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弁理士資格試験の試験科目と合格基準、資格維持にかかる費用

弁理士試験に出題される試験科目、出題数、合格基準などについて教えてください?

弁理士試験に合格するために短答式筆記試験、論文式筆記試験、口述試験に合格しなければなりません。それそれに課される試験科目は異なります。また、論文試験は必須科目と選択科目があります。合格基準は短答式試験が65%で、近年は39点で一定です。論文式試験では、各科目の得点の平均が54点以上が基準になります。詳細は以下の記事を参照してください


短答式試験

短答式筆記試験は、全問マークシート方式で実施されます。試験時間は3時間30分です。

試験科目 出題数
特許に関する法令 17題
実用新案に関する法令 3題
意匠に関する法令 10題
商標に関する法令 10題
工業所有権に関する条約 10題
著作権法 5題
不正競争防止法 5題
ちなみに、以下に該当する方は短答式筆記試験が一部もしくはすべて免除されます。

・前年、前々年度の短答式筆記試験合格者

・工業所有権に関する科目の単位を修得し大学院を修了、かつ工業所有権審議会の認定を受けた方

・特許庁において審判または審査の事務に5年以上従事した方

論文式筆記試験(必須)

論文式筆記試験は、短答式筆記試験の合格者のみ受験できます。


弁理士資格維持に要する費用

弁理士はじめ、弁護士や司法書士、行政書士、社会保険労務士などの士業には、各士業が所属する団体が存在します。分かりやすい例をいうと、全国の弁護士に登録が義務付けられる日本弁護士連合会(日弁連)がそれです。弁理士の世界でも、日本弁理士会という互助組織に加盟、会員になることで正規の活動が認められます。

弁理士会に登録する費用としてかかるのが、登録免許税と登録手数料です。登録免許税に60,000円、登録手数料に35,800円かかります。さらに、月額15,000円の会費が発生。つまり、会員登録した最初の一年でいきなり10万円以上の支払いが求められるのです。

登録にかかる費用のほかにも、実務研修のための費用として11万8000円が必要です。言うまでもなく、この段階はまだ弁理士として実収入を得ることはできません。弁理士として活動するための手続きだけで、これだけ多くの費用負担を課せられるのです。

ただし、これらの費用を自己負担せずに済むケースもあります。企業内弁理士として活動する場合です。雇用先の企業によっては、会社が登録料や会費、研修費を負担してくれるところもあります。ただし、すべての企業が会社負担にしてくれるとは限らないため、契約内容については会社に直接確認しましょう。


独立開業タイプはさらに維持費がかかる

組織に属さず、自ら開業する独立系弁理士であれば、登録料も会費も研修費用も自己負担です。そのうえ、オフィス賃料やもろもろの経費負担も発生します。公的機関や銀行、信用金庫などの事業ローンを活用すれば、毎月一定額の返済も強いられます。

独立開業タイプの場合、もっとも負担が大きい固定費は賃料でしょう。毎月の賃料がどれくらいかかるかは、立地条件、建物のグレード、部屋の広さなどで異なります。独立を目指す方は、開業一年目の収入と支出がどれくらいになるかシミュレーションしたうえで物件を選ぶことが大切です。

独立を目指すにしても、まずは実務経験を積んでからスタートしてもよいかもしれません。弁理士事務所の中には見習い事務員を雇用するところもあり、雇用されれば実務経験を磨くチャンスです。なお、事務員として働くだけなら無資格者でも問題ありません。試験勉強中から求人募集を出している事務所を探すのもよいでしょう。


まとめ

弁理士を目指すからには、試験勉強にかかる費用と、合格後の資格維持費について、どの程度必要か把握しておきたいものです。合格のためだけでも、スクール費用、テキスト代、模擬試験費用など、避けては通れない負担があります。合格後は、日本弁理士会へ登録するための手数料、毎年支払う会費、登録免許税などに関するチェックも欠かせません。試験勉強に励みつつ、費用に関する情報もしっかり押さえておきましょう。

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