これからの管理職に必須!メンタルヘルス・マネジメント®のススメ

これからの管理職に必須!メンタルヘルス・マネジメントⓇのススメ

2015年、従業員のメンタルヘルスケアを目的とした「ストレスチェック制度」が施行されました。多くの企業が管理職を中核としたメンタルヘルス・マネジメントに取り組み、着々と成果を出しています。そんな中、職場のメンタルヘルス対策に特化した「メンタルヘルス・マネジメント®検定試験」が注目されていることをご存じでしょうか? 

今回は、職場のメンタルヘルス対策の基礎知識や、“心の健康状態”と離職率および業務生産性の関わり、管理職なら受講したいメンタルヘルス・マネジメント®検定試験の特徴について解説します。


なぜ職場のメンタルヘルス対策が重要なのか?

近年、あらゆる業種・職種におけるメンタルヘルス対策が重要視されています。仕事の質・量を筆頭に、対人関係や役職・役割の変化などによるストレスが、多くの労働者を苦しめているのです。ここでは、職場のメンタルヘルス対策がなぜ大切なのか、詳しく解説します。


そもそもメンタルヘルス対策とは?

メンタルヘルスとは、人間の精神面における“心の健康状態”を指します。「精神保健」や「精神衛生」ともいい、メンタルヘルスの悪化で業務に支障をきたりしたり、精神障害を発症したりする恐れがあります。

具体的な症状としては、注意力欠陥や意思決定力・判断力の鈍化、イライラや焦燥感といった気分変調が見られます。さらにメンタルヘルスが悪化すると、「うつ病・抑うつ障害」や「統合失調症」、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」などの精神障害を発症。最悪の場合、自社の従業員を過労死・自殺に追い込みかねません。

2000年以降、精神障害を発端した労災認定件数は右肩上がりで増加。厚生労働省が公開した「数字と絵でわかる職場のメンタルヘルス」によると、2000年の労災認定件数36件であったのに対し、2015年は472件に倍増しました。無論、労災補償における請求件数も、同時に増加しています。

参考:厚生労働省 数字と絵でわかる職場のメンタルヘルス


2015年に義務化された「ストレスチェック制度」

このような現状において厚生労働省は、2015年12月に労働安全衛生法を改正。50人以上の従業員を抱える事業所に対し、「ストレスチェック」の実施を義務付けました。これは年に一度、厚生労働省および専門医準拠のストレスチェック・マニュアルの結果に基づき、事業者が従業員に対し、適切な面接指導を行う制度です。

定期的に従業員の“心の健康状態”を検査することで、メンタル不調の早期察知や精神障害の発症予防、過労死・自殺を防ぐ狙いがあります。また、従業員のメンタルヘルス向上により、職場環境の改善や個々の生産性向上に繋がると期待されています。


メンタルヘルスと離職率の関わり

従業員のメンタルヘルスと離職率には、深い関わりがあります。これは管理職であれば、必ず把握しておくべき事柄です。

厚生労働省は公表した「令和2年上半期雇用動向調査結果の概要」の調査結果を紐解くと、従業員の離職率が高くなる職場には、以下の共通点があります。

  • 長時間労働の蔓延
  • 各種ハラスメント行為の横行(セクハラ・パワハラなど)
  • 正当な評価・対価が得られない
  • 柔軟な働き方が認められない
  • 有給休暇が取りづらい/取らせてもらえない
  • 適切な人材育成体制が整備されていない

上記要因は全て、従業員のメンタルヘルス悪化に直結します。そして、大半は管理職がコントロールできる要因でもあります。管理職の“鶴の一声”が従業員を救い、個々のメンタルヘルス向上や離職防止、ひいては過労死・自殺防止に繋がるケースもあるのです。

参考:厚生労働省 令和2年上半期雇用動向調査結果の概要


厚生労働省が推奨する「4つの心のケア」

メンタルヘルス対策を推進する厚生労働省ですが、2006年に“労働者の心の健康の保持増進のための指針”を策定しました。いわば、“4つの心のケア”です。

  • セルフケア:従業員自身が実施する
  • ラインケア:管理監督者(部長・課長など)が部下に対して実施する
  • 事業所内産業保健スタッフによるケア:安全衛生担当者や産業医が実施する
  • 外部機関・専門家に頼るケア:事業場外資源(医療機関など)で実施する

上記の内、一般管理職が取り組むのはラインケアです。ラインケアとは、管理職が部下一人ひとりのメンタルヘルス状況を把握し、適時ケアしたり職場環境を改善したりする取り組みを指します。

ラインケアは従業員一人ひとり、ひいては組織全体の生産性向上や離職率低下に直結する、メンタルヘルス対策の要です。その役割を担うのが、当該部署の部長や課長、マネージャーといった管理職となります。


管理職が知っておくべき「部下のメンタル不調」を示すサイン

ラインケアは、今後の組織運用に欠かせないメンタルヘルス対策であり、重要な施策です。一方、部下が突然休職・離職したり、極端に生産性が低下したりするケースは、そう多くありません。

大抵の場合、メンタル不調の部下には“3つのサイン(兆候)”が見られます。そのサインを察知し、早急にケアするのが管理職の務めです。具体的にどのようなサインがあるのか、詳しくお話します。

1.出退勤に見られるサイン

メンタル不調の部下は、出退勤に変化が生じます。具体的には、早退や遅刻、有休取得が突然増えたり、無断欠勤が見られたりします。さらに勤務中の無断退席、休憩回数の増加などにも注意が必要です。その頻度が極端に増えた場合、心身いずれかの不調を抱えている可能性があります。

2.生産性(パフォーマンス)から見えるサイン

人間誰しも、身体が疲れているときは、本来のパフォーマンスを発揮できないものです。それはメンタルヘルスも同様。仕事に集中できなかったり、操作ミス・判断ミスが増えたりします。結果、仕事の生産性が極端に低下するのです。

3.外見や行動の変化から見えるサイン

メンタル不調の際には、外見や行動・言動に変化が見られます。たとえば、普段身だしなみに気を遣っている部下が、ボサボサ頭にヨレヨレのスーツ、不快な匂いを漂わせていたら「異常」と感じるのが常です。深刻なメンタル不調により、身だしなみに気が回らないほど苦しんでいる可能性があります。

「出退勤に見られるサイン」にも共通しますが、メンタル不調の部下は行動・言動が変化します。たとえば、部下が挨拶やマナーを失念したり、乱暴な言動・態度を取ったりする場合、注意が必要です。何らかの原因で深刻なメンタル不調を起こし、自暴自棄になっている恐れがあります。こうした精神状態に追い込まれると、自殺を考えるようになるといいます。早急に産業医などを紹介し、部下の心身を休ませるべきです。


ラインケアの具体的な取り組みについて

ここでは、管理職が実施すべきラインケアの取り組みをご紹介します。

部下・同僚の様子を観察する

ラインケアで肝要なのは、部下の「いつもと違う」をどれだけ早く察知するかです。先述した通り、人はメンタル不調を起こすと、何らかのサインが現れます。メンタル不調の早期発見・早期対応が、当人の憔悴した心を救うのです。

管理職は日ごろから、部下・同僚の様子に区を配りましょう。少しでも異変を感じたら、「誰が対応すべきか」を考えます。たとえば、業務全般や対人関係などの悩みは、管理職自身が直接対応できます。担当する仕事量を減らしたり、部下の話をしっかりと聞いてあげたりすることで、ケアできる可能性があります。

一方、うつ秒や統合失調症などの精神障害を発症している場合、外部機関や専門家の力が必要です。部下の同意を得た上で、専門医や保険スタッフのカウンセリングを受けさせましょう。なお、昨今は個人情報保護が重要視されるため、無闇な行動は避けてください。良かれと思った対応が裏目となり、パワハラ・モラハラなどで訴えられる可能性があります。

職場ストレスを特定・取り除く

厚生労働省の「15分でわかるラインケア」によると、職場ストレスの要因は以下3つに分類されます。

  • 仕事の要求度:大きいほどストレスに感じる
  • 仕事(働き方)の自由度:小さいほどストレスに感じる
  • 周囲からの支援:少ないほどストレスに感じる

同資料によると、「仕事の要求度」が大きいほど、「仕事(働き方)の自由度」が小さいほど、そして「周囲からの支援」が少ないほど、部下は高ストレス状態になるとのこと。これを“職場ストレスのベクトル”といいます。一つひとつ見ていきましょう。

■1.仕事の要求度

メンタル不調のストレッサーは、人により異なります。部下の職場ストレス要因を把握次第、早急に改善を図りましょう。たとえば、その部下にとって「仕事の要求度」が大きすぎる場合、比較的簡単な仕事を割り振ってください。簡単な仕事で成功体験を重ね、部下に自信をつけさせるのも、管理職の責務です。

■2.仕事(働き方)の自由度

「仕事(働き方)の自由度」は、業種・職種に左右される要因です。とりわけ昨今は、COVID19(新型コロナウイルス)感染症の観点から、多くの企業でリモートワークの導入が加速。製造業や接客業、販売業を筆頭に、物理的にリモートワークができない業種もありますが、従業員はそれに合意の上で働いています。

他方で、リモートワークができるのに、コストの関係から導入しない企業も散見されます。仕事や働き方、就業場所に関するストレスは、部下のメンタル不調に直結するほか、離職率の増加や、労災認定を受けるリスクもあります。

■3.周囲からの支援

真面目で責任感の強い部下ほど、あらゆる物事を一人で抱える傾向にあります。仕事量・質、対人関係、業績など、職場ストレスの要因は多岐にわたります。しかし、それら全てを一人で抱えた結果、ストレスからメンタル不調を引き起こします。最悪の場合、うつ病や統合失調症の引き金となるのです。

部下のメンタル不調を感じた場合、さまざまな形でケアと支援を行いましょう。たとえば、仕事量・質がストレッサーであれば、別の部下をヘルプで回す、担当者を変えるといった手があります。

また、対人関係や業績の伸び悩みならば、部下と面談し、ともに改善策を探るのも有効。デリケートな内容については、個人情報保護を念頭に置いた上で、個別面談するのが望ましいでしょう。このように、部下を見守るだけでなく、直接支援するのも管理職の責務です。


部下からの相談に応える/部下が相談しやすい雰囲気づくり

部下の中には、メンタル不調から自発的に相談できない人も少なくありません。部下と上司という関係である以上、「○○なことを相談しても良いのかな?」「怒られないかな」と、心理的負荷がかかる場面もあるはずです。

大切なのは、部下が上司に相談しやすい環境・雰囲気を、管理職がつくることです。こうした体制構築は、部下と上司の関係性を円滑にするほか、「いつもと違う」部下の早期察知に繋がります。メンタル不良の部下を確認次第、管理職自らが声がけし、現状把握と職場ストレスの除去・改善を図りましょう。

その上で、ヒアリング時に以下3つのポイントを意識してください。

  • 最後までしっかりと話を聞く
  • 必要に応じて情報提供を行う
  • 必要に応じて医療機関や事業場外資源への相談・受診を促す

部下の相談に乗る際は、“積極的傾聴”を意識するのがコツです。これは米国の心理学者であるカール・ロジャーズが提唱したカウンセリング技法で、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3原則に基づきます。

真摯な態度で話を聞き、不明点は積極的に質問する“前のめりの姿勢”が、「あなたの立場に立って聞いている」「あなたを理解しようとしている」といった感情表現に繋がります。結果、部下のストレッサーを特定し、適切な改善策を講じられるようになります。


メンタル不調者の職場復帰支援

ある調査では、メンタル不調で休職した従業員の内、約40%がそのまま離職していることがわかっています。復職者の多くは、「今の職場でどう思われるだろう」「みんなに受け入れてもらえるだろうか」「以前のように働けるだろうか」といった悩みを抱えています。管理職には、そのような復職者の気持ちを受け止め、スムーズな職場復帰を促す支援が求められます。


メンタルヘルス対策を学ぶために、管理職のあなたができるコト

職場のメンタルヘルス対策が重要視される中、この取り組みを熟知している管理職は、そう多くありません。部下が心身ともに健康的に働き、活気溢れる職場づくりを実現するためにも、管理職の方々には「メンタルヘルス・マネジメント®検定試験」の取得をおすすめします。

ここでは、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験の特徴や取得するメリット、コースの種類や合格基準についてお話します。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは?

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは、職場におけるメンタルヘルス対策の基礎知識や対処法を学ぶ検定試験です。同試験には「I種(マスターコース)」「II種(ラインケアコース)」「III種(セルフケアコース)」といった3つのコースがあり、それぞれ学べる内容や対象が異なります。

I種

メンタルヘルスケア計画などを学びたい経営幹部向け

Ⅱ種

安全配慮義務の観点からラインケアを学びたい管理監督者(管理職)向け

Ⅲ種

セルフケアの基礎知識を学びたい一般社員向け


本試験は、職場のメンタルヘルス対策における「一次予防」に重きを置いています。管理職の場合、II種以上のコースで部下のメンタル不調の未然防止、健康増進を学ぶのがおすすめです。なお、メンタル不調の早期発見・対処にフォーカスした「二次予防」、医療機関による治療や職場復帰、再発防止策を図る「三次予防」も対応領域に含まれます。


メンタルヘルス・マネジメント®検定試験「II種」の出題内容と合格率

管理職が主に受講するのは、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験の「II種」となります。その出題内容は、以下の通りです。

  • メンタルヘルス対策の意義
  • メンタルヘルスおよびストレスに対する基礎知識
  • 職場環境の評価方法および改善方法
  • 労働者(部下)への配慮
  • 部下からの相談への対応(傾聴方法および適切な助言方法)
  • 事業場外資源との連携
  • 復職者への支援方法/復職しやすい職場環境の構築

基本的には、ラインケアの基礎を包括した内容です。配点は100点満点で、合格基準は70点以上となります。試験は原則、毎年3月と11月の年2回実施されます。

同試験を主催する「大阪商工会議所」および「施行商工会議所」によると、第29回(2020年11月11日実施)の合格率は、「III種」が86.4%、「II種」は56.5%、「I種」は21.3%でした。「II種」においては、受講者の2人に1人が合格している計算です。


メンタルヘルス・マネジメント®検定試験を受講するメリット

管理職の場合、部下のメンタルヘルス対策を深く理解できるメリットがあります。2000年以降、一般企業における従業員のメンタルヘルス対策が推進されるようになりました。一方で先述した通り、メンタルヘルス対策そのものを適切に理解している管理職は、少ない現状にあります。

メンタルヘルス・マネジメント®検定試験は、「知っているようで意外と知らないメンタルヘルス」に触れる、良いきっかけとなるでしょう。そして近年は、管理職にメンタルヘルス・マネジメントスキルを求める企業が増えています。キャリアアップを目指す上でも、メンタルヘルス対策の知識は有効に働きます。


***


適度なストレスは刺激となり、従業員の生産性向上に繋がります。しかし、人のストレス耐性には限度があり、個人差があります。それを個別に把握し、健やかで高いパフォーマンスを発揮できるようコントロールする力が、これからの管理職に求められるのです。

職場のメンタルヘルス対策を学ぶなら、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験を受講してみましょう。メンタルヘルス対策の意義や基礎知識、ケースバイケースの対処法などが学べます。試験は年に2回、毎年3月と11月に実施されますので、しっかりと学習して臨みましょう。

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