応用情報技術者試験の試験内容を解説 出題範囲は?合格ラインは?

基本情報技術者試験がITエンジニアの登竜門的な国家試験として認知されている一方、その上位試験にあたる応用情報技術者試験の内容については、とくにIT以外の業種では認知度が低いと言えるかもしれません。

しかし、エンジニアやIT人材としてワンランク上のスキル・知識を示すには、応用情報技術者試験はぜひとも合格を目指したい試験のひとつです。

ここでは、応用情報技術者試験の試験内容について、出題範囲や合格ラインなどの情報を整理してみましょう。

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目次 Contents

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応用情報技術者試験(AP)の概要とは?

応用情報技術者試験(AP=Applied Information Technology Engineer Examinationの略号)は、高度IT人材としてのエンジニアのスキル・知識を証明する試験です。

試験の概要を以下の3点で解説します。

  • IPAによるIT国家試験「情報処理技術者試験」のレベル3に相当
  • 合格者はIT技術者としてワンランク上のスキル・知識を持つと評価される
  • IT資格全般のなかでの応用情報技術者試験の難易度は?

一つずつ見ていきましょう。


IPAによるIT国家試験「情報処理技術者試験」のレベル3に相当

応用情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施するIT国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、ITの利用者側ではなく、開発者・技術者側のスキルを認定する試験です。

IPAが設定した共通キャリアスキルフレームワーク(CCSF)によると、応用情報技術者試験はレベル2の基本情報技術者試験の上位にあたり、CCSFスキルレベル3に相当。また、この上位には、スキルレベル4の高度試験区分が存在します。


以下の図は、現行の試験区分と共通キャリアスキルフレームワーク(CCSF)のレベルを表したものです。

【参考】IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「試験区分一覧」


試験名 スキルレベル
・データベーススペシャリスト試験

・ITストラテジスト試験
・システムアーキテクト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
・ITサービスマネージャ試験
・システム監査技術者試験

レベル4
・応用情報技術者試験 レベル3
・基本情報技術者試験

・情報セキュリティマネジメント試験

レベル2
・ITパスポート試験 レベル1


応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験のなかでも上位レベルに位置し、合格するには、ITに関する応用的知識・技能などが必要となります。


合格者はIT技術者としてワンランク上のスキル・知識を持つと評価される

応用情報技術者試験の合格者は、IT技術者としてワンランク上のスキル・知識を持つ人材として評価されます。

IPAは試験合格者に、以下の業務・役割と7つの期待する技術水準を課しています。

業務と役割 ・企業や社会が直面する課題に対して、IT技術を活用した戦略立案ができる

・システムの設計・開発を行い、汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、信頼性・生産性の高いシステム構築と安定的な運用ができる

期待する技術水準
  1. 経営者の方針を理解し、外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できる
  2. 経営戦略・IT戦略の評価に際して、差異分析などを行える
  3. システム又はサービスの提案活動に際して、提案書の一部を作成できる
  4. システムに対する要求を整理し、適用できる技術の調査が行える
  5. 各担当分野でのサービス提供と安定稼働の確保が行える
  6. プロジェクトマネージャ(リーダー)の下でスコープ、予算、工程、品質などの管理ができる
  7. システムなどの設計・開発・運用・保守において、上位者の方針を理解し、自ら技術的問題を解決できる


試験合格者にはITエンジニアとしての知識や技能だけでなく、戦略立案や経営といった幅広いパフォーマンスを発揮することが求められるため、相対的に評価も高くなります。


IT資格全般のなかでの応用情報技術者試験の難易度は?

国家試験である情報処理技術者試験は、エントリー試験的な位置づけのITパスポート試験や基本情報技術者試験を除き、IT資格試験全般のなかでも、やや難易度が高めの設定です。

ちょうどこの応用情報技術者試験からは、IT中級~上級者向けの試験として捉えてよいでしょう。

なお、以下の表は直近3年の応用情報技術者試験の合格率を表したものです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年春期 26,185 6,287 24.0%
令和3年秋期 33,513 7,719 23.0%
令和4年春期 32,189 7,827 24.3%
令和4年秋期 36,329 9,516 26.2%
令和5年春期 32,340 8,805 27.2%
令和5年秋期 37,763 8,753 23.2%
平均 33,053 8,151 24.7%


合格率は平均すると24.7%、受験者の約4人に1人が合格する計算です。

受験資格はとくに設けられていないため、実務経験がない方や大学生でも国家試験に合格するチャンスがあります。


応用情報技術者試験の受験時期・試験時間・出題形式・出題数は?

ここからは具体的に、応用情報技術者試験の受験時期・試験時間・出題形式・出題数について紹介していきます。

  • 年2回(春期・秋期)実施の筆記試験
  • 1日で午前試験・午後試験を受験する構成

以下で詳しく解説していきましょう。


年2回(春期・秋期)実施の筆記試験

応用情報技術者試験は、通年受験ではなく年2回(春期・秋期)のみの実施となります。

例年であれば春期(4月)と秋期(10月)の第2日曜日に行われ、試験会場は全国の主要都市62都市に設定されています。

以下の年間スケジュールを見て、ある程度の学習プランを立てておくとよいでしょう。

春期試験 秋期試験
申込受付期間 例年1月中旬~2月上旬 例年7月中旬~8月上旬
試験日 例年4月の第3日曜日 例年10月の第2日曜日
合格発表 例年6月下旬 例年12月下旬


実施方式は筆記での試験となり、基本情報技術者試験のように試験会場のコンピューターで解答するCBT方式とは異なります。


1日で午前試験・午後試験を受験する構成

応用情報技術者試験は、1日で午前試験・午後試験を受験する構成になっています。

試験時間・出題形式・出題数(解答数)を以下の一覧で確認しておきましょう。

午前試験 午後試験
試験時間 9:30~12:00(150分) 13:00~15:30(150分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一) 記述式
出題数 80問 11問(5問を選択して解答)
解答数 80問 5問


午前試験・午後試験ともに150分という長丁場ではありますが、試験を早く終えた場合には途中退出も可能です。


午前試験 午後試験
退出可能時間 試験開始後60分~試験終了前10分 試験開始後40分~試験終了前10分


午前試験を順調に終えて早く切り上げられるのであれば、途中退出して、午後試験の対策や昼食の時間に充てることも可能です。

注意したいのは、試験開始後30分を超えて遅刻すると、交通機関の事故など、どんな理由であっても入室できなくなってしまうことです。


事前に会場を下見したり、公共交通機関の時刻表を確認するなど、試験当日は早めに会場に着けるようにしましょう。

会場の下見に行ける方は、最寄りのコンビニやファストフード店なども確認しておくことをおすすめします。


お昼休憩の時間はあまりないので、前もってどこでお昼を食べるかを予定しておくと、当日慌てずに済むので安心です。


合格ラインは午前試験・午後試験それぞれ60%以上

応用情報技術者試験の合格ラインは、午前試験・午後試験それぞれ60%以上です。

午前試験・午後試験のそれぞれが基準点以上の場合に合格となります。

どちらか一つでも基準点を下回った場合は、不合格になってしまうので気を付けましょう。


合格に関する情報をまとめると、以下のようになります。

午前試験 午後試験
合格基準点 100点満点中60点 100点満点中60点
採点方式 素点方式
出題数 80問 11問のうち5問を選択して解答
配点 各1.25点 各20点


採点方式にある「素点方式」とは、問題ごとに得点が与えられ、正解した問題の合計が点数になるというものです。


応用情報技術者試験の出題範囲は?

応用情報技術者試験の出題範囲は、高度IT人材に必要となる知識や技能を求められることから、多岐にわたります。

以下でその内容を把握して、勉強を進める際の参考にしてください。


テクノロジ系からストラテジ系まで幅広い範囲が出題される

基本情報技術者試験と同様に幅広い出題範囲ですが、応用情報技術者試験はそれに加えて、ワンランク上の高度な知識が要求されます。

以下の一覧で、出題範囲の大枠を確認していきましょう。

分野 大分類 中分類
テクノロジ系 1 基礎理論 1 基礎理論
2 アルゴリズムとプログラミング
2 コンピュータシステム 3 コンピュータ構成要素
4 システム構成要素
5 ソフトウェア
6 ハードウェア
3 技術要素 7 ユーザーインタフェース
8 情報メディア
9 データベース
10 ネットワーク
11 セキュリティ
4 開発技術 12 システム開発技術
13 ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系 5 プロジェクトマネジメント 14 プロジェクトマネジメント
6 サービスマネジメント 15 サービスマネジメント
16 システム監査
ストラテジ系 7 システム戦略 17 システム戦略
18 システム企画
8 経営戦略 19 経営戦略マネジメント
20 技術戦略マネジメント
21 ビジネスインダストリ
9 企業と法務 22 企業活動
23 法務


全体的な出題範囲をつかんだところで、今度は午後試験の出題分野と出題数を紹介します。


分野 問1 問2~11
経営戦略
情報戦略
戦略立案・コンサルティング技法
システムアーキテクチャ
ネットワーク
データベース
組込みシステム開発
情報システム開発
プログラミング(アルゴリズム)
情報セキュリティ
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム監査
出題数 1 10
解答数 1 4


(◎は必須解答問題、○は選択解答問題)


午前試験は知識を問う問題だけでなく、計算問題も出題され、四肢択一で答えていきます。

出題される問題数の半数ほどが、過去問を流用したものや、過去問に類似した問題です。


それに対して午後試験では、読解力を要する長文問題が出題され、記述式で解答するものがほとんどです。

午前試験・午後試験の出題範囲はおおむね同じではありますが、出題形式や解答方式は異なるため、それぞれに応じた試験対策を立てるようにしましょう。


まとめ

最後に本記事のポイントをおさらいして、理解を深めましょう。

  • 応用情報技術者試験は、高度IT人材としてのエンジニアのスキル・知識を証明する国家試験
  • 年2回(春期・秋期)実施の筆記試験
  • 午前試験・午後試験を1日で受験する流れ
  • 合格ラインは午前試験・午後試験それぞれ60%以上
  • 出題範囲はテクノロジ系からストラテジ系までと幅広い

IT化が進む社会で、これからますます需要が増えると予想される、応用情報技術者試験。

合格までの道のりは決して平たんなものではありませんが、高度IT人材として評価される価値ある試験だといえます。


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