【2025年度】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の概要

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種は、3種類あるなかでもっとも難易度の高い試験です。

受験対象となるのは、人事労務管理スタッフや経営幹部であり、Ⅱ種やⅢ種の資格を保有していなくても、いきなり受験することも可能です。

本記事では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の概要や難易度、合格率、勉強方法、よくある質問などを詳しく解説します。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定とは

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験は、働く人たちの心の不調を未然に防ぎ、活力ある職場づくりを目指すことを目的とした資格試験です。

本資格取得を目指すことで、職場でのメンタルヘルスケアに関する基礎的知識や対処方法を身につけることが可能です。

検定はⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種に分かれており、自身の業務内容や役職にあわせて種類を選択できます。

一般職として自らが抱えるメンタル不調への対応だけではなく、管理職や人事労務管理の観点も重要視した内容になります。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定の特徴は、職場のメンタルヘルス対策における「一次予防」に重きを置いている点です。

なお、メンタル不調の早期発見・対処にフォーカスした「二次予防」、医療機関による治療や職場復帰、再発防止策を図る「三次予防」も対応領域に含まれます。

管理職の場合、Ⅱ種以上のコースで部下のメンタル不調の未然防止、健康増進を学ぶのがおすすめです。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【2025年度】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種(マスターコース)の概要

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の概要として、以下の項目を解説します。

  • 試験日程
  • 目的と到達目標
  • 出題内容
  • 問題構成・配点・合格基準
  • 受験料
  • 受験地
  • 受験資格

Ⅰ種の受験を検討している人は、確認してみてください。

試験日程

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の試験は、通常年に1回開催されます。

2025年度の試験日程は、以下の通りです。

試験施行日2025年11月2日(日)
WEB成績票 照会期間2026年1月9日(金)10:00~2026年4月9日(木)17:00
合格証発送日2026年1月16日(金)

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「受験要項」

目的と到達目標

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定には、各検定コースの目的と到達目標が設定されています。

Ⅰ種試験の目的と到達目標は、以下の通りです。

目的社内のメンタルヘルス対策の推進
到達目標自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、以下のことを行える。・メンタルヘルスケアの計画・産業保健スタッフやほかの専門機関との連携・従業員への教育・研修に関する企画、立案、実施

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

自身やチームだけではなく、人事戦略の一環として社員のメンタルヘルスを守り改善を目指すことが、Ⅰ種試験の到達目標です。

出題内容

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種では、以下の内容が出題されます。

  1. 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
  2. メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
  3. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  4. 人事労務管理スタッフに求められる能力
  5. メンタルヘルスケアに関する方針と計画
  6. 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
  7. 相談体制の確立
  8. 教育研修
  9. 職場環境等の改善

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

Ⅰ種試験では、企業や組織内のメンタルヘルスケア対策を総合的に立案・実施する能力が問われます。

問題構成・配点・合格基準

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の問題構成・配点・合格基準を見てみましょう。

問題構成・時間・選択問題:2時間
・論述問題:1時間
配点・選択問題:100点
・論述問題:50点
合格基準・選択問題と論述問題の得点合計が105点以上
・ただし、論述問題は25点以上得点する必要がある

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「試験のご紹介」

Ⅱ種とⅢ種は選択問題だけですが、Ⅰ種は論述問題も出題されます。

相対評価ではないため、ほかの受験生と競う必要はありませんが、最低点を必ず確保できるように勉強することが大切です。

受験料

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の受験料はⅡ種・Ⅲ種と異なり、個人でも団体で申し込んでも受験料は一律で税込1万1,550円です。

また、受験料に加えて申込システム利用手数料の495円が必要です。

(個人申し込みと団体一括申し込みで、受験者が個々で支払う場合のみ)

受験の申し込みは、インターネットで手続きをします。

受験料の支払は「クレジットカード決済」もしくは「コンビニ店頭決済」のいずれかを選択しましょう。

受験地

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種は、以下の受験地で開催されます。

  • 札幌
  • 仙台
  • さいたま
  • 千葉
  • 東京
  • 横浜
  • 新潟
  • 浜松
  • 名古屋
  • 京都
  • 大阪
  • 神戸
  • 広島
  • 高松
  • 福岡

上記の受験地から、自身で選択して決定できます。

具体的な受験会場は受験票に記載されるため、届いたあとに確認しましょう。

なお、団体特別試験の場合は、企業・団体の都合にあわせて日時や場所を設定できます。

受験資格

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の受験資格には、学歴・性別・年齢・国籍などの制限がないため、誰でも受験できます。

また、11月の試験では、Ⅰ種とⅡ種・Ⅱ種とⅢ種を同時に受験可能です。

なお、3月に関してはⅠ種の試験を行っていないため、Ⅱ種とⅢ種のみ同時に受験できます。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の難易度の高さは?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種は、3種類のコースのなかで一番難しい試験になります。

過去試験の合格率と必要な勉強時間をもとに、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の難易度を詳しく解説します。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の概要に関して以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

過去試験の合格率

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の合格率の推移をまとめました。

▼Ⅰ種(マスターコース)の実受験者数と合格率の推移

実施年月Ⅰ種受験者(人)Ⅰ種実受験者(人)Ⅰ種合格者数(人)Ⅰ種合格率(%)
第9回2010年11月1,8261,55116710.8
第11回2011年11月1,7611,48519112.9
第13回2012年11月1,7501,44123816.5
第15回2013年11月1,7501,41924617.3
第17回2014年11月1,8381,48227918.8
第19回2015年11月2,0231,58618511.7
第21回2016年11月2,0171,61029618.4
第23回2017年11月2,0621,63430618.7
第25回2018年11月2,0771,64233220.2
第27回2019年11月2,0271,62025215.6
第29回2020年11月1,5711,27627221.3
第31回2021年11月1,8661,52130119.8
第33回2022年11月2,0001,62828717.6
第35回2023年11月1,9611,58732520.5
第37回2024年11月2,1841,73136220.9
合計26,52921,4823,677
平均1,8951,53426317.1

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の合格率は、約17%程度であることがわかります。

また、近年のⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種との合格率を比較してみましょう。

▼メンタルヘルス・マネジメント®検定 合格率の比較(2020年度以降)

実施年Ⅰ種
合格率(%)
Ⅱ種
合格率(%)
Ⅲ種
合格率(%)
2020年度(第29回)21.356.586.4
2020年度(第30回)68.281.9
2021年度(第31回)19.846.471.2
2021年度(第32回)69.864.4
2022年(第33回)17.658.269.4
2022年度(第34回)54.179.3
2023年(第35回)20.556.571.9
2023年度(第36回)73.272.1
2024年度(第37回)20.960.574.3
2024年度(第38回)54.877.8

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「結果・受験者データ」

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅱ種とⅢ種の合格率と比べてみると、Ⅰ種の難易度が高いとわかります。

必要な勉強時間

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の勉強時間は、およそ120時間が目安です。

大阪商工会議所が発刊しているⅠ種の公式テキストは約460ページあり、内容を一通り習得するまでにおよそ120時間の勉強時間を要します。

Ⅱ種やⅢ種と比べて出題範囲が広く、専門性も高くなるため、深く理解するためにはさらに多くの勉強時間が必要になるでしょう。

仮に120時間で合格を目指す場合は、1日1時間勉強して4ヶ月ほどかかります。

試験月は11月なので、遅くとも夏頃から勉強をはじめなければなりません。

1週間や1ヶ月の勉強で合格を目指すのは難しいため、計画的に勉強しましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強時間については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の過去問

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定の「第37回のパンフレット(PDF)」に、以下の過去問が記載されています。

Q.ストレスチェック制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


1.事業者は、常時20人以上の労働者を使用する事業場の労働者に対し、ストレスチェックを1年以内ごとに1回、定期に実施しなければならない。
2.ストレスチェックの実施事務従事者は特に資格を要せず、法律上守秘義務も定められていないため、事業者はストレスチェック実施時に実施事務従事者に対して秘密の保持を課す規定を定めなければならない。
3.ストレスチェックの結果、面接指導が必要であると判定された労働者が面接指導の申出を行った場合、その労働者については、ストレスチェック結果の事業者への提供に同意したものとして取り扱って差し支えない。
4.ストレスチェックや面接指導の実施は、事業者の義務として法律に規定されており、実施しなかった場合の罰則が設けられている。


答え:3

【出典】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「p.3 メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験について」

パンフレットに掲載されている無料問題は1問のみなので、過去問を使って勉強したい方は、公式テキストにしたがって作成された「過去問題集」を活用してみましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の勉強方法

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の勉強方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 独学で勉強する
  • 受験対策講座を受講する
  • オンライン講座を活用する

それぞれ詳しく解説するので、ご自身に合った勉強方法を見つけてみてください。

独学で勉強する

独学の場合は、公式テキスト(第5版)や過去問題集を購入して勉強しましょう。

独学には「勉強時間やスケジュールを自分で設定できる」「学習コストを減らせる」などのメリットがあります。

「仕事が忙しく勉強時間を決められない」「コストを抑えて勉強をしたい」という方は、独学がおすすめです。

ただし、勉強へのモチベーション維持や不明点の解決を自分で行わないといけない点に注意しましょう。

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種の独学に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。

受験対策講座を受講する

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の公式サイトでは、大阪商工会議所が主催で行う「受験対策講座」を公開しています。

受験対策講座はオンデマンド配信のため、都合のよいタイミングで講義動画を視聴して勉強できます。

ただし、8週間のみと公開期間が限定されており、期間をすぎると復習に使えません。

なお、Ⅰ種試験は11月のみであるため、講座の開催日時は8月上旬〜11月上旬の期間に限られます。(※翌年以降は変わる可能性もあるため確認が必要です)

Ⅱ種とⅢ種においては3月にも試験があるため、8月上旬〜翌年3月中旬まで講座を受講できます。

オンライン講座を活用する

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の対策として、オンライン講座を活用するのもひとつの手です。

オンライン講座には、時間や場所を選ばず、わかりやすい講義動画を活用して試験日当日まで十分に勉強できるメリットがあります。

そのため、仕事が忙しく勉強時間を確保しづらい人や独学ではモチベーション維持が難しいと感じる人におすすめです。

資格合格パートナーの『スタディング』では、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅱ種の講座を用意しています。

学習効率を上げる合格アシスト機能を搭載していたり、一流の講師陣によるわかりやすい講義で勉強できたりと、多くの魅力があります。

「Ⅱ種を受けてからⅠ種を目指したい」という方は無料講座をお試しできるので、この機会に以下のリンクから受講してみてください。

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また、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験の勉強方法に関して以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

【Q&A】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種に関してよくある質問

最後に、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種に関してよくある質問に回答します。

いきなりⅠ種やⅡ種を受験してもいいですか?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、どのコースからでも受験可能です。

そのため、Ⅲ種を受けなくても、いきなりⅠ種やⅡ種を受験できます。

なお、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験のコースは、以下のように職位別に試験内容が設定してあります。

  • Ⅰ種(マスターコース)・・・自身が人事部門や経営幹部で「組織全体のメンタルヘルス対策の促進」が目的の場合
  • Ⅱ種(ラインケアコース)・・・自身が管理監督者で、上司として「部下のメンタルヘルス対策の促進」が目的の場合
  • Ⅲ種(セルフケアコース)・・・組織内における「自身のメンタルヘルス対策の促進」が目的の場合

自らの仕事内容や役職を基準に受験するコースを検討してみましょう。

「メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は役に立たない」という意見は本当ですか?

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、実務で役に立つ資格と言えます。

公式サイトの「企業・合格者の声」には、以下のような声が挙げられています。

  • 日本ハム株式会社 食肉事業本部 管理統括部長
    「部員のメンタル疾患が受験のきっかけになり、職場復帰後の対応にも自信が持てた」
  • 関西日立株式会社 経営管理部 総務グループ 部長代理
    「受験勉強を通じて、メンタルヘルスに関するさまざまな理論と、問題解決のための多様なアプローチについて体系的に学ぶことができた」
  • ダイキン工業株式会社 空調営業本部
    「受験することで、一時的な知識ではなく、職場で実践できる知識が身についたと実感している」

【参考】メンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験「企業・合格者の声」

また公式サイトには「受験申込者数上位法人」が記載されており、メンタルヘルス・マネジメント®︎検定は、多くの企業から注目されているとわかります。

合格したあとに知識やスキルを磨く機会はありますか?

大阪商工会議所は、I種の合格者を対象に、最新情報の収集や相互交流などを通じてスキルアップを図れる「Ⅰ種合格者フォーラム」を開催しています。

Ⅰ種合格者フォーラムへの登録は無料で、メンタルヘルス対策に関する最新情報や、イベント開催のお知らせなどを掲載したメールマガジンを受け取れます。

メンタルヘルス対策の最新動向をテーマにしたセミナーや交流会も適宜開催しているので、Ⅰ種資格を取得したあとも継続して知識を深めることが可能です。

まとめ

メンタルヘルス・マネジメント®︎検定Ⅰ種は、人事労務管理スタッフや経営幹部を対象とした資格試験であり、社内のメンタルヘルス対策の推進を目的とします。

3種類あるメンタルヘルス・マネジメント®︎検定のなかでもっとも難易度の高い試験で、出題内容が幅広いため、計画的に勉強を進めることが大切です。

「いきなりⅠ種にチャレンジするのはハードルが高いので、まずはⅡ種からチャレンジしたい」という方には、時間や場所にとらわれずオンラインで勉強できる『スタディング』がおすすめです。

スタディング講座では、一流講師による講義動画や、効率よく勉強を進められるAIアシスト機能など受講生へのサポート体制が充実しています。

これからメンタルヘルス・マネジメント®︎検定試験を受験する人は、この機会にぜひ無料のお試し講座を受講してみてください。

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