まずは基本情報技術者試験の概要を知ろう
基本情報技術者試験は、ITに関する基本的な知識と技能が問われる国家試験です。
受験資格は設けられておらず、だれでも試験を受けられます。
まずは基本情報技術者試験の概要を、以下の3点に分けて解説していきます。
- ITサービスや製品を「作る人(=エンジニア)」を対象にした試験
- 試験はCBT方式で通年実施されている
- 試験時間・出題形式・出題数
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ITサービスや製品を「作る人(=エンジニア)」を対象にした試験
基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施するIT国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、ITサービスや製品を作る側、すなわち開発者・エンジニアを対象にした試験です。
一方、同じIPAが実施する「ITパスポート試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」は、ITを利活用する側のための試験となっています。
下の図は、現行の試験区分を表したものです。
開発者やエンジニア(情報処理技術者)向け試験は、ITに関する基本的な知識・技能を有することを認定する「基本情報技術者試験」を入り口として、その上には「応用情報技術者試験」や、さらに高レベルの「高度試験」があることがわかります。
試験はCBT方式で通年実施されている
基本情報技術者試験は、全国各地の試験会場に設置されたコンピュータを使って受験するCBT(Computer Based Testing)方式により実施されています。
令和元年度までは春期・秋期の実施、令和4年度までは上期・下期の実施でしたが、2023年4月より通年で試験を受けられるようになりました。
全国各地の試験会場で、都合の良い試験日時を選んで申し込みができるようになったため、受験者にとっては利便性が高まったといえるでしょう。
受験の申し込み方法は、株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズのWebサイトから、行います。
初めて試験を申し込む場合、まずは利用者IDとパスワードを設定し、その後はページの案内に従って順番に申し込み手続きを進めていけば、申し込み完了です。
試験時間・出題形式・出題数
基本情報技術者試験は、科目A試験・科目B試験の両方を1日で受験する流れとなっています。
試験時間・出題形式・出題数(解答数)を、以下の一覧で確認しておきましょう。
科目A試験 |
科目B試験 | |
試験時間 | 90分 | 100分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題数 | 60問 | 20問 |
解答数 | 60問 | 20問 |
科目Aはテクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系の3分野から出題され、科目Bは、アルゴリズムとプログラミング分野から16問、情報セキュリティ分野から4問出題されます。
合格基準は科目A試験・科目B試験ともに1,000点満点中、600点以上の獲得で合格です。
独学で基本情報技術者試験の合格を目指すならどんな勉強法がオススメ?
ここからは、独学で基本情報技術者試験の合格を目指す場合のオススメの勉強法について、4つの項目で紹介していきます。
- 受験者数が多い試験だけあり、参考書やWebサイトの情報が充実
- 公式の過去問題をWebから無料で入手できる
- 合格に向けた独学での学習の流れ
- 所用勉強時間は100~200時間
それぞれの詳細を以下で確認していきましょう。
受験者数が多い試験だけあり、参考書やWebサイトの情報が充実
基本情報技術者試験は受験者数が多く、参考書やWebサイトなどから豊富な情報を入手できるため、情報を探すのに苦労するということはないでしょう。
比較的最近に始まった科目B試験の情報こそまだ少ないのが現状ではありますが、書店に行けばたくさんの参考書から自分に合ったものを選べますし、Web検索すれば、どんな試験なのかという概要や特徴、過去問、具体的な問題の解き方、解説まで多種多様な情報を見つけられるはずです。
自分で調べながら試験勉強をするのが得意な方なら、こうした情報をもとに独学するだけでも、かなりの試験範囲を理解できるかもしれません。
公式の過去問題をWebから無料で入手できる
IPAの公式サイトからは、基本情報技術者試験に関する情報を確認できるだけでなく、公式の過去問題を無料で入手可能です。
基本情報技術者試験の勉強では、過去問題をひたすら解いて実力をつけるというのが、受験直前までのセオリーとなるため、IPAのサイトから無料で入手できる過去問題を利用しない手はありません。
試験の出題形式や傾向、特徴などを把握する一助となるので、ぜひとも目を通しておきましょう。
なお、公式サイトでは令和2年度から令和4年度までの基本情報技術者試験の問題は非公開となっているため、確認できるのは令和5年度の試験となります。
参考書に載っている問題や過去問題集を解く際に注意したいのは、あまり古い年代の問題だと現在の出題傾向に見合っていない問題があるということです。
いま使うなら、通年試験化以降に出題された問題のうち、実際に出題された試験問題で構成されている「公開問題」が実戦的で使いやすいでしょう。
合格に向けた独学での学習の流れ
先に述べたように基本情報技術者試験は「科目A試験については参考書などが充実している」「過去問題を無料で入手できる」ことから、以下の流れで勉強を進めていくと、独学でも効率よく合格を目指せます。
学習スケジュールの前半は、自分に合った参考書をすべて理解できるようになるまで読み込む段階です。
まずはここでじっくりITに関する基礎的・基本的な知識を習得し、出題範囲をひととおり勉強しましょう。
基礎・基本となる土台が身についていないと、問題文を読んで理解するまでに時間がかかってしまったり、解説を読んでいても根本がわかっていないため、のちのち応用的な問題に対処できなくなってしまいます。
一見遠回りなように思うかもしれませんが、基礎固めに時間をかけることが結果的に効率的な学習へとつながります。
後半から試験直前までは、ひたすら過去問題などを解いていく問題演習を行ないましょう。
理想は問題文を読んだだけで、答えがパッと浮かび上がるような状態にまで持っていくことです。
特に科目A試験では、過去問の反復練習が非常に効果的です。
また、問題を解く際には、解答するまでの時間を意識しましょう。
1問解くのに自分がどのぐらい時間がかかるのかを計測し、解答のペース配分をコントロールできるようになれば、実際の試験でも慌てることなく対応できるはずです。
合格までの所要勉強時間は100~200時間
基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間は、もともとのIT知識によって異なってきますが、一般的には基礎から学び始めたとしても100〜200時間だといわれています。
ただ、情報系の学校出身者やIT業界で働いている方など、ITに関する基礎的な知識をすでに持っている方であれば、50時間程度の勉強時間でも合格は可能だと考えられます。
1日2時間ほどの勉強時間が確保できる方であれば、約1カ月の勉強時間で合格圏内に入れる計算です。
また、IT未経験者の方で独学での合格を目指す方であっても、1日2〜3時間の勉強を約3カ月継続できれば、十分合格を目指せるということになります。
独学で基本情報技術者試験合格を目指す勉強法のメリットとデメリット
独学で基本情報技術者試験合格を目指す勉強法のメリットとデメリットについて、以下で解説していきます。
- メリット:最小限の費用と自分のペースで勉強できる
- デメリット:学習スピードが遅くなりがち。わからないところの解決にも多くの時間が必要
独学の良し悪しを把握して、独学での勉強法が自分に適しているのかどうかを判断する際の参考にしてみてください。
メリット:最小限の費用と自分のペースで勉強できる
独学のメリットは最小限の費用と自分のペースで勉強できるということです。
かかる費用といえば、学習に必要な参考書や問題集ぐらいで、費用を抑えようと思えば数千円程度で済ますこともできるでしょう。
人によっては、Webサイトや公式サイトなどで情報収集を済ませ、お金を一切かけずに合格を目指せるかもしれません。
また、自分のペースで勉強できることも独学ならではの強みといえます。
試験合格のために専門の学校に通うとなると、スケジュールが決められているため、時間と場所が制限されてしまいます。
独学であれば時間と場所を選ばず、自分の都合で勉強を進めていけるので、柔軟にスケジュールを組み立てたり、変更したりすることが可能です。
デメリット:学習スピードが遅くなりがち。わからないところの解決にも多くの時間が必要
独学のデメリットとなるのは、学習スピードが遅くなりがちだということです。
自分一人であれこれ調べて勉強しなければいけないため、わからないところがあってもすぐに誰かに聞けず、テキストやインターネットなどを使って、自分で情報をかき集める必要があります。
気をつけなければいけないのは、誤った情報を正しいものとして覚えてしまうことです。
ネットの誤った情報を鵜呑みにしてしまったり、自分が勘違いして知識を身につけてしまったりしていても、独学だと自分の間違いに気づかないまま勉強を進めることになってしまいます。
その結果、後で情報にズレが生じたり、つじつまが合わない箇所が出てきてしまったりするなど、軌道修正するのに余計な時間を費やしてしまうことになりかねません。
こうしたリスクを避けるためにも、独学一択とはじめから決め込むのではなく、このあと紹介する通信講座などを検討してみるのもよいでしょう。
通信講座を併用すれば、独学のデメリットが解消できる
独学にはメリットとデメリット両方の側面がありますが、通信講座を併用することで独学のデメリットを解消できます。
理解のスピードが上がらないところや、わからないところが出てきてしまった場合でも、通信講座を利用すればオンライン上で問い合わせをして、すぐに悩みを解消することが可能です。
通信講座の動画講義を利用すれば、理解しにくい箇所でも何度も繰り返し聞いて学習できるので、立ち止まる時間を減らして効率的に自分で学んでいけます。
自分一人で勉強を続けて行くのには、それなりのモチベーションの維持と継続する意志力が必要です。
独学することに少しでも不安を感じているのであれば、一人で行き詰まってしまって挫折する前に、通信講座の門をたたいてみてください。
通信講座を利用することで、自分の好きな時間に好きな場所で学べる利便性や、学習でつまずいたときでも質問・相談できる安心感が得られるようになります。
まとめ
最後に今回のポイントをおさらいしておきましょう。
- 基本情報技術者試験は、ITサービスや製品を作る側(エンジニア)を対象にした国家試験
- 試験はコンピューターを使ったCBT方式で通年実施
- 科目A(60問)・科目B(20問)の両方を1日で受験
- 合格に必要な勉強時間の目安は100~200時間
- 独学でも合格可能だが、通信講座の利用がおすすめ
独学のメリットをより活かし、デメリットを解消できるのが通信講座の強みです。
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