ビジネス実務法務検定試験®︎の難易度・合格率
ビジネス実務法務検定は1〜3級に区分されており、3級がもっとも難易度が低くなっています。
3級の試験では基礎的な知識が浅く広く問われ、2級では実務知識・経験を有するレベルが求められます。
さらに1級となると、業務に必要な法律知識を全般的に持ち、さまざまな角度で判断と対応ができるレベルの法律知識が必要です。
ビジネス実務法務検定1〜3級の難易度や合格率を、それぞれ見ていきましょう。
3級
過去3年間に実施されたビジネス実務法務検定3級の合格率は、以下のとおりです。
▼ビジネス実務法務検定3級の合格率
実施年度 |
合格率 |
2023年度 | 50.7% |
2022年度 | 75.7% |
2021年度 | 88.2% |
2020年度 | 83.2% |
ビジネス実務法務検定3級の合格率は、例年70%以上もあります。
特に2020年度と2021年度は80%以上の受験者が合格していることから、3級は合格が狙いやすい資格といえるでしょう。
試験では、ビジネスにおける法律の基礎知識が広く浅く問われます。
法務実務の基礎知識を有していれば十分に合格を狙えるため、まずは取得しやすい階級から挑戦したいといった方におすすめです。
2級
過去3年間に実施されたビジネス実務法務検定2級の合格率は、以下のとおりです。
▼ビジネス実務法務検定2級の合格率
実施年度 |
合格率 |
2023年度 | 34.4% |
2022年度 | 50.6% |
2021年度 | 65.2% |
2020年度 | 43.4% |
ビジネス実務法務検定2級の合格率は、例年50%前後です。
ただし、過去には合格率が16.7%まで下がったこともあるため、必ずしも50%前後の受験者が合格できるとは限りません。
合格には法律の深い知識と実務に支障のない応用スキルが必要となるため、油断せず試験日まで効率よく勉強することが大切です。
1級
過去3年間に実施されたビジネス実務法務検定1級の合格率は、以下のとおりです。
▼ビジネス実務法務検定1級の合格率
実施年度 |
合格率 |
2022年度 | 8.9% |
2021年度 | 21.2% |
2020年度 | 12.4% |
ビジネス実務法務検定1級の合格率は、10〜20%前後です。3級や2級の合格率と比較するとかなり低く、1級の難易度は非常に高いといえます。
1級の試験は、業務に必要な法律知識をビジネス全般に持っていて、なおかつ高度な判断・対応ができなければ合格できません。
また、2級や3級の試験は択一式試験でしたが、1級の試験では回答方法が論述式になります。
そのため、2級や3級と比較して合格率が低く、難易度が高くなっています。
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®2級の難易度・合格率・受験者データ・勉強方法
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®3級の難易度・合格率・勉強方法
ビジネス実務法務検定試験®︎の出題範囲
次は、ビジネス実務法務検定試験®︎の出題範囲を解説します。
試験合格を目指すなら、勉強をスタートする前に出題範囲を把握しておくことが大切です。
ビジネス実務法務検定試験®︎1〜3級においてどんな内容が出題されるのか、見ていきましょう。
3級
ビジネス実務法務検定試験®︎3級の出題範囲は、以下のとおりです。
項目 |
詳細 |
民法グループ | 民法・借地借家法・破産法・民事再生法・仮登記担保法など |
商法グループ | 商法・会社法・手形法・小切手法・会社更正法など |
労働法グループ | 労働基準法・労働組合法・男女雇用機会均等法・労働者派遣法など |
特例法グループ | 独占禁止法・不正競争防止法・大店立地法・消費者契約法・割賦販売法・特定商取引法・個人情報保護法・特許法・著作権法・商標法・実用新案法・意匠法など |
ビジネス実務法務検定試験®︎では、さまざまな法律が出題されます。そのため、幅広く勉強して知識をつけることが大切です。
なかでも3級の試験で中心となるのは、民法です。民法は、全100点のうち約50点分を占めるため、重点的に勉強することで合格に大きく近づけるでしょう。
ビジネス実務法務検定試験®︎2級に合格するには、民法を中心に商法や労働法などを幅広く勉強する必要があります。
2級
2級では、3級の出題範囲に加えて、法律の数が追加されます。
2級で追加される主な法律は、以下のとおりです。
項目 |
詳細 |
2級試験で追加される法律 | 民事保全法、金融商品取引法、労災保険・雇用保険・年金・医療保険、下請法、景品表示法、医薬品医療機器等法、条例や行政、公害関連法による規制、行政手続法など |
2級では、3級の出題範囲に労災保険や年金、医療保険に関する法的知識が追加されるのが特徴です。
3級と学習内容が重複する部分に関しても上位資格なだけに、より専門的な知識や高度な問題解答力が試されます。
2級の中でも出題比率の高い民法や会社法を中心に 知的財産法や破産法、民事訴訟法、消費者保護法などを幅広く勉強することが大切です。
1級
1級の試験では、3級・2級・1級の範囲に該当する法律や関連法令が出題範囲です。
実務的対応能力の有無を判断するような問題が出題されます。
項目 |
詳細 |
共通問題 | 民法・商法・会社法を中心に、できるだけすべての業種に共通して発生する法律実務 |
選択問題 | 特定の業種に関連する法律をクローズアップして、法務実務の担当者が遭遇するさまざまな場面を想定した問題 |
2級・3級で出題される分野をさらに深掘りした問題が出題されます。
そのため、試験日までにスケジュールを立てて計画的に勉強することが大切です。
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®2級・3級の学習範囲
ビジネス実務法務検定試験®︎合格に必要な勉強時間
ビジネス実務法務検定試験®︎に合格するにはどのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか?
ここでは、1級・2級・3級の試験に合格するために必要な勉強時間の目安をご紹介します。
3級
ビジネス実務法務検定試験®︎3級の勉強時間は、60時間程度が目安です。
1日1時間の勉強時間が確保できる方であれば、約2ヶ月の勉強期間で十分に合格を狙えます。
仕事や学校、家事などがあって毎日コンスタントに勉強するのが難しい場合は、なるべく早く勉強にに取り掛かり、余裕を持って試験に挑みましょう。
試験当日までコツコツと勉強を継続すれば、試験に合格する力を身につけられます。
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®3級は独学一夜漬けで合格できる?
2級
ビジネス実務法務検定試験®︎2級の勉強時間は、最低でも60時間は確保しましょう。
受験者によっては、合格までに100時間以上必要とする可能性もあります。
もし合格まで100時間かかる場合、1日1〜2時間勉強すると2ヶ月程度で合格を狙えます。
3ヶ月ぐらいかけてゆっくり勉強したい場合でも1日1時間前後の勉強時間は要するため、時間を十分に確保して合格を目指すことが大切です。
1級
ビジネス実務法務検定試験®︎1級は、2級・3級よりも難易度が高いため長めの勉強期間を要します。
具体的な勉強時間の目安は、100〜200時間です。
そのため、ビジネス実務法務検定1級に挑戦する場合、3ヶ月程度の勉強期間は設けましょう。
確保した勉強期間の中で、1日1〜2時間を目安に対策することをおすすめします。
ビジネス実務法務検定試験®︎の合格基準
ビジネス実務法務検定試験®︎は、階級によって合格基準が異なります。
各階級の合格基準については、以下のとおりです。
▼ビジネス実務法務検定試験®︎の合格基準
区分 |
合格基準 |
3級 | 100点満点中70点以上 |
2級 | 100点満点中70点以上 |
1級 | 200点満点中140点以上
(問題ごとに得点が50%以上) |
3級・2級については、合格基準点が同じですが、1級のみ合格基準が異なります。
合計の得点だけでなく、問題ごとに得点の下限が設定されているのが特徴です。
また、1級では不合格者の得点上位者を1級合格に準じて「準1級」として認定する、準1級認定制度が適用されます。
ビジネス実務法務検定試験®︎1級の受験者は、獲得した点数に応じて、下記のように分類されています。
- 200点〜140点(準1級):得点が50%未満の問題がある場合
- 139点〜110点:準1級の扱い
- 109点〜0点:不合格
1級の受験者は合格基準点に到達できなかった場合でも、準1級に該当するかどうかは確認しておきましょう。
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®の試験制度
ビジネス実務法務検定試験®︎に合格するコツ
ビジネス実務法務検定に合格するためのコツは、以下の4つです。
- 試験日から逆算してスケジュールを立てる
- 問題演習・過去問演習を中心に学習する
- 隙間時間を活用して効率よく進める
- 資格講座を活用する
それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。
試験日から逆算して学習スケジュールを立てる
ビジネス実務法務検定試験®︎を勉強する際、先ほどご紹介した勉強時間を目安に、試験日から逆算してスケジュールを立てましょう。
試験日から逆算することで、合格までにどのくらいのペースで勉強すればよいのかが明確になります。
例えば、何も考えずに勉強した場合、思った以上に試験日まで期間がなくて出題範囲を十分に勉強できないまま試験日を迎えることがあるでしょう。
試験に不合格になるとモチベーションの低下にもつながるため、スケジュールを十分にたてて計画的に合格を狙うことが大切です。
特にビジネス実務法務検定試験®︎の2級や3級は、年に2回実施されるため、試験日を確認して余裕を持って勉強に取り組める日程の試験に申し込みましょう。
問題演習・過去問演習を中心に学習する
ビジネス実務法務検定試験®︎は、問題演習を中心に学習することで、合格する力が効率よく身につきます。
実際、短期合格者の多くが問題演習の復習を繰り返している傾向があります。
問題演習は、繰り返し解くことで試験の傾向を把握できます。
加えて、自分の得意分野・苦手分野を把握でき、参考書などを併用して克服することで効率的に問題解答力を身につけられるのがメリットです。
参考書でインプットした内容を問題演習でアウトプットすることで、記憶の定着にも役立つため、試験対策は問題演習を中心に行いましょう。
スキマ時間を活用して効率よく進める
ビジネス実務法務検定の勉強は、日々のスキマ時間を上手く活用することも大切です。
起床後や就寝前、通勤・通学途中、仕事の休憩時間などを利用して効率よく勉強しましょう。
また、まとまった時間の確保が難しい方は、分散して勉強を行うのも1つの方法です。
例えば1日1時間の勉強時間を確保したい場合、起床後30分・就寝前30分といったように勉強時間を設けることで、勉強しやすい環境を作れます。
毎日少しずつでも良いので、勉強をコツコツと継続して合格する力を身につけましょう。
資格講座を活用する
独学での勉強が苦手な方であれば、資格講座を活用するのもおすすめです。
なかでもビジネス実務法務検定の通信講座は、通学講座よりも費用が安く、仕事や学業と両立して勉強しやすくなっています。
また、通信講座は人気講師の動画講義を受講できるのもメリットです。
初心者にもわかりやすい講義により、難しい分野や苦手分野を効率よく乗り越えられるため、勉強のモチベーションも維持しやすくなります。
スタディングでは、ビジネス実務法務検定試験®︎合格を目指す方が試験日までモチベーションを維持し、効率よく合格を狙える講座を用意しておりますので、ぜひ受講をご検討ください。
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験®2級の試験概要と勉強方法
【合わせて読みたい】ビジネス実務法務検定試験® 試験問題の解き方とIBT試験対策
まとめ
ビジネス実務法務検定試験®︎は、1〜3級に分類されており、それぞれで難易度の異なる試験です。
これから挑戦する方は、難易度が高くない2級・3級をおすすめします。
改めて、今回ご紹介した内容をおさらいしましょう。
- 3級は合格率が70%以上あり、合格に必要な勉強時間目安は45〜60時間程度
- 2級は合格率が50%前後で、合格するには最低でも60時間以上の勉強時間が必要
- 1級の合格率は10〜20%前後で、合格には100〜200時間程度の勉強時間が必要
- 勉強はインプットとアウトプットを並行して問題演習を中心に行うと良い
- 試験日から逆算して学習計画を立てることが大切
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