応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験と比較すると、より情報技術戦略的な側面を求められる分、難易度もあがり、合格のハードルが高くなってしまいます。
勉強を始めようにも、自身がどのような勉強スタイルで進めていけばわからないといったお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
例えば、「すでに、プログラマーやシステムエンジニアとして、業務に携わっている方でしたら、基礎知識は備わっているので、独学でも勉強できるかもしれないが、やはり知識面に不安があるので、予備校にするべきか悩んでいる」。逆に、「IT分野の知識がなく、セロからの勉強となるので、予備校に通いたいが、通学できる時間はないので、独学で学んだ方が良いかと考えている」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回は、独学学習のメリット・デメリット、予備校学習のメリット・デメリットを比較していきましょう。
・勉強時間を自分で設定できる。
独学での勉強におけるメリットの一つは、自身で勉強時間を設定することです。
予備校とは違い、校舎や授業時間に縛られることはなく、仕事終わりにカフェに寄って勉強したり、自宅に帰って夜遅くから勉強を開始したりと、自身のタイミングで勉強を行えるので、仕事やプライベートで忙しい方にはおすすめです。
・金銭的な負担がすくない
独学ですと、教材にかかる費用が少ないこともメリットといえるでしょう。かかるのは参考書と問題集の費用くらいで、総額1万円ほどかと思います。大手予備校となれば10万円以上の授業料がかかる場合も想定されます。
・モチベーションの維持が難しい。
多くの独学者が学習を進めるうえで、抱える悩みの一つがモチベーションの維持です。勉強をやり始めた当初はやる気にあふれていても、ある程度進めるうちにモチベーションが下がってしまいます。
予備校であれば、周りに同じよう目標を持つ人がいるので、モチベーションを保ちやすい環境にあります。
一人で学習を進めていると、悩みや情報共有等ができず、フラストレーションもたまり、モチベーションの低下につながるので、自身でモチベーションをコントロールする必要があります。
・勉強方法を自分で確立する。
予備校では、勉強方法を指導してくれるところもありますが、独学の場合は、どの勉強方法が自分に適しているか模索しなければなりません。勉強方法を見つけることに時間をかけすぎてしまい、本来の学習ができなかったというケースも少なくありません。
独学に向いているのは以下のような人が挙げられます。
・予備校に通う時間がない。
・一人でも集中して学習を行える
・自己マネジメントがしっかりできる
・自分で不明点を調べることができる
・学習スケジュールがすでに決まっているので、学習計画がたてやすい
効率性を考えた学習はとても大切です。ただ漫然とテキストを読み、問題を解くといったスタイルだと、重要ポイントはどこで出やすい問題テーマは何かがなかなか見えてきません。応用情報技術者試験の出題範囲は幅広く、「出やすい問題とめったに出ない問題」を理解し、優先順位付けや時に思い切った取捨選択が不可欠です。この作業抜きに学習効率は上がりません。
そのあたりの攻略法を予備校では教えてもらえます。何が重要で何を排除すべきかといったことも丁寧に教えてくれるので、必要な範囲だけ学習し、かつ無駄な学習をしなくて済みます。短時間で重要ポイントをマスターできる省エネ学習プログラムを独学で構築しようとしてもなかなか難しいものです。
・不明な点は講師に質問ができる
学習の相談相手に不足しないところも予備校に通うメリットです。講師をはじめ、クラスの仲間、事務局のスタッフなど、試験勉強の壁にぶつかった時、相談相手がいる環境は心強く感じます。勉強を続けていくうちに、どうしても解けない問題や理解が進まない分野は出てくるものです。そんな時、質問や相談を通してすぐに解決できるところは予備校に通う受験生の特権ともいえます。これが独学だと相談できる相手が周りにいなくてひとりで抱え込みがちです。また、解けない問題をそのままやり過ごして解決しないまま試験日を迎えてしまうこともあります。講師や仲間がいるから絶対合格できるわけではありませんが、精神的にゆとりをもって日々の勉強に打ち込める実感は多くの受講生が感じるところではないでしょうか。
・教材(参考書・問題集)がそろっている
独学学習では、勉強に必要な教材は自身で選択する必要があります。一口に参考書や問題集といっても、教材会社ごとに内容の充実度、取り上げている科目や問題には違いがあり、どの教材が自分にあっているのかを探すだけでも一苦労です。
その点、予備校では、参考書・問題集はもちろん補足資料など、勉強に必要な教材はすべてそろっているので、教材選びに時間をかける必要はありません。
また、教材のみならず、合格に必要な知識を習得するためのカリキュラムも用意されているので、すぐに学習を始めることができます。
予備校であれば参考書から過去問題集まですべて用意してくれます。教材集めに余計な労力を払う必要もなく、勉強しようと思った当日から勉強をスタートできます。
また、予備校は学習プランからプログラム、勉強方法まですべて準備してくれます。受講生は用意されたカリキュラムを受けるだけです。スタート時から試験勉強に全力投球できるのは大きなメリットです。
・金銭的負担が大きい
予備校に通う場合、試験勉強の総コストはどうしても高くなります。
独学の場合、かかるのは参考書と問題集の費用くらいで、せいぜい1万円しない程度でしょう。上記で説明した通り、カリキュラムの充実した大手スクールを利用するとなれば10万円以上の予算を見込む必要があります。本人の経済力や生活状況によっては、予備校に通いたくても通えない事情が出てくるかもしれません。
また、予備校にかかるお金は入学金や授業料、テキスト代のほか、往復の交通費も発生します。もちろん遠隔地ほど多くの費用が出ていくことを覚悟しなければなりません。
・時間的・場所的制約が発生する
お住まいの地域によっては、近くにスクール校舎がなく遠方まで出向いて通うことになるかもしれません。通学講座はその性質上、地域格差がどうしても生じやすくなります。同じ費用を払って同じカリキュラムを受けているのに、住んでいる場所が遠いだけで交通費がたくさんかかり、通学にも時間がかかることになります。
47都道府県すみずみに校舎を構える予備校は大手でもそうありません。通えるような校舎がない場合は、あきらめるか、通信講座を選ぶなど妥協することになります。
・自身のペースでの学習ができない
予備校での学習は、既定のカリキュラムに沿って進行されます。午前と決まっていれば午前の講義に出席、午後と決まっていれば午後の講義に出席しなければならず、スケジュールをそれに合わせるのが基本。会社勤めのサラリーマンはすべてのカリキュラムに都合を合わせるのが難しいケースもあります。
自分のペースで勉強をするのではなく、予備校が決めたカリキュラムに自分が合わせる調整が必須です。固定されたスケジュールが数か月間続くことを踏まえたうえで予備校通いを決める必要があります。
・自分で勉強計画を立てるのが苦手
・わからない箇所はすぐに解消したい
時間と場所を選ばずに学習ができる
場所を問わず、勉強したいと思った時間に勉強できる自由度の高さもオンライン講座ならではのメリットです。
スマートフォンやタブレット、パソコン、ネット環境があればいつでもどこでも学習が可能。自宅の机が飽きたら、カフェやコワーキングスペースなどへ移動して気分転換を図る、といったノマド学習も難しくありません。心理状態やコンディション、集中力の変化に合わせて時間と場所を選べるスタイルは、学習効率の面でもプラスです。
また、スキマ時間を有効活用できる点も、マルチメディア対応ツールの大きな特徴。スマートフォンやタブレットがあれば電車の通勤時間中に昨日の復習から重要ポイントの見直し、用語チェック、問題の解答までできます。短期集中型の学習で合格を目指す多忙な社会人の間では特にスキマ時間を有効活用できるツールが重宝されています。
予備校よりも金銭的負担が少ない
オンライン講座は予備校や一般的な通信講座より格安で受講できます。校舎も教室も必要ないオンライン講座は大がかりな設備投資がいらず、受講生が負担するコストも低く抑えられるのです。スマートフォンやタブレット、インターネット環境さえあれば、すぐに試験勉のスタートを切れます。
動画配信サービスなどを使った受講スタイルとなるため、自宅にいながら講義が受けられます。通学費が不要で、移動のための時間も必要ありません。空いた時間を学習に回したり、息抜きやリフレッシュに使ったりできるのはメリットです。
独学には上記のようなデメリットがありますが、仕事や学校などで時間的余裕がなく、予備校に通うのが難しい人は少なくありません。そのような人におすすめなのが、オンライン講座です。オンライン講座は、お手持ちのスマートフォンやPC、タブレットなどで専任講師の授業を受けることができ、独学で感じたデメリットを解消できます。
動画講座で学ぶだけでなく、一問一答形式の問題集や出題傾向を分析した過去問などを提供してもらえる会社もあり、独学で不足しがちなアウトプットの機会も十分に確保できます。また、短期合格にできるように学習フローが設定されているため、スケジュール管理や学習計画を立てるのが苦手な人でも安心です。
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現在仕事や学業で「時間がない」「やる気が起きない」「モチベーションが維持できない」などの悩みを抱えている場合は、まずオンライン講座を受講してみてはいかがでしょうか。効率的な学習で、合格への道が開けるはずです。
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