞きますが、弁理士試験は、学歴が高くなければ合格できないって本当でしょうか?

弁理士試験の合格者の出身大学は、難関大学が多い傾向にありますが、偏差値の高い大学出身者でなかったとしても、弁理士試験に合格できる可能性は十分にありますので、気にしなくてもいいです。それよりも重要なことは、スキマ時間などを活用して勉強時間をなるべく確保し、いち早く問題演習に取り組むなど、正しい学習方法を取り入れ実践できるかどうかです。


弁理士/合格率ランキング

弁理士試験の合格者の出身大学はどこが多いのでしょうか。

令和元年度弁理士試験の最終合格者の統計によれば、合格率が高い上位10位までの大学は以下のようになっています。

令和元年度弁理士試験/合格率上位10校

順位

出身校

合格率

1位

京都大学

15.9

2位

慶應義塾大学

14.4

3位

東京工業大学

13.1

4位

大阪大学

12.6

5位

北海道大学

11.9

6位

名古屋大学

11.7

7位

東京大学

10.6

8位

東北大学

8.8

9位

早稲田大学

8.5

10位

東京理科大学

5.5


■偏差値が高い大学は合格率が高い

上記の表から、いわゆる偏差値の高い大学出身者の方が、合格率が高い傾向はあると考えられます。

特に旧帝大と言われる学校が、京都大学、大阪大学大阪大学、北海道大学、名古屋大学、東京大学、東北大学と上位10校のうち7校を占め、合格率が高いと言えます。

また、それ以外の大学についても、有名私大の出身者の合格率が高いことがわかります。

■論文式の選択科目は高学歴が有利

修士・博士もしくは専門職の学位を有している方は(免除を受けるためには、工業所有権審議会の審査を受け免除資格の認定を受ける必要はあります)、論文式試験の選択科目が免除になります。

免除ということは、論文式試験の選択科目を受験しなくても、合格扱いになるということです。

実際、弁理士試験の最終合格者のうち、約9割の方が論文式試験の選択科目の免除の適用を受けており、その中の約6割の方が修士・博士過程を卒業していることにより試験を免除されています。

このことから、論文式試験の選択科目においては、修士・博士もしくは専門職の学位を有している高学歴の方が、免除を受けられる分、有利になると言えます。

■出身大学は気にする必要はない

確かに、統計データを見ると偏差値が高い大学出身者の方が合格しやすい傾向があり、また、修士・博士もしくは専門職の学位を有している高学歴であれば、論文式試験の選択科目が免除されるなど、有利になることはあると言えるでしょう。

しかし、統計データには「その他大学」という項目があります。どの年度も、弁理士試験に合格している方の出身大学で最も多いのは「その他大学」です(下記の表をご参照ください)。

実際、令和元年度では、「その他大学」から43名が合格しており、上位校出身者でない方でも弁理士試験に合格しているのです

つまり、いわゆる偏差値の高い大学出身者でなかったとしても、弁理士試験に合格できる可能性は十分にあるのです。

重要なことは、偏差値の高い大学出身かどうかではなく、弁理士試験に合格するための正しい勉強法を知っていて、それを継続的に実践できたかどうかになります。

令和元年度弁理士試験/出身校別合格者数

順位

出身校

合格者数

-

その他大学

43

1位

京都大学

30

2位

東京大学

25

3位

東京工業大学

19

4位

大阪大学

18

5位

慶應義塾大学

16

6位

早稲田大学

12

7位

東北大学

11

8位

名古屋大学

9

9位

北海道大学

8

10位東京理科大学8


■正しい勉強方法とは?

正しい勉強方法の1つは、いち早く問題演習に入ることです。

弁理士試験は、試験範囲の知識さえ暗記できれば合格できるような単純な試験ではありません。弁理士試験で最も難しいのは、問題を解くこと、答案を書くことです。

したがって、いち早く問題演習を行い、知識以外の問題を解く、答案を書くためのスキル・ノウハウの習得を早く始めることが、早く合格する秘訣です。そのためには、知識のインプット学習はできる限り短期間に終わらせることが必要です。

また、学習単位を細かく区切り復習を何度も行うことで知識の定着を効果的に行っています。

短期で合格する方は、知識が十分に身についていなくても、問題演習中心の学習に早く移行します。そして、問題を解きながら、何が問われ、解けるために必要な知識は何で、知識の応用で解くにはどう考えればよいかを確認しながら、同時に知識のインプットを行っています。

働きながらであっても、スキマ時間をとことん活用するなどして時間を確保し、このような正しい勉強方法を知って学習に臨めば、偏差値の高い大学出身者ではない、学歴に自信がないという方でも、弁理士試験に挑戦してみる価値は十分にあると言えます。

弁理士試験の試験ごとの勉強法

弁理士試験には、短答式試験、論文式試験、口述試験の3つがあります。

ここでは、3つの試験のそれぞれの概略と勉強法を見ていきます。

■短答式試験

短答式試験は、五肢択一のマークシート式で、全60問7科目(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、条約、著作権法、不正競争防止法)3時間30分で解く試験です。

合格基準は満点の65%の得点とされていますが、科目別にも合格基準があり、1科目でも40%を下回ると不合格となります。

短答式試験で問われるのは、法律・条約の条文を理解しているか、具体的な事例において法的な判断が適切に行えるか、判例を理解しているかになります。

・条文・判例を理解する

はじめに行うべきことは、条文・判例を理解することです。

条文・判例は、丸暗記する必要はありませんが、ある程度の内容は覚えておく必要があります。各制度の手続きの流れを意識しながら、重要な条文や判例について、知識を整理していきましょう。

ただ、弁理士試験は難易度も高く、出題範囲が広いため、短期間で効率よく学習したい方は、受験予備校の講義を聴いたりするのがおすすめです。

・過去問の活用

条文・判例を学びながら、知識が十分に身についていなくても、同時に該当箇所の過去問を解きましょう。

なぜなら、短答式試験では、過去に出題された問題が繰り返し出題されることも多く、過去問を利用することはとても重要だからです。

また、問題を解きながら、何が問われ、解けるために必要な知識は何で、知識の応用で解くにはどう考えればよいかを確認しながら、インプットを行った方が効率的と言えるからです。

最初は解けなくて当たり前と思って、問題と解答を読むだけでも大丈夫です。できれば10年分、少なくとも5年分を、解けない問題を減らすように繰り返し解きましょう。

・バランスよく学習する

主要四科目と呼ばれている特許・実用新案法、意匠法、商標法については、出題割合が約6~7割となっていることから、これらの科目を重視して学習しましょう。

ただ、短答式試験は、各科目に合格基準が定めらており、科目ごとに一定の点数が取れないと不合格となってしまいますので、他の条約、著作権法、不正競争防止法といった科目についても対策をする必要があり、バランスよく学習する必要があります。

■論文式試験

短答式試験に合格すると、論文式試験に進むことができます。論文式試験は、工業所有権に関する法令についての知識を問う【必須科目】と、技術や法律に関する知識を問う【選択科目】の2つがあります。

【必須科目】は、特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目から出題され、合格基準は54点です。ただし、47点以下の科目が1つでもあると不合格となります。

【選択科目】は、出願時点で理工I(機械・応用力学)、理工II(数学・物理)、理工III(化学)、理工IV(生物)、理工V(情報)、法律(弁理士の業務に関する法律)の中から1つ選択して、受験することになります。60%が合格基準とされています。

論文式試験(必須科目)で問われるのは、具体的な事例において、妥当な結論と、結論に至る過程(考え方)を論理的に記述できるか、法律の趣旨・解釈を論理的に説明できるかになります。

したがって、短答式試験で身に付けた知識をベースに、短時間で論理的な文章を書けるようにするトレーニングが必要になります。

・パターン学習

論文式試験では複数の採点者が採点を行うため、受験者の採点に不平等が生じないように、共通の採点基準を設けています。つまり、何を書けば得点につながるのかが予め設定してあるという事です。

何度も論文式試験に挑戦している受験生が陥ってしまうミスは、自分のもっている知識とその場の判断力と法的思考力のみで論文を書いてしまう事です。それだけで勝負してしまっては、それぞれの力を大きく伸ばさなければ合格点に到達できません。

知識をパターンに分けて整理しておき、その上で判断力や法的思考力を使って論文を解くことで、短期間で論文式試験の合格レベルに達することができます。

・「15の出題パターン」とは

~特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3つの分野に共通する15の出題パターン~

論文式試験の問題は、概ね15のパターンに分けることができ、そのパターンに応じた答案の書き方があります。パターンに応じた書き方を身に付けることで、過去に出題された問題のほぼ全てについて、論文の解き方、答案の書き方、学習法を理解することができ、論理的な文章をスピーティーに書けるようになります。

15の出題パターンを確実に身につけることで、出題者が答えてほしいことは一体何なのかを正確に捉え、問われている問題にストレートに解答できるようになります。

弁理士試験論文式試験対策「15の出題パターン」の詳細はこちら

■口述式試験

論文式試験の合格者に対して、工業所有権に関する法令(特許・実用新案法、意匠法、商標法)に関する試験を面接方式で行います。

口述試験では、条文、趣旨、判例、事例に関する問題が出題されます。

出題内容は、既に短答・論文で学習しているものですので、口述試験のためだけの必須知識というものはありません。

ただ、これまでの短答・論文試験のように書面に書く試験とは違い、試験委員との会話によって回答する試験ですので、試験委員と適切なコミュニケーションが取れるかも試されます。

・口頭試問の練習

短答・論文の学習を十分に行っている受験生でも「口頭試問」となると、相手との会話によるスタイルに慣れていなかったり、現場独自の緊張感などから、苦戦する場合が多くあります。

対策としては、短答・論文で学習した内容を復習しながら、「問題を耳で聞いて理解し、短時間で解答を考え、口頭で答える」という練習が必須になります。

まとめ

弁理士試験の合格者の出身大学は難関大学が多い傾向にありますが、偏差値の高い大学出身者でなかったとしても、弁理士試験に合格できる可能性は十分にありますので気にしなくてもいいです。

それよりも重要なことは、スキマ時間などを活用して勉強時間をなるべく確保し、いち早く問題演習に取り組むなど、正しい学習方法を取り入れることができるかどうかです。ぜひ、弁理士試験にチャレンジしてみてください。

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