まずは、登録販売者試験の概要と難易度について理解しておきましょう。
登録販売者試験は、一般用医薬品の販売のプロである「登録販売者」を目指す方が受験する試験です。
試験は年に1度、各都道府県で実施されています。
例年であれば、試験日は8月下旬から12月中旬、申し込みの締め切りは試験日の約2ヶ月前に設定されています。
試験に挑戦する際は、忘れずに申し込みましょう。
関連記事:登録販売者の試験日程は?申し込み方法もあわせて紹介
登録販売者試験は、以下の5つの出題範囲に分かれています。
もっともボリュームの多い「主な医薬品とその作用」に学習時間の多くを割くのが基本です。
試験は前半と後半に分かれており、それぞれ120分で実施されます。
科目の出題順は都道府県ごとに異なるため、自分が受験する地域の情報を事前に確認しておきましょう。
解答方法はマークシート方式で、論述や記述問題は出題されません。
120問のうち7割、つまり84問以上に正解したうえで、試験科目ごとの得点率が各40%以上(都道府県によっては35%以上)であれば合格となります。
関連記事:2024年度登録販売者試験の日程や内容は?過去の合格率も紹介
登録販売者試験の難易度は決して高いものではなく、どんな人にも挑戦しやすい資格といえます。
合格率は都道府県によって異なりますが、全国平均はおおむね40〜50%前後で推移しています。
合格すれば一部の一般用医薬品の販売が可能になる資格であり、医薬品に関する専門的かつ幅広い知識が求められる試験です。
受験者の半数近くが不合格になっていることからも、計画的に学習を進めなければ合格は難しいことがわかります。
登録販売者試験の合格を目指すにあたって、以下の2点を押さえておきましょう。
登録販売者試験の合格に必要な勉強時間は、200~300時間前後が目安とされています。
1日2時間の勉強時間を確保できれば、約3~5ヶ月で合格できる計算です。
受験予定の都道府県の試験日を確認したうえで、300時間を確保するために必要な期間と毎日の勉強時間を割り出し、学習計画を立てましょう。
ただし、300時間という勉強時間はあくまで目安です。
何時間勉強したかではなく、合格に必要な知識を身につけるための学習計画になっているかが重要だといえます。
より確実な合格を目指すなら、試験対策は効率的に進める必要があります。
登録販売者試験は、都道府県ごとに年に1度の実施です。
翌年度に再受験となると時間的にも精神的にも負担が大きくなるため、1度で確実に合格しておきたいと考える方は多いでしょう。
前述の通り、難易度の高い試験ではありませんが、受験者の半数近くが不合格になっているのも事実です。
独学でも対策は可能ですが、自分で学習計画を立て、進捗を管理できる人でないと挫折する可能性は高いでしょう。
また、問題作成の元となる厚生労働省の「登録販売者試験問題作成に関する手引き」に改定があった場合、その変更内容を自分で調べるのには手間も時間もかかります。
効率よく勉強を進めたい方は、オンライン講座などの最新かつ完成されたカリキュラムを利用するのがおすすめです。
資格試験合格を目指すには、実際の合格者の学習方法を参考にするのが近道です。
こちらでは、登録販売者試験に適した学習方法をご紹介します。
登録販売者試験は都道府県ごとに行われ、試験内容や試験日もそれぞれ異なっています。
複数の会場で受験できるというメリットはある一方、受験地ごとの対策を行わなければいけないと不安に感じている方も多いでしょう。
もちろん各都道府県の過去問をチェックし、傾向を探ることも重要ですが、登録販売者試験には大まかな出題パターンがあります。
出題パターンを理解し、それに応じた勉強をすることで、どの都道府県でも安心して受験できるでしょう。
登録販売者試験の出題パターンには、大きく分けて4種類あります。
下記の表で特徴をご紹介します。
出題パターン | 特徴 |
正誤問題 | 問題文に対していくつかの解答が記載されており、そのなかから正しいものを選択する問題。 |
組み合わせ問題 | 問題文に対して複数の正しい解答が記載されており、そのすべてを含む選択肢を解答させる問題。 |
正誤の組み合わせ問題 | 問題文に対して正誤それぞれの解答が示されており、正答もしくは誤答の組み合わせを選択する問題。 |
空欄補充問題 | 問題文に空欄があり、そこに入る解答として正しいものを選択する問題。 |
それぞれの特徴を理解し、過去問や参考書などで演習を重ねることで、合格に近づけるはずです。
登録販売者試験の対策には、過去問の徹底的な演習が効果的です。
過去の問題がそのまま出題されることは基本的にありませんが、問題の傾向を掴んだり、出題形式に慣れたりするには過去問演習が最適です。
過去問を活用する際に意識するべきポイントは、以下の3つです。
過去問は最低でも3年分用意しましょう。
1年だけでは傾向を掴むのが難しく、対策としてあまり効果が期待できないためです。
3~5年分の過去問を用意しておくと、知識の幅を広げるためにも役立ちます。
また、過去問は1度だけでなく繰り返し解き直しましょう。
過去に出題された問題をすぐに解答できるレベルまで理解を深めることで、試験対策だけでなくその後の実務でも役立つ知識となります。
さらに、過去問を解く際は時間を意識することも大切です。
全問正解していても、ひとつの出題範囲に対して1時間かけていては本番で時間が足りなくなります。
時間内にすべての問題に解答できるよう意識することで、試験本番に向けた対策になります。
関連記事:登録販売者の過去問は無料でダウンロードできる?効果的な対策方法とあわせて解説
論述や記述の問題がない登録販売者試験では、知識のインプットが学習の大部分を占めます。
まとまった時間を確保し、参考書を開いて机で勉強するのが理想ですが、社会人や学生の方など、それが難しい方も多いでしょう。
そのような場合は、通勤や通学時間を利用してインプットを行うのがおすすめです。
バス停でバスを待つ時間や電車に乗っている時間など、普段何気なく過ごしている時間を有効活用することで、無理なく学習を進められます。
そして、週末や休日にまとまった時間を確保し、過去問演習に取り組んで知識のアウトプットを行いましょう。
登録販売者試験では、各都道府県で難易度に大きな差が生まれないよう、「登録販売者試験問題作成に関する手引き」が厚生労働省から提示されています。
毎年ではありませんが、この手引きに改定が行われることがあり、その場合は例年3月30日に発表があります。
試験内容の大きな変更はあまり考えられませんが、念のためチェックしておくと、変更点にも臨機応変に対応できるでしょう。
登録販売者試験は前半120分と後半120分に分けて実施されます。
都道府県ごとに前半と後半の出題範囲の振り分けは異なるため、受験地に合わせて対策を行いましょう。
過去問を解く際も、実際の試験日程に合わせた時間配分で取り組むのが理想です。
登録販売者試験には、「得点率が40%未満(都道府県によっては35%未満)の科目が1つでもあれば不合格」という科目別の合格基準点が存在します。
そのため、苦手分野を作らないように学習するのが、登録販売者試験の攻略方法です。
ここでは、5つの出題範囲ごとに対策のポイントを解説します。
苦手分野を勉強する際の参考にしてください。
こちらの分野では、一般的な知識でも解答できる医薬品の基本的な知識が問われます。
勉強を始める前の段階でも正解できる問題が多いため、最初に勉強する分野としては最適です。
9割以上の正答率を目指して勉強しましょう。
この範囲では、医薬品の作用と人体の構造に関する基本的な知識が問われます。
暗記がメインの分野となりますが、人体の働きに関する問題でつまずく方が多い傾向にあります。
人体の構造や臓器のイメージ図などを用意しておくと理解しやすくなるでしょう。
こちらの範囲では、医薬品に含まれる有効成分や効能、飲み合わせ、基礎疾患をもつ方に与える影響など、医薬品に関する幅広い知識が問われます。
もっとも難易度が高い分野であり、ボリュームも多いため、時間をかけて学習しましょう。
最初は無理に暗記しようとせず、内容を理解してから暗記するのがおすすめです。
こちらの分野では、薬事関係の法規の仕組みや販売に関する法令の理解度を問われます。
法律は改正される可能性があるため、常に最新情報を入手することが大切です。
この範囲では、医薬品の適正な使用や安全対策に関する情報の提供、副作用報告制度などについて問われます。
ほかの出題範囲と重なっている点が多いため、最後に学習するのがおすすめです。
全体の復習として勉強を進めましょう。
登録販売者試験の合格率は都道府県ごとに異なりますが、全国平均は例年40~50%前後で推移しています。
以下、2015年度以降の合格率を表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(平均) |
2015年度 | 49,864人 | 22,901人 | 45.9% |
2016年度 | 53,369人 | 23,330人 | 43.7% |
2017年度 | 61,126人 | 26,606人 | 43.5% |
2018年度 | 65,500人 | 27,022人 | 41.3% |
2019年度 | 65,288人 | 28,328人 | 43.4% |
2020年度 | 52,959人 | 21,953人 | 41.5% |
2021年度 | 61,070人 | 30,082人 | 49.3% |
2022年度 | 55,606人 | 24,707人 | 44.4% |
2023年度 | 52,414人 | 22,814人 | 43.7% |
参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
合格率をほかの試験と比較すると、決して低い数字ではなく、独学でも十分合格可能といえます。
ただし、初めて薬学を学ぶ場合は、独学で十分な学習ができるか不安な方も多いでしょう。
以下、独学に向いている方と向いていない方の特徴をご紹介します。
独学に向いているのは、以下のような特徴をもった方です。
独学で学習するためには、スケジュール管理が欠かせません。
試験日から逆算して学習スケジュールを立て、確実にこなしていく必要があります。
合格までに必要な勉強時間は人によって異なりますが、なかには3ヶ月程度で合格した方もいるようです。
仕事や学校などで忙しい場合は、半年から1年ほどのスケジュールで学習を進めるのが良いでしょう。
また、効率良く勉強をするには、集中できる環境が必要です。
自室はもちろん、カフェやコワーキングスペースなど、自分が集中できる場所であればどこでも構いません。
環境を整えることで長期間の勉強もストレスなく続けられます。
さらに、独学には自分で疑問点を解消する能力も求められます。
市販の参考書や過去問などを活用して、わからなかった点はすぐに調べましょう。
独学に向いていないのは、以下のような特徴をもつ方です。
独学は決して効率の良い勉強方法ではありません。
参考書や過去問などを自分で用意しなければならず、目標や仲間も自分で探す必要があります。
そのため、モチベーションの低い方やひとりで勉強するのが苦手という方は、独学で試験合格を目指すのはあまり向いていないでしょう。
「独学で勉強できる気がしない」「予備校や学習塾に通う時間がない」という方におすすめなのがオンライン講座です。
近年のオンライン講座では、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを活用して講師のオンライン授業を受講し、資格取得を目指せます。
自宅にいながら、専用のテキストを使って効率良く学習を進められるため、忙しい社会人の方でも心配ありません。
こちらでは、登録販売者試験の対策にオンライン講座を活用するメリットをご紹介します。
オンライン講座はスマートフォンやタブレットがあれば、どこでも勉強できます。
自宅で腰を据えて勉強するだけでなく、仕事の休憩中や通勤時の電車など、場所を選ばずにいつでも勉強できるのが魅力です。
オンライン講座の授業では、専任の講師が授業を行ってくれます。
試験対策のプロから知識を習得できるため、参考書を読み続けるだけの場合と比べ、モチベーションを保ちやすくなります。
また、同じ授業を受けている仲間がいると思うと、自然とライバル意識が芽生えてより学習意欲が湧くはずです。
オンライン講座はオンライン授業だけでなく、テキストや一問一答形式の問題集、出題傾向を分析した過去問などを提供しています。
これらの教材を上手に活用することで、インプットだけでなくアウトプットの機会も確保しやすくなります。
独学の場合、インプットを重視するあまりアウトプットの練習が少なくなり、試験本番で焦ってしまうケースも少なくありません。
オンライン講座でアウトプットの機会を確保することで、同時に試験本番の対策もできます。
本記事では、登録販売者試験の概要や合格に必要な勉強時間、対策方法をご紹介しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
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