基本情報技術者試験とは? 試験の概要を理解しよう
まずは基本情報技術者試験の概要について解説します。
基本情報技術者試験がどのような試験なのか、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
ITシステム、サービスを作る人材に必要な基礎知識が身につく
基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験の中でも基礎にあたる試験です。
IPAが定めた標準キャリア・スキルフレームワークでは、スキルレベル2相当です。
基本情報技術者試験の対象者像は、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」とされています。
具体的には、上位者の指導のもとに以下の役割や業務に従事している人や目指している人が対象となります。
- 組織及び社会の課題に対するITを活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義に参加する。
- システムの設計・開発、汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、利用者にとって価値の高いシステムを構築する。
- サービスの安定的な運用の実現に貢献する。
試験は通年実施、科目A試験と科目B試験で構成されるCBT試験
基本情報技術者試験は、科目A試験と科目B試験で構成されています。
各試験の詳細については後ほど解説します。
コロナ禍の影響を受けて、2020年12月から基本情報技術者試験はCBT(Computer Based Testing)方式となりました。
CBTとはパソコンの画面上に表示された問題に対し、マウスやキーボードを使用して解答する受験方法です。
なお以前の基本情報技術者試験は年2回しか受験できませんでしたが、CBT方式になってから通年受験が可能となりました。
これにより、基本情報技術者試験は以前よりも受験しやすい試験になったと言えるでしょう。
また、受験方式がCBT方式となってからは採点方式もIRT方式に変更となりました。
IRT方式の詳細についても後ほど詳しく説明します。
基本情報技術者試験の試験時間と出題数、出題形式
基本情報技術者試験の試験時間と出題数、出題形式は以下の通りです。
科目A試験(小問形式) | 科目B試験(小問形式) |
試験時間:90分
出題数:60問 |
試験時間:100分
出題数:20問 |
なお科目A試験は、大きくわけてIT技術に関するテクノロジ系、管理業務に関するマネジメント系、ビジネスに関するストラテジ系の分野から出題されます。
科目B試験は、「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」を中心とした構成です。
以前の午前試験と比べると、科目A試験は問題数も試験時間も大幅に減少しています。
また大問形式だった午後試験は小問形式の科目B試験となり、科目A試験と同様に試験時間が減少しました。
基本情報技術者試験の合格率と合格基準は?
基本情報技術者試験の概要は前述の通りです。
ここからは、基本情報技術者試験の合格率と合格基準について解説します。
これから試験勉強を始める予定の方はぜひ参考にしてください。
基本情報技術者試験の直近合格率は40%台
以下は、基本情報技術者試験における直近の合格率です。
実施年度 | 合格率 |
令和5年度 | 47.1% |
令和6年度 | 42.9% |
毎年おおむね40%台で推移しており、年度途中ではありますが6月時点での令和6年度の合格率は42.9%となっています。
基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中では比較的合格率が高い試験です。
基本情報技術者試験のひとつ上のレベルとなる応用情報技術者試験の合格率は、例年おおむね20%台で推移しています。
令和6年度春期の応用情報技術者試験の合格率は、23.6%でした。
しかし基本情報技術者試験の合格率が40%台ということは、2人に1人以上は不合格となっているということです。
決して、誰でも少し勉強すれば合格できるレベルの簡単な試験であるとは言えないでしょう。
科目A試験、科目B試験それぞれで6割以上の正解が合格基準
基本情報技術者試験の配点と合格基準は、以下の通りです。
科目 | 配点 | 合格基準点 |
科目A | 1,000点満点 | 科目評価点:600点/1,000点満点 |
科目B | 1,000点満点 | 科目評価点:600点/1,000点満点 |
上記の通り、基本情報技術者試験に合格するには科目A試験、科目B試験それぞれで6割以上の問題に正解する必要があります。
なお前述の通り、基本情報技術者試験の採点方式はIRT方式です。
IRTとはItem Response Theoryの略で、日本語では項目応答理論といいます。
IRT方式では、一般的な試験のように一問あたり何点といった採点基準は存在しません。実施された試験の解答結果にもとづいて、評価点が算出されます。
そのため、試験の実施回ごとの難易度による格差がなくなるのが、IRT方式のメリットです。
基本情報技術者試験は試験制度変更で簡単になった?
基本情報技術者試験は、令和5年度に試験制度の変更が行なわれ、午前試験・午後試験から科目A試験・科目B試験になるなどの大きな変化がありました。
それ以前にも、コロナ禍の影響で受験方法がCBT方式になるなどといった段階的な変更が行なわれています。
こうした試験制度の変更は、難易度や合格率には影響しているのでしょうか。
一概に、制度変更によって試験の難易度が変わったとは言えません。
ただし制度変更前の合格率は毎年10〜20%台の年が多く、高い年でも30%台でした。
これに対し、直近の合格率は40%台まで上昇しています。
こうした合格率の推移だけを見ると、試験制度変更後のほうが合格率は高く、以前よりも合格しやすい試験になったと言えるのかもしれません。
まとめ
この記事では、基本情報技術者試験の合格率について解説しました。
- 基本情報技術者試験はITシステムの開発に必要な基礎知識が身につく
- 試験は科目A試験と科目B試験で構成され、CBT試験で通年実施
- 基本情報技術者試験の近年の合格率は40%台で、情報処理技術者試験では比較的高い
- 合格基準は科目A試験、B試験それぞれで正解率6割以上
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