先使用権、共同出願、先願、移転登録、冒認出願

特許出願は、共同出願によってなされるときもあれば、冒認出願によって権利承継に値しない人物が権利化してしまうケースもある……。特許・知財にまつわるさまざまな用語を解説する「弁理士用語シリーズ」第2弾は、「先使用権」「共同出願」「先願」「移転登録」「冒認出願」の5つをご紹介します。

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弁理士の職務上使用される「先使用権」「共同出願」「専願」などの用語について教えて下さい。
先使用権とは、特許を認められた発明に関して、特許の権利を認められる者でなくても、他人が出願する以前より同様の発明・アイデアを持ち、実際に事業化またはそれに向け準備をした者に対し、例外的に認められる使用権です。

先使用権

先使用権とは、特許を認められた発明に関して、特許の権利を認められる者でなくても、他人が出願する以前より同様の発明・アイデアを持ち、実際に事業化またはそれに向け準備をした者に対し、例外的に認められる使用権をいいます。先使用権の取得が認められる要件は以下のふたつです。

  • その発明が出願者と関係なく独立したものである
  • 他人による出願時点で事業化または事業家の準備に着手していた

特許の発明は、最初に出願した者が第一人者とは限りません。事業の性質上、自社で開発した技術を秘匿するケースもあり、その間、競合他社による同一技術の開発・特許申請が進むこともあり得ます。そのような場合でも、当該技術の先使用がこの権利によって認められます。

共同出願

共同出願とは、ふたり以上の者が共同で特許を出願することです。出願人は個人・法人どちらでもよく、ひとりである必要もありません。共同開発者が10人いれば、10人での共同出願も可能です。

共同出願になるケースとして、共同開発した場合、または出資者がいる場合などが挙げられます。また、最初ひとりで出願し、新たに出願人を付け加えて共同出願にする事例も見られます。

共同出願した場合の権利範囲ですが、特許法第73条第2項で「特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施ができる」と規定されています。つまり、特許の使用権利について契約であらかじめ定めない限りは、自由裁量で発明の実施ができるわけです。

先願

先願とは、同様の特許出願が複数あった場合、先に出願されたものをいいます。排他性が強く、独占的な性質を帯びる特許権の基本スタンスは、「同一の権利をふたつ以上発生させない」(ダブルパテントの排除)です。そのため、同様の発明に対して複数人による特許出願があった場合、その特許はもっとも先に出願した者に付与する先願主義が基本原則となります。(特許法第39条)

移転登録

特許権や商標権の譲渡に必要な手続きが、移転登録です。手続きに必要な書類は移転登録申請書、譲渡証書、委任状など。株主総会の議事録や登記事項証明書が必要なケースもあります。

不要になった特許権は譲渡も放棄も可能です(パテントリストラ)。他人に特許を譲渡したほうが自社ライセンスで活用するより利益が見込めると判断される場合、その権利が売却されるケースも少なくありません。その際は移転登録して権利関係を移行させます。

冒認出願

冒認出願とは、本来出願する権利のない者が特許権や商標権、意匠権などを出願し、権利を取得してしまうことです。出願されたものを審査する特許庁の審査官は、特許条件を満たすかどうかの判定を行うものの、出願人の権利の正当性までを識別するのは困難です。そのため、冒認出願によって間違ったまま権利化される可能性も否定できません。

仮に審査で冒認出願が判明した場合、その時点で拒絶されます。また審査官の目をすり抜けて権利化を許してしまっても、正当なる権利者によって無効審判が請求され、その事実が明らかになれば、冒認出願を無効にできることになっています。

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