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公認会計士試験の内容とは?令和7年からの変更点も徹底解説

公認会計士試験は、医師や弁護士と並ぶ三大国家資格のひとつです。合格するためには試験内容を正しく理解し、適切に対策することが求められます。

しかし「試験内容がわからない」「独学でも合格できるのか」と疑問を抱えている方もいるはずです。

本記事では、公認会計士の試験内容や過去問・免除制度について詳しく解説します。令和7年(2025年)からの変更点もお伝えするので、本記事を通じて不安を解消し、合格に向けて準備を進めましょう。

公認会計士の試験内容は2段階に分かれている

公認会計士の試験内容は、マークシートで解答する「短答式試験」と論述式の「論文式試験」の2段階に分かれています。

それぞれの解答方式や出題科目について、ひとつずつ確認していきましょう。

マークシート方式で解答する短答式試験

公認会計士試験の短答式試験は、マークシート方式で解答します。

短答式試験は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の全4科目が出題され、毎年2回実施されます。

受験資格に制限はなく、誰でも挑戦可能です。

総得点70%以上を目安として、審査会が「相当」と認めた得点比率が合格基準となります。

ただし、以下に該当する場合は不合格となる可能性があるので注意しましょう。

  • 1科目ごとの満点の40%を満たさない場合
  • 受験者の下位から33%未満に該当する場合

なお、短答式試験の合格者は合格してから2年間、短答式試験が免除されます。

論述で解答する論文式試験

論述で解答する「論文式試験」は、短答式試験に合格または免除を受けた方が受けられる最終試験です。

論文式試験では基礎的な知識だけでなく、問いに対して適切に論述する応用力も求められます。

出題科目は、会計学 、監査論 、企業法 、租税法のほかに「選択科目」があり、以下の科目から1つ選択します。

  • 経営学
  • 経済学
  • 民法
  • 統計学

論文式試験の合格基準は、52%の得点比率を目安として、審査会が「相当」と認めた得点比率となります。

ただし、1科目でも40%に満たないものがある場合は不合格となる可能性があるため、注意しましょう。

試験科目に免除が適用されている場合、免除科目を除いた他の科目の得点比率で合否が判断されます。

なお、論文式試験の模範解答は公式に発表されないため、予備校や通信講座などが提供する解答を使って自己採点するのが一般的です。

公認会計士の試験科目は全部で5科目+選択1科目

公認会計士試験で出題される科目は、5科目+選択1科目です。

短答式試験では「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」の4科目が出題され、「監査論」「企業法」は論文式試験でも再び出題されます。

論文式試験では「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」と「選択科目1つ」が追加され、「財務会計論」「管理会計論」は、会計学の試験問題で出題されます。

選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4つから1つを選ぶ形式です。

公認会計士試験は実務に必要な幅広い知識を問われる構成になっており、単なる暗記ではなく、応用力が重要視されます。

公認会計士試験の過去問の内容は?

公認会計士試験の過去問は、公認会計士・監査審査会の「過去の試験結果等」から確認できます。

実際にどのような問題が出題されているのか、一例を紹介します。

過去問1.財務会計論

短答式試験で実施される「財務会計論」は、財務諸表監査に直接的に関わる最も重要な科目のひとつです。

過去に出題された内容は以下のとおりです。

【出典】令和5年試験 第2回短答式試験問題 財務会計論

財務会計論では、会計処理の方法や、その考え方などが問われます。

過去問2.企業法

公認会計士試験の企業法は、会社法、商法、金融商品取引法などの法律を扱う科目です。

過去に出題された内容は以下のとおりです。

【出典】令和6年試験第1回短答式試験問題企業法

企業法は出題範囲が広く、会社法だけでも1,000条ほどの条文があります。

試験では重要な分野が限られているため、ポイントを絞った勉強が効果的です

過去問3.会計学

論文式試験で行われる「会計学」は、全科目700点のうち300点を占める重要な科目で、受験者は午前と午後に分けて問題を解きます。

過去に出題された内容は以下のとおりです。

【出典】令和5年試験論文式試験問題会計学〔午前〕

会計学の試験は、単なる計算問題だけではありません。

財務会計や管理会計の基本的な概念を理解したうえで、適切に解答するための応用力が問われます。

試験科目の免除制度とは?

公認会計士の試験では、特定の資格や学位を取得している人が試験科目の免除を受けられる制度があります。

短答式試験と論文式試験によって条件や免除科目の数が異なるため、ひとつずつ確認しましょう。

短答式試験は条件によって一部免除と全科目免除に分かれる

短答式試験は、所得している資格や学位によって一部免除と全科目免除の2つに分かれます。

短答式試験の免除条件を、公認会計士・監査委員会「免除申請の手続についての資料」から抜粋しました。

資格要件免除科目
・商学教授・准教授(3年以上) ・商学博士の学位をもつ人すべて
・法律学教授・准教授(3年以上) ・法律学博士の学位をもつ人すべて
・司法修習生となる資格をもつ人 (高等試験司法科試験の合格は除く) ・司法試験合格者 (2022年9月30日以前に免除通知書を交付された人)すべて
旧司法試験第2次試験に合格した人すべて
税理士登録を受けている人財務会計論のみ
税理士試験の「簿記論」「財務諸表論」で満点の60%以上を獲得した人財務会計論のみ
会計専門職大学院修了者(見込者) ※見込者についての詳細は受験案内を確認財務会計論、管理会計論、監査論
下記に当てはまる会社や法人で、7年以上会計・監査に関わる事務に従事した人 ・金融商品取引法に規定する上場会社 ・会社法に規定する大会社 ・国や地方公共団体、内閣府令で定める法人財務会計論のみ
高等試験本試験に合格した人すべて

【参考】公認会計士・監査審査会「免除申請の手続について」のPDF資料

所有している学位によっては全科目免除になり、税理士登録している、または税理士試験の簿記論及び財務諸表論合格者は財務会計論の科目が免除されます。

論文式試験は一部の科目のみ免除される

論文式試験は、一部の科目のみ免除されます。

資格要件免除科目
・商学教授・准教授(3年以上) ・商学博士の学位をもつ人会計学、経営学
・法律学教授・准教授(3年以上) ・法律学博士の学位をもつ人企業法、⺠法
・経済学教授・准教授(3年以上) ・経済学博士の学位を取得もつ人経済学のみ
・司法修習生となる資格をもつ人 (高等試験司法科試験の合格を除く) ・司法試験合格者 (2022年9月30日以前に免除通知書を交付された人)企業法、⺠法
旧司法試験第2次試験に合格した人旧司法試験第2次試験で受験した科目 (当該科目が商法・会計学である場合は、企業法または会計学)
税理士登録を受けている人租税法のみ
・不動産鑑定士試験に合格した人 ・旧不動産鑑定士試験の第2次試験に合格した人経済学または⺠法
企業会計の基準を作成・設定する業務に携わり、さらに審査会から認定を受けた人会計学のみ
監査基準の作成・設定する業務に携わり、審査会の認定を受けた人監査論のみ
旧公認会計士試験第2次試験合格者のうち、旧論文式試験の免除科目がある人旧公認会計士試験第2次試験において免除を受けた科目 (当該科目が商法である場合は企業法)
高等試験本試験に合格した人高等試験本試験において受験した科目 (当該科目が商法である場合は企業法)

【参考】公認会計士・監査審査会「免除申請の手続について」のPDF資料

論文式試験は所有学位や資格によって免除科目が細かく分けられているため、事前に確認してから試験に臨みましょう。

免除申請に必要な書類は必ず郵送する

免除申請に必要な書類は、必ず審査会へ郵送しましょう。

免除申請には申請書や資格証明書、返信用封筒などの書類が必要です。

必要書類を審査会に郵送することで、免除の審査が行われます。

提出方法は郵送のみで、簡易書留または特定記録郵便での送付が義務付けられています。

申請方法は以下のとおりです。

  1. 申請書をウェブサイトからダウンロードして記入
  2. 免除資格を証明する書面を添付
  3. 返信用封筒には所定の切手を貼って簡易書留で郵送

不備がある場合、免除通知書の交付が遅れる可能性があります。

書類は通年受け付けていますが、1回目の短答式試験の試験に対して免除を受ける場合は期限が設けられているため確認が必要です。

公認会計士試験の概要は?

公務員試験の概要について、必ず確認したいポイントに絞って解説します。

解説する内容は、以下の5つです。

  • 受験資格
  • 出願の方法
  • 受験料
  • 試験日程
  • 試験会場

それぞれ確認していきましょう。

受験資格

公認会計士試験には、受験資格の制限がありません。

他の資格試験と異なり、公認会計士試験は学歴や職歴、国籍に関係なく誰でも受験できます。

公認会計士試験は幅広い層の人々が挑戦できる試験です。

高校卒業後すぐに受験する人や、異業種からのキャリアチェンジを目指す社会人でも受験が可能です。

特定の教育課程を修了していなくても、実力があれば資格取得のチャンスがあります。

公認会計士試験は受験資格の制限がないため、いつでも自分のタイミングで挑戦できるのが特徴です。

出願の方法

公認会計士試験の出願方法は令和7年(2025年)からインターネット出願のみとなり、郵送での出願は受け付けていません。

令和7年公認会計士試験受験案内」に基づき、出願は公認会計士・監査審査会ウェブサイトから行います。

出願案内の冊子も廃止されてPDFでのみの提供となるため、オンラインですべて完結します。

試験科目の免除申請は郵送のみのため、要件にあたる人は忘れずに郵送手続きを行いましょう。

免除申請の詳細は、「免除申請の手続について」で確認ができます。

受験料

公認会計士試験の受験料は、1万9,500円です。

受験料は、免除科目の有無にかかわらず同額を支払う必要があります。

公認会計士試験の出願方法がインターネットのみになったことに伴い、受験料の支払いも電子納付に変更されました。

受験料の納付は、出願手続き後に発行される納付番号を使い、ペイジー(Pay-easy)という支払いサービスを通じて行います。

支払いに利用できる金融機関は、銀行や郵便局のATM、またはインターネットバンキングです。

納付期限を過ぎた場合の出願は受理されませんので、必ず期日までに納付しましょう。

試験日程

公認会計士試験の試験日程は、公認会計士・監査審査会の公式ウェブサイトで確認できます。

例年の試験日程は決まっていますが、年によって変更されることもあるため最新情報を確認しましょう。


例年は、短答式試験が前年の12月と当年の5月、論文式試験が8月の実施です。

過去には論文式試験が11月に開催されたこともあるため、変更の可能性も十分あり得ます。


受験の際には前もって試験日程を確認し、計画的に準備を進めましょう。

試験会場

公認会計士試験は全国の主要都市や隣接する府県、公認会計士・監査審査会が指定する場所で行われます。

住居地による定めはなく、全国どこの会場でも受験可能ですが、願書提出後に試験会場の変更はできないため注意しましょう。

試験会場は、各試験日のおよそ1カ月前に発表されます。
官報での公告と公認会計士・監査審査会のウェブサイトで公開されるため、受験者は必ず内容を確認しておきましょう。

公認会計士試験は独学でも合格できる?

公認会計士試験は独学でも合格できます。

試験の難易度が高いため非常に難しい挑戦ですが、適切な教材選びを行えば合格は可能です。

本章では、具体的にどのようなポイントが難しいのか、独学で受験する場合の教材選びのコツについて解説します。

不可能ではないが非常に難しい

公認会計士試験は独学でも合格できる可能性はありますが、難易度が高い挑戦と言えます。

公認会計士試験の合格率は10%前後です。

合格率から見ても、独学では非常に厳しい試験であることがわかります。

公認会計士試験は5科目と選択科目があり、合格には3,000〜5,000時間の学習が必要です。

独学の場合は、自分で教材を選んで学習計画を立てる必要があるため、適切な教材を見つけられなければ合格が厳しくなるでしょう。

情報収集や法改正への対応も自身で行わなければなりません。

独学での合格は不可能ではありませんが、多くの時間と努力が求められます。

教材選びが重要

独学で合格を目指す場合は、教材選びが重要です。

過去問題や最新の試験情報が反映されたものを選ぶとよいでしょう。

理解しやすい解説や例題が豊富に含まれているかも確認してみてください。

「スキマ時間を使って学習を進めたい」「近くに予備校がなくて通えない」という方には、オンライン学習で資格取得を目指せる「スタディング」がオススメです。

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まとめ

本記事では、公認会計士試験の内容や令和7年(2025年)からの変更点について詳しく解説しました。

公認会計士試験でとくに重要なポイントは、以下の通りです。

  • 試験内容は短答式と論文式の2段階
  • 5科目+選択1科目に及ぶ幅広い試験科目
  • 免除制度の利用による効率的な学習計画
  • 過去問の分析と適切な教材選び

合格するためには試験内容の全体像を把握し、過去問を活用して出題傾向をつかむことが大切です。

さらに、自分に合った教材選びや、科目別の対策も欠かせません。

試験当日までの準備を万全に行い、スケジュールの確認や体調管理も欠かさずに行いましょう。

本記事を参考に適切な準備を進めて、公認会計士試験に向けた対策を万全に整えてください。