独学でも合格できる! 基本情報技術者試験の効果的な勉強法

独学でも合格できる! 基本情報技術者試験の効果的な勉強法

情報処理技術者試験のなかでエントリーレベルの基本情報技術者試験は、エンジニアを目指す人にとっては入口とも言える試験です。

社会人全般を対象とし、IT基礎知識を学ぶ「ITパスポート試験」とは異なり、IT技術者や開発者の登竜門といった位置づけの試験となります。

2023年4月の基本情報技術者試験の制度変更にともない、開発者にフォーカスしながらも、広い意味での「デジタル人材」が対象者とされています。

この記事では、基本情報技術者試験に合格するための効果的な勉強法について解説します。

特に独学での合格を目指す人に向けて、勉強法ならびに勉強スケジュールの立て方、独学のメリットとデメリットについても整理しました。

目次
    1. 【初心者・文系】基本情報技術者試験の効果的な勉強方法
      1. 基本情報技術者試験・初心者の勉強時間は200時間程度が必要
      2. 初心者はまずテキストや参考書などを読めるようになろう
      3. 用語理解にはノートを取る勉強法も効果的
    2. 【IT業界経験者】基本情報技術者試験の勉強法
      1. IT業界経験者の勉強時間は50時間程度
      2. IT基礎知識を固めるステップはある程度飛ばしてOK
      3. 経験者なら勉強スケジュールは問題演習重視で
      4. 独学でもできる過去問練習で理解度をセルフチェック
    3. 基本情報技術者試験対策は【過去問・サンプル問題の反復練習】が効果的
      1. 特に独学の場合は問題の反復練習がオススメ
      2. 独学でもスキマ時間の反復練習で合格を目指せる
      3. スキマ時間を勉強時間に変えるアプリやWebサイトも
      4. 初心者でなくても過去問の反復練習は重要
    4. 【おすすめ学習スケジュール】なるべく早めに科目B試験の対策も
      1. 科目A試験は過去問だけでもある程度対応できるが…
      2. 科目B試験対策には旧・午後試験の過去問題もおすすめ
      3. 勉強スケジュールは科目B試験対策の勉強時間を多めに確保
      4. 自信がなければeラーニングやオンライン講座も検討
    5. 独学で基本情報技術者試験合格を目指すメリットとデメリット
      1. 独学のメリット
      2. 独学のデメリット
  1. IT系の国家試験としては取り組みやすい難易度
      1. 基本情報技術者試験の申し込みはオンラインで
      2. 基本情報技術者試験は、試験会場のコンピューターで受験するCBT方式
    1. まとめ:勉強時間と勉強スケジュールをしっかり定めることが合格への近道

【初心者・文系】基本情報技術者試験の効果的な勉強方法

基本情報技術者試験は情報処理技術者試験のなかでは基本的なスキル・知識を問う試験として位置づけられており、しっかり勉強すれば独学でも合格することが可能です。

しかし、知識がない状態で合格できるほど簡単な試験ではありません。

基本情報技術者試験の試験内容をITパスポート試験と比較すると、利用者側ではなく技術者や開発者の視点に寄せた内容になっている点に注意が必要です。

エントリーレベルの試験とはいえ、情報処理に対する関心と理解がなければ合格は難しいでしょう。

基本情報技術者試験・初心者の勉強時間は200時間程度が必要

まったく知識がない状態から学習をはじめた場合、基本情報技術者試験に合格するための勉強時間の目安はおよそ200時間程度と言われています。

また、実務経験がある人や基礎的なIT知識がすでに身についている人であれば、50時間くらいの勉強時間でも合格できることがあります。

初心者はまずテキストや参考書などを読めるようになろう

では、初心者が基本情報技術者試験に合格するには、どのような勉強法が有効なのでしょうか。

最初に基礎的なIT知識をしっかりと固めるようおすすめします。

テキストや参考書をつまずくことなく読み進められるようになるのが理想です。

そのためには、勉強の際には必ず用語集を手元に置いておくようにするなど、わからない言葉をそのままにせず、その都度調べる習慣を作りましょう。

初心者の場合、はじめは用語の意味を繰り返し調べることになりますが、時間をかければスムーズに通読できるようになります。

用語理解にはノートを取る勉強法も効果的

ITや情報処理の専門用語は、初心者にとっては覚えにくいカタカナ用語やアルファベットの略語などが多いという特徴があります。そのため、どうしても用語理解で苦戦してしまうケースもあることでしょう。

そんなときは、苦手な用語だけをノートにまとめて重点的に覚えるようにしたり、単語帳を作って通勤通学などの移動中に見るようにしたりと、自分のやりやすい方法を工夫してみるのがおすすめ。

なるべく多く目に触れるようにすることで、少しずつでも頭に入っていくはずです。

【IT業界経験者】基本情報技術者試験の勉強法

IT業界経験者やITの基礎知識がある人、そして、すでにITパスポート試験に合格していて、さらなるステップアップを目指している人の勉強法は、学習スタート時点での知識レベルによって異なる進め方になります。

以下を参考にしながら効率のよい学習プランを立てて、基本情報技術者試験の合格を目指しましょう。

IT業界経験者の勉強時間は50時間程度

ベースとなる情報処理の知識がある場合、50時間程度の勉強時間でも基本情報技術者試験の合格は可能だと考えられています。

仮に1日2時間ほど勉強を確保できた場合、約1か月で達成できる勉強時間です。

特にIT用語やプログラミングに関して前提知識があると、試験での大きなアドバンテージになるでしょう。

IT基礎知識を固めるステップはある程度飛ばしてOK

すでにIT業界で活躍している場合は、基礎的なIT知識を固めるステップを飛ばしても問題ありません。

テキストを読んでみて十分に理解できていると感じる分野には時間をかけず、基本情報技術者試験特有の出題範囲を対策することに時間を多く割くという進め方でも良いでしょう。

しかし、基本情報技術者試験の出題範囲は、IT知識全般にわたる幅広い内容であるため、実務経験者であっても、専門的な仕事をしている場合にはカバーできていない領域がある可能性があります。

特にストラテジ系やマネジメント系の問題は情報処理の知識がある方でもなじみが薄い分野であることが多く、基礎からしっかり学びなおす気持ちで取り組むのがおすすめです。

経験者なら勉強スケジュールは問題演習重視で

ITの基礎知識がある経験者であれば、勉強スケジュールは問題演習中心に組み立てても問題ありません。

十分に理解できている部分まで参考書を読み込むよりも、実際に問題を解き、わからなかった箇所を重点的に復習するほうが効率的に学習を進められます。

可能な限り難易度の高い問題を繰り返し解くことで、出題傾向に慣れ、解答力を着実に高められるでしょう。

さらに、演習の記録を残して弱点分野を把握すれば、学習の優先度を明確にできます。

過去問や模擬試験などを定期的に取り入れることで、理解度を客観的に確認でき、実力の伸びを実感しやすくなります。

また、短時間でも毎日問題に触れる習慣をつけることで、本番に近い集中力やスピード感を養うことが可能です。

独学でもできる過去問練習で理解度をセルフチェック

現在の自分の知識レベルがどのくらいか判断がつかない場合のセルフチェックの手段として、IPAが公開している過去問題を一度解いてみる方法があります。

過去問題練習の自己採点してみることで、現時点で自分が何点取れるかを把握するとともに、どの分野が苦手なのかの判断材料とすることができます。

IT基礎知識に自信のある受験者も、自分の現在のレベルを確認するために、まずはサンプル問題を解いてみましょう。

理解不足を感じた分野を中心にテキストや参考書を読み返すことで、効率よく苦手分野を克服しながら合格を目指せます。

基本情報技術者試験対策は【過去問・サンプル問題の反復練習】が効果的

もっとも効果的な基本情報技術者試験対策は、過去問題やサンプル問題での問題演習の反復です。

特に科目A試験の問題は、過去問題とまったく同じ、あるいは類似の問題が多く出題される傾向があります。

ただし、同じ問題が出題される可能性があるとはいえ、問題そのものを丸暗記するのではなく、きちんと出題傾向と内容を理解することを目指して学習しましょう。

また、問題ににわからない用語があった際には、必ず調べて理解しておく癖をつけましょう。

問題文や選択肢に含まれる用語の理解を深めることで、応用力アップにつながります。

これらの方法で、受験までの学習期間にできるだけ多くの問題に触れておくことにより、合格に向けた大きなアドバンテージを得ることができます。

特に独学の場合は問題の反復練習がオススメ

問題の反復練習は、特に独学で基本情報技術者試験に挑戦する人にとって非常に効果的な学習方法です。

一人でコツコツ取り組めるため継続しやすく、同じ問題を繰り返すことで知識が定着しやすくなります。

独学の場合、参考書を読み込むだけで終わってしまうこともありますが、反復練習を取り入れることで限られた時間でも確実に合格へと近づけるでしょう。

反復練習の際に間違えた問題や理解が不十分な分野をその都度見直すことで、弱点を補強することにつながります。

こうした積み重ねが最終的に本番での安定した得点力につながり、自信を持って試験に臨めるでしょう。

特に独学では自己管理が重要になるため、反復練習を軸に学習のペースを整えることが合格の鍵となります。

独学でもスキマ時間の反復練習で合格を目指せる

基本情報技術者試験の問題は、記述問題と比較してコンパクトに解答可能なため、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用して問題演習を行うことができます。

可能な限り多くの過去問題・模擬問題を反復して学習するようにしましょう。

スキマ時間を勉強時間に変えるアプリやWebサイトも

スキマ時間の学習には、どこでもすぐに取り出して学ぶことができる、スマートフォンのアプリが最適です。

基本情報技術者試験の過去問題の内容を網羅しているアプリがありますので、勉強に役立ててください。

ブックマーク機能や苦手問題を分類してくれるアプリであれば、さらに効率的に勉強できます。

スキマ時間の徹底活用で過去問題を繰り返し反復学習し、本番で同じ問題が出題されたら必ず正解できるようにしておくことは、基本情報技術者試験対策として非常に重要です。

初心者でなくても過去問の反復練習は重要

十分なIT知識を持っているのにもかかわらず、過去問題を軽視していたがために科目A試験で脱落してしまう方がいます。

基礎知識を持った上で受験する場合であっても、基本情報技術者試験の出題傾向をきちんと理解するために、過去問題への取り組みを疎かにはできません。

また、科目A試験の過去問題がまったく理解できないという方は、上述したテキストの読み込みからスタートしてください。

【おすすめ学習スケジュール】なるべく早めに科目B試験の対策も

2023年4月の試験制度変更で大きな変更があった科目B試験は、過去問題がないため対策が難しいのが現状です。

そのため、科目A試験対策がある程度仕上がってきたら、なるべく早いタイミングで学習の重点を科目B試験対策に振り向けていくのがよいでしょう。

科目A試験は過去問だけでもある程度対応できるが…

科目A試験(旧・午前試験)は四肢択一方式であり過去問題からの出題も多いため、反復して過去問題を勉強するだけで対応できます。

しかし、科目B試験は、2023年の4月から新たな形で実施された試験であり、サンプル問題は公開されていますが、まだ過去問題は存在しません。

科目B試験に合格するためには、出題されるアルゴリズムとプログラミング分野、そして情報セキュリティ分野へのしっかりとした理解が求められます。

また、制度変更で個別プログラミング言語の出題が廃止され擬似言語に統一されたことで、擬似言語についてもしっかりと学んでおく必要があります。

科目B試験対策には旧・午後試験の過去問題もおすすめ

上述の通り、科目B試験には、過去問題がありません。

そのため、サンプル問題だけでは問題演習が不足していると感じた場合には、出題の形式は異なりますが、制度変更前の基本情報技術者試験で実施されていた午後試験の過去問題を解いてみることもおすすめです。

また、情報セキュリティの分野に関しては、情報セキュリティマネジメント試験の問題も有用です。

近似分野の過去問題を使った問題演習を行うことで、自身にどの分野の知識が不足しているのか、知識があやふやな領域はないか、といった確認にもつながります。

勉強スケジュールは科目B試験対策の勉強時間を多めに確保

試験当日までの勉強スケジュールでは、科目B試験対策に充てる時間を多めに確保してください。

また、科目B試験は、制度変更前の基本情報技術者試験における旧・午後試験とは異なり、得意な分野を選択することで得点をカバーすることができません。

科目B試験に出題される分野が苦手だと感じている場合は、あらかじめ科目B試験対策に時間をしっかりと割けるように計画しておきましょう。

自信がなければeラーニングやオンライン講座も検討

ここまでは基本的に独学で基本情報技術者試験に合格する方法についてお話してきましたが、あまり自信がない方はeラーニングやオンライン講座での勉強も検討してみましょう。

基本情報技術者試験のeラーニングやオンライン講座では、専門講師による講義を受けられるうえ、科目A試験、科目B試験ともに出題される範囲をきちんと網羅したカリキュラムも充実しています。

合格までの道のりをしっかりとサポートしてくれるため、初学者の方でも安心です。

独学で基本情報技術者試験合格を目指すメリットとデメリット

教材や情報が豊富で取り組みやすい基本情報技術者試験は、知識レベルに関わらず、独学でも十分に合格を目指すことができる試験です。

しかし独学での学習には、メリットとデメリットの両方が存在します。

ここでは独学で基本情報技術者試験の合格を目指す上でのメリット、デメリットを解説します。

独学のメリット

年間10万人が受験する基本情報技術者試験は、参考書や問題集が豊富に揃っています。

そのため、独学の場合は、書籍代のみの費用で押さえられることがメリットです。

また、独学であれば自分のペースで学習を進めやすく、その点も大きな魅力であると言えます。

科目A試験(旧・午前試験)に関しては、過去問題からの出題の比率も高く、試験実施団体の公開している過去問での問題演習の学習効果も高いため、特に独学向きの試験内容と言えるでしょう。

独学のデメリット

用語の暗記や、過去問題などを活用した科目A試験対策のやりやすさは独学向きである一方、アルゴリズムやプログラミング知識など、より専門特化した科目B試験対策でつまずいた際に、独学だと抜け出すのが難しくなるケースがあります。

特に初学者でIT知識がない段階から学習をスタートした方の場合、周囲に質問や相談ができる人がいないと挫折してしまう可能性もあるので、

自身の知識レベルに不安があるならeラーニングやオンライン講座の利用を検討したほうが、スムーズに学習を進められます。

IT系の国家試験としては取り組みやすい難易度

IT系の国家試験である情報処理技術者試験のなかでも、基本情報技術者試験は比較的合格を目指しやすい難易度の試験です。

2024年度(令和6年度)の合格率は、40.8%でした。なお、ここでの合格率は、2024年度の受験者全体での合格率ということになります。

基本情報技術者試験の申し込みはオンラインで

特に独学で基本情報技術者試験の合格を目指している場合、受験申し込みを忘れないように注意しましょう。

現在の基本情報技術者試験は通年で実施されているため、受験申し込みはいつでも行なうことが可能です。

自分の勉強スケジュールや学習進度にあわせて、適切なタイミングで受験申し込みをしましょう。

なお、受験申し込みはすべてオンラインで完結できます。

郵送や窓口での手続きが不要なため、自宅や外出先など好きな場所から簡単に手続きすることが可能です。

自分の都合に合わせてスムーズに申し込めるのは大きなメリットといえるでしょう。

申し込み時に試験会場や日時を明確に決めておくことで、勉強のゴールを意識しやすくなり、学習計画にメリハリが生まれるメリットもあります。

基本情報技術者試験は、試験会場のコンピューターで受験するCBT方式

現行制度の基本情報技術者試験は、試験会場のコンピューターで受験するCBT方式が採用されています。

試験日や試験会場は受験者が自由に選択できるため、自宅から近い会場や交通の便が良い会場を選ぶことが可能です。

当日の移動負担を減らすことで、より試験に臨みやすくなるでしょう。

まとめ:勉強時間と勉強スケジュールをしっかり定めることが合格への近道

基本情報技術者試験に合格するための効果的な勉強法についてお話ししました。

多くの方が、ご紹介した勉強方法で合格しています。

IT知識がない場合、最初はテキストの難しさに戸惑ってしまうかもしれませんが、根気強く勉強することで合格は可能です。あきらめずに勉強を続けてください。

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