応用情報技術者試験の午後試験ではどれを選ぶのがおすすめ? 得意分野別・午後問題選択のヒント

応用情報技術者試験は、それぞれ150分の試験時間となる午前試験と午後試験で構成されています。

このうち、長文を読解して設問に答える形式の午後試験では、全11問のうち1問だけが必須問題で、残りの10問は選択問題。この10問のなかから4つの問題を選択して解答することになります。

多岐にわたる試験範囲について問われる応用情報技術者だけに、午後試験の出題内容を完璧に網羅して学習することは困難です。ここでは、午後問題をどのように選択したらいいかのヒントを紹介しましょう。

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目次 Contents

応用情報技術者試験の午後試験ではどれを選ぶのがおすすめ? 得意分野別・午後問題選択のヒント


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そもそも応用情報技術者試験の試験内容って?

応用情報技術者試験は、高度IT人材としてのエンジニアの知識やスキルを認定する国家試験です。

試験内容を以下の2点から、解説していきます。

  • 応用情報技術者試験の合格者には高いスキル・知識が期待される
  • 試験時間・出題形式・出題数

一つずつ順番に見ていきましょう。


応用情報技術者試験の合格者には高いスキル・知識が期待される

応用情報技術者試験は試験実施団体のIPA(情報処理推進機構)が設定した共通キャリアスキルフレームワーク(CCSF)によると、4つあるスキルレベルのなかでも中難度のスキルレベル3に該当し、合格者にはITに関する高いスキルや応用的知識が期待されています。

以下の一覧は12種類ある「情報処理技術者試験」とそのレベルを表したものです。

試験名 スキルレベル
・データベーススペシャリスト試験

・ITストラテジスト試験
・システムアーキテクト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
・ITサービスマネージャ試験
・システム監査技術者試験

レベル4
・応用情報技術者試験 レベル3
・基本情報技術者試験

・情報セキュリティマネジメント試験

レベル2
・ITパスポート試験 レベル1


また、IPAは応用情報技術者試験の対象者を以下のように定義しています。

「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」

ITエンジニアのなかでも、システムを作るだけでなく、マネジメントや経営まで広範な知識が求められていることがわかります。

試験に合格すれば、IT技術者としてワンランク上のスキル・知識を持つ人材として評価されやすくなるため、中堅エンジニアがさらに高度なIT人材を目指すなら、ぜひ応用情報技術者試験にチャレンジしましょう。


試験時間・出題形式・出題数

応用情報技術者試験の試験時間・出題形式・出題数を以下の一覧で確認しておきましょう。

午前試験 午後試験
試験時間 9:30~12:00(150分) 13:00~15:30(150分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一) 記述式
出題数 80問 11問
(1問は必須、残り10問から4問を選択)
解答数 80問 5問


応用情報技術者試験は、1日で午前試験と午後試験の両方を受験する流れとなっています。

両試験ともに150分という長時間に及ぶ試験ではありますが、試験を早く終えた場合は途中退出も可能です。


なお、応用情報技術者試験の合格ラインは、午前試験・午後試験のそれぞれが60%以上です。

どちらか一つでも基準点を下回ってしまうと、不合格になってしまうので注意しましょう。


応用情報技術者試験の午後試験で出題される分野って?

応用情報技術者試験の午後試験で出題される分野については、次の2点を押さえておきましょう。

  • 「経営戦略」から「システム監査」まで、午後試験で出題される全13分野の一覧
  • 出題分野のうち「情報セキュリティ」だけは必須問題

それぞれの詳細について解説を進めていきます。


「経営戦略」から「システム監査」まで、午後試験で出題される全13分野の一覧

応用情報技術者試験の出題分野は、高度IT人材に必要となる応用的な知識や技能を求められることから、多岐に渡ります。

午後試験で出題される分野は、「経営戦略」から「システム監査」までの全13分野です。

以下の一覧は各分野とその内容をまとめたものです。

分野 内容
1.経営戦略 マーケティング、経営分析、事業戦略・企業戦略、コーポレートファイナンス・事業価値評価、事業継続計画(BCP)、会計・財務、リーダーシップ論 など
2.情報戦略 ビジネスモデル、製品戦略、組織運営、アウトソーシング戦略、情報業界の動向、情報技術の動向、国際標準化の動向 など
3.戦略立案・コンサルティングの技法 ロジカルシンキング、プレゼンテーション技法、バランススコアカード・SWOT 分析 など
4.システムアーキテクチャ 方式設計・機能分割、提案依頼書(RFP)、要求分析、信頼性・性能、Web 技術(Web サービス・SOA を含む)、仮想化技術、主要業種における業務知識、ソフトウェアパッケージ・オープンソースソフトウェアの適用、その他の新技術動向 など
5.サービスマネジメント サービスマネジメントシステム(構成管理、事業関係管理、サービスレベル管理、供給者管理、サービスの予算業務及び会計業務、容量・能力管理、変更管理、サービスの設計及び移行、リリース及び展開管理、インシデント管理、サービス要求管理、問題管理、サービス可用性管理、サービス継続管理、サービスの報告、継続的改善ほか)、サービスの運用(システム運用管理、仮想環境の運用管理、運用オペレーション、サービスデスクほか) など
6.プロジェクトマネジメント プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)、スコープの管理、資源の管理、プロジェクトチームのマネジメント、スケジュールの管理、コストの管理、リスクへの対応、リスクの管理、品質管理の遂行、調達の運営管理、コミュニケーションのマネジメント、見積手法 など
7.ネットワーク ネットワークアーキテクチャ、プロトコル、インターネット、イントラネット、VPN、通信トラフィック、有線・無線通信 など
8.データベース データモデル、正規化、DBMS、データベース言語(SQL)、データベースシステムの運用・保守 など
9.組込みシステム開発 リアルタイム OS・MPU アーキテクチャ、省電力・高信頼設計・メモリ管理、センサー・アクチュエーター、組込みシステムの設計、個別アプリケーション(携帯電話、自動車、家電ほか) など
10.情報システム開発 外部設計、内部設計、テスト計画・テスト、標準化・部品化、開発環境、オブジェクト指向分析(UML)、ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)、個別アプリケーションシステム(ERP、SCM、CRM ほか) など
11.プログラミング アルゴリズム、データ構造、プログラム作成技術(プログラム言語、マークアップ言語)、Web プログラミング など
12.情報セキュリティ 情報セキュリティポリシー、情報セキュリティマネジメント、リスク分析、データベースセキュリティ、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、物理的セキュリティ、アクセス管理、暗号・認証、PKI、ファイアウォール、マルウェア対策(コンピュータウイルス、ボット、スパイウェアほか)、不正アクセス対策、個人情報保護 など
13.システム監査 IT ガバナンス及び IT 統制と監査、情報システムや組込みシステムの企画・開発・運用・保守・廃棄プロセスの監査、プロジェクト管理の監査、アジャイル開発の監査、外部サービス管理の監査、情報セキュリティ監査、個人情報保護監査、他の監査(会計監査、業務監査、内部統制監査ほか)との連携・調整、システム監査の計画・実施・報告・フォローアップ、システム監査関連法規、システム監査人の倫理 など


応用情報技術者試験の午後試験は出題範囲が広いため、全範囲を一つずつ順番に学習していくのは、効率的ではありません。

後ほど詳しくお伝えしますが、有効な対策方法としては自分の得意分野を見つけて、ある程度解答する分野を絞っておくことが重要だといえます。


出題分野のうち「情報セキュリティ」だけは必須問題

応用情報技術者試験では、上記の13分野から11問が出題されます。

全11問のうち「情報セキュリティ」だけが必須問題となり、残りの10問から4つの問題を選択して解答します。つまり、解答数は5問です。

わかりやすくまとめたものが以下の一覧です。

分野 問1 問2~11
経営戦略
情報戦略
戦略立案・コンサルティング技法
システムアーキテクチャ
ネットワーク
データベース
組込みシステム開発
情報システム開発
プログラミング(アルゴリズム)
情報セキュリティ
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム監査
出題数 1 10
解答数 1 4

(◎は必須解答問題、○は選択解答問題)


午前試験は多肢選択式(四肢択一)ですが、それに対して午後試験は1題につき3〜5ページにわたる長文問題が出題され、記述式で解答していきます。

長文問題では読解力を求められるため、過去問などを利用して繰り返し問題を解いておきましょう。

問題文を読んで理解するだけでもかなりの時間を要するため、解答するまでにどのぐらいの時間がかかっているのか、実際に計ってみることをおすすめします。


慣れてくれば自分のペースがわかり、時間配分を考えられるようになるでしょう。


理系・文系、自分の得意分野に合わせて選択する分野を決めておこう

応用情報技術者試験に効率的に合格するためには、理系・文系、自分の得意分野に合わせて選択する分野をあらかじめ決めておくことがポイントとなります。

ここからは、午後試験の対策のヒントを6つ紹介します。

  • 得意分野を見極めよう! 理系出身者でなくても勉強次第で合格できる
  • 「経営戦略」「情報戦略」「戦略立案・コンサルティング技法」はセットとして考える
  • エンジニアとしての得意分野があるなら「システムアーキテクチャ」「ネットワーク」「データベース」などがおすすめ
  • 開発、プログラミング(アルゴリズム)系も得意・不得意がわかれる分野
  • 非エンジニア出身者にも取り組みやすい「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」
  • 避けて通れない!「情報セキュリティ」は必須解答問題

以下でそれぞれの内容を把握していきましょう。


得意分野を見極めよう! 理系出身者でなくても勉強次第で合格できる

応用情報技術者試験の午後試験では、自分の得意分野を見極めることが合格への近道となります。

ウェブを検索して合格者の体験記などを見ていると、「文系だけど受かった」「ITと全然関係ない経営学部だけど合格できた」といった事例を目にすることがあります。

応用情報技術者試験は、エンジニアとしてのスキル・知識だけでなく幅広いビジネススキルとしての経営やマネジメントまでを出題範囲に含むことから、むしろ文系出身者などでも勉強次第で合格を狙える試験でもあります。

特に午後試験は、初見の問題文から文意を読み取ることができる国語力を持ち合わせていれば、専門知識を用いるまでもなく解答できてしまうケースもあるでしょう。


受験にあたっては、もちろん専門的な知識を身につけておくことが前提ではありますが、自分がより得点を取りやすい分野はどれなのか、学習を進めていくなかで得意分野を見つけておくようにするとよいでしょう。

4つの分野とプラスアルファで他の分野も得意分野にしておけば、試験を有利に進められるはずです。


「経営戦略」「情報戦略」「戦略立案・コンサルティング技法」はセットとして考える

13の分野のうち、「経営戦略」「情報戦略」「戦略立案・コンサルティング技法」の3つはセットで出題されることが多いです。

そしてこれら3分野はビジネスやマネジメント、経営に関する分野でもあります。


ITエンジニアとしてのコアスキルというよりはビジネス全般の知識に寄った出題範囲であるため、IT実務経験がない方や文系出身者など、非理系の受験者が得意とする傾向があります。

ITの技術的な知識が問われないため、未経験の方や文系の方はこちらの分野を選択してもよいでしょう。


ただし、試験当日に上記の3分野で難題が出される可能性もゼロではありません。

そのような事態に備えて、テクノロジ系の分野でも解答できるよう準備をしておくと安心です。


エンジニアとしての得意分野があるなら「システムアーキテクチャ」「ネットワーク」「データベース」などがおすすめ

すでにITエンジニアやSEとして活躍していて、「システムアーキテクチャ」「ネットワーク」「データベース」に関する知識や技能を有しているのであれば、その強みを活かしてこれらの分野を積極的に選択していくのがおすすめです。

特に応用情報技術者試験の合格後にそれぞれの高度試験(システムアーキテクト試験・ネットワークスペシャリスト試験・データベーススペシャリスト試験)へのチャレンジを想定しているなら、高度試験に向けた土台作りもかねて、これらの分野を重点的に勉強しておくとよいでしょう。


また、「ネットワーク」は午後試験で必須問題となっている「情報セキュリティ」との関連性が高いため、学習の相乗効果も期待できます。

その反面、IT実務の未経験者や特に文系の学生など、どちらかというとエンジニア寄りでない受験者にとっては、これらの分野の難易度がむしろ高いと感じられるかもしれません。


そうした場合は、無理にこちらの分野に固執せず、他の分野にシフトチェンジしていった方が効率的に合格を目指せるでしょう。


開発、プログラミング(アルゴリズム)系も得意・不得意がわかれる分野

先述した「システムアーキテクチャ」「ネットワーク」「データベース」と同様、実務経験者や学校で体系づけて教わった人に有利な分野が、「組込みシステム開発」「情報システム開発」「プログラミング(アルゴリズム)」です。

文系出身者や実務未経験者の場合、きちんと勉強して過去問も複数回解いていないと、そもそも手も足も出ないということさえあります。


過去問を解いていて、問題文を理解することすら難しい場合は、まずは「基本情報技術者試験」の参考書や過去問を利用して、基本的な知識を身につけることからはじめてもよいでしょう。

開発やプログラミング系の分野は、経験の有無によって得意不得意が分かれるので、未経験の方や苦手意識を持っている方は、はじめからこの分野を選ばないというのも一つの手です。


非エンジニア出身者でも取り組みやすい「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」

「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」といったビジネス知識を要するマネジメント系は、非エンジニア出身の受験者であっても、社会人経験がある程度あれば取り組みやすいかもしれません。

実務に基づいた問題が出題される傾向があるため、プロジェクトマネージャなどの業務経験者にとっては、これらの分野は有力な選択肢の一つと考えてよいでしょう。


また、先を見据えて一段階レベルが上の高度試験(プロジェクトマネージャ試験・ITサービスマネージャ試験・システム監査技術者試験)の受験も考えているのであれば、これらの分野の学習が後の学習にも活きてきます。

社会人経験のない学生や文系出身者のなかには、この分野を苦手とする人もいるため、問題を解いてみて自分に合わない場合は、選択の優先順位を下げてもよいでしょう。


避けて通れない!「情報セキュリティ」は必須解答問題

応用情報技術者試験の午後試験、全13分野のなかで「情報セキュリティ」だけは必須解答問題となり、全員が解答しなければなりません。

それゆえ、優先順位的にはこの分野をまずは学習し、自分の得意分野といえるようになるまで過去問や参考書を使って学習し、確実に得点源とするようにしましょう。


もし時間的に余裕があるのであれば、応用情報技術者試験を受ける前に、遠回りなようでもレベルを1段階落として「情報セキュリティマネジメント試験」を受けてみてもよいでしょう。

基本的な知識や技能を学習することで、実力をある程度身につけることができ、応用情報技術者試験の午後試験にも活用できます。


なお、応用情報技術者試験の午後試験では、この情報セキュリティが必ず「問1」に出題され、その他の分野が「問2〜11」に出題されることになります。


まとめ

最後に今回のポイントを振り返りましょう。

  • 応用情報技術者試験は、高度IT技術者としての知識やスキルを認定する国家試験
  • 午後試験で出題されるのは全13分野から11問
  • 1問は必須問題で「情報セキュリティ」、残りの10問から4つを選択し、合計5問の解答
  • 自分の得意分野に合わせて、選択する分野をあらかじめ決めておくのがおすすめ

応用情報技術者試験の出題分野は多岐に渡るため、合格するには戦略的、かつ効率的な学習が求められます。

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