メンタルヘルス・マネジメント検定とは、働く人たちの心の健康管理や、ストレスへの対処法について学べる資格です。
昨今、どんな企業でも職場の働く環境を整備することや、働く人たちの心の健康を守ることが重要視されています。メンタルヘルス・マネジメント®検定試験は、人事労務の観点から職場の環境・人を健康的にマネジメントするための知識を得られる検定となっており、働く人すべての人におすすめできる人気の資格です。
検定に受験資格はなく、誰でも受験することができます。
専門性別に、3段階のレベルに試験が分かれています。
※メンタルヘルス・マネジメント®検定試験は大阪商工会議所の登録商標です。
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職場のストレス環境を察知して改善できる昨今「うつ」や「ひきこもり」など、精神疾患が社会的に問題視されています。様々な人が集まる職場でも、これらの問題は身近に起こり得ます。職場のどんな環境が従業員のストレスにつながってしまうのか、どうすれば改善されるのか、知識として身に着けておけば、職場で発生した問題の対策や防止策を講じることができます。 |
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部下との関係性作りに企業で利益を作っていくうえで、従業員の育成は欠かせませんが、せっかく育てた部下や従業員が辞めてしまうことに悩まされる上司は少なくありません。大卒の新卒入社の社員が3年以内に離職をする早期離職率は、近年およそ30%ほどに上っています。メンタルヘルス・マネジメント®の観点から部下と接することで、今まで見えなかった部下との人間関係の解決の糸口や、コミュニケーションの取り方の発見につながります。 |
周囲・自身の心のケアに心のケアの第一歩は、ストレスについて正しく理解することです。仕事上の悩みや日々の出来事から受けるストレスは、ゼロにすることはできません。正しいストレスマネジメントの方法を知ることができれば、必要以上に悲観的になったり落ち込んだりすることを避け、自身を肯定的に受け入れることができるようになります。 |
3つのコースの中で最も難易度が高いのがⅠ種のマスターコースです。コースの主な対象者は人事労務管理スタッフや、経営幹部となり、社内のメンタルヘルスケアを推進することが目的です。詳しくは後述しますが、Ⅰ種の試験レベルはⅡ種、Ⅲ種と比較して大きく離れており、かなりの難関となります。しかし取得することができれば、企業のメンタルヘルス対策を率先して構築できる知識を持つ証明となります。
3つのコースの中で、最も受験者数が多いのがⅡ種のラインケアコースです。ラインケアとは、職場に配置されている上司の立場にある人が、その部下のストレスやこころの不調に気を配り、問題があれば対策を施したり、防止を講じたりすることを言います。部下を持つ管理職の立場にある人にぜひおすすめしたいコースです。
3つのコースの中で一番取得しやすいのがⅢ種のセルフケアコースです。名前の通り、従業員が自分自身のストレスのケアを行えるようになることを目的としています。職種や業種、年齢や職歴問わず、働く人であればすべての人におすすめできるコースです。
試験は公開試験と団体特別試験があり、個人で受験する場合は公開試験を受験します。公開試験は年2回、3月と11月に行われています。Ⅰ種のみ、11月のみ開催です。
3月開催試験(Ⅱ種、Ⅲ種のみ) | 11月開催試験(Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種) | |
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申込期間 | 1月下旬~2月上旬 | 9月下旬~10月上旬 |
試験日 | 3月下旬 |
11月上旬 |
合格発表 | 4月下旬 | Ⅱ種、Ⅲ種…12月中旬 Ⅰ種…翌年1月中旬 |
受験地 | 札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、 浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡 (上記の中から受験地を選択できます。) |
★最新の詳しい試験日、申込日程、合格発表などが知りたい方はこちら
試験時間はⅡ種とⅢ種が120分間、Ⅰ種は合計で180分間にわたります。もちろん集合時間への遅刻は厳禁です。余裕をもって会場に向かいましょう。
Ⅰ種(マスターコース) | Ⅱ種(ラインケアコース) | Ⅲ種(セルフケアコース) | |
集合時間 | 選択問題 13:30 論述問題 16:00 |
10:00 | 13:30 |
試験時間 | 選択問題 120分 論述問題 60分 ※途中に若干の休憩があります。 ※制限時間とは別に、説明など約30分。 |
120分 ※制限時間とは別に、説明など約30分。 |
120分 ※制限時間とは別に、説明など約30分。 |
Ⅰ種(マスターコース) | Ⅱ種(ラインケアコース) | Ⅲ種(セルフケアコース) |
11,550円 | 7,480円 | 5,280円 |
※上記金額は税込です。受験料に加え、申込システム利用手数料(470円)が必要です。
Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種ともに受験資格はありません。例えばⅢ種を取得せずに、Ⅱ種から受験することも可能です。
Ⅰ種(マスターコース) | Ⅱ種(ラインケアコース) | Ⅲ種(セルフケアコース) | |
試験時間 | 選択問題:120分 論述問題:60分 |
120分 |
120分 |
形式 | 選択問題:4肢択一 論述問題:記述 |
4肢択一 | 4肢択一 |
問題数 | 選択問題:50問 論述問題: |
50問 | 50問 |
満点 | 選択問題:100点 論述問題:50点 |
100点 | 100点 |
合格基準点 | 下記2つを満たすと合格 選択と論述の合計点:105点以上 論述問題の得点:25点以上 |
70点 | 70点 |
Ⅰ種(マスターコース) | Ⅱ種(ラインケアコース) | Ⅲ種(セルフケアコース) | |
試験範囲 | ①企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性 ②メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割 ③ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識 ④人事労務管理スタッフに求められる能力 ⑤メンタルヘルスケアに関する方針と計画 ⑥産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進 ⑦相談体制の確立 ⑧教育研修 ⑨職場環境等の改善 ※論述問題について 論述問題は、実務を遂行するうえで必要な知識とその応用力、総合的判断力などを問います。 |
①メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割 ②ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識 ③職場環境等の評価および改善の方法 ④個々の労働者への配慮 ⑤労働者からの相談への対応 (話の聴き方、情報提供および助言の方法等) ⑥社内外資源との連携 ⑦心の健康問題をもつ復職者への支援の方法 |
①メンタルヘルスケアの意義 ②ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識 ③セルフケアの重要性 ④ストレスへの気づき方 ⑤ストレスへの対処、軽減の方法 ⑥社内外資源の活用 |
引用:大阪商工会議所ホームページ https://www.mental-health.ne.jp/about/
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の受験者数、実受験者数、合格者数、実受験者数に対する合格率
回 | 実施日 | 実受験者(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|---|
第25回 | 2018/11/4 | 1,642 | 332 | 20.2% |
第27回 | 2019/11/3 | 1,620 | 252 | 15.6% |
第29回 | 2020/11/1 | 1,276 | 272 | 21.3% |
第31回 | 2021/11/7 | 1,521 | 301 | 19.8% |
第33回 | 2022/11/6 | 1,628 | 287 | 17.6% |
第35回 | 2023/11/5 | 1,587 | 325 | 20.5% |
平均 | 1545.7 | 294.8 | 19.2% |
他の有名な資格と合格率を比較してみると、国家資格の宅建士が15~17%で、簿記3級がおよそ30~40%の合格率です。合格率だけで難易度を図るとすれば、Ⅰ種は宅建士並みの難しさがあり、Ⅱ種、Ⅲ種は簿記3級よりも合格しやすいといえる程度のレベルとなります。
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅱ種ラインケアコースの受験者数、実受験者数、合格者数、実受験者数に対する合格率は次の通りです。
回 | 実施日 | 実受験者(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|---|
第26回 | 2019/3/17 | 10,227 | 4,980 | 48.7% |
第27回 | 2019/11/3 | 9,936 | 4,302 | 43.3% |
第29回 | 2020/11/1 | 10,343 | 5,840 | 56.5% |
第30回 | 2021/3/21 | 10,686 | 7,285 | 68.2% |
第31回 | 2021/11/7 | 10,053 | 4,664 | 46.4% |
第32回 | 2022/3/20 | 11,128 | 7,763 | 69.8% |
第33回 | 2022/11/6 | 10,988 | 6,401 | 58.2% |
第34回 | 2023/3/19 | 11,918 | 6,444 | 54.1% |
第35回 | 2023/11/5 | 11,781 | 6,661 | 56.5% |
第35回 | 2024/3/17 | 12,483 | 9,137 | 73.2% |
平均 | 10,954.3 |
6,347.7 |
57.5% |
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅲ種セルフケアコースの実受験者数、合格者数、実受験者数に対する合格率は次の通りです。
回 | 実施日 | 実受験者(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|---|
第26回 | 2019/3/17 | 4,595 | 3,663 | 79.7% |
第27回 | 2019/11/3 | 5,248 | 3,501 | 66.7% |
第29回 | 2020/11/1 | 5,046 | 4,361 | 86.4% |
第30回 | 2021/3/21 | 5,051 | 4,135 | 81.9% |
第31回 | 2021/11/7 | 5,371 | 3,824 | 71.2% |
第32回 | 2022/3/20 | 4,819 | 3,121 | 64.4% |
第33回 | 2022/11/6 | 5,458 | 3,787 | 69.4% |
第34回 | 2023/3/19 | 5,035 | 3,995 | 79.3% |
第35回 | 2023/11/5 | 4,888 | 3,515 | 71.9% |
第36回 | 2024/3/17 | 4,648 | 3,353 | 72.1% |
平均 | 5,015.9 |
3,725.5 |
74.3% |
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験の勉強時間は、受験するコースによって大きく変わってきます。
Ⅲ種(セルフケアコース)は、最も合格しやすいコースです。勉強時間として10~20時間ほど、1週間程度あれば独学で問題なく合格できます。
Ⅱ種(ラインケアコース)の一般的に合格に必要な勉強時間は30~50時間ほどと言われています。1日1時間程度の学習を1ヶ月続ければ、合格に達するペースです。
注意したいのは、1ヶ月のうちの勉強の仕方です。
人間の脳は、一回記憶しただけではすぐに忘れてしまいます。エビングハウスという学者が行った実験では、一度覚えた内容も1時間後には56%忘れ、1日後に74%忘れてしまった、という結果が出ています。これをエビングハウスの忘却曲線と呼びます。
記憶に定着させるには、完全に忘れる前に、復習をして思い出すことが必要です。
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験の勉強に限った話ではありませんが、平日に一切勉強せずに土日にまとめて5時間勉強する日を月に6回とって合計30時間勉強を行った場合と、毎日1時間ずつ勉強をして30時間を積み重ねた場合では、定着の度合いが同じになるとは言えません。
毎日復習をしながら学習を進めることが重要です。
Ⅰ種(マスターコース)の合格に必要な勉強時間は、Ⅱ種を大きく上回り、100~120時間と言われます。Ⅱ種の2~3倍に上ります。
その大きな理由の1つが、論述試験があることです。
Ⅰ種の試験は、制限時間2時間の選択問題と、制限時間1時間の論述問題で構成されています。論述試験では、問題で問われている内容に関するキーワードを自ら思い出し、字数の中におさめる必要があります。そのため、文章を構成する力はもちろんのこと、用語をしっかり理解して覚え、いつでも思い出せるようにしておく必要があります。
もちろん試験範囲も単純にⅡ種よりも広くなりますので、これらの要素が必要勉強時間が多くなっている理由と考えられます。
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