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弁理士が理系最高峰の資格と言われるのはなぜ?3つの理由

弁理士の独占業務とは?代表的な5つの仕事内容を解説


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弁理士が理系最高峰といわれるワケとは?

弁理士はしばしば「理系最高峰」と称されることのある国家資格ですが、その理由はいくつか挙げられます。

代表的な理由について詳しく解説しながら、弁理士がなぜ理系最高峰の資格と言われるのかについて見ていきましょう。

  • 国家資格のなかでも難易度が高い
  • 合格者は理系が約8割
  • 理工系の知識が必要なことが多い

国家資格のなかでも難易度が高い

弁理士は数ある国家資格の中でも非常に難易度の高い試験に位置づけられます。

弁理士の試験は「短答式」「論述式」「口述式」の3つに分かれており、全ての試験に合格しなければ弁理士の資格を手にすることはできません。

3つ全ての試験を通過し、最終的な合格を勝ち取れるのは受験者全体の6〜10%。狭き門の資格であることがわかります。

合格のために必要な学習時間は3000時間ほどと言われており、膨大な学習を積み重ねる根気を求められる試験です。

実際、多くの受験者が3〜4回程度の受験で合格を目指すほど、長期間をかけて挑む試験です。

同様の難関資格と比較したとき、例えば弁護士は主に文系で最難関といわれる専門領域を扱う資格であり、理系領域の国家資格としては弁理士が最高峰であると言われることも不思議ではありません。

合格者は理系が約8割

実施年 理工系 法文系 その他
令和5年 76.1% 18.6% 5.3%
令和4年 76.7% 15.0% 8.3%
令和3年 76.4% 18.6% 5.0%
令和2年 79.4% 15.3% 5.2%
令和元年 78.2% 17.3% 4.6%
平成30年 82.3% 12.7% 5.0%

上記の表からわかるように、弁理士試験の合格者は約8割が理系出身者です。

最難関にカテゴライズされる国家資格の中でこれだけ理系の比率が高いのは弁理士試験の大きな特徴であり「理系最高峰」と呼ばれる理由がよくわかります。

さらに理系の中でも「理工系」の出身者が大多数を占めていることが特徴的です。

これらの分野を専攻していることは受験においてもアドバンテージを取りやすいため、合格率も高いことが推測できます。

理工系の知識が必要なことが多い

弁理士の主要業務の一つに、特許関連の事務手続きが挙げられます。

特許を正確に扱い、権利を守るためには対象となる研究・発明の内容を正確に理解することが必須。

そのためにはソフトウェア、バイオ、電気工学といった理工系の前提知識があると非常に有利です。

時には、世界を変えるような発明を権利の関係から守るのは弁理士の花形業務の一つ。

そこに理系の知識が十二分に生きてくることも、弁理士が「理系最高峰」の資格と呼ばれる理由の一つでしょう。

弁理士の仕事内容は、理系と文系でどう違う?

弁理士の仕事内容は理系出身者と文系出身者で異なるのでしょうか?

結論としては、理系と文系では得意とする業務領域が異なる傾向にあります。

結果的に専門的に取り組む分野の選択においては理系出身・文系出身で傾向が分かれます。それぞれの得意とする領域について解説します。

  • 特許関係が多い、理系の弁理士
  • 意匠・商標関係が多い、文系の弁理士

特許関係が多い、理系の弁理士

理系出身の弁理士は特許関係を得意領域とすることが多いです。

特許とは、度重なる研究の成果である発明に関する権利。

発明の権利を的確に守るためには、その内容を正確に理解する深い前提知識が求められます。

そのため、大学や大学院で特定の分野を深く研究してきた経験を持つ理系の弁理士の方が親和性が高い面があるのでしょう。

「研究の成果を守りたい」という想いを学生時代の経験から根底的に持っていることも要因として挙げられるかもしれません。

意匠・商標関係が多い、文系の弁理士

一方で、文系出身の弁理士が得意領域とすることが多いのは、デザインやブランドなど意匠・商標関係の分野。

これらの権利に関する問題を扱うにあたっては、基本的には特許関連のような高度な理系の知識は必要としません。

一方で、複雑な法的問題を扱う必要がある点や、ビジネスの問題も絡んでくる面があります。

そのため、法律やビジネスに関する知見に深い文系の弁理士が得意領域としやすい分野であると言えるでしょう。

理系出身者が弁理士になるメリット・デメリットとは

理系出身者が弁理士を目指すにあたっては試験に合格するにも、その後の業務を行うにも有利な点、不利な点がそれぞれ存在します。

理系出身者が弁理士になるメリットおよびデメリット・注意点について、代表的なポイントをそれぞれ見ていきましょう。

  • 理系出身者が弁理士になるメリット
  • 理系出身者が弁理士になるデメリット(注意点)

理系出身者が弁理士になるメリット

▼試験が一部免除される

特定の理系の学位を所持していることで、弁理士試験の二次試験にあたる論文試験の「選択科目」が免除されます。

具体的には修士、または博士の学位を有し、学位授与に係る論文の審査に合格した場合。

または、専門職大学院が修了要件として定める一定の単位を修得し、かつ、当該専門職大学院が修了要件として定める論文(前記単位には含まない)の審査に合格した場合も、論文試験の選択科目の免除を受けることができます。

もしくは、以下に挙げる資格を保有している場合にも同様に論文試験の選択科目の免除を受けられます。

一部文系資格も含まれますが、多くが理系の知識を前提とする資格です。

  • 技術士
  • 一級建築士
  • 第一種電気主任技術者
  • 第二種電気主任技術者
  • 薬剤師
  • 情報処理技術者
  • 電気通信主任技術者
  • 司法試験合格者
  • 司法書士
  • 行政書士


理系の知識を活かせる

理系の知識は試験においても、合格後の業務においても大いに活用できます。

例えば論文試験の選択科目。仮に学位で免除を受ける条件を満たしていなくとも、そもそも選択できる科目は理系の方が多いため、選択の幅において有利と言えるでしょう。

合格後、実際に弁理士として業務につくにあたっても、特許関連の業務を行うには研究・発明の内容を正確に理解する必要があるため、理系関連の知識が必須です。

大学・大学院などで理系の研究を重ねていることは特許関連業務を行うにあたっての基礎知識を持っているという意味で、スタートダッシュで有利と言えるでしょう。

試験で有利なだけでなく、業務においても学んできたことが活かせるのは理系の大きなアドバンテージと言えます。

理系出身者が弁理士になるデメリット(注意点)

法律の分野はカバーが必要

弁理士の仕事には技術関連などの理系知識に加えて、深く広い法律の知識が求められます。

理系出身者が大学で法律について専門的に学んでいることは稀であるため、一から学ぶ必要がある方も多いでしょう。

法律分野の学習は理系科目の学習とは根本的に方法が異なる部分もあるため、中には法律の勉強にハードルの高さを感じる方もいるかもしれません。

しかし、弁理士として現場で活躍するためには壁を乗り越え、法律知識を高い水準で身につける必要があるのです。

最新情報の勉強は必須

弁理士として活躍し続けるには、常に最新の技術情報・知識についてアップデートし続ける必要があります。

そういった意味では理系出身者が有利なのはスタート地点に限った話ともいえるでしょう。

技術は常に進化し続けるため、特許を扱うにあたっても常にその進化を追い続け、対応し続けなければなりません。

特定の企業に勤務するのであればその会社の技術や周辺分野の技術を誰よりも早く、深く知っていく必要があります。

特許事務所で働くのであれば、様々なクライアントの専門分野について常に広い視野を持ってアンテナを張り続けることが求められます。

最初は知識に差があっても、常に最新技術への知識をアップデートし続ける中で文系・理系の差は徐々に薄れていきます。

理系と文系の弁理士で年収は変わる?

理系出身の弁理士と文系出身の弁理士で平均年収に差はありません。弁理士の収入を分ける要素は出自よりも、どう働くかの方が重要と言えるでしょう。

弁理士の働き方としては主に以下のような働き方があります。

  1. 企業内弁理士
  2. 特許事務所勤務
  3. 独立(事務所経営)

弁理士は平均年収が700万円を超える、高収入の仕事です。

企業内弁理士もしくは特許事務所勤務の場合は給与として毎月一定の収入が受け取れるため、収入が高いだけでなく安定していることもメリットと言えるでしょう。

一方で経験を積み独立した場合、さらに高い収入を目指すこともできます。

独立すると安定収入は約束されづらい一方、頑張った分だけ収入を拡大できる側面もあるでしょう。人を雇用し、大規模な経営を志すことも夢ではありません。

弁理士を目指す人の特徴

弁理士を目指す人の特徴は、好奇心と継続的な学習意欲を持つ人と言えるでしょう。

特許に関わる技術は常に進化し続けます。弁理士として業界の最先端で活躍し続けるには高度、かつ、さまざまな分野の最新情報を自主的に学びアップデートし続ける姿勢が欠かせないのです。

そのためには、あらゆる技術に対する知的好奇心や、最新のトレンドに追い付くための学習意欲が必須と言えるでしょう。

好奇心と学習意欲の高い人にとっては弁理士は非常にやりがいのある仕事であるともいえます。

弁理士試験に合格するために必要なこと

弁理士試験に合格するためには、学習計画をたて、継続的に努力していく姿勢が欠かせません。

弁理士は合格するまでに約3,000時間が必要と言われるほどの難関資格。

膨大な量の学習をこなすためには、何年での合格を目指すのかを決め目標に向けて学習できるよう綿密な計画を立てることが求められます。

日常生活が忙しい中、地道に長期間学習を続けるのは容易なことではないため、忍耐力・継続力も求められるでしょう。

加えて重要なのがスキマ時間の活用。

仕事などと両立する場合、まとまった学習時間の確保や継続はなかなか難しいものがあります。

そのため、早朝、通勤時間、お昼休み、移動中、トイレ休憩時などのスキマ時間を活用して、少しずつ着実に学習を進めていくといった戦略も非常に重要です。

まとめ

弁理士が理系最高峰と言われる理由についてまとめると以下のようになります。

  • 弁理士は、最難関とされる国家資格の中でも理系合格者が多い
  • 試験や実務の中で理系の知識が必要となる場面が多い
  • 特に特許関連業務は理系出身弁理士が多く活躍している
  • 理系が弁理士になるには、法律の勉強のキャッチアップが必要
  • 理系文系を問わず、弁理士は平均的に高収入な職業

弁理士は最難関に分類される国家資格の中で、理系の合格者が圧倒的に多い資格です。

理系の知識を試験や業務に活かせるだけでなく、収入ややりがいの面でも目指すメリットが大きいと言えます。

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