基本情報技術者試験は、システムエンジニア、プログラマーなど、ITエンジニアが共通して理解しておくべき基本的な知識を体系的に学習することができる資格です。
IT関連の業種に従事している方、または、これから、IT業界で働きたいと考えている方を対象とした試験で、ITエンジニアとしての入門資格ともいえます。
まずは、基本情報技術者試験の概要や難易度について詳しく解説します。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアが共通して理解しておくべき基本的な知識を学習できる資格です。
ITエンジニアの登竜門ともいえる資格で、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」が対象者像とされています。
基本情報技術者試験を通して期待される技術水準は、以下の通りです。
基本情報技術者試験を通して、ITエンジニアとしての基礎をしっかりと身につけることで、応用力の幅が格段に広がります。
ITエンジニアとしてキャリアのスタートをお考えの方は、基本情報技術者試験から始めてみるのがおすすめです。
基本情報技術者試験の難易度は、どのくらいなのでしょうか。
以下の表は、令和5年度(2023年度)と本年度(2024年8月現在)の基本情報技術者試験の統計情報をまとめたものです。
・令和5年度(2023年度)
項目 | 詳細 |
受験者数 | 121,611人 |
合格者数 | 57,278人 |
合格率 | 47.1% |
・令和6年度(2024年8月現在)
実施月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
4月 | 10,394人 | 4,235人 | 40.7% |
5月 | 9,132人 | 4,137人 | 45.3% |
6月 | 10,435人 | 4,467人 | 42.8% |
7月 | 9,296人 | 3,877人 | 41.7% |
合計 | 39,257人 | 16,716人 | 42.6% |
基本情報技術者試験の合格率は40〜50%の間で推移していることがわかります。
国家試験である情報処理技術者試験の中では、比較的合格率が高い試験です。
エンジニアに求められるIT全般知識が習得できる基本情報技術者試験ですが、闇雲に勉強して合格できるというわけではありません。
試験時間や出題数も踏まえ、ポイントをおさえて解答することが大切です。
基本情報技術者試験合格のポイントは後述するため、ぜひ参考にしてみてください。
先ほど、基本情報技術者試験の概要や難易度をご紹介しました。
ここからは、基本情報技術者試験の試験時間・出題数について詳しく解説します。
どのように試験が実施されるのか確認していきましょう。
基本情報技術者試験は、科目A試験・科目B試験にわけて実施されます。
以下の表は、基本情報技術者試験の試験時間・出題形式・出題数(解答数)をまとめたものです。
項目 | 科目A試験 | 科目B試験 |
試験時間 | 90分 | 100分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題数(解答数) | ・出題数:60問
・解答数:60問 |
・出題数:20問
・解答数:20問 |
表をみると、基本情報技術者試験は合計190分(3時間10分)と試験時間が長いことがわかります。
ただし、科目ごとの試験時間でみれば余裕があるというわけではないため、試験時間を上手く活用することが大切です。
解答にかける時間の使い方に関しては後述しますので、ぜひ参考にしてみてください。
先ほど、基本情報技術者試験の試験時間について詳しく解説しました。
試験時間を踏まえて合格のポイントを挙げると、解答にかける時間短縮と時間配分です。
科目A試験であれば90分以内に60問を解答する必要があるため、1問あたりにかけられる時間は1分半しかありません。
小問形式で、問題の読み込みに時間がかからず、テンポよく解答すれば時間が足りなくなることはありませんが、解答に詰まるとタイムオーバーになる可能性があります。
テンポよく解答するためのポイントとして、問題の解き進め方を決めておくことです。
例えば、試験が開始したら全体の問題を確認する、すぐに解けそうな問題から解答、残りの問題を順番に解答して分からない問題は後回しにするなどです。
一方で科目B試験は、試験時間100分で20問。
一見すると厳しい時間設定に見えませんが、1問当たりに要する時間が小問よりも長い多肢選択式です。
そのため、科目A試験よりもペース配分に注意しなければなりません。
日頃の試験対策の中で、本番を意識した問題の解き方をしてみましょう。
実戦形式で問題を解き、少しずつでもペース配分を身につけることで、本番でも焦らず問題を解けるでしょう。
基本情報技術者試験は、2023年に試験制度が変更されました。
試験制度前では午前試験・午後試験だった頃と比べると、試験時間がコンパクトになり、より時間配分に対しての意識が大切になりました。
また、試験形式がCBT化されたこともあり、筆記試験とは受験スタイルが変わったのもポイントです。
CBT(Computer Based Testing)方式とは、試験会場に設置されたコンピュータを使用して実施する試験のことです。
このため、筆記試験の頃のように問題用紙に直接メモ書きすることができなくなりました。
CBT方式でメモを取る場合、画面を見ながらメモ用紙に記入する必要があります。
問題演習として過去問題を解く際も、可能な限り本番に近い形で臨んでください。
このほか、過去問題を通して試験の傾向を掴んでおくことも大切です。
どのように問題が出題されるのか、どんな問題が出題されやすいのか把握することで、試験本番でも焦らずに問題を解き進められます。
試験日に向けて計画的に対策を進めましょう。
この記事では、基本情報技術者試験の試験時間について詳しく解説しました。
改めて、この記事でご紹介した内容をおさらいしましょう。
基本情報技術者試験は2023年の試験制度変更で試験時間がコンパクトになったため、問題を解く際のペース配分が大切です。
過去問や問題集を通して実戦形式で問題を解き、本番で焦らないよう対策しましょう。
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