メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅲ種の無料過去問を紹介

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種を受験する際には、過去問を活用した勉強がおすすめです。

Web上には、試験の主催者が公開する過去問が掲載されていますが、範囲は限定的です。試験対策として活用するには不十分なため、過去問題集の購入も検討してみましょう。

この記事では、無料で解ける過去問や効果的な活用方法、出題範囲、試験の難易度、勉強方法などを解説します。

【無料・有料】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種(セルフケアコース)の過去問

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の過去問には、無料のものと有料の教材があります。

無料で提供されている過去問

無料で提供されている過去問は、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験が公開しているパンフレットに掲載されています。

掲載されているのは、以下の2問です。

Q.メンタルヘルスケアにおける従業員の役割に関する次の記述のうち、もっとも不適切なものをひとつだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。

1.社内のメンタルヘルス対策を検討する機会に積極的に参画する。

2.教育研修の機会を利用して、セルフケアについての技術や知識を得るとともに、ストレスチェックの結果を参考にセルフケアに努める。

3.事業場のメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨を表明する。

4.事業場に存在するメンタルヘルスケアにおける各種手順やルールを理解して、適切な対応をする。

答え:3

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「第37回・第38回受験要項(p.4)」

Q.メンタルヘルスケア不調への早期対処に関する次の記述のうち、もっとも適切なものをひとつだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。

1.メンタルヘルス不調の初期段階では、それが単なる一過性の心の反応なのか、それともすでに病的レベルの問題であるのかの区別はつきやすい。

2.日常の職場においては、管理監督者は労働者の安全と健康を確保する義務があることから、労働者の体調不良に気づくことが求められている。

3.ストレスは必ず、まず「気分が乗らない」「少し落ち込んでいる」などの気分の面に強く現れ、次に微熱や食欲不振などの身体面に現れる。

4.以前にはなかった心身の変調が起こっている場合、何が今のストレスの原因なのかを考えることもストレスになりえるので、必ず、自分で分析せずにまずは第三者の協力を求めることが必要である。

答え:2

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「第35回・第36回受験要項(p.8)」

有料の過去問題集

有料の過去問題集は、公式テキストを販売する出版社の公式通販サイトにて購入可能です。

過去問題集は、直近9回分の試験から厳選された問題が掲載されており、出題内容にリンクした第1章から第6章という形で構成されています。

また、各問題にはテキストの該当箇所も記載されているので、公式テキストとあわせて活用することで効率よく試験対策ができるでしょう。

過去問の効果的な活用方法

過去問の効果的な活用方法は、以下の4つです。

  • 正解を見て解き方を覚える
  • なるべく最新の過去問を活用する
  • 問題の傾向をチェックしてみる
  • 間違えた問題は繰り返し復習をする

それぞれ詳しく解説します。

正解を見て解き方を覚える

短期間で合格した人は、早い段階から「過去問」を効果的に活用している傾向にあります。

一方で、合格まで時間がかかる人の多くは「過去問」を十分に活用できていません。

試験勉強では、問題を解くだけでなく、その解答の意図や背景を理解することが重要です。

実際の問題に触れることで、現状の知識レベルを確認でき、理解力を深められます。

単に答えを暗記するのではなく、なぜその解答が正解なのかを理解できると、実践的な知識を身につけることが可能です。

また、不正解の選択肢についても、なぜ間違いなのかを考えることでより確実な理解につながります。

なるべく最新の過去問を活用する

Webで無料の問題を探すと、数年から10年ほど前の問題も見つかります。

しかし、なるべく最新の問題を解くようにすることが重要です。

なぜなら、テキストの内容や法律が変更されることで、過去の問題が現在の内容にマッチしないケースが出てくるためです。

また、新しい研究成果やガイドラインの発表により、推奨される対応方法が変わり、試験内容が変わることは珍しくありません。

そのため、古い問題集だけで学習を進めると、最新の基準や考え方を見落とす可能性があります。

できるだけ最新の過去問を中心に学習を進めることで、現在の試験傾向に沿った効果的な対策ができるでしょう。

問題の傾向をチェックしてみる

過去問を解きながら、以下のような点に注目してみると、問題の傾向がつかめて効果的な試験対策になります。

  • 問題文や選択肢の分量・長さ
  • 制限時間内に読み切れる量かどうか
  • 出題内容ごとの難易度

問題の傾向がわかると、求められる知識の深さも把握でき、問題への適切なアプローチ方法を身につけられるでしょう。

このような分析を通じて、本番の試験でも時間配分を適切に行い、確実に得点できる問題から解答を進められます。

間違えた問題は繰り返し復習をする

過去問は繰り返し取り組むことで、徐々に知識が身につきます。

「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は覚えたことの約74%をたった1日で忘れてしまうと言われています。

覚えたことを忘れずに定着させるためには、定期的な復習が極めて重要です。

とくに間違えた問題については、なぜ間違えたのかを分析し、関連する知識も含めて理解を深めることが大切です。

また、正解できた問題でも、選択の根拠があいまいな場合は、繰り返し確認することで確実な知識として定着させられるでしょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の出題範囲

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の出題内容は、以下の通りです。

  1. メンタルヘルスケアの意義
  2. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  3. セルフケアの重要性
  4. ストレスへの気づき方
  5. ストレスへの対処、軽減の方法
  6. 社内外資源の活用

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の出題範囲には、メンタルヘルスの基本概念やストレス管理の手法が含まれています。

資格を取得することで、日常生活や職場でのストレスを効果的に軽減し、自身のメンタルヘルスを向上させるための具体的な知識と技術を習得できるでしょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の難易度

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の難易度について、過去試験の合格率と必要な勉強時間をもとに解説するので、参考にしてみてください。

合格率

2024年までの5年間のメンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の合格率は、以下のとおりです。

年/回実受験者数合格者数合格率
2020年第29回5,046人4,361人86.4%
2021年第31回5,371人3,824人71.2%
2022年第33回5,458人3,787人69.4%
2023年第35回4,888人3,515人71.9%
2024年第37回5,060人3,758人74.3%

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験試験「結果・受験者データ」

上表より、近年のメンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の合格率は、70%前後であるとわかります。

また、Ⅰ種とⅡ種の合格率と比較すると、Ⅲ種の難易度がよりわかりやすいので確認してみてください。

実施年Ⅰ種の合格率Ⅱ種の合格率
2020年第29回21.3%56.5%
2021年第31回19.8%46.4%
2022年第33回17.6%58.2%
2023年第35回20.5%56.5%
2024年第37回20.9%60.5%

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験試験「結果・受験者データ」

合格率は、Ⅰ種が20%程度、Ⅱ種が60%程度となっています。これらと比較すると、Ⅲ種は合格しやすい試験であるとわかります。

合格までに必要な勉強時間

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の合格に必要な勉強時間は、15〜30時間ほどです。

大阪商工会議所が発刊しているⅢ種の公式テキストは約180ページで、出題内容は比較的少ないため、短期間の勉強で合格を目指せます。

1日30分の勉強時間でも1〜2ヶ月ほど計画的に勉強を進められると、合格まで辿りつけます。

ただし、法律やメンタルヘルスケアに関する専門知識の理解は欠かせないため、十分な試験対策を行って挑むようにしましょう。

また、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強時間については、以下の記事でも詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種のおすすめ勉強方法

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種のおすすめ勉強方法は、以下の3つです。

  • 独学で勉強する
  • 学習アプリを活用する
  • 受験対策講座を受講する

それぞれ詳しく解説します。

独学で勉強する

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種は、基礎的な内容が中心となっているため、独学での合格も十分に可能です。

「仕事が忙しく勉強時間を決められない」「コストを抑えて勉強をしたい」という方は、独学がおすすめです。

独学で取り組む場合は、まず公式テキスト(第5版)を購入し、全体の内容を把握することからはじめましょう。

テキストは章立てが明確で、重要なポイントも整理されているため、初学者でも理解しやすい構成になっています。

理解度を上げるには、テキストとあわせて過去問題集を活用するのがおすすめです。

ただし、独学は勉強へのモチベーション維持を自分で行う必要があり、不明点が現れた場合にも自身で調べて解決しなければなりません。

学習アプリを活用する

学習アプリを活用して勉強する方法もおすすめで、とくに試験対策の最終段階で活用するのが効果的です。

試験は「一問一答」形式で出題されるため、試験内容を理解して、ある程度学習が進んだ段階でアプリを使った問題演習に取り組むと知識の定着を図れるでしょう。

とくに、通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を活用して学習したい人には最適な方法です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定のアプリについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

【あわせて読みたい】メンタルヘルスマネジメント検定アプリ

受験対策講座を受講する

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験では、受験者のために大阪商工会議所が受験対策講座を用意しています。

Ⅲ種試験の受験対策講座は、8月上旬から翌年3月中旬まで開かれています。

講座では、講師が試験の重要ポイントを解説します。オンデマンド配信のため、時間や場所に左右されず、好きなタイミングで勉強できるのも嬉しいポイントです。

とくに独学での学習に不安を感じる方や、短期間での合格を目指す方にとって、受験対策講座は効率的な学習方法と言えるでしょう。

ただし、視聴期間は6週間のみと限定されており、期間をすぎると復習に使えない点には注意が必要です。

オンライン講座を活用する

オンライン講座は、時間や場所に縛られずに勉強できる便利な方法です。

スマホやタブレット、パソコンなど、さまざまなデバイスで受講できるため、自分のライフスタイルにあわせて柔軟に勉強を進められます。

多くのオンライン講座では、体系的に学べるカリキュラムに加えて、わかりやすい動画講座やサポートサービスも提供されています。

また、基本的に受講期間中は何度でも動画を視聴できるため、理解が不十分な部分を繰り返し学習できるのもオンライン講座の魅力のひとつです。

資格合格パートナー「スタディング」では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅱ種のオンライン講座を用意しています。

講座のお試しは無料です。Ⅲ種を取得し、次なるステップとしてⅡ種を目指す際は、ぜひ体験してみてください。

▶︎スタディング講座の無料お試しはこちら!

また、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強方法に関して以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験に関してよくある質問

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定に関してよくある質問は、以下の通りです。

  • 過去問は何年分解くべき?
  • いきなりⅠ種やⅡ種を受験してもいい?
  • メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の難易度は高い?

それぞれ詳しく解説します。

過去問は何年分解くべき?

過去問の学習方法に正解はありません。

しかし、直近の試験3回分ほどを繰り返すのがおすすめです。

直近の試験であれば、出題範囲や出題傾向が変化している可能性が高く、比較的新しい情報の過去問題で勉強できるからです。

古い過去問は、現在の法律や内容と変わっている可能性もあるので、なるべく新しい過去問に挑戦しましょう。

おすすめなのは、最新の公式問題集を購入し、その1冊を何度も繰り返すことです。

いきなりⅠ種やⅡ種を受験してもいい?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験は、どのコースからでも受験可能です。

そのため、Ⅲ種からではなく、いきなりⅠ種やⅡ種を受験できます。

自身の受験種を決める際におすすめなのは、現在の職業や役職をもとに検討することです。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験のコースは、以下のように職位別に試験内容が設定してあります。

Ⅰ種
(マスターコース)
自身が人事部門や経営幹部で「組織全体のメンタルヘルス対策の促進」が目的の場合
Ⅱ種
(ラインケアコース)
自身が管理監督者で、上司として「部下のメンタルヘルス対策の促進」が目的の場合
Ⅲ種
(セルフケアコース)
自身が従業員で「自らのストレスの状況・状態を把握」が目的の場合

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

自分自身のメンタル不調の把握と対処が目的の場合は、無理にⅠ種やⅡ種を受けずに、まずはⅢ種を受験してみましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の難易度は高い?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種は、Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種のなかで、もっとも難易度の低い試験になります。

公表されているⅢ種の合格率は、70%前後です。

また、合格までの目安の勉強時間は、およそ30時間で、1〜2ヶ月の勉強で合格を狙えます。

比較的簡単な試験とはいえ、メンタルヘルスの専門的な内容や法律に関わる問題も出題されるので、十分な試験対策を行いましょう。

まとめ

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種の過去問は、無料と有料のものがあります。

しかし、無料のものは数が少ないため、本格的に勉強する場合は有料の過去問題集を購入しましょう。

また、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験は実務での活用を想定しているため、単なる暗記ではなく、状況に応じて適切な判断ができるレベルまで理解を深めることが大切です。

仕事が忙しい方や独学に自信がない方には、オンライン講座の活用もおすすめです。

資格合格パートナー「スタディング」では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅱ種のオンライン講座を用意しています。

講座のお試しは無料です。Ⅲ種を取得し、次なるステップとしてⅡ種を目指す際は、ぜひ体験してみてください。