未経験からでも登録販売者になれる?
医薬品に関する知識がまったくない方は、登録販売者の資格取得を目指すにあたり「本当に試験に合格できるのか」「どのような業務を担当するのか」と不安になるでしょう。
ここでは、未経験から登録販売者になれるのかについて以下4つのポイントで解説します。
- 登録販売者は比較的合格しやすい試験
- 未経験(実務経験なし)でも求人は見つかる
- 登録販売者の需要は高まっている
- キャリアアップにおいて重要なのは管理者要件を満たすこと
登録販売者は比較的合格しやすい試験
登録販売者は、一般用医薬品の販売に関する知識を証明する資格です。
一般用医薬品には第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品があり、登録販売者は第2類と第3類の販売が可能です。
以前は薬剤師が調剤と販売の両方を担当していましたが、現在は第2類・第3類医薬品なら登録販売者でも販売できるようになりました。
登録販売者の資格を取得すれば、薬局やドラッグストア、ホームセンターなど、医薬品を取り扱う店舗で働くことが可能です。
登録販売者試験の合格率は、全国平均で40~50%前後です。
医薬品という専門的な知識が求められる資格であるため、まったく知識がない状態から少しの勉強で取得できるというわけではありません。
しかし、計画的に勉強すれば誰でも十分に合格を目指せる難易度だといえます。
関連記事:登録販売者試験の合格率・難易度は?都道府県別の合格率も一覧で紹介
未経験(実務経験なし)でも求人は見つかる
登録販売者の資格取得を目指すにあたり、未経験で仕事が見つかるのか不安に感じる方もいるでしょう。
実は、以前は登録販売者試験の受験資格として学歴と実務経験が必要でした。
しかし現在では受験資格が撤廃され、学歴や経験を問わず誰でも受験可能な試験となっています。
受験資格がなくなったことで、経験を積んでから資格取得を目指すのではなく、先に資格を取得してから医薬品販売に携わる方が増えていると考えられます。
また、インターネット上で登録販売者の求人情報を調べれば、未経験者向けの求人も多く公開されていることがわかるはずです。
「研修中」から「正規の登録販売者」になるには一定の実務経験が必要なものの、まずは未経験OKの勤務先で経験を積めば問題ありません。
登録販売者は、未経験者からでも十分キャリアを築ける職種だといえるでしょう。
関連記事:登録販売者に必要な実務経験とは?期間や時間などの条件、証明書について解説
登録販売者の需要は高まっている
登録販売者の需要自体が高まっていることも資格取得の後押しになるでしょう。
例えば、OTC医薬品市場の成長やドラッグストア店舗数の増加が挙げられます。
OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで処方せんなしに購入できる医薬品のことです。
OTC医薬品出荷額は2007年の6,267億円から2021年の6,990億円、ドラッグストア店舗数は2017年の15,049店から2022年の18,429店といずれも大きく増加しています。
参考:株式会社矢野経済研究所「OTC市場に関する調査」、経済産業省「商業動態統計調査」
政府の動きとしても、軽度なケガや体調不良であれば一般用医薬品を使って自身で手当をする「セルフメディケーション」を推進するなど、ますます登録販売者の存在意義が高まる傾向にあります。
病院に行かず、薬局やドラッグストアで一般用医薬品を買い求めるなら、店頭で相談に乗ってくれる登録販売者は重要な存在だといえるでしょう。
登録販売者の需要は今後も増え続けることが予想されるため、未経験者であっても活躍の余地は十分だといえます。
キャリアアップにおいて重要なのは管理者要件を満たすこと
登録販売者には、「登録販売者研修生」と「正規の登録販売者」の2段階があります。
正規の登録販売者になるには、管理者要件と呼ばれる以下いずれかの条件を満たさなければなりません。
- 直近5年以内に2年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験
- 直近5年以内に1年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験に加え、指定の追加的研修を修了
管理者要件を満たせば単独での医薬品販売が可能となるため、応募できる求人の幅が広がります。
店舗責任者に任命され、待遇が改善する可能性もあるでしょう。
現時点で未経験であっても、実務経験を積んで管理者要件を満たせば、キャリアアップは十分可能です。
登録販売者はどこで働く?未経験だと仕事がない?
登録販売者の勤務先としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 調剤薬局・ドラッグストア
- コンビニ
- スーパー
- 家電量販店
- ホームセンター
- 製薬会社(営業職)
上記以外にも、一般用医薬品の知識を活かせる職場・職種は多岐にわたります。
店頭での販売業務に就きたい場合は、前述の通り管理者要件を満たすことで正規の登録販売者になることが重要です。
未経験であれば、まずは薬剤師や登録販売者の人数が多い薬局やドラッグストアで「研修中」扱いで働き始め、経験を積んでいくのがよいでしょう。
関連記事:登録販売者の就職先はドラッグストア以外にもある?多様な働き方を紹介
登録販売者の雇用形態は?正社員にはなれる?
登録販売者には、アルバイト・パート・正社員といったキャリアの選択肢があります。
たしかに、未経験からいきなり正社員になるのは少し難しいかもしれません。
その場合はアルバイトやパートとして実務経験を積み、管理者要件を満たしたうえで正社員に転職するのがよいでしょう。
正社員登用を行っている企業であれば、しっかりとステップを踏めば、未経験からでも登録販売者の資格を活かして正社員になることは十分可能です。
登録販売者の給料相場は?
登録販売者の給料相場は雇用形態によって異なります。
正社員として働く場合、年収の目安は300〜400万円程度、月収に換算すると20〜25万円程度になるでしょう。
企業や店舗によっては資格手当がつく場合もあります。
管理者要件を満たし、店舗責任者として雇用されれば月収30〜35万円程度も目指せます。
パートやアルバイトとして働く場合、時給の相場は900~1,200円程度です。
時給は地域によって差があるため、あくまで目安となります。
またパートやアルバイトであっても、企業や店舗によっては資格手当がつく場合もあります。
関連記事:登録販売者の給料相場は高い?就職先や将来性についてもあわせて解説
まとめ
本記事では、未経験から登録販売者になれるのか、試験の難易度や勤務先、給料相場などを含めて解説しました。
ポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 経験や知識がない状態からでも、登録販売者の資格は十分取得可能
- 資格取得後に実務経験を積み、「研修中」から正規の登録販売者になることが重要
- 勤務先は薬局やドラッグストアのほか、スーパーやホームセンターなど多岐にわたる
- ドラッグストアの店舗増加や政策の後押しもあり、今後も需要が見込まれる職種
- 登録販売者の資格を活かして正社員を目指すことも十分可能
- 給料相場は正社員で300〜400万円前後、パート・アルバイトで時給900~1,200円前後
オンラインで学べる「スタディング 登録販売者講座」では、スマホを使って効率的に登録販売者試験の対策ができます。
スキマ時間で効率よく学びたい方は、無料登録をぜひお試しください。