
令和7年度春期試験では、応用情報技術者試験の合格者の平均年齢は、29.0歳でした。
この試験における応募者の平均年齢は30.7歳、受験者の平均年齢が30.2歳でしたので、だいたい新人エンジニアと呼ばれる時期をすぎて、キャリアアップしたい若手エンジニアがステップアップのために受験していることがうかがえます。
この記事では、ワンランク上のエンジニアのための試験である応用情報技術者試験と、エンジニアへの登竜門とされる基本情報技術者試験、そして応用情報技術者試験よりも上位にあたる高度試験の平均年齢を比較して、それぞれの試験の位置付けを再確認していきましょう。
応用情報技術者試験の平均年齢と、合格率・難易度
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の公式サイトでは、応用情報技術者試験における応募者・受験者・合格者の平均年齢が公開されています。
応用情報技術者試験の受験を検討する際は、過去の統計データを参考にすることで、自身の立ち位置を把握しやすくなります。
特に合格者の年齢層を知ることは、勉強計画を立てるうえでの目安となるでしょう。
ここでは、応用情報技術者試験の応募者・受験者・合格者の平均年齢のデータを紹介します。
応用情報技術者試験・平均年齢(令和7年度・春期)
直近に実施された令和7年度春期の応用情報技術者試験における応募者・受験者・合格者の平均年齢は、以下のとおりです。
応募者 | 30.7 |
受験者 | 30.2 |
合格者 | 29.0 |
また、過去5年(令和2年度~令和6年度)の平均年齢は以下のとおりです。
応募者 | 受験者 | 合格者 | |
令和2年度春期 | – | – | – |
令和2年度10月 | 31.0 | 30.4 | 28.5 |
令和3年度春期 | 31.2 | 30.5 | 28.9 |
令和3年度秋期 | 30.1 | 29.6 | 29.0 |
令和4年度春期 | 30.5 | 29.9 | 28.9 |
令和4年度秋期 | 30.4 | 29.9 | 28.1 |
令和5年度春期 | 30.8 | 30.4 | 29.4 |
令和5年度秋期 | 30.4 | 30.0 | 28.4 |
令和6年度春期 | 30.7 | 30.2 | 29.3 |
令和6年度秋期 | 30.4 | 30.0 | 28.9 |
いずれの年度でも、応募者・受験者・合格者はおおむね30歳前後で推移していることが分かります。
ワンランク上のITエンジニア向け=応用情報技術者試験
応用情報技術者試験の受験者や合格者の平均年齢である30歳前後は、ITエンジニアとしてルーキーの域を脱し、中堅エンジニアへのキャリアアップを目指しているタイミングにあたります。
応用情報技術者試験は、まさにこうした「中堅エンジニア」を対象に設計された試験であり、平均年齢のデータはその狙いと一致しているといえるでしょう。
20代後半から30代前半は、担当業務をこなす立場からチームをリードする役割へと移行していく時期です。
そのため、より幅広い知識や応用力が求められます。
応用情報技術者試験の受験を通じて、企業のIT戦略策定やシステム設計、要件定義といった幅広い分野の知識を体系的に身につけられます。
応用情報技術者試験は、専門性強化とキャリアアップの両方を狙える試験であり、合格することで実務に必要な知識や応用力を持っていることを客観的に証明できます。
そのため、転職や昇進といったキャリアの節目において、大きなアピール材料となるでしょう。
基本情報技術者試験とは年齢層やキャリアが異なる
新人エンジニアの多くが受験するのが、基本情報技術者試験です。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験では、受験者の年齢層やキャリアなどに違いが見られます。
基本情報技術者試験は、学生や新卒社員などがキャリアの初期段階で挑戦するケースが多い試験です。
一方、応用情報技術者試験は、前述のとおり実務経験を積んだエンジニアがステップアップとして受験する傾向があります。
ここでは、直近の実施における基本情報技術者試験の平均年齢データを見ていきましょう。
基本情報技術者試験・平均年齢(令和7年度4~7月)
令和7年度に入ってからの、4~7月の基本情報技術者試験における応募者・受験者・合格者の平均年齢は、以下のとおりです。
応募者 | 受験者 | 合格者 | |
令和7年度4月 | 26.4 | 26.1 | 25.8 |
令和7年度5月 | 26.6 | 26.3 | 25.5 |
令和7年度6月 | 26.4 | 26.2 | 25.6 |
令和7年度7月 | 27.0 | 26.7 | 26.0 |
これを見ると、応募者・受験者・合格者はおおむね26歳前後で推移しています。
ITエンジニアの登竜門=基本情報技術者試験
基本情報技術者試験の応募者・受験者・合格者は平均年齢が26歳前後となっていることから、応用情報技術者試験と比べて若い層が中心となっていることが分かります。
その理由の一つは、大学生や専門学校生といった学生の受験者が多いこと。
就職活動前に基本情報技術者試験に合格していれば、ITに関する基礎知識を持っていると証明でき、就職市場においてアピール材料として活用することが可能です。
そのため、基本情報技術者試験の取得を在学中に検討するケースが多く見られるのです。
また、基本情報技術者試験は新卒入社後の新人研修の一環として企業が受験を推奨することも多く、キャリア初期での受験者が大半を占めています。
その結果、応用情報技術者試験よりも全体の年齢層は低い傾向にあります。
基本情報技術者試験は、エンジニアとしての基礎力を養う登竜門的な試験です。
これからエンジニアを目指す人に適しており、将来的に応用情報技術者試験や高度情報処理技術者試験へ進むための第一歩となるでしょう。<h3>ITエンジニアの登竜門=基本情報技術者試験</h3>
基本情報技術者試験の応募者・受験者・合格者は平均年齢が26歳前後となっていることから、応用情報技術者試験と比べて若い層が中心となっていることが分かります。
その理由の一つは、大学生や専門学校生といった学生の受験者が多いこと。
就職活動前に基本情報技術者試験に合格していれば、ITに関する基礎知識を持っていると証明でき、就職市場においてアピール材料として活用することが可能です。
そのため、基本情報技術者試験の取得を在学中に検討するケースが多く見られるのです。
また、基本情報技術者試験は新卒入社後の新人研修の一環として企業が受験を推奨することも多く、キャリア初期での受験者が大半を占めています。
その結果、応用情報技術者試験よりも全体の年齢層は低い傾向にあります。
基本情報技術者試験は、エンジニアとしての基礎力を養う登竜門的な試験です。
これからエンジニアを目指す人に適しており、将来的に応用情報技術者試験や高度情報処理技術者試験へ進むための第一歩となるでしょう。
応用情報技術者試験より上位レベルの高度試験では?
応用情報技術者試験より上位レベルに位置づけられる高度試験では、受験者の年齢層にどのような傾向があるのでしょうか。
高度試験には、情報処理安全確保支援士試験を含めて9つの区分があります。
これらの試験は専門性が高く、実務経験を重ねたエンジニアが挑戦するケースが多いのが特徴です。
ここでは一例として、ネットワークスペシャリスト試験の平均年齢を見てみましょう。
ネットワークスペシャリスト試験・平均年齢(令和7年度・春期)
例年春期に実施されるネットワークスペシャリスト試験。令和7年度春期における応募者・受験者・合格者の平均年齢は、以下のとおりです。
応募者 | 36.2 |
受験者 | 36.5 |
合格者 | 34.1 |
また、令和7年度以前の過去4年(令和3年度~令和6年度)における平均年齢は、以下のとおりです。
応募者 | 受験者 | 合格者 | |
令和3年度春期 | 36.4 | 36.6 | 33.3 |
令和4年度春期 | 36.4 | 36.6 | 34.1 |
令和5年度春期 | 36.3 | 36.6 | 33.5 |
令和6年度春期 | 36.4 | 36.6 | 33.7 |
いずれの年度でも、応募者・受験者の平均年齢は36歳前後、合格者の平均年齢が33歳前後で推移していることが分かります。
ITの高度な知識・技能を認定する「高度試験」
前述したとおり、直近の令和7年度春期に実施されたネットワークスペシャリスト試験では、合格者の平均年齢が34.1歳、受験者が36.5歳、応募者は36.2歳となっています。
応用情報技術者試験と比べても年齢層が高く、より高度なレベルに到達したエンジニアが受験していることが推察できます。
ネットワークスペシャリスト試験の場合、ネットワーク設計・運用、セキュリティ対策、障害対応といった幅広い専門知識が求められます。
大規模ネットワークや基幹システムを担うエンジニアが、自らの専門性を客観的に証明するために挑戦する試験といえるでしょう。
高度試験は、単なる知識の暗記ではなく、システム設計やトラブルシューティングなど、実務に直結する応用力が問われる点が大きな特徴です。
実務経験を積んだ人ほど適切な判断や回答を導きやすくなるため、受験者の年齢層は自然と高まり、30代半ば以降が中心となる傾向が見られます。
このように、応用情報技術者試験を通過点とし、さらに高いレベルの知識や経験を必要とするのが高度試験です。
平均年齢の高さは、試験が実務経験を前提とし、難易度が高いことを如実に示しているといえるでしょう。
情報処理技術者試験は、年齢やキャリアに応じたレベルが用意されている
ここまで紹介した基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、高度試験(ネットワークスペシャリスト試験)の平均年齢のデータを表にまとめましたのでご覧ください。
試験名 | 基本情報技術者試験 ※令和7年度7月 | 応用情報技術者試験 ※令和7年度春期 | 高度試験(ネットワークスペシャリスト試験) ※令和7年度春期 |
応募者 | 27.0 | 30.7 | 36.2 |
受験者 | 26.7 | 30.2 | 36.5 |
合格者 | 26.0 | 29.0 | 34.1 |
このように、情報処理技術者試験では年齢層やキャリアに応じて段階的に挑戦できるレベルが用意されています。
基本情報技術者試験の合格者の平均年齢は26.0歳、応用情報技術者試験は29.0歳、高度試験(ネットワークスペシャリスト試験)は34.1歳となっており、それぞれの対象層が明確に表れています。
基本情報技術者試験からスタートすることで、着実にスキルを積み上げ、次のステップへ進むことが可能です。
前述したとおり、応用情報技術者試験は「中堅エンジニア」を対象に設計されています。
企業のIT戦略策定やシステム設計、要件定義といった幅広い分野の知識を体系的に習得することが可能です。
さらに、転職や昇進といったキャリアの節目において大きなアピール材料となるでしょう。
まとめ
今回は、応用情報技術者試験の平均年齢について、基本情報技術者試験や高度試験の平均年齢と比較して解説しました。
最後に本記事のポイントをおさらいしましょう。
- 応用情報技術者試験の受験者や合格者の平均年齢は30歳前後
- 30歳前後は、ITエンジニアとしてルーキーの域を脱し、中堅エンジニアへのキャリアアップを目指しているタイミングにあたる
- 応用情報技術者試験の受験を通じて、企業のIT戦略策定やシステム設計、要件定義といった幅広い分野の知識を体系的に身につけられる
- 応用情報技術者試験に合格することで、実務に必要な知識や応用力を持っていることを客観的に証明でき、キャリア形成に大きく役立つ
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