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弁理士資格試験の合格者データ分析|年齢・卒業学部・性別・職業別分析と学習法についての考察

弁理士試験の合格者の年齢層は?性別・職業などから見る弁理士試験の合格者についてご紹介します。

弁理士試験の合格者はどのくらいの年齢の方が多いのでしょうか?
弁理士試験データを見てみると、20~30代が合格者の中心であることが分かります。職業属性は会社員、特許事務所勤務者が多い傾向。こちらでは、弁理士試験合格者にまつわるさまざまなデータをご紹介します。

令和6年度(2024年度)弁理士試験合格者データから見えること

令和6年度(2024年度)弁理士試験の志願者数は3,502人

このうち191人が合格合格率6.0%という結果でした。

【合格者年齢】

年齢
人数
割合
10代
0人 0%
20代
60人
31.4%
30代
83人
43.5%
40代
39人
20.4%
50代
7人
3.7%
60代
2人
1.0%
70代
0人 0.0
80代
0人 0.0%

合格者の最年少は20歳、最年長は60歳でした。

【男女の割合】

男性:68.1%

女性:31.9%

【職業割合】

職種
人数
割合
会社員
 89人   46.6% 
特許事務所
63人
33.0%
公務員
16人
8.4%
教員
1人
0.5%
法律事務所
3人
1.6%
学生
6人
3.1%
自営業
1人 0.5%
無職
8人
4.2%
その他
4人
2.1%

■30代理系学部出身者が多い

弁理士試験を受験・合格する人の多くは、働き盛りの30代・40代です。
令和6年度試験合格者の職業は会社員がもっとも多く、次に多いのが特許事務所に勤務する弁理士志望者です。
特許事務所といっても民間団体ですので、会社員と同じく勤め人である面は変わりありません。

理系出身の合格者が圧倒的に多いのも、弁理士試験に見られる特徴です。
令6年度試験の出身校系統別合格者割合は、理工系が81.7%。文系は14.1%にとどまります。
弁理士試験は、理系出身者に大変人気の高い試験であることが分かります。

弁理士試験の試験科目は、特許法や意匠法など法律関係がメインです。
にもかかわらずなぜ理系出身の受験者がなぜ多いのかといえば、特許出願には技術分野の知識が必要不可欠だからです。
工業、鉱業、農業、バイオテクノロジーなどの分野における革新的・技術的な発明を精査するには、理系の素養が大きな武器になります。

とはいえ、弁理士の活動領域は理系出身者の独壇場ではありません。
たとえば意匠登録や著作権の登録、知財コンサルティングなど、技術以外の知識でカバーできる分野もあります。
また、外国での特許出願登録では、英語スキルが重要視されるため、英語が話せる方は差別化を図れます。

特許業務の性質上、理系の知識を生かせる分野であるのは確かですが、文系出身者でも自分の強みや専門分野を生かすとこで、活躍する道はあるといえるでしょう。

■年齢の違いによる受験のメリット・デメリットはある?

下は10代から上は80代までが受験する弁理士試験。
データだけを見ると、合格者は30~40代に集中しています。
ハードな試験勉強を乗り越えた先に合格が見える国家試験は、体力や気力、集中力、記憶力が問われます。
試験勉強をはじめるなら、できるだけ若いときに、まだ記憶力も暗記力もしっかりしている年頃にスタートさせるほうが有利なのは間違いありません。

令和6年度試験の受験回数内訳を見ると、初回チャレンジで合格した方は29名で全体の15.2%
1~5回受験を重ねて合格した方は148人(77.5%)
6~10回の方は11名(5.8%)11回~15回の方は3名(1.6%)という結果です。
85%近くの方が複数回の受験で弁理士資格を取得している実態を考えると、試験勉強のスタート時期を安易に考えるわけにはいかないでしょう。

合格まで時間がかかればかかるほど、弁理士としての活動のスタートも遅れます。
初受験の年が40歳で、5回目のチャレンジで合格したとすれば弁理士登録できるのは45歳。
遅咲きの合格では、活動時期が短くなる可能性はデメリットと呼べるかもしれません。

では、壮年受験にメリットはないのでしょうか?

それはどのような弁理士を目指すかのビジョンによるでしょう。

弁理士活動のパターンは大きく分けてふたつ。
特許事務所を開業する方法と、企業や研究所に所属しながら特許部門のエキスパートとして活動する方法です。

組織に属しつつ、弁理士資格を武器に活動するタイプなら、資格の取得がキャリアアップとなります。

それまでの実務経験も大いに生かされるでしょう。

■学習スタイルの選び方は、年齢・職業で変わる?

これから弁理士試験の受験勉強をはじめる方には、自分に合う学習スタイルを選んで欲しいものです。

弁理士試験は最難関の国家試験のひとつだけに、学習方法の選択は慎重に行い、学習プランも緻密に練り上げることが重要といえます。

学習方法には、「通学」「通信」「独学」の3つがあります。

これらから選ぶ場合、年齢や職業経験などによっても異なります。

なぜなら、特許や意匠に関する業務を担当している場合、全ての講座を受講する必要がないかもしれませんし、会社の業務が忙しければ、通学で受講するというのはなかなか難しいところがあります。
その他暗記力や記憶力も非常に重要となるため、年齢なども考慮してどの形態の学習が最適か検討されると良いでしょう。

特許や意匠に関する業務にまったく携わったことのない初学者がいきなり弁理士試験の学習をはじめる場合は、まず知的財産についてどのようなつくりになっているか学習を始めた方が理解しやすいかもしれません。

年齢や職業経験も踏まえ、学習プランを練り上げていきましょう

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