基本情報技術者試験の合格後は、さらに上位の試験に挑戦してみましょう。ソフトウェア開発者としても未来がより広がります。こちらでは、基本情報技術者試験のワンランク上の試験である応用情報技術者試験についてご説明します。
基本情報技術者試験の上位資格にはどのようなものがありますか? | |
基本情報技術者試験の上位には。応用情報技術者試験というものがあります! |
応用情報技術者試験とは
応用情報技術者試験とは、ITに関する知識を問う試験のひとつです。情報処理技術者試験制度のスキルレベルでは3に相当します。基本情報技術者試験の、ひとつ上のレベルの試験です。
もともとは、「ソフトウェア開発技術者試験」という名称でしたが、2009年に解消された際に出題範囲や出題形式にも変更が加えられました。以降も、出題となる分野からの問題数や分野の選択方式に変更が加えられています。基本的には、情報システム系やソフトウェア系開発者向けの試験です。
基本情報技術者試験合格後のステップアップの試験として認識されています。実際に、出題されるのは基本情報技術者試験の延長上の内容です。
応用情報技術者試験の内容
応用情報技術者試験は午前と午後に分かれています。
午前試験は所要時間150分。出題はテクノロジ分野から約50問、マネジメント分野から約10問、ストラテジの分野から約20問です。マークシートの四肢選択式で出題されます。
午後試験は所要時間150分。情報セキュリティから1題解答し、残りはストラテジ分野全般、プログラミング、システムアーキテクチャ、データベース、ネットワーク、組込みシステム開発、情報システム開発、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査から4問を選択して解答します。解答はすべて記述式です。
合格基準は全体の60%の得点です。午前試験で合格できない場合、午後試験には進めません。
応用情報技術者試験の難易度
応用情報技術者試験の合格率は毎年20%前後を推移しています。この合格率自体は基本情報技術者試験とあまり変わりませんが、主なエンジニア実務経験者が受験者の大半のため実際の難易度は大きく異なります。特に、記述式が採用される午後試験は、各分野における深い理解が要求されるでしょう。
基本情報技術者試験合格者でも、応用情報技術者試験の合格には追加で200時間程度の勉強が必要です。ITに関する知識がない状態からスタートする場合は、合計で500時間程度の勉強が必要だと考えられています。
午後試験では選択式が採用されているため自分の得意分野を選べますが、記述式の難しさから多くの応募者が不合格になります。深い知識を身につけるためには、専門のスクールに通うのが近道です。
応用情報技術試験の合格後
応用情報技術試験の合格者の多くは、企業のシステム開発担当やセキュリティ担当、情報セキュリティのコンサルタントとして活躍しています。資格取得に実務経験がともなっていれば、IT業界では高く評価されます。
試験合格者が正社員として働いた場合の年収は、450~700万程度です。企業によっては、資格手当が支給されます。
同じ分野の資格として情報処理技術者、セキュリティコンサルタント、セキュリティエンジニア、システム監査技術者、情報処理安全確保支援士、ISMS審査員、ISMS主任審査員、電気通信設備工事担当者などが挙げられ、多くの方がダブルライセンスとして取得しています。また、高度情報処理技術者試験の午前Ⅰ試験、弁理士試験(科目)、中小企業診断士試験(科目)などは応用情報技術者試験の合格によって免除されます。
※(参考:情報処理推進機構https://www.ipa.go.jp/)
応用情報処理技術者試験に合格すれば、開発者としての知識の確かな証明になります。難しい試験ですが、基本情報技術者試験に合格していれば、現実的に挑戦可能な難易度です。ぜひ挑戦して、ステップアップを目指してください。