基本情報技術者取得が必須の仕事はない
仕事によっては、特定の資格が要求される場合があります。運転が頻繁にある仕事であれば、普通自動車免許が必要でしょう。電気工事士や危険物取扱者、薬剤師など、資格がなければその仕事につくことができないケースもあります。
一方、IT系の仕事には原則として資格が求められることはありません。どちらかといえば、実績や経験が評価される傾向があります。中途採用者の場合、より実績が重視されます。
基本情報技術者試験についても、「持っていなければ就職できない」ということはあまりありません。入社後に取得を勧められることはありますが、持っていないからといって就職・転職活動時にフィルターにかけられてしまうことはないでしょう。どちらかといえば、知識やスキルをアピールするための資格です。
新卒では強いアピールポイントになる
基本情報技術者試験にはIT系企業に新卒入社後1~3年以内に身につけるべき内容が出題されているといわれています。この期間内で基本情報技術者試験を取得するよう社員に推奨している企業もあるようです。
つまり、学生のうちに取得しておけばすでに新卒採用者に求められる知識を持っているというアピールポイントになります。
実際に企業に入社した後、現場に配属され、上司や先輩から指導を受けることが多くなります。
その際に、基本情報技術者試験で知識を得ていれば、理解度は断然早くなります。
取得時は、点でしかなかった基本情報技術者試験で取得した基礎知識が、実際の業務の中で、線となって活用できるようになります。
逆に、何も知識がない上で、指導を受けた場合は、まずは単語の意味から学ばなければならないので、理解度は遅くなります。
IT業界以外からの転職時には好印象
転職の際も、基本情報技術者試験を取得しておいて損はありません。とりわけ有効だと考えられているのは、IT系以外からの転職です。即戦力が求められる中途採用において、最低限の知識を持っていることを証明する基本情報技術者試験は強みになります。
基本情報技術者試験の1ランク下に「ITパスポート」という資格があります。基本情報技術者試験と同様、国家試験であり転職時には有効ですが、実践レベルとはいえず「ITアレルギーがない」という程度の印象にとどまるようです。可能な限り基本情報技術者試験を取得しておくことをおすすめします。
ベンチャーより大手企業に評価される傾向あり
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基本情報技術者試験を取得しても就職・転職が決定的になるわけではありません。しかし、採用の確率が高まることは事実です。学生の就職活動やIT系以外からの転職活動では、とりわけ基本情報技術者試験を取得している意味は大きいでしょう。国家試験であり、一度取得すれば生涯有効な点も魅力です。就職活動・転職活動を始める前にぜひ取得してください。