登録販売者の白衣は着用が義務づけられているのか、その他の職種との違いを含めて解説します。
登録販売者や薬剤師にとって、白衣の着用は義務ではありません。
しかし厚生労働省の資料には、薬剤師・登録販売者・一般従事者の特定のため、「衣服等による区別を行うことが望ましい」との記載があります。
義務ではないものの、店舗の努力として薬剤師・登録販売者には白衣、一般従事者にはエプロンなどその他の衣服を着用させているのが実態です。
参考:厚生労働省「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」の一部改正について
さらに、厚生労働省の同資料には「一般従事者がいわゆる白衣を着用する等、購入者等からみて紛らわしい衣服を着用させることは避けること」とも明記されています。
2009年の薬事法改正(現在の薬機法)によって登録販売者が登場するまで、ドラッグストアなどでは資格の有無に関係なく白衣を着用している従業員がいたといわれています。
現在は「一般従事者の白衣着用は避けること」と明記されており、薬剤師・登録販売者という「医薬品のプロ」と一般従事者を明確に区別することが求められているのです。
なお、衣服による区別は義務ではありませんが、薬剤師・登録販売者・一般従事者を判別するための「名札」や、薬剤師・登録販売者の「バッジ等」は着用が義務づけられています。
さらに、登録販売者の名札については「(正規の)登録販売者」か「研修中の登録販売者」かを容易に判別できる表記にする必要があります。
従業員がどのような立場で業務にあたっているのかがわかることで、店舗を訪れたお客様は安心して医薬品に関する相談ができます。
白衣の着用自体は義務ではないものの、よりよいお客様対応のため各店舗が着用をルール化しているのです。
関連記事:登録販売者資格とは?仕事内容や取得のメリット、難易度を解説
ここでは、登録販売者が白衣を着用する意味について見ていきましょう。
薬局やドラッグストアなどに白衣を着た従業員がいれば、「薬に詳しい人」だと認識する方は多いでしょう。
薬剤師や登録販売者といった医薬品のプロだけが白衣を着用することで、一般従事者による誤った情報の案内を防いだり、お客様が安心して有資格者に相談できたりといった効果が期待できます。
登録販売者は、一般用医薬品のうち、第1類を除く第2類・第3類の販売が可能となる資格です。
薬剤師のように第1類医薬品の販売や調剤が可能なわけではありませんが、社会的な役割は重要性を増しています。
政府はセルフメディケーション(軽い体調不良などであれば一般用医薬品を利用して自身で手当すること)の推進や、地域包括ケアシステム(高齢者が住み慣れた場所で生活を続けられるよう住まいや介護、医療を包括的に提供すること)の確立を掲げるなか、医薬品販売のプロである登録販売者が活躍する場は広がっているといえるでしょう。
医薬品についてわからない点があるとき、気軽に相談できる「白衣を着た専門家」がお店にいることは大きな安心感を与えてくれます。
白衣を着ていれば「医薬品のプロ」と認識される可能性が高いものの、「研修中」との記載があるとお客様は少し不安に感じるかもしれません。
登録販売者は、試験に合格するだけで単独での業務が可能になるわけではありません。
正規の登録販売者となるためには、以下いずれかの実務経験(管理者要件)を満たす必要があるのです。
上記の条件を満たしていない場合は「研修中の登録販売者」という扱いになり、名札にその旨を記載する必要が生じるほか、薬剤師や管理者要件を満たす登録販売者による指導・管理が必要となります。
お客様からより大きな信頼を得るためには、早めに実務経験を積んで正規の登録販売者になるのがよいでしょう。
管理者要件を満たすことで、店舗責任者に抜擢されるなどのステップアップにつながる可能性も生まれます。
関連記事:登録販売者に必要な実務経験とは?期間や時間などの条件、証明書について解説
登録販売者として働くにあたり、万一店舗から白衣が支給されない場合は自分で選ぶ必要があります。
自分で白衣を選ぶ際は、以下のポイントを押さえて探すとよいでしょう。
また、白衣の清潔さは定期的にチェックすることが大切です。
汚れた白衣を着ていると、お客様の信頼を失ったり相手を不快な気持ちにさせたりする可能性があります。
常に清潔感のある白衣を着用し、医薬品のプロとして誇りを持って業務にあたりましょう。
本記事では、登録販売者が白衣を着るのは義務なのかどうかや、白衣が果たす役割、選び方を解説しました。
ポイントをおさらいすると、以下の通りです。
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