メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種に独学で合格する方法

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種(マスターコース)は、Ⅱ種やⅢ種より難易度が高いため、独学で合格を目指せるか不安に思うかもしれません。

この記事では、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種に独学で合格する方法を解説します。

独学のメリット・デメリットを比較検討したうえで、自分に適した勉強方法を見つけ、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の合格を目指しましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種(マスターコース)は独学でも合格できる

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種(マスターコース)は、独学でも合格できます。

しかし、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の過去5回の平均合格率は、20%前後と低めです。

▼メンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅰ種 過去5回の合格率

年度/回受験者実受験者合格者数合格率
2020年度第29回1,571人1,276人272人21.3%
2021年度第31回1,866人1,521人301人19.8%
2022年度第33回2,000人1,628人287人17.6%
2023年度第35回1,961人1,587人325人20.5%
2024年度第37回2,184人1,731人362人20.9%

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®検定試験「結果・受験者データ」

また、以下の到達目標から求められる知識の範囲が広いため、独学ではなく、公式の受験対策講座やオンライン講座などを受講する方もいます。

自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。
【出典】メンタルヘルス・マネジメント®検定「コース内容」

Ⅰ種は、Ⅱ種(ラインケアコース)・Ⅲ種(セルフケアコース)試験にはなかった論述問題も入るため、独学での合格は時間がかかり難しいと言えるでしょう。

しかし、公式テキストや参考書などを購入し、時間をかけて勉強すれば、独学での合格も不可能ではありません。

以下の記事では、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験に独学でチャレンジする人が選んでいる教材や、必要な勉強時間などを解説しています。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の出題内容・合格基準・難易度

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種に独学で合格するために、まず検定の概要を押さえておきましょう。

ここからは、Ⅰ種について次の3点を解説します。

  • 出題内容
  • 合格基準
  • 難易度

出題内容

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の問題は、厚生労働省の『労働者の心の健康の保持増進のための指針』を参考にし、2024年4月1日時点で成立している法令に準拠した9つのテーマから出題されます。

①企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
②メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
③ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
④人事労務管理スタッフに求められる能力
⑤メンタルヘルスケアに関する方針と計画
⑥産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
⑦相談体制の確立
⑧教育研修
⑨職場環境等の改善


【出典】メンタルヘルス・マネジメント®検定試験「コース内容」

Ⅰ種の試験では、上記のテーマについて公式テキストの内容を「どれくらい理解しているか」そして「応用力があるか」を問われます。

なお、選択問題と論述問題に分かれており、解答時間は選択問題で2時間、論述問題で1時間の合計3時間です。

合格基準

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の配点は、選択問題で100点、論述問題で50点です。

選択問題・論述問題の合計得点が105点以上で合格となります。

ただし、論述問題で25点以上の得点が必要です。

難易度

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の難易度は、Ⅱ種やⅢ種より高くなります。

2024年11月3日(日)に実施された第37回試験の合格率を例にあげてみましょう。

▼2024年(第37回)試験の合格率

コース受験者実受験者(人)合格者数(人)合格率(%)
Ⅰ種2,184人1,731人362人20.9%
Ⅱ種13,065人11,802人7,141人60.5%
Ⅲ種5,477人5,060人3,758人74.3%

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®検定試験「結果・受験者データ」

合格率は実受験者数の影響を受けるので、一概には言えません。

しかし、Ⅱ種やⅢ種の合格率が50%を超えていることから、20%台であるⅠ種試験の難易度は高いと言えるでしょう。

なお、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

【あわせて読みたい】No.23 メンタルヘルスマネジメント検定一種

メンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅰ種に独学で合格するための勉強方法

難易度が高めのメンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種に独学で合格するために、公式テキストを活用する勉強方法があります。

メンタルヘルス・マネジメント®検定は、公式テキストの内容を「どれくらい理解しているか」そして「応用力があるか」を問われる試験であるため、公式テキストの理解からはじめましょう。

また「2024年4月1日時点で成立している法令に準拠して出題します」とアナウンスされているため、公式テキスト出版後に改正された法令等のチェックは必須です。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験のホームページに『公式テキスト第5版出版後の法令改正等に関するお知らせ』が公開されているので、確認をしてみてください。

公式テキストに加えて、過去問題集を購入し、勉強するのもおすすめです。

読む(インプット)ことと解く(アウトプット)ことをくり返すうちに、自分にとって苦手な問題が見えてくるはずです。

苦手な問題やなかなか覚えられない単語などを、ノートに箇条書きにし、理解を深める方法もあります。

なお、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の解答時間は、選択問題で2時間、論述問題で1時間です。

試験当日になって「時間が足りなかった……」という事態に陥らないよう、問題を解くのにどのくらいかかるかをチェックしておくと安心です。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の合格に必要な勉強時間

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種は、ひと通りの知識の習得にかかる時間は120時間程度と言われています。

これに加えて論述試験の対策として自分の文章で答えを書く練習も必要となるため、トータルで140時間ほどが必要となるでしょう。

つまり、1日に1時間ずつ勉強した場合、4〜5カ月ほどで合格できる計算です。

なお、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種は通例として、1年に1回(11月)のみ開催されます。

そのため試験日から逆算し、余裕をもった学習計画を立てましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得するメリット2つ

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得するメリットは、2つあります。

  • 自分のペースで勉強できる
  • 勉強に必要なコストを抑えられる

それぞれ詳しく解説します。

メリット1:自分のペースで勉強できる

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得するメリットは、自分のペースで勉強できることです。

独学は時間や場所の制約がないため、いつでもどこでも勉強できます。

公式テキストを持ち込み、職場での休憩時間を利用して勉強することも可能です。

通学や通勤のための移動時間、家事の合間、就寝までの時間といったスキマ時間も勉強にあてられます。

メリット2:勉強に必要なコストを抑えられる

勉強に必要なコストを抑えられることも、独学で取得するメリットのひとつです。

独学に必要なものは、テキストやノート・筆記用具などで、通信講座やオンライン講座より金銭的な負担が少なくて済みます。

そもそも、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を自己負担で受験する場合、受験料1万1,550円(うち消費税1,050円)が必要です。

受験料以外の費用を抑えたい方にとっては、独学のほうが向いていると言えるでしょう。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得するデメリット2つ

独学には複数のメリットがある一方で、デメリットもあります。

  • スケジュール管理が必要になる
  • 不明点は自分で調べなければならない

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得するデメリットについて、それぞれ解説します。

デメリット1:スケジュール管理が必要になる

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種を独学で取得する場合は、自らスケジュールを管理する必要があります。

自分のペースで勉強できるのが独学のメリットです。

しかし、進捗度を管理してくれる第三者がいないため、習熟度がわかりにくい点がデメリットになります。

わかったつもりになって勉強を進めてしまう可能性も否定できないでしょう。

デメリット2:不明点は自分で調べなければならない

また独学では、わからない箇所を自分で調べなければなりません。

公式テキストの解説を読んでも理解できない場合、調べる手間と時間がかかります。

「結局、解決できなかった……」という事態も想定されるでしょう。

その点、後述で紹介するオンライン講座では、わからない問題や単語について講師に質問できるので、不明点をすぐに解消することが可能です。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の勉強方法にオンライン講座の受講もおすすめ

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種は、独学での合格も可能です。

しかし、Ⅰ種を独学で勉強する場合は、計画性や継続力、自己解決力などが求められます。

自分で勉強の道筋を立てて継続することが苦手な人は、オンライン講座の受講を検討してみましょう。

オンライン講座は、インターネットを介して受講します。

インターネット環境さえ整っていれば、パソコンやスマホを使っていつでもどこでも受講可能です。

「段階を踏んでⅠ種試験に挑戦したい」という方には、スマホで学べるスタディング メンタルヘルス・マネジメント®がおすすめです。

Ⅱ種の対策講座を無料でお試しいただけるので、基礎知識を身に付けたい方はぜひチェックしてみてください。

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メンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅰ種を取得したあとの活用方法

仕事に関する不安や悩み、ストレスを感じている従業員は少なくありません。

厚生労働省の「労働者の心の健康に関する現状」によると、仕事や職業生活に関する強い不安や悩みを抱えている労働者の割合が高くなっています。

【画像引用】厚生労働省「職場における心の健康づくり|労働者の心の健康に関する現状」 P3

従業員が生き生きと働けるよう、職場における心の健康管理(メンタルヘルスマネジメント)への取り組みが重要なのです。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種では、メンタルヘルスの重要性や基礎知識、メンタルヘルスケアに関する計画の立て方、産業医や専門機関と連携して心の健康を促進する方法などを学べます。

したがって、Ⅰ種の取得後は、どのような職場環境が従業員に不安やストレスを与えるかを理解し、その改善を図れるようになります。

従業員のメンタルヘルス不調を早期発見し、個人情報の保護に留意しながら、産業医や専門機関と連携をとるなどの対応ができるでしょう。

従業員のメンタルヘルス不調を未然に防げれば、休職者や退職者を低減できます。

従業員が生き生きと働けるようになると、企業の生産性向上にもつながるでしょう。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種の独学に関するよくある質問

最後に、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅰ種の独学に関する質問に回答します。

  • いきなりⅠ種(マスターコース)から挑戦してもよい?
  • 論述試験の対策はどうしたらよい?

それぞれ見ていきましょう。

いきなりⅠ種(マスターコース)から挑戦してもよい?

いきなりⅠ種試験に挑戦しても問題ありません。

メンタルヘルス・マネジメント®検定には、以下の3つのコースがあります。

  • Ⅰ種(マスターコース)
  • Ⅱ種(ラインケアコース)
  • Ⅲ種(セルフケアコース)

それぞれ対象者や目的、到達目標などは異なりますが「Ⅲ種から受験しなければならない」というルールは存在しないため、Ⅰ種から挑戦することも可能です。

なお、以下の記事では、いきなりメンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅰ種(マスターコース)に挑戦する際のコツを解説しています。

論述試験の対策はどうしたらよい?

論述試験は、出題理由を意識し、公式テキストを細部まで読み込むことで対策しましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種は、厚生労働省の『労働者の心の健康の保持増進のための指針』を参考に構築されており、以下のことが問われます。

  • 公式テキストの内容について
  • その理解度と応用力について

そのため、『労働者の心の健康の保持増進のための指針』を理解したうえで、公式テキストを読み込むことがポイントとなります。

また、各年度の検定試験は、その年の4月1日時点で成立している法令にしたがって出題されます。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験の公式サイトには「法令改正等についてのお知らせ」も掲載されるため、必ず目を通しましょう。

公式テキストの内容を理解したあとには、学んだ知識を自分の言葉に置き換える練習も必要です。

まとめ

本記事では、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種(マスターコース)に独学で合格する方法を解説しました。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種に独学で合格するのは簡単ではありません。

しかし、公式テキストを購入し、スケジュールを立てて勉強すれば、決して不可能ではないでしょう。

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