基本情報技術者試験の合格率ってどれぐらいなんですか? | |
試験制度が変更された、令和5年度の基本情報技術者試験の合格率は、平均47.1%となっています。 |
基本情報技術者試験合格基準
基本情報技術者の合格基準は以下の通りです。2023年4月から試験制度と共に合格基準も変更となりました。
令和5年(2023年)4月試験から | 科目A・科目B試験ともに1,000点満点中600点以上の得点 IRT方式(Item Response Theory:項目反応理論) <IRT方式とは?> IRT方式を用いることで、異なるテスト間でスコアを比較することもでき、また、複数回実施・常時受験が可能となります。 |
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令和4年(2022年)下期試験まで | 午前試験・午後試験ともに100点満点中60点以上の得点 素点方式での採点午前試験 配点:各1.25点 午後試験 |
試験制度の変更内容については、下記の記事にまとめております。
受験予定の方は、是非ご確認ください。
基本情報技術者試験 変更内容について |
令和5年度の基本情報技術者試験の合格率は平均47.1%
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
4月実施試験 | 10,513人 | 5,928人 | 56.4% |
5月実施試験 | 9,724人 | 5,322人 | 54.7% |
6月実施試験 | 9,141人 | 4,802人 | 52.5% |
7月実施試験 | 9,506人 | 4,712人 | 49.6% |
8月実施試験 | 7,812人 | 3,779人 | 48.4% |
9月実施試験 | 9,523人 | 4,542人 | 47.7% |
10月実施試験 | 12,361人 | 5,235人 | 42.4% |
11月実施試験 | 9,974人 | 4,472人 | 44.8% |
12月実施試験 | 10,919人 | 4,556人 | 41.7% |
1月実施試験 | 8,526人 | 3,737人 | 43.8% |
2月実施試験 | 9,801人 | 4,390人 | 44.8% |
3月実施試験 | 13,811人 | 5,803人 | 42.0% |
令和5年度合計 | 121,611人 | 57,278人 | 47.1% |
新試験制度に変わった昨年の年間の結果は上記の通りとなります。
4-6月は50%を超える高い合格率となっていましたが、回を重ねるごとに40%前半の数値へと落ち着き始めました。
なお、下の図は、平成21年~令和4年度下期にかけての受講者数・合格者数・合格率を示したものです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年春期 | 64,544人 | 17,685人 | 27.4% |
平成21年秋期※1 | 79,829人 | 28,270人 | 35.4% |
平成22年春期 | 65,407人 | 14,489人 | 22.2% |
平成22年秋期 | 73,242人 | 17,129人 | 23.4% |
平成23年特別※2 | 58,993人 | 14,579人 | 24.7% |
平成23年秋期 | 59,505人 | 15,569人 | 26.2% |
平成24年春期 | 52,582人 | 12,437人 | 23.7% |
平成24年秋期 | 58,905人 | 15,987人 | 27.1% |
平成25年春期 | 46,416人 | 10,674人 | 23.0% |
平成25年秋期 | 55,426人 | 12,274人 | 22.1% |
平成26年春期 | 46,005人 | 11,003人 | 23.9% |
平成26年秋期 | 54,874人 | 12,950人 | 23.6% |
平成27年春期 | 46,874人 | 12,174人 | 26.0% |
平成27年秋期 | 54,347人 | 13,935人 | 25.6% |
平成28年春期 | 44,184人 | 13,418人 | 30.4% |
平成28年秋期 | 55,815人 | 13,173人 | 23.6% |
平成29年春期 | 48,875人 | 10,975人 | 22.5% |
平成29年秋期 | 56,377人 | 12,313人 | 21.8% |
平成30年春期 | 51,377人 | 14,829人 | 28.9% |
平成30年秋期 | 60,004人 | 13,723人 | 22.9% |
平成31年春期 | 54,686人 | 12,155人 | 22.2% |
令和元年秋期 | 66,870人 | 19,069人 | 28.5% |
令和2年度10月※3 | 52,993人 | 25,499人 | 48.1% |
令和3年度上期(5月実施) | 6,871人 | 3,435人 | 49.9% |
令和3年度上期(6月実施) | 25,637人 | 10,087人 | 39.3% |
令和3年度下期(10月実施) | 8,981人 | 4,134人 | 46.0% |
令和3年度下期(11月実施) | 43,850人 | 17,033人 | 38.8% |
令和4年度上期(4月実施) | 8,449人 | 3,816人 | 45.1% |
令和4年度上期(5月実施) | 37,574人 | 14,399人 | 38.3% |
令和4年度下期(10月実施) | 9,882人 | 3,861人 | 39.0% |
令和4年度下期(11月実施) | 45,618人 | 15,919人 | 34.8% |
※1 平成21年度秋期では午後試験に出題ミスがあり、受験者全員に加点措置が行われたため高い合格率となっています。
※2 平成23年度の春期試験は4月ではなく、7月開催となりました。
※3 令和2年度試験より、CBT方式の試験を実施しています。
基本情報技術者試験の年間の平均受験者数は、約12万人前後です。令和5年度の合格率は約47%となっています。情報処理技術者試験のレベル1であるITパスポート試験の約50%前後の合格率と比べると、試験制度変更後は近しい合格率のように思えますが、ITパスポートにはない「科目B試験」の壁に阻まれる受験生も少なくありません。
基本情報技術者の合格率は、ペーパー方式で実施されていた時期は20%台、CBT方式で上期/下期に実施されていた時期は40%台となっています。
過去の試験制度よりも問題数が減った分、学習内容を絞りやすいというメリットはありますが、一方で苦手な単元でも避けて通ることができなくなったというデメリットもあります。
また、高い合格率がでた試験の次の開催では、合格率が下がっているのという特徴もあります。
基本情報技術者試験は学生の合格率が高い⁉
次の図は、社会人と学生の受験者数・合格者数・合格率を示した図になります。
社会人 | 学生 | |||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成21年度 | 44,449人 | 12,751人 | 28.7% | 20,095人 | 4,934人 | 24.6% |
平成22年度 | 44,979人 | 9,954人 | 22.1% | 20,428人 | 4,535人 | 22.2% |
平成23年度 | 39,143人 | 8,820人 | 22.5% | 19,850人 | 5,759人 | 29% |
平成24年度 | 22,451人 | 5,109人 | 22.8% | 20,077人 | 5,019人 | 24.3% |
平成25年度 | 28,472人 | 6,256人 | 22% | 17,944人 | 4,418人 | 24.6% |
平成26年度 | 28,229人 | 7,056人 | 25% | 17,776人 | 3,947人 | 22.2% |
平成27年度 | 29,112人 | 7,576人 | 26% | 17,762人 | 4,598人 | 25.9% |
平成28年度 | 28,590人 | 8,435人 | 29.5% | 15,594人 | 4,983人 | 32% |
平成29年度 | 31,377人 | 6,530人 | 20.8% | 17,498人 | 4,445人 | 25,4% |
平成30年度 | 33,915人 | 9,388人 | 27.7% | 17,462人 | 5,441人 | 31.2% |
平成31年春期 | 36,521人 | 7,770人 | 21.3% | 18,165人 | 4,385人 | 24.1% |
年度でのばらつきはありますが、平成21年度からの社会人・学生別の合格率を見てみると、学生の方がやや高めの合格率となっています。
これはストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の出題比重がITパスポート試験に比べて変化していることが要因と考えられます。
【ITパスポート試験と基本情報技術者試験の出題形式】
ITパスポート試験 |
基本情報技術者試験 |
テクノロジ系:45問程度 マネジメント系:20問程度 ストラテジ系:35問程度 (全100問) |
テクノロジ系:41問程度 マネジメント系:7問程度 ストラテジ系:12問程度 (科目A試験 全60問※科目B試験は全20問 |
上記のように、ITパスポート試験では、ストラテジ系・マネジメント系の問題を併せると、問題数の約半分をカバーできることになります。対して、基本情報技術者試験では、テクノロジ系が問題数の半分以上を占めています。
ストラテジ系・マネジメント系は、経営、マネジメント分野からの問題が出題されるので、社会人の方が知識としては、なじみがあるため、問題数の半数を占めているITパスポートの試験の方が合格率が高くなっています。
基本情報技術者試験では、ストラテジ系・マネジメント系から出題される問題数はITパスポートの半分以下でテクノロジ系の問題が多くなっています。そのため、学生にとっては、負担が少なくなっているのではと考えられます。特に情報処理系の学校に所属している学生は、テクノロジ系の分野には、慣れ親しんているので、基本情報技術者試験では、学生の受験者の方が合格率が高くなっているのではと思われます。