大学在学中に公認会計士試験に合格するには?キャリア設計も解説

大学在学中に公認会計士の資格を取得できたら、就活にもキャリアにも大きな強みになります。

一方で、「勉強ばかりで遊べなくなるのでは?」「授業やアルバイトと両立できるの?」と、不安に思う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、大学在学中に公認会計士試験に合格するメリットとデメリットを解説します。

合格に近づくためのポイントや1日の勉強スケジュールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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大学在学中に公認会計士試験に合格できる?

公認会計士試験は難易度の高い試験ですが、大学在学中に合格している人もいます。

合格者全体に占める大学生の割合と、大学在学中に合格した人の具体的な事例について解説します。

合格者に占める大学生の割合

令和6年(2024年)の公認会計士試験における合格者のうち、短期大学を含む大学在学者の割合は37.7%でした。

過去5年間の大学在学者の公認会計士試験受験におけるデータは、以下のとおりです。

試験年出願者数合格者数合格率合格者構成比
令和2年(2020年)4,183人555人13.3%41.6%
令和3年(2021年)4,415人604人13.7%44.4%
令和4年(2022年)6,559人642人9.8%44.1%
令和5年(2023年)6,740人652人9.7%42.2%
令和6年(2024年)6,901人605人8.8%37.7%

【参考】公認会計士・監査審査会「過去の試験結果等」>各年の「公認会計士試験の合格発表について」>各年の「公認会計士試験合格者調」

合格者は全体の4割前後を占めています。

このことから、大学に通いながら公認会計士試験に合格することは可能であることがわかります。

大学在学中に合格した人の事例

大学在学中に公認会計士試験に合格した人は、さまざまな工夫をしながら大学の授業と試験勉強の両方に取り組んでいるようです。

具体的には以下のような工夫が見られます。

  • 試験勉強の時間を考慮した上で大学の履修スケジュールを組んだ
  • 大学での授業を特定の時間帯や曜日にまとめ、試験勉強に専念できる時間を作った
  • 公認会計士試験の受験科目と関連のある科目を大学でも積極的に履修した
  • 試験勉強に集中したい時期には大学での履修科目を減らし、それ以外の時期にできるだけ多くの単位を修得できるよう調整をした
  • 試験が近づいてきたら、サークル活動やアルバイトを辞めたり、参加する日数を減らしたりした

公認会計士試験に向けた勉強時間の確保は大きな鍵となるため、工夫して時間を捻出することが重要です。

大学在学中に公認会計士の資格を取得する3つのメリット

大学在学中に公認会計士の資格を取得するメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  • 資格を活かして就職活動に臨める
  • 勉強時間を確保しやすい
  • 学習が習慣化されている時期に勉強できる

具体的に見ていきましょう。

資格を活かして就職活動に臨める

公認会計士の資格を取得していることは、就職活動において高く評価されます。

監査法人や会計事務所はもちろん、一般企業の経理・財務部門で働く場合も、修得した専門知識は有用です。

近年では、公認会計士のキャリアパスは拡大傾向にあり、税理士法人やコンサルティング会社、金融機関など幅広い職種から選択できます。

公認会計士という資格の専門性はもちろん、大学在学中に難関国家資格に合格した実績そのものも、高く評価されます。

大学在学中の試験合格は、就職活動を有利に進める強力な武器となるでしょう。

公認会計士の具体的な仕事内容や税理士との違いについては、こちらの記事で解説しています。

公認会計士の年収とキャリアパスについては、こちらの記事をご覧ください。

勉強時間を確保しやすい

公認会計士試験に合格するには、1日あたり平均5時間以上の勉強時間が必要です。

社会人は就業時間が決められており、残業することもあるため、1日に捻出できる勉強時間は限られます。

一方、大学生は時間の融通が利きやすく、社会人と比べると勉強時間を確保しやすいです。

前期と後期が切り替わるタイミングで1〜2カ月ほどの長期休暇もあるため、勉強を進めやすいでしょう。

学習が習慣化されている時期に勉強できる

人間の記憶力は20歳前後をピークに、加齢とともに衰退していくと言われています。

記憶力が活発な20歳前後で試験に臨むことで、効率よく勉強を進められ、短期間での合格も期待できるでしょう。

大学生の方が、社会人と比べて勉強習慣が身に付いているのも有利です。

以下の表を見ると、大学や大学院に「在学中」の人の合格率が若干高い傾向にあることが分かります。

試験年出願者数(人)合格者数(人)合格率(%)合格者構成比(%)
大学院修了1,071605.63.7
会計専門職大学院修了745283.81.7
大学院在学176148.00.9
会計専門職大学院在学2072110.11.3
大学卒業(短大含む)9,6577477.746.6
大学在学(短大含む)6,9016058.837.7
高校卒業2,2551024.56.4
その他561264.61.6

【参考】公認会計士・監査審査会「令和6年公認会計士試験合格者調」

この結果からも、記憶力が高く、勉強習慣が身に付いている大学生は、効率よく学習できることがわかります。

大学在学中に受験するメリットについてはこちらの記事もご覧ください。

大学在学中に公認会計士の資格を取得する2つのデメリット

大学在学中の資格取得にはメリットがある反面、デメリットも存在します。

大学在学中に公認会計士の資格を取得を目指す場合は、以下の2点を把握しておきましょう。

  • 金銭的な負担が大きい
  • 大学生活が犠牲になるリスクがある


具体的に解説します。

金銭的な負担が大きい

大学在学中に公認会計士試験の合格を目指す場合、独学では非常に難易度が高く、現実的ではありません。

しかし、予備校に通うと高い学費が発生します。

自身で費用を捻出する場合、金銭的な負担が大きくなります。

足りない分をアルバイトで工面しながら、勉強に励む大学生も珍しくありません。

各予備校や教材の割引制度をチェックして、負担を最小限に抑えて資格取得を目指すことが重要です。

予備校に通う場合はおよそ80万円の費用がかかりますが、通信講座は一般的に通学講座よりもリーズナブルな価格で提供されています。

通信講座なら、通学のための交通費も必要ありません。

オンラインで試験対策ができる「スタディング」なら、10万円台から受講できます。

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大学生活が犠牲になるリスクがある

他の大学生がサークル活動などを楽しむ中、資格取得に向けて勉強を続けることは容易ではありません。

大学在学中しか味わえないキャンパスライフを楽しみたい気持ちも芽生えてくるでしょう。

勉強がうまくいかないときや、周囲との温度差を感じたときには、つらい気持ちになることもあるかもしれません。

大学在学中に公認会計士試験に挑む場合は、楽しい大学生活を犠牲にする覚悟が必要です。

大学在学中に公認会計士を目指すと遊べないと言われる3つの理由

大学生は授業の選択ができるため、時間割の自由度が高く、好きなことに時間を捻出しやすいです。

大学在学中に公認会計士の資格取得を目指す学生も多くいますが、いざ勉強を開始すると「遊べない」との声も多数上がっています。

「遊べない」と言われる理由は以下の3つです。

  • 試験の難易度が高いから
  • 3,000時間以上の勉強時間が必要だから
  • 大学の卒業単位も修得する必要があるから


具体的に見ていきましょう。

試験の難易度が高いから

試験年出願者数合格者数合格率
令和元(2019)12,532人1,337人10.7%
令和2(2020)13,231人1,335人10.1%
令和3(2021)14,192人1,360人9.6%
令和4(2022)18,789人1,456人7.7%
令和5(2023)20,317人1,544人7.6%
令和6(2024)21,573人1,603人7.4%
【参考】公認会計士・監査審査会「令和6年公認会計士試験 合格者調」

公認会計士は、企業の帳簿や決算書の正確性をチェックする「監査」を独占業務として行います。

監査は企業の信頼性を高め、安定的な経営を行うために非常に重要な業務です。

そのため、試験内容も難易度が高く、医師や弁護士の資格と並び「三大国家資格」とも称されています。

過去6年間の試験合格率が7.4〜10.7%であることからも、難易度の高さがうかがえるでしょう。

公認会計士試験に合格するには、各科目を十分に勉強し、年に1度しかない試験に備える必要があるため、遊ぶ余裕がないと考えられます。

公認会計士試験の難易度や合格率については、こちらの記事でも解説しています。

3,000時間以上の勉強時間が必要だから

公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間は、3,000〜5,000時間と言われています。

例えば、2年半で5,000時間の勉強時間を確保する場合、1日あたりの勉強時間は以下のとおりです。

  • 毎日勉強する場合…約5.5時間
  • 週6日勉強する場合…約6.4時間
  • 週5日勉強する場合…約7.7時間

大学で授業を受けながら、1日5.5〜7.7時間の勉強時間を確保するのは容易ではありません。

膨大な勉強時間を必要とするため、遊ぶ時間を捻出することは非常に困難であると言えます。

公認会計士試験の合格に必要な勉強時間や合格率、勉強方法については、こちらの記事でも紹介しています。

大学の卒業単位も修得する必要があるから

大学は授業の選択ができ、時間割の自由度が高いですが、卒業に必要な単位を取得しておかないと留年してしまいます。

卒業するためには、必要な単位数や必修科目を明確にし、スケジュールを立てることが不可欠です。

大学在学中に公認会計士試験に合格するには、必要な単位を取得しながら公認会計士の勉強も進める必要があります。

大学での授業数が多い日は、試験勉強に手が回らないこともあるでしょう。

大学の授業と試験勉強の忙しさから、遊びの時間を優先することは難しいと考えられます。

大学在学中に公認会計士試験に合格する3つのポイント

大学在学中に公認会計士試験に合格するには、以下3つのポイントが重要です。

  • 時間と場所に縛られずに勉強する 
  • 学習計画を綿密に立てる
  • 早い段階で勉強を始める

それぞれを詳しく解説します。

時間と場所に縛られずに勉強する

移動時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用することで、忙しい毎日の中でも、しっかりと勉強時間を確保できます。

スキマ時間を活用するには、時間と場所に縛られずにできる勉強がおすすめです。

例えば「スタディング」ならスマートフォン1台で勉強を進められるため、時間を無駄なく使うことが可能です。

動画講義やスマート問題集といった機能があり、スキマ時間にインプットもアウトプットもできます。

スキマ時間を活用した勉強なら、日常生活の中に自然な形で学習を組み込めるので、無理なく勉強を継続できるでしょう。

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学習計画を綿密に立てる

公認会計士の資格は難易度が高く、長期間にわたって勉強する必要があるため、計画力と自己管理能力が必要です。

無計画に勉強を進めると、科目ごとの理解度に大きな差が生まれ、想定以上に勉強時間がかかる可能性があります。

計画力や自己管理能力に自信がない場合は、あらかじめスケジュールが組まれている講座を受講するのがおすすめです。

早い段階から勉強を始める

公認会計士試験に合格するには、3,000〜5,000時間程度の学習時間が必要です。

基本的には2年前後の期間を必要とするため、大学在学中に資格を取得したい場合は、大学1〜2年生のうちに勉強を開始することが望ましいです。

2年前後で資格を取得できれば、その後の就職活動もスムーズに進められます。

公認会計士を目指すと決めたら、できるだけ早い段階から勉強を始め、卒業までのスケジュールを明確にしましょう。

公認会計士を目指す大学生の1日の勉強スケジュール

公認会計士を目指す場合の1日の具体的なスケジュールを見ていきましょう。

予備校に通うパターンと、通信講座に通うパターンを解説します。

パターン①予備校に通う場合

7:00起床
8:00通学
9:00〜12:00大学の授業
12:00〜13:00昼休憩
13:00〜15:00大学の授業
15:00〜18:00大学内で勉強
18:00〜19:00移動・軽食
19:00〜21:00予備校で勉強
22:00帰宅・夕食・風呂
23:00就寝

大学の授業が5時間、公認会計士の勉強が5時間のスケジュールです。

授業の空き時間や、予備校でしっかりと学習時間を確保しています。

集中力が持続する方や、メリハリをつけて学習をしたい方に向けたスケジュールです。

パターン②通信講座を利用する場合

6:30起床
7:00〜8:00動画講義視聴
8:00〜9:00通学しながらスマートフォンで学習
9:00〜12:00大学の授業
12:00〜13:00昼休憩
13:00〜14:30空き時間に大学内で勉強
14:30〜16:30大学の授業
16:30〜17:00アルバイト前に動画講義を視聴
17:00〜21:30アルバイト
21:30〜22:00帰宅・夕食・風呂
22:30復習(実力テストなど)
23:30就寝

大学の授業が5時間、公認会計士の勉強が5時間のスケジュールです。

移動中などのスキマ時間も活用して、効率よく学習を進められています。

アルバイトをしながらでも、パターン①の予備校に通う学生のスケジュールと同様の学習時間を確保できています。

効率よく勉強時間を確保したい方や、アルバイトをしながら勉強を進めたい方に向けたスケジュールです。

「スタディング」なら、学習する時間や場所を自由に決められるので、授業の合間や移動時間を活用して勉強を進められます。

大学の授業やサークル活動、アルバイトなどと両立しながら、効率よく勉強を進めたい人におすすめです。

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大学在学中に公認会計士試験に合格した人のキャリア設計

試験合格後すぐに公認会計士として働けるわけではなく、資格を得るには試験合格後、3年以上の実務経験や実務補習の受講といった要件を満たす必要があります。

正式に公認会計士として登録できるまでには時間がかかりますが、新卒の段階で試験に合格していれば、若いうちから自分のキャリアパスを設計することが可能です。

公認会計士試験の合格者の多くは、まず監査法人に就職して経験を積んでいます。

ファーストキャリアで経験を積んだ後、事業会社で財務や経理部門の責任者を務めたり、コンサルティング会社に転職したりする人もいます。

将来的には独立して自分の事務所を開業するキャリアもひとつの選択肢です。

公認会計士の就職先や選び方のポイントについては、こちらの記事もご覧ください。

まとめ|大学在学中に公認会計士試験合格を目指そう

大学在学中に公認会計士試験合格を目指す人が知っておきたいポイントを解説しました。

  • 学生生活と試験勉強の両立は、工夫次第で可能
  • 大学在学中は資格取得に向けた学習もしやすく、合格すると就職活動に有利
  • 金銭的な負担があることや、キャンパスライフを思うように楽しめない可能性は考慮すべき
  • 大学在学中の合格を目指すには、限られた時間の活用や計画的な勉強が必要
  • 大学在学中に公認会計士試験に合格すれば、若いうちに専門性を高めることができ、将来の選択肢も広がる

学生生活を大切にしながら、将来のキャリアのために公認会計士試験の勉強をするには、時間の使い方を工夫し、効率的に勉強する必要があります。

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