
「公認会計士になるのはやめとけ」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
公認会計士は高収入や安定したキャリアが魅力的ですが、さまざまな課題も存在します。
本記事では、以下の内容を紹介します。
- 公認会計士はやめとけと言われる理由5つ
- 公認会計士の仕事の大変さ
- 公認会計士試験のメリット3つ
- 公認会計士に向いている人
本記事を読むことで、公認会計士の仕事について理解が深まり、自分に合ったキャリア選択ができるようになります。
これから公認会計士を目指す方はぜひ、参考にしてみてください。
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公認会計士が「やめとけ」と言われる5つの理由
公認会計士は魅力的な職業ですが、目指す前に知っておくべき課題があります。
以下の5つのポイントを見ていきましょう。
- AIに仕事を奪われるという不安がある
- 公認会計士試験の難易度が高い
- 単調で飽きを感じる業務もある
- 激務でワークライフバランスが取りにくい
- クライアントから「嫌われ役」になる
公認会計士が自分にあっているのかどうかを検討してみましょう。
1.AIに仕事を奪われるという不安がある
近年のAI技術の発展により、公認会計士の仕事がAIに置き換わるのではないかという不安が広がっています。
実際にデータ入力や単純な計算、帳簿の確認といった機械的な業務は、AIの方が効率的で正確だとも言われています。
しかし、クライアントとのコミュニケーションや経営状況に応じたアドバイスは、公認会計士の経験や知識が不可欠です。
また、法律や経済状況は変化していくため状況に応じた柔軟な対応が欠かせません。
そのため、公認会計士の業務すべてをAIが代替するのは難しく、仕事が完全に置き換わることはないと考えられます。
今後の公認会計士は、AIを活用して業務の効率を高めつつ専門知識を活かした提案ができる能力が重要になっていくでしょう。
2.公認会計士試験の難易度が高い
公認会計士試験は、医師免許や弁護士資格と並ぶ難関の国家資格試験です。
令和6年の金融庁の発表によると、合格率はわずか8%でした。
また、合格までに約4,000時間もの学習が必要とされ、多くの受験生が年もの時間を費やしています。
毎日5~6時間の勉強を2年以上続けなければならず、途中で諦める人も少なくありません。
公認会計士を目指すための受験勉強が大変なことが、やめとけと言われる理由のひとつとなっています。
【参考】金融庁「試験結果の概要 (令和6年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験)」
3.単調で飽きを感じやすい業務もある
公認会計士の仕事は、毎月同じような繰り返しの作業があります。
帳簿のチェックや決算処理など、繰り返しの業務は単調に感じやすく、人によっては物足りなさを感じることもあるでしょう。
一方で、公認会計士にはやりがいを感じる面もあります。
会計や監査の専門家として成長できることに加え、企業の健全な運営をサポートできることは大きな喜びです。
また、公認会計士として身につけた知識やスキルは将来さまざまな場面で役立てられます。

令和7年(2025年)公認会計士試験の日程
公認会計士試験は、「短答式試験」と「論文式試験」の2段階に分かれており、試験日程や願書出願期間、合格発表日などが異なります。また、短答式試験は「第Ⅰ回短答式…
公認会計士試験は、「短答式試験」と「論文式試験」の2段階に分…
4.激務でワークライフバランスが取りにくい
監査法人で働く公認会計士は、4月~5月の決算期に業務が集中します。
この時期には月に100時間を超える残業が発生することもあり、プライベートの時間がほとんど取れない場合もあります。
ただし、この繁忙期は一時的です。
多くの監査法人では福利厚生が充実しており、繁忙期以外は長期の休暇を取得しやすい環境が整っています。
忙しい時期を乗り越えれば、私生活を充実させることも可能です。
さらに、経験を積むにつれて仕事の進め方が効率的になり、徐々にワークライフバランスを取りながら働けるようになるでしょう。
5.クライアントから「嫌われ役」になることもある
公認会計士は、クライアントの会社の会計をチェックし、問題点を指摘する役割を担っています。
監査は会社の健全な運営に欠かせませんが、指摘を受ける側には厳しく感じられることもあるかもしれません。
ときには、改善提案が受け入れられず苦労する場面もあります。
しかし、人間関係の難しさは公認会計士だけでなくどの職業にもあります。
社会人として、相手の立場を理解しながら円滑なコミュニケーションを図る技術を身につけることが大切です。
経験を積む中で、クライアントとの信頼関係を築く力も養われるでしょう。
このように、公認会計士の仕事には課題がある一方で、魅力的な面も多く存在します。
公認会計士の仕事で大変なこと
公認会計士の仕事で大変なことは以下の2つが挙げられます。
- 常に勉強し続ける必要がある
- ミスが許されないプレッシャーが強い
常に勉強し続ける必要がある
公認会計士は新しい知識を学び続けることが欠かせません。
会計基準や税法は毎年のように変わるため、最新の情報を把握しておく必要があります。
そのため、日本公認会計士協会が実施する「継続的専門研修(CPD)」では、講習会への参加やオンライン学習などを通じて、定められた単位数を取得することが義務付けられています。
公認会計士は、クライアントに対して適切なアドバイスができるよう、常に最新の知識を維持・更新することが必要です。
ミスが許されないプレッシャーが強い
公認会計士の仕事は、クライアント企業の財務状況を正確に把握し判断することです。
計算間違いや見落としは、会社の経営判断に大きな影響を与える可能性があります。
些細な間違いが決算書全体に影響を及ぼすこともあるため、常に緊張感を持って作業を進めなければなりません。
また、仕事の性質上、細かい数字を扱うことが多く集中力が必要です。
とくに決算期には、限られた期間内で大量の業務をこなすためミスが発生しやすい状況下です。
忙しくても細心の注意を払って作業を進めることが求められます。
こうした継続的な緊張状態は心身への負担となることも多いため、適切なストレスマネジメントも重要になります。
公認会計士になってよかった!3つのメリット
公認会計士の資格を取得することで、充実したキャリアと安定した生活を手に入れられます。
公認会計士の魅力的なメリットは以下の3つです。
- 高年収が期待できる
- 幅広いキャリアの選択肢がある
- 税理士や行政書士としても活躍できる
高年収が期待できる
公認会計士は高い専門知識と技術を持っているため、比較的高い収入を期待できます。
厚生労働省の調査によると、公認会計士の平均年収は約746万円で、一般的な会社員の約2倍の水準です。
以下に、公認会計士を含む資格職の平均年収と全体の平均年収を示します。
職種 | 平均年収 |
---|---|
全体 | 約394万円 |
公認会計士 | 約746万円 |
医師 | 約1,267万円 |
国家公務員 | 約681万円 |
法務従事者(裁判官・検察官・弁護士・弁理士・司法書士など) | 約1,117万円 |
このような高収入が期待できる理由は、社会的な需要に対して公認会計士の数が少ないとされていることも一因です。
また、経験を積んで役職に就いたり独立したりすれば、さらに高収入を目指すことも可能です。

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【参考】
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
人事院「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」
幅広いキャリアの選択肢がある
公認会計士の資格を持っていると、就職や転職の際に次のような幅広い選択肢が広がります。
- 監査法人
- 税理士法人
- 会計事務所
- 一般企業の経理部門
- コンサルティング会社
- 独立開業
転職市場でも公認会計士の需要が高く、公認会計士として経験とスキルを積んだあとに転職すれば、管理職として活躍するチャンスが増えます。
また、職場を変えることで新しい経験を積み、将来の可能性を広げることも可能です。
税理士や行政書士としても活躍できる
公認会計士の資格を持っていると、無試験で税理士や行政書士としても登録できます。
1つの資格で複数の業務に対応できるため、クライアントの多様なニーズに応えられるというメリットがあります。
たとえば「決算書作成」「節税対策」「補助金の申請」などのさまざまな要望に対して、1つの事務所で対応が可能です。
実際に独立開業する公認会計士の多くは、税理士として確定申告の支援や税務相談を行ったり、行政書士として書類作成を行ったりもしています。
ダブルライセンスを活かして付加価値の高い公認会計士になることで、年収アップにもつながります。
公認会計士に向いている人の特徴
公認会計士に向いている人には、次の3つの特徴があります。
- 忍耐力と粘り強さがある人
- コミュニケーション力が高い人
- 論理的な思考力に優れている人
公認会計士として活躍したい方はぜひ、参考にしてみてください。
忍耐力と粘り強さがある人
公認会計士には、長期間努力を続ける強い精神力が欠かせません。
資格試験の勉強では、毎日5~6時間以上の学習を数年継続する必要があります。
また、決算期には長時間の勤務や深夜までの作業をこなすこともあるため、厳しい状況に耐える力が求められます。
さらに、日々の業務では細かいミスが許されない環境に加え、クライアントとの人間関係の構築など多くのプレッシャーもあるでしょう。
公認会計士として成長するには、こうした厳しい環境を乗り越えられる忍耐力や粘り強さが必要です。
コミュニケーション力が高い人
公認会計士の仕事では、クライアントに経営のアドバイスをしたりチームメンバーと協力したりして進める場面が頻繁にあります。
そのため、クライアントやチームのメンバーと信頼関係を築くことは重要な業務のひとつです。
相手の話に耳を傾け、自分の意見をわかりやすく伝える力が公認会計士の仕事を円滑に進める上で重要になります。
良好な人間関係を築くことで仕事の効率も向上し、周囲からも信頼されやすくなるでしょう。
コミュニケーション力に優れた人は、チームの中で中心的な役割を果たせるはずです。
論理的な思考力に優れている人
公認会計士は、データを分析し第三者の視点から正確に判断を下す仕事です。
不正や問題を発見した場合には、適切に指摘し解決へ導く責任があります。
また、財務状況に応じた問題点や解決策を提案する際には、筋道の通った説明が不可欠です。
公認会計士の仕事では、感情に左右されることなく事実に基づいて冷静に判断する力が必要になります。
「なぜそうなるのか」を論理的に考え、相手にわかりやすく説明できる人こそ、公認会計士として活躍する場面が増えるでしょう。
公認会計士の仕事を理解して将来のキャリアを考えよう
この記事では、公認会計士の仕事が「やめとけ」と言われる5つの理由について解説しました。
公認会計士がやめとけと言われる理由は以下の5つです。
- AIによる業務への影響
- 試験合格までの高いハードル
- 単調な業務内容
- 繁忙期の長時間労働
- 高度なコミュニケーション
一方で、高収入やキャリア選択の幅広さなど、メリットも多くある仕事です。
公認会計士を目指す前に知っておくべき課題を理解することで、公認会計士という職業の現実と向き合い、自分に合った職業選択を検討できるでしょう。
本記事を通じて、公認会計士を目指す際に必要な知識を深め、自分にとって最適なキャリアの選択をする手助けとなれば幸いです。
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