ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の違い
ビジネス実務法務検定は、ビジネスの現場で使える法律に特化した資格です。
一方でビジネス・キャリア検定は、ビジネスに関する幅広い分野を網羅した資格です。
ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の法務は、問われる内容が似ていますが、資格の全体像が異なります。
まずは、それぞれの資格がどういったものか詳しく見ていきましょう。
ビジネス実務法務検定とは
ビジネス実務法務検定は営業や販売、総務、人事などの部門・職種で役立つ法律知識が学べる資格です。
資格取得で得た法律知識を活かすことで、業務上のリスクを未然に回避できます。
たとえば営業の際は、法律知識をもとに契約内容に不利益がないかどうかを判断可能です。
会社へのダメージを防ぎ、自分の身を守るために役に立ちます。
ビジネス・キャリア検定とは
ビジネス・キャリア検定は人事や経理、営業、生産管理などの特定の職種に就く労働者に必要な専門知識・職業能力を評価する検定です。
試験に合格すると、専門知識・実務能力を持っていることを証明できます。
ビジネス・キャリア検定は、ビジネス実務法務検定よりも認知度は低い傾向がありますが、どちらも試験に合格することで自身の付加価値を高められるでしょう。
ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の難易度
続いて、ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の難易度の違いを、合格率と出題範囲の観点から解説します。
合格率
以下の表は、2022年度のビジネス実務法務検定と2022年度前期のビジネス・キャリア検定の合格率を比較したものです。
資格 | 試験分野 | 1級 | 2級 | 3級 |
ビジネス実務法務検定 | - | 8.9% | 51.6% | 83.2% |
ビジネス・キャリア検定 | 労務管理 | 13% | 29% | 51% |
企業法務 | 25% | 33%※ | 46% | |
経営戦略 | 52% | 49% | 63% |
※組織法務の合格率
ビジネス実務法務検定は級ごとに試験が分かれているだけですが、ビジネス・キャリア検定は科目・級ごとに細かく試験が分類されています。
両資格は似ているものの、試験制度が異なるので、合格率で難易度の違いを比べるのは難しいでしょう。
出題範囲
ビジネス実務法務検定の出題範囲は、法律問題が中心です。
一方でビジネス・キャリア検定は、試験区分ごとに出題範囲が異なります。
ただし、ビジネス・キャリア検定の法務は、ビジネス実務法検定の出題範囲に比較的近い内容です。
ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の具体的な出題範囲は、以下の通りです。
資格 | 出題範囲・試験分野 |
ビジネス実務法務検定 | <民法グループ>
民法・借地借家法・破産法・民事再生法・仮登記担保法など <商法グループ> 商法・会社法・手形法・小切手法・会社更生法など <労働法グループ> 労働基準法・労働組合法・男女雇用機会均等法・労働者派遣法など <特例法グループ> 独占禁止法・不正競争防止法・大店立地法・消費者契約法・割賦販売法・特定商取引法・個人情報保護法・特許法・著作権法・商標法・実用新案法・意匠法など |
ビジネス・キャリア検定 | 人事・人材開発、労務管理、経理・財務管理、営業、マーケティング、生産管理、企業法務、総務、ロジスティクス管理、ロジスティクス・オペレーション、経営情報システム、経営戦略
※上記の各試験によって試験範囲は異なります。 |
近い分野もあるものの両資格の出題範囲は異なるので、難易度として比較するのは難しいでしょう。
ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定はどんな人におすすめ?
ここまで、ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の違い、難易度を解説しました。
それでは、それぞれの資格はどのような方におすすめなのでしょうか。
次は、各資格に向いている人を詳しく解説します。
ビジネス実務法務検定がおすすめな人
ビジネス実務法務検定がおすすめな人は、以下の通りです。
- 大学生
- 人事や事務、営業などの仕事をする人 など
ビジネス実務法務検定は、ビジネスに関する法務知識を学べる資格です。
そのため、学生や社会人を問わずあらゆる人におすすめです。
大学生はビジネス実務法務検定の資格を取得すると、大学の単位認定を受けられるケースがあります。
また、社会人は企業によって、ビジネス実務法務検定の資格取得により資格手当をもらえたり、昇格に役立ったりする可能性があります。
新しい知識が身に付いて仕事の幅が広がることで、自身の付加価値を高められるでしょう。
ビジネス・キャリア検定がおすすめな人
ビジネス・キャリア検定がおすすめな人は、以下の通りです。
- 仕事の分野のスキルアップを目指す方
- 新しい分野に挑戦しようとしている方
- 自分の担当部署が決まっている社会人の方
ビジネス・キャリア検定が向いている職種は、試験分野ごとに異なりますが、営業職や経営職、事務系の業務などが挙げられます。
資格を取得すると、自分が専門知識や実務経験を有していることを証明できます。
ビジネス実務法務検定と同様に自分の付加価値を高め、仕事の幅を広げたりキャリアアップにつながったりする資格といえるでしょう。
ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の試験概要
最後に、ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の試験概要を紹介します。
ビジネス実務法務検定の概要
以下の表は、2024年度に実施されるビジネス実務法務検定の概要です。
項目 | 詳細 |
試験期間 | 【2級・3級】
第55回:6月21日(金)~7月8日(月) 第56回:10月25日(金)~11月11日(月) 【1級】 第56回: 12月8日(日) |
試験形式・試験時間 | 【2級・3級】
・多肢選択式:90分 【1級】 ・前半(共通問題):90分 ・後半(選択問題):90分 |
試験会場 | ・IBT方式:自宅や会社等
・CBT方式:全国各地のテストセンター |
受験料 | ・1級:9,900円(税込)
・2級:7,700円(税込) ・3級:5,500円(税込) ※CBT方式の際は利用料として2,200円が加算される |
受験資格 | 学歴・年齢などの制限なし |
3級と2級、1級によって試験日や試験時間が異なります。
自分が受験する階級の情報を確認した上で申し込み・試験対策に進みましょう。
ビジネス・キャリア検定の概要
以下の表は、2024年度に実施されるビジネスキャリア検定の概要をまとめたものです。
項目 | 詳細 |
試験日 | ・前期:10月6日(日)
・後期:2月16日(日) |
試験形式・試験時間 | ・1級:論述式(2問)・150分
・2級:五肢択一式(40問)・110分 ・3級:四肢択一式(40問)・110分 ・BASIC級:真偽法(70問):60分 |
試験会場 | 各都道府県の試験会場で実施される |
受験料 | ・1級:11,000円(税込)
・2級:7,700円(税込) ・3級:6,200円(税込) ・BASIC級:3,300円(税込) |
受験資格 | 学歴・年齢などの制限なし |
ビジネス実務法務検定と同様、資格の等級ごとに試験形式や受験料が異なります。
受験する等級の情報を申し込み前に確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、ビジネス実務法務検定とビジネス・キャリア検定の違いを解説しました。
改めて、この記事でご紹介した内容をおさらいしましょう。
- ビジネス実務法務検定はビジネスの現場で使える法律に特化した資格
- ビジネス・キャリア検定は幅広い分野を網羅した資格
- それぞれの資格で等級が設けられているため、情報を確認して申し込むことが大切
スタディングでは、ビジネス実務法務検定の受験者に向けてオンライン講座を用意しております。
モチベーションを維持しながら効率的に合格を目指せる内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。