中小企業診断士を取得した後は、自分の強みにしたいスキルに合わせたダブルライセンスがおすすめです。
診断士と相性の良い資格を以下にまとめました。
中小企業診断士の科目「財務・会計」と非常に関係が深い資格です。また、簿記は、ビジネスの基礎ですので、取得しておいて損はありません。診断士の取得を考える方であれば、簿記資格の取得も検討するのが良いでしょう。
中小企業診断士の科目「経営法務」と関係が深い資格です。
法律系の資格では、行政書士、司法書士など専門性が高い資格が多い中で、ビジネス実務法務検定は、「敷居が低い」資格といえます。ビジネス全般にかかわる法律を幅広く扱う資格です。
最近では、企業の中で、管理者や営業、マーケティング、人事、総務など、法律が専門ではない方々から人気のある資格です。企業のコンプライアンスの意識の高まりの中、昇進の基準になっていたり、就職・転職が有利になる企業が増えているようです。
なお、ビジネス実務法務検定3級については合格率が7割以上の試験であるため、少し追加で勉強すれば取得が可能です。2級になると、もう少し本格的に勉強をする必要がありますが、難関資格である診断士に受かるレベルの人であれば、比較的短期間の勉強で当資格も取得できる可能性が高いでしょう。
中小企業診断士の科目「運営管理」の中の店舗・販売管理と関係が深い資格です。
販売やマーケティングに強い中小企業診断士は、販売士資格を取得していることが多いようです。
中小企業診断士の科目「運営管理」と店舗・販売管理は、試験内容が良く似ています。小売業、マーチャンダイジング、マーケティング、販売・経営管理等、共通項が多いため、販売・マーケティングに強い診断士を目指す方であれば、ダブルライセンスを狙うと良いでしょう。
中小企業診断士の科目「経営情報システム」では、ITに関する内容が出題されます。
ITが苦手な方であれば、情報処理資格の入門編である「ITパスポート」の勉強をしながら、基礎知識を補充するのも良いでしょう。ITを専門にする方であれば、「基本情報技術者試験」や、「応用情報技術者試験」がおすすめです。
また、「ITコーディネータ」資格は、IT経営を実現するプロフェッショナルという位置付けの資格であり、科目「経営情報システム」の内容と近いため、診断士取得後等に取るのが有利です。
社会保険労務士は、「人」に関するスペシャリストです。労働社会保険諸法令に基づく書類作成業務(1号業務)、提出手続代行業務(2号業務)、そしてコンサルティング業務(3号業務)が主な業務内容で、その中でも、書類作成業務と提出手続代行業務は、社会保険労務士の独占業務です。
企業では、メンタルヘルスやパワーハラスメントの問題、従業員の高齢化や女性登用など、日々変化する経営環境への対応を迫られており、「人事制度の見直し」、「賃金制度の改定」、「就業規則の改定」などについて、専門家である社会保険労務士からのアドバイスを必要としています。その結果、コンサルティング業務の重要性が増してきています。
書類作成業務と提出手続代行業務は、極論を言えば、社会保険労務士であれば誰でも対応できる業務です。ルールに則って行うハード面の業務と言えるでしょう。一方でコンサルティング業務はソフト面の業務と言えます。
「人」に関わるコンサルティング業務を行うときには、人のことだけではなく、経営の根幹である経営理念やビジョン、どのような組織を作りたいかという経営者の想いを汲み取ることが必要です。ただ、社会保険労務士の試験には経営全般を見渡すものがありません。そのため、試験の知識がそのまま使える1号・2号業務に留まってしまう社労士の方も少なくありません。
一方で、経営全般の知識を得て、よりスムーズにコンサルティング業務を行うために、中小企業診断士を取得する社労士がいます。また逆に、診断士を取得した後、人事労務に強い経営コンサルタントとなるために、社労士を取得する人もいます。
このように中小企業診断士と社会保険労務士は足りないものを補完しあう、相性の良い組み合わせです。
税理士は、税金のスペシャリストです。税務書類の作成、税務代理、税務相談のような税務業務は、税理士だけが行える独占業務です。中小企業の多くは顧問税理士と契約し、税務だけでなく会計業務も依頼しています。多くのコンサルタントを雇えない中小企業はこの顧問税理士に、税務・会計だけでなく、経営上発生する様々な問題に対するアドバイスを求めています。
また、公認会計士は、税理士と同じ業務独占資格です。税理士がクライアントの税金に関する仕事をお手伝いできる資格であるのに対し、公認会計士は税金を含めた会社のお金の流れ全体を監査できる資格です。
したがって、中小企業に対するコンサルタントとして、これらを持っていることは非常に強力な差別化になるのです。
公認会計士や税理士は、会計・財務・税務という会社の数字を中心とした仕事を担当します。したがって、経験豊富な公認会計士や税理士でない限り、過去の数字にとらわれがちになってしまいます。
公認会計士や税理士の方々から聞くのが、「経営・事業側の壁」です。過去の数字の解釈を元に、コスト削減などの数字上のアドバイスはできるのですが、どうやったら具体的にコスト削減ができるのか?売上を伸ばすためにはどうすれば良いのか?という課題に対しては、「それは経営側(事業側)で考えて下さい。」という姿勢になってしまうことが多いようです。
この壁を乗り越えるために、中小企業診断士を取得する会計士や税理士が多くいます。より全般的に経営上の問題・課題に応えようとする意識が働いた結果と言えるでしょう。
お金のプロフェッショナルである公認会計士や税理士と比較して、経営全般を見渡す中小企業診断士は、お金・数字に疎いと言えます。そのため、例えば起業支援をするときの事業計画作成時には、数字面での根拠が弱くなりがちです。
診断士を取得した後、さらにお金・数字を強化するには、公認会計士や税理士、あるいは簿記などを学んでみるのも良いでしょう。
ご存知の通り、現代のビジネス社会ではITの活用が必須です。情報システムを考案・制作し、正しい情報セキュリティの知識のもとで運用することで、企業経営にいかにメリットをもたらせるかが非常に重要になっています。
そこで、情報技術者として幅広い知識を網羅できる応用情報技術者は、中小企業診断士にとって多くのメリットがあります。
その会社の業務や経営を理解している中小企業診断士が、業務システムを開発するエンジニアの業務を理解していることは、非常に役立ちます。
お客様の要望や要件を、どのような形でシステムに反映し開発できるか検討が付くようになれば、自身とお客様、エンジニア間のコミュニケーションがよりスムーズになります。
応用情報技術者の午後試験は必須解答1科目、選択解答4科目という構成です。必須の科目が情報セキュリティの分野です。それほど、応用情報技術者試験では情報セキュリティの分野を重視したシラバスになっています。
サイバー攻撃による個人情報の流出や、システムダウンなどの被害を防ぐためにも、情報セキュリティに関する知識は必須と言えます。応用情報技術者を取得するための学習を行うことで、利用者側のリテラシだけでなく、技術的な対策・対応の知識も得ることができます。
企業経営にITを活かしたいと考える顧客にとって、中小企業診断士が応用情報技術者を取得していることは、技術力のアピールにもなります。
応用情報技術者試験は中小企業診断士試験の「経営情報システム」と多くの関連があるため、メリットは多いながら効率よく取得できる資格です。
現代の経営では、情報システムの活用は非常に重要になっています。
そのため、経営全般のアドバイザーである中小企業診断士も、情報システムの基本的な知識を持ち、経営に活用できる必要があります。そのため、経営情報システムの科目では、情報システムの基本知識と、それを経営に活用できるスキルが問われます。
具体的には、ハードウェアやソフトウェア、処理、データベース、ネットワーク、システム化計画、セキュリティなどの知識が問われます。
応用情報技術者試験の試験範囲には、上記のような知識はもちろん含まれます。中小企業診断士試験の「経営情報システム」で学習した内容は、ほぼすべてを応用情報技術者試験で活かすことができます。
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応用情報技術者試験では過去問対策が極めて重要です。過去問の正答率を高めることで合格を手繰り寄せることができます。
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中小企業診断士は経営コンサルタントとしての唯一の国家資格であり、企業の経営に貢献できるスキルを持った証明です。さらに応用情報技術者を取得し、確かなIT技術者としての知識を証明することで、今後の様々なビジネスシーンでのニーズが高まります。応用情報技術者試験は、IT技術を経営の味方として活かしたい人にぜひ目指してほしい資格です。