【2025年度】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の概要

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)は、組織内において自身のメンタルヘルス対策の推進を目的とした資格です。

検定はⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種と3つあり、Ⅲ種がもっとも合格しやすい試験になります。

この記事では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の概要や難易度、合格率、取得するメリット、よくある質問などを詳しく解説します。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定とは

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、仕事や職場における役割に応じて、心の健康管理の知識やスキルを習得するための資格試験です。

本検定を通して、ストレスの基礎知識やメンタルヘルスの重要性、社員への配慮などを学ぶことが可能です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定には、職位や職種によって選べるⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種のコースが用意されており、各コースで資格取得の対象や目的、到達目標が異なります。

Ⅲ種の場合は一般社員向けで、自分のストレス状況を把握したり、心の不調に関して周囲に助けを求めたりするための知識・技術を身につけることが可能です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定の資格取得を通じて得られる知識は、現状の悩みや課題の解決だけではなく、今後のキャリア形成にも役立ちます。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【2025年度】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)の概要

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)の概要として、以下の項目を解説します。

  • 試験日程
  • 目的と到達目標
  • 出題内容
  • 問題構成・配点・合格基準
  • 受験料
  • 受験地
  • 受験資格

Ⅲ種の受験を検討している人は、確認してみてください。

試験日程

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の試験は、11月と3月に行われるのが通例です。

2025年度のⅢ種の試験日程は、以下の通りです。

第39回第40回
試験日2025年11月2日(日)2026年3月15日(日)
申込期間<一般受付>
9月12日(金)~ 9月25日(木)
※コンビニ店頭決済は9月21日(日)まで
<団体受付>
8月25日(月)~ 9月5日(金))
<一般受付>
2026年1月23日(金)~ 2月5日(木)
※コンビニ店頭決済は2月1日(日)まで
<団体受付>
2026年1月6日(火)~ 1月16日(金)
受験票発送日10月16日(水)2025年2月26日(水)
WEB成績票 照会期間2024年12月6日(金)10:00~2025年3月6日(木)17:002025年4月18日(金)10:00 ~ 7月18日(金)17:00
合格証発送日2024年12月13日(金)2025年4月25日(金)

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「受験要項」

目的と到達目標

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種には、以下の目的や到達目標があります。

目的組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進
到達目標自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種では、自分自身のストレスや心の状態に向き合うための知識やスキルの習得を目指します。

出題内容

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の出題内容は、以下の通りです。

  1. メンタルヘルスケアの意義
  2. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  3. セルフケアの重要性
  4. ストレスへの気づき方
  5. ストレスへの対処、軽減の方法
  6. 社内外資源の活用

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

「そもそもメンタルヘルスとは何か?」という基礎や、自身のメンタルストレスへの効果的な対処法などが主な出題範囲です。

資格取得を目指すことで、自身のストレスとの上手な付き合い方を身につけられるでしょう。

問題構成・配点・合格基準

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の問題構成・配点・合格基準は、以下の通りです。

問題構成・時間選択問題:2時間
配点100点
合格基準70点以上の獲得

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

Ⅲ種は選択問題のみで、70点以上獲得すると合格できます。

受験料

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の受験料は、以下のように、個人申し込み・団体一括申し込み・団体特別試験で異なります。

  • 個人申し込み:5,280円(税込)
  • 団体一括申し込み:5,280円(税込)
  • 団体特別試験:4,220円(税込)

また、受験料に加えて、申込システム利用手数料の495円が必要です。

(個人申し込みと団体一括申し込みで、受験者が個々で支払う場合のみ)

受験の申し込みはインターネット手続きで、受験料の支払いは「クレジットカード決済」もしくは「コンビニ店頭決済」のいずれかを選択します。

受験地

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の試験は、以下の全国15箇所で開催されます。

  • 札幌
  • 仙台
  • さいたま
  • 千葉
  • 東京
  • 横浜
  • 新潟
  • 浜松
  • 名古屋
  • 京都
  • 大阪
  • 神戸
  • 広島
  • 高松
  • 福岡

上記の受験地から、自身で選択して決定します。

受験会場は送られてきた受験票に記載されているので、確認を忘れないようにしましょう。

受験資格

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定には、学歴・性別・年齢・国籍などの受験資格の制限がありません。

そのため、誰でも希望のコースを受けられます。

試験は年2回の開催で、11月の試験では、Ⅰ種とⅡ種、Ⅱ種とⅢ種の併願受験が可能です。

なお、3月に関してはⅡ種とⅢ種のみ受験できます。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の難易度

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の難易度について、過去試験の合格率と必要な勉強時間をもとに詳しく解説します。

過去の合格率

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の合格率の推移をまとめました。

▼Ⅲ種(セルフケアコース)の実受験者数と合格率の推移

実施年月Ⅲ種受験者(人)Ⅲ種実受験者(人)Ⅲ種合格者数(人)Ⅲ種合格率(%)
第9回2010年11月3,2342,9732,58186.8
第10回2011年3月3,1952,3351,94983.5
第11回2011年11月3,2212,9212,29478.5
第12回2012年3月3,4463,0852,22272
第13回2012年11月3,5393,2022,66483.2
第14回2013年3月4,1683,7303,00480.5
第15回2013年11月3,2872,9832,06169.1
第16回2014年3月4,1573,6982,62571
第17回2014年11月3,8803,5302,93883.2
第18回2015年3月4,3713,8993,11880
第19回2015年11月4,5104,0813,20078.4
第20回2016年3月4,9254,4083,62782.3
第21回2016年11月4,9524,4733,49578.1
第22回2017年3月4,8434,2093,36780
第23回2017年11月4,3813,9442,98675.7
第24回2018年3月4,9534,3523,35077
第25回2018年11月5,0554,5283,87085.5
第26回2019年3月5,1734,5953,66379.7
第27回2019年11月5,8145,2483,50166.7
第29回2020年11月5,5165,0464,36186.4
第30回2021年3月5,6615,0514,13581.9
第31回2021年11月5,8495,3713,82471.2
第32回2022年3月5,4024,8193,12164.4
第33回2022年11月6,0025,4583,78769.4
第34回2023年3月5,6005,0353,99579.3
第35回2023年11月5,3444,8883,51571.9
第36回2024年3月5,1744,6483,35372.1
第37回2024年11月5,4775,0603,75874.3
第38回2025年3月5,9405,3414,15777.8
合計137,069122,94194,521
平均4,7274,2393,25976.9%

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「結果・受験者データ」

Ⅲ種(セルフケアコース)は、合格率が毎回70〜80%前後で推移しており、誰でも挑戦しやすい難易度となっています。

また、2020年度以降のⅠ種とⅡ種の合格率もまとめたので、比較してみましょう。

▼メンタルヘルス・マネジメント®検定 合格率の比較(2020年度以降)

実施年Ⅰ種
合格率(%)
Ⅱ種
合格率(%)
Ⅲ種
合格率(%)
2020年度(第29回)21.356.586.4
2020年度(第30回)68.281.9
2021年度(第31回)19.846.471.2
2021年度(第32回)69.864.4
2022年(第33回)17.658.269.4
2022年度(第34回)54.179.3
2023年(第35回)20.556.571.9
2023年度(第36回)73.272.1
2024年度(第37回)20.960.574.3
2024年度(第38回)54.877.8

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「結果・受験者データ」

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種とⅡ種の合格率と比べてみると、Ⅲ種は比較的合格しやすい傾向にあるとわかります。

Ⅲ種試験の合格に必要な勉強時間

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の合格に必要な勉強時間は、15〜30時間ほどです。

大阪商工会議所が発刊しているⅢ種の公式テキストは約180ページあり、Ⅰ種とⅡ種よりも内容が少ないため短期間で合格を目指せます。

1日1時間の勉強時間を確保できれば1ヶ月ほどで合格まで辿りつけるため、試験日から逆算して計画的に進められると、さほど難しくない試験だと言えます。

ただし、試験には法律やメンタルヘルスケアに関連する専門知識が出てくるので、試験対策は十分に行って挑みましょう。

資格合格パートナーの『スタディング』では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の無料講座を提供しているので、気になる方は受講してみてください。

▶︎メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の無料講座を受講してみる

また、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強時間について、以下の記事でも詳しく解説しています。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の過去問

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)の試験では、過去に以下のような問題が出されています。

Q.メンタルヘルスケアにおける従業員の役割に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


1.社内のメンタルヘルス対策を検討する機会に積極的に参画する。
2.教育研修の機会を利用して、セルフケアについての技術や知識を得るとともに、ストレスチェックの結果を参考にセルフケアに努める。
3.事業場のメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨を表明する。
4.事業場に存在するメンタルヘルスケアにおける各種手順やルールを理解して、適切な対応をする。


答え:3

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「p.3 メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験について」

より多くの過去問対策をしたい場合には、書店やネット通販で販売されている「過去問題集」でも確認できます。

また、過去問についてはこちらの記事でも解説しています。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の資格を取得する3つのメリット

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)の資格を取得するメリットは、以下の3つです。

  • 自身のストレスや心の不調を理解できる
  • 周囲の人のメンタルの異変に気がつける
  • キャリアアップに生かせる

それぞれ詳しく解説します。

自身のストレスや心の不調を理解できる

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の資格取得で、ストレスの仕組みや心の不調を理解でき、自分自身の心のケアに生かせます。

日々の生活や仕事のなかで感じるストレスを適切に認識し、効果的な対処法を実践することで、メンタル不調を未然に防ぐことが可能です。

また、自己理解が深まることで自身のストレスと上手に付き合えて、仕事とプライベートの時間がより充実したものになるでしょう。

周囲の人のメンタルの異変に気がつける

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種の知識とスキルを身につけることで、同僚の変化に早期に気づき、適切なフォローができます。

たとえば「欠勤や遅刻が増えた」「周囲との会話が減った」などのサインに気づいて、早期にアプローチできれば、症状の深刻化を防げる可能性があります。

メンタルヘルスの問題は個人によって現れ方が異なるため、この資格で学ぶ体系的な知識は、さまざまなケースに対応する際の重要な判断基準にできるでしょう。

キャリアアップに生かせる

近年、メンタルヘルス対策は重要視されており、人事・労務の担当部署に限らず管理職や一般社員にもメンタルヘルス・マネジメントのスキルを求める企業が増えています。

試験に合格することで、メンタルヘルスに関する知識とスキルがあることを証明でき、社内での評価アップにもつながるでしょう。

以下のような企業が自社の社員に受験を推奨しており、実際に多くの申込実績があります。

  • 日本郵便株式会社
  • 株式会社第四北越フィナンシャルグループ
  • 株式会社アイティ・コミュニケーションズ など

さらに、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験を取得奨励資格に認定している企業もあり、資格としての注目度の高さが伺えます。

また、転職時に自己PRの材料として活用することで、キャリアの幅を広げるのに役立てられるでしょう。

【Q&A】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種に関してよくある質問

最後に、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種(セルフケアコース)のよくある質問に回答します。

いきなりⅠ種やⅡ種を受験するのは問題ない?

いきなりⅠ種やⅡ種を受けても問題ありません。

ただし、本検定試験のコースは職位別に設定してあるため、自身の役職や仕事内容によって試験の種類を決めるのがおすすめです。

たとえば、一般社員で自身のメンタルについて学びたい場合にはⅢ種試験が適切です。

11月の試験であれば、Ⅰ種とⅡ種・Ⅱ種とⅢ種の同時受験も可能なので、職位や仕事内容に関わらずメンタルヘルスに関する知識を深めたい人は、同時受験を選択してみましょう。

「役に立たない」という声を聞くけど、実務では使えない?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、あらゆる業種において、社内のメンタルヘルスや社員一人ひとりの心のケアをするのに役立つ資格と言えます。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の「企業・合格者の声」には、以下のようなポジティブな声が掲載されています。

  • 日本ハム株式会社 食肉事業本部 管理統括部長
    「部員のメンタル疾患が受験のきっかけになり、職場復帰後の対応にも自信が持てた」
  • 広島県庁 農林水産局 参事(ため池・農地防災担当)
    「試験勉強を通じて、多様な観点から職場におけるメンタルヘルスの課題を抽出し、課題解決に向けた具体的な提案を行うことが多少なりともできるようになった」
  • NTTアドバンステクノロジ株式会社 総務部
    「一個人としてではなく、企業の視点からメンタルヘルスを考える力を身につけられるため、学んだ知識を応用しながら自社のメンタルヘルス対策に適用していくことが可能になると思う」

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「企業・合格者の声」

また、本資格に注目する企業も多く、人材育成におけるキャリア形成支援として「資格取得奨励制度」を設け、通信教育費用の補助や資格取得奨励一時金の支給を行う企業もあります。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は国家資格?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、国家資格ではありません。

本資格は、大阪商工会議所が主催する産業精神保健に関する民間資格です。

独学でも受験できる?

Ⅲ種試験は、Ⅰ種やⅡ種に比べて難易度が高くないことから、独学で合格を目指すことも十分可能です。

ただし、独学は試験までのスケジューリングや、モチベーション維持などを自分で行う必要があります。

また、不明点が現れた際に解決できなかったり、具体的な実務への生かし方がわからなかったりするのが注意点です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験Ⅲ種を効率よく勉強したい方には、時間や場所にとらわれず勉強できるオンライン講座がおすすめです。

なお資格合格パートナーの『スタディング』では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅱ種の講座を用意しています。

動画やWebテキストで効率的に勉強でき、独自の合格アシスト機能により、最適な学習フローの提示や復習問題の自動出題も行えるのがスタディングの魅力です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種と一緒にⅡ種の合格も目指したい人は、以下のリンクからスタディングの無料講座を受講してみてください。

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メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強方法に関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

まとめ

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅲ種は、組織において自身のメンタルヘルス対策の促進を目的とした資格試験です。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定を重要視する企業も増えており、Ⅲ種試験は1回の試験で5,000人前後が受験しています。

合格率は66〜86%ほどと比較的合格しやすい試験ですが、メンタルヘルスに関する専門知識を学ぶ必要があるので、計画的に勉強して試験対策を行いましょう。

なお、『スタディング』ではメンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅱ種の講座を用意しています。

Ⅲ種試験と同時にⅡ種の受験を検討している人は、まずは無料のお試し講座を受講してみてはいかがでしょうか。

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