基本情報技術者試験の科目B試験ではアルゴリズムへの苦手意識を克服しよう

ITエンジニアの登竜門とされる基本情報技術者試験では、ITシステム開発において避けては通れない「プログラミング」や「アルゴリズム」について理解している必要があります。

制度変更で個別プログラム言語の出題がなくなり擬似言語が用いられるようになった基本情報技術者試験ですが、かねてより「難しい」「苦手」とされることの多かったアルゴリズムの知識を盤石にしておくことが、科目B試験で合格点を取るためにも不可欠です。
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基本情報技術者試験の科目B試験ではアルゴリズムへの苦手意識を克服しよう


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そもそも「アルゴリズム」とはなにか?

これから技術者としての道を歩もうとしている方にとって「アルゴリズム」という単語は聞きなれない、もしくはイメージがわきにくいものかもしれません。

まずはアルゴリズムについて、位置づけや基本的な内容、技術者として求められる理解などについて基本的な内容から解説します。

  • アルゴリズム=問題を解決するための方法や手続きのこと
  • プログラミングの基礎となるのがアルゴリズム

それぞれ確認していきましょう。


アルゴリズム=問題を解決するための方法や手続きのこと

まず、そもそもアルゴリズムとは何なのか、一般的な概念として解説します。


アルゴリズムとは、プログラミングに限らず「問題を解決するための方法や手続き」のことです。

日常生活に例えるなら、料理の手順が示されたレシピや、楽曲を演奏する手続きが記された楽譜といったものも、アルゴリズムの一種であると言えます。


何か一つの料理を作る(問題を解決する)にあたっても、そのための手段には複数の方法があります。

非常にシンプルで効率的な手法もあれば、手間や時間がかかるものがあるかもしれません。

完成する料理が同じであるならば、そのための方法は効率的であることが望ましいです。


しかし、料理の知識や経験が少ない初心者が何も知らずに料理を作ろうとしても、どうすれば効率的なのかを把握するのは困難です。

レシピがあればその通りに実践すればよいだけなので、初心者であっても効率的に再現性の高い料理を作ることができますね。

アルゴリズムはどのようにすれば効率的に問題を解決できるかを追求した方法、手続きと考えると理解しやすいかもしれません。


プログラミングの基礎となるのがアルゴリズム

プログラミングの基礎としてのアルゴリズムについて解説します。

目的となる処理を実行するために必要なプログラムの書き方には様々なパターンがあります。

結果として意図した通りの処理が実行できれば、一見問題はないと思えるかもしれません。

しかし、プログラムの書き方が非効率であると、そもそもプログラミングに時間がかかってしまい効率が悪いだけでなく、書き換えに膨大な作業が発生し、ミスが起きた際のトラブルシューティングにも手間がかかります。

一方で、目的となる処理を実行させるための必要最低限の要素だけが記述されたプログラムであれば、後から変更を加えることも、エラーがあった際のミスの発見も容易です。


このような場面で重宝するのがアルゴリズムです。

コンピュータプログラムのプログラミングも、プログラミング言語でこうした手続き(アルゴリズム)を記述することが基礎にあるのです。

そのため、ITエンジニアの登竜門とされる基本情報技術者試験においても、アルゴリズムは避けて通れない出題範囲ということになっています。

なお、現在の基本情報技術者試験においては、アルゴリズムが出題されるのは基本的に科目B試験。

個別プログラム言語による出題はすでに行なわれておらず、言語は「擬似言語」で出題されています。


アルゴリズムの代表例は「ソートアルゴリズム」や「探索アルゴリズム」など

アルゴリズムの概要を解説しましたが、より明確にイメージしやすくするために現場で使われる代表的なアルゴリズムについて、具体例を交えながら解説していきます。

  • データをグルーピングしたり並べ替えたりする「ソートアルゴリズム」
  • 検索エンジンにも使われる「探索アルゴリズム」

それぞれ見ていきましょう。


データをグルーピングしたり並べ替えたりする「ソートアルゴリズム」

日常で活用される代表的なアルゴリズムの一つが、「ソートアルゴリズム」。

複数のデータを特定の順序で並び替える場合などに活用されます。


例えば、特定のグループのメンバーを「五十音順」「背の順」など。

指定した方法にそって並び替えを行いたい場合において活用できるのがソートアルゴリズムです。具体的な活用シーンとしてはネットショッピングが挙げられます。


一つの物を買うにしても、どの商品が望ましいかは購入者のニーズによって様々です。

多少お金をかけてでも評価の高い商品を買いたい人もいれば、多少粗悪でも安く買えることが重要という人もいます。


膨大な選択肢の中からより望ましい商品を絞り込むにあたって「評価が高い順」「価格が安い順」など、様々な軸で並び替えができることは非常に重要なのです。

なお、ソートアルゴリズムの中には基準値から大、小のグループ分けを繰り返す「クイックソート」やデータを細かく分割、併合し並び替える「マージソート」などが挙げられます。


検索エンジンにも使われる「探索アルゴリズム」

もう一つ、日常生活に欠かせないアルゴリズムとして「探索アルゴリズム」が挙げられます。

例えば、インターネット上にある膨大な情報の中から、自らが必要な情報を効率的に拾い集めるにあたって、探索という行為は必要不可欠であり、その実行に欠かせないのが探索アルゴリズムです。


探索アルゴリズムは検索者が求めている情報を理解し、最も関連性が高いと思われる検索結果から優先順位をつけて表示する必要があります。


頻出の探索アルゴリズムとしてはデータを中央値から見て大きいか小さいかで絞りこんでいく「二分探索」、枝分かれした情報の中で探索を始めた時点に近い順でデータを集める「幅優先探索」行き止まりになるまで近接する枝分かれを探す「深さ優先探索」、テキストデータを探索する「KMP法」「Boyer-Moore法」などが挙げられます。


基本情報技術者試験でのアルゴリズムの出題って?

アルゴリズムの習得は技術者としてのキャリアを歩むにあたって避けては通れない要素ですが、まずは基本情報技術者試験に出題される範囲、レベルの中で抑えておければ十分です。

試験に合格するにあたって必要な範囲や考え方について見ていきましょう。

  • 出題範囲「基礎理論」に「アルゴリズムとプログラミング」がある
  • 「データ構造」「プログラム言語」とセットでおぼえよう

それぞれ解説します。


出題範囲「基礎理論」に「アルゴリズムとプログラミング」がある

IPAが発行しているシラバスにアルゴリズムの出題範囲が記載されています。

基本情報技術者試験の中では「アルゴリズムの基本的な考え方と、流れ図や擬似言語による表現方法を修得、適用」「代表的なアルゴリズムの基本の修得、適用」「アルゴリズムの基本的な設計方法を修得、適用」の3つが目標とされてます。


項目としては「流れ図」「代表的なアルゴリズム」「アルゴリズム設計」の3つから出題。

流れ図としてはアルゴリズムや流れ図(フローチャート)の考え方、記号、順次、判定、繰返しなど処理手順の表現方法を理解することが重要です。


代表的なアルゴリズムとしては「① 整列・併合・探索のアルゴリズム」「② 再帰のアルゴリズム」「③ グラフのアルゴリズム」「④ 文字列処理のアルゴリズム」「⑤ ファイル処理のアルゴリズム」「⑥ 自然言語処理のアルゴリズム」が出題範囲であり、それぞれの基本的な理解が求められます。


アルゴリズム設計 では基本的な設計方法を理解した上で、擬似言語、流れ図、決定表(デシジョンテーブル)などを用いて表現できる程度の理解が必須です。


「データ構造」「プログラム言語」とセットでおぼえよう

出題範囲としてアルゴリズムが含まれる、「大分類 1:基礎理論」の中には「データ構造」「プログラム言語」も同じカテゴリとして含まれます。

これらの出題範囲は、今後技術者としてのキャリアを歩んでいくにあたって、全ての分野の原点であり、土台となる分野と言えるでしょう。


一定の技術を身に着けた上でゼネラリストとして活躍するにあたっても、特定の専門的な得意分野を見つけ、スペシャリストとしてのキャリアを歩むにしても、「大分類 1:基礎理論」の中の出題範囲を抑えておくことは必須と言えます。

これらの分野はそれぞれが完全に独立したものではなく、密接に関連しています。


そのため、それぞれを別の分野として抑えるよりも、体系的に理解するように努めた方が、本質的な学習である上、試験に合格するための学習としても効率的です。

科目B試験対策としても、これらの分野は一体として理解することが重要と言えるでしょう。


擬似言語はあらかじめ読めるようになっておくことが、科目B試験攻略のコツ

アルゴリズムも出題される科目B試験をスムーズに解くためのポイントとして、出題される擬似言語は事前に読めるようになっておくことがおすすめです。

試験問題には擬似言語の仕様が掲載されるため、参照しながら回答することもできます。


しかし、そのような形で回答をしていると、時間のロスが大きくなってしまいます。

科目B試験の出題範囲はアルゴリズムだけではないため、この分野に必要以上に時間を割いてしまうのは試験全体の時間が足りなくなり、不合格にもなってしまいかねません。


逆に、擬似言語を事前にスラスラと読めるようになっておくと、本番で必要以上に時間を取られたり、上手く回答できずに焦ったりといった事態を避けられます。

全体を回答する時間が確保できると同時に、終始落ち着いて試験に回答できるため、結果的に得点につながり、合格率は高まるでしょう。


「擬似言語の仕様が掲載されるから」と油断することなく、合格率を高めるための必要が学習として擬似言語をスムーズに読めるようになっておくことは重要と言えるでしょう。


過去問題やサンプル問題でアルゴリズムの出題に慣れておこう

基本情報技術者試験のアルゴリズムの出題の対策には、IPAが公開しているサンプル問題や過去問題をこなすことが重要です。


ただし、基本情報技術者試験は2023年4月より試験制度が大きく変更されています。

現行の「科目B」に該当する、旧「午後試験」は出題形式や出題範囲が異なります。


そのため、過去問を解くにあたっては新制度になってからの問題を選択するようにしましょう。

試験制度が変更されてから大きく日が経っていないため、得点に直結するサンプル問題や過去問題の数は多くありません。


そのため、少ない問題の中から出題意図やパターンを読み取り、本番での得点に直結させる姿勢が何よりも重要です。

ただ漫然と問題を解いたり、解答内容を丸暗記するのではなく、一つひとつの問題をしっかりと理解していきましょう。


まとめ

基本情報技術者試験に出題されるアルゴリズムについて解説しました。

  • アルゴリズムとは問題を解決するための方法や手続きのこと
  • IT分野においてはプログラミングの基礎となる
  • 基本情報技術者試験において、「科目B」として全ての根幹となる「基礎理論」で出題される
  • 「データ構造」「プログラム言語」とセットで学習すると効率的
  • 出題される擬似言語は事前に読めるようになっておくことがおすすめ
  • 問題演習としては過去問やサンプル問題がおすすめ

IT分野におけるアルゴリズムは今後技術者としてどのように進むにあたっても避けては通れない分野。

今後のキャリアを考えるにあたっても、まずは試験に合格するにあたっても、苦手意識を持たず、本質をしっかりと理解し確実に得点につなげることが重要です。


今回解説した内容も参考に学習をすすめてみてください。

アルゴリズムをはじめとした基本情報技術者試験の学習には「スタディング基本情報技術者試験」がおすすめです。


スキマ時間で学習をすすめられ、理解度をはかる問題演習も実践できるため、合格に必要な力が短期で効率的に身に付きます。

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