登録販売者試験の合格後に必要な手続きとは
登録販売者試験に合格して、一定の要件を満たすと、一般用医薬品の販売業務ができるようになります。
試験の合格後すぐに登録販売者として勤務できるわけではありません。
ここでは、以下の流れで登録販売者試験の合格後に必要な手続きについて解説します。
- 合格証書(合格通知書)を受け取る
- 勤務先を決定する
- 販売従事登録を行う
合格証書(合格通知書)を受け取る
まずは、登録販売者試験の合格証書(合格通知書)を受け取りましょう。
合格証書は合格発表のおよそ1週間後、願書に記載した住所宛に届くのが一般的です。
なお、合格証書はA4サイズやはがきサイズなど、都道府県によって様式が異なります。
ここで受け取る合格証書(合格通知書)は、このあと行う販売従事登録に必要な書類です。
受け取り忘れや紛失のないようにしましょう。
関連記事:2023年度(令和5年度)登録販売者の試験日程は?申し込み方法もあわせて紹介
勤務先を決定する
登録販売者として勤務するには後述の「販売従事登録」が必要ですが、勤務先の企業が決定していなければ申請できません。
勤務先が未定の場合は、まずは求人を探して登録販売者として働く企業・店舗を決めましょう。
登録販売者の勤務先としては、薬局やドラッグストアのほか、一般用医薬品を販売しているスーパーやホームセンターなどが挙げられます。
なお、取得してから勤務を開始するまでに時間があく場合は、合格通知書などの書類を紛失しないように気をつけてください。
関連記事:登録販売者の就職先はドラッグストア以外にもある?多様な働き方を紹介
販売従事登録を行う
勤務先が決まったら、登録販売者としての販売従事登録を行います。
この販売従事登録をしなければ、医薬品の販売を担当できません。
申請先は勤務先がある地域の自治体窓口です。
申請方法は「窓口への提出」と「郵送」のいずれかを選べます。
ただし、都道府県によっては郵送を受け付けていないケースもあるため注意しましょう。
販売従事登録にかかる手数料の金額も都道府県によって異なります。
販売従事登録の申請には、主に以下のような書類が必要となります。
種類が多いため、漏れがないよう気をつけましょう。
- 販売従事登録申請書
- 登録販売者試験合格通知書
- 戸籍謄本、戸籍抄本または戸籍記載事項証明書
- 使用関係を証する書類
- 医師による診断書(必要に応じて)
販売従事登録申請書は、所属する自治体のホームページからダウンロードが可能です。
使用関係を証する書類は勤務先から発行してもらう必要があるため、早めに作成を依頼しましょう。
関連記事:登録販売者の販売従事登録とは|必要な手続きや期限、登録料について解説
登録販売者試験の「合格後」に関するよくある質問
ここでは、登録販売者試験の「合格後」に関する以下5つの質問について解説します。
- 資格には期限がある?
- 合格後に働かないのはあり?
- 合格後は「研修中」扱いになる?
- 登録販売者の外部研修って?
- 試験合格後の勉強方法は?
順番に見ていきましょう。
資格には期限がある?
登録販売者の資格には有効期限がないため、1度試験に合格すればいつでも勤務を開始できます。
登録をせずに放置していても、資格が失効することはありません。
ただし、登録販売者には「登録販売者研修生」と「正規の登録販売者」の2段階あり、正規の登録販売者になるには以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- 直近5年以内に2年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験
- 直近5年以内に1年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験に加え、指定の追加的研修を修了(※令和5年4月1日より適用)
試験合格後に放置しても資格は失効しませんが、上記の条件(管理者要件と呼びます)を満たすのも先送りになります。
登録販売者として活躍したいなら、合格後は早めに販売従事登録を終え、登録販売者としての実務経験を積み始めるのがおすすめです。
関連記事:登録販売者に必要な実務経験とは?期間や時間などの条件、証明書について解説
合格後に働かないのはあり?
登録販売者の資格を取得したあと、働かなくても問題はありません。
前述の通り、登録販売者の資格には試験合格後の有効期限が特に設定されていないからです。
ただし、正規の登録販売者となるには一定の実務経験が必要となります。
「研修中」の状態では単独での医薬品販売ができないため、就職先・転職先を探す際にネックになる可能性があります。
また試験合格から期間が空くことで、試験対策で身につけた知識が抜けてしまう点にも注意が必要でしょう。
業務で適切に対応するには、実務を通して医薬品の知識を維持・アップデートしていく必要があります。
登録販売者としてキャリアアップを目指すなら、やはり早めに勤務を開始するのがおすすめです。
合格後は「研修中」扱いになる?
登録販売者試験に合格しても、前述の実務経験(管理者要件)を満たすまでは「登録販売者研修生」としての勤務になります。
研修生のうちは、薬剤師や管理者要件を満たす登録販売者の指導のもとで販売にあたる必要があります。
例えば、コンビニやスーパーなどで、1人で医薬品販売を行う可能性が高い店舗では、応募の際に管理者要件を満たしているかどうかが問われるでしょう。
実務経験を積み、「正規の登録販売者」になることでキャリアの幅が広がるといえます。
登録販売者の外部研修って?
登録販売者として勤務を開始したあとも、定期的に外部研修を受ける必要があります。
厚生労働省のガイドラインにより、登録販売者には1年間で計12時間の研修受講が求められています。
医薬品販売の知識・スキルの維持や向上を目的として、一般用医薬品を販売する薬局や店舗などに対し、所属する登録販売者に外部研修を受けさせることが義務づけられているのです。
外部研修は、集合研修とeラーニング研修をそれぞれ6時間受講するのが一般的です。
外部研修は勤務先から案内されるケースが多いですが、自身で探す必要がある場合は厚生労働省のホームページから対象の研修実施機関を確認しましょう。
関連記事:登録販売者の外部研修とは?受けなかったらどうなる?
試験合格後の勉強方法は?
登録販売者の勉強は、試験に合格できたら終了というわけではありません。
店頭でお客様の質問に的確に答えるためには、知識を維持・アップデートしていく必要があるのです。
試験合格後は、以下のような方法で勉強を継続していくとよいでしょう。
▼実際の売場や販売実績から学ぶ
医薬品は種類が多いため、闇雲に覚えようとするのは効率的ではありません。
優先順位をつけて、まずは店頭で大きく陳列されている商品や販売実績のある商品から学ぶとよいでしょう。
▼分野ごとに学ぶ
さまざまな医薬品の情報をそれぞれ覚えようとしても、知識を定着させるのは簡単ではありません。
まずは自分が担当する売場や、風邪や花粉症など季節的に需要の高まる分野から知識を深めていくのがおすすめです。
▼外部研修を通して学ぶ
前述の通り、登録販売者は毎年外部研修を受ける必要があります。
外部研修の内容にしっかりと向き合い、知識を維持・アップデートしていきましょう。
まとめ
本記事では、登録販売者試験の合格後に必要な手続きについてご紹介しました。
ポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 登録販売者として働くには、試験合格後の販売従事登録が必要
- 販売従事登録をするには、勤務先を決めておく必要がある
- 登録販売者の資格には有効期限がないため、いつでも勤務を開始できる
- ただし、キャリアアップのためには早めに実務経験を積むのがおすすめ
- 登録販売者としての勤務を始めてからも、毎年の外部研修は受ける必要がある
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