応用情報技術者試験は、どれくらいのレベルの試験として位置付けられているのでしょうか。
まずは、応用情報技術者試験のレベルや難易度などについて解説します。
受験を検討している方や、ほかの資格と比較をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
応用情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門となっている基本情報技術者試験を経て、さらにランクアップしたい人向けの試験です。
具体的には、以下の役割や業務に従事している人、またはこれらの業務に就くことを目指している人が対象となります。
また実際の試験では、以下の知識やスキルが求められます。
情報処理技術者試験は、試験実施団体であるIPAが定めた共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)によってレベルが設定されています。
応用情報技術者試験は、スキルレベル3に相当します。
なお、より初心者向けとされている基本情報技術者試験はスキルレベル2です。
情報処理技術者試験の最高峰とされている高度区分の各試験は、スキルレベル4とされています。
応用情報技術者試験は、これらの中間に位置する試験です。
試験問題の難易度は、このスキルレベルに沿った設定となっています。
そのため応用情報技術者試験の難易度は、基本情報技術者試験よりは高く、高度区分の各試験よりは低いということになります。
以下は、応用情報技術者試験の合格率をまとめた表です。
毎年おおむね20%台で推移しており、令和5年度の合格率は25.0%です。
実施年度 | 合格率 |
平成21年度 | 23.6% |
平成22年度 | 21.6% |
平成23年度 | 22.1% |
平成24年度 | 21.5% |
平成25年度 | 18.8% |
平成26年度 | 20.2% |
平成27年度 | 21.3% |
平成28年度 | 21.0% |
平成29年度 | 21.0% |
平成30年度 | 23.1% |
令和元年度 | 22.3% |
令和2年度 | 23.5% |
令和3年度 | 23.5% |
令和4年度 | 25.3% |
令和5年度 | 25.0% |
応用情報技術者試験に限った話ではありませんが、こうした合格率の低さを見るだけでも、相応に難易度が高いことがわかります。
前述の通り、応用情報技術者試験の合格率は、例年おおむね20%台です。
基本情報技術者試験の合格率が近年40%台で推移しているのと比較すると、大きな差があることがわかります。
また、基本情報技術者試験は、CBT方式で通年受験が可能です。
これに対して応用情報技術者試験は、春期と周期の年に2回しか受験ができないため、受験のしやすさという側面においても大きな違いがあります。
合格率や受験のハードルといった観点から比較すると、応用情報技術者試験は基本情報技術者試験と比べて難易度の高い試験であると言えるでしょう。
上位試験にあたる高度区分の各試験の合格率は、試験によって異なります。
ただ、おおむね10%台中盤あたりの試験が多い傾向にあります。
合格率だけを見ると、応用情報技術者試験と基本情報技術者試験を比較したときほどの大きな差はありません。
しかし高度試験の出題範囲は、試験ごとの専門分野により特化した、非常に高度な内容となっています。
また試験問題も、長文読解を含む、難解な出題形式の問題が多くなります。
受験者の得意分野によっても難易度は変わりますが、応用情報技術者試験と比べても、高度試験の難易度は非常に高いと言えるでしょう。
ここまで解説してきた通り、応用情報技術者試験は難易度の高い試験です。
しかし、受験資格や制限については特に設けられていません。
そのため、学歴や実務経験の年数などに関わらず、小中学生や高齢者などどのような人でも申し込みさえすれば受験することができます。
実際に令和5年度の統計資料で受験者のデータを見ると、10歳以下は6人、10代は合計2,832人となっています。
なお、70歳以上は合計19人となっています。
また学生の受験者は合計11,419人となっていますが、そのうち高校生は354人、小中学生は21人です。
社会人のうち、実務経験の年数は経験なしの受験生が197人、1年未満が3,799人となっています。
応用情報技術者試験は誰でも受験ができるため、このようにさまざまな経歴や年齢の人が挑戦をしています。
前述の通り、応用情報技術者試験には受験資格が特にないため、学生でも受験が可能です。
IT業界への就職を目指す大学生であれば、学生のうちに合格を目指すのもおすすめです。
ただし、応用情報技術者試験に合格するには、ITの幅広い基礎知識を習得しなければなりません。
IT初心者であれば、非常に多くの勉強時間が必要となります。
そのためまずは基本情報技術者試験に合格して、さらに応用情報技術者試験の合格を目指すといった、ステップバイステップ形式での学習スケジュールを組み立てていくとよいでしょう。
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今回のポイントをおさらいしておきましょう。
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