看護師として就職する場合、必ず行われるのが採用試験、そして面接です。すばらしい学歴や実績をもっていても、面接で良い印象を与えられなければ、不合格になる可能性は十分あります。今回は、新卒採用を目指す看護学生の方に向けて、採用面接の基本マナーや質問内容、評価ポイントなどを解説します。
そもそも、看護師の採用面接では、担当者は何をチェックしているのでしょうか。
中途採用や転職であれば、「どんな病院で働いていたか」「どのような実績があるか」などの点が重視されますが、新卒の学生にはあまり関係ありません。こちらでは、採用面接で面接担当者が確認しているポイントを3つご紹介します。
面接担当者は、応募者の人柄を特に観察しています。新卒の学生には、際立ったスキルや経験があるとは考えづらいため、人柄が良く「一緒に働きたいと思えるかどうか」が重要です。また、人柄が良いと周囲や患者とのコミュニケーションも円滑になり、「長く働いてくれる可能性が高い」と判断され、好印象につながります。
学歴や資格については履歴書でチェックできますが、その人がもつコミュニケーション能力は、面接の場でなければ確認できません。
特に、看護師は患者とやりとりする機会も多いため、正しい言葉遣いで受け答えできるかが重要視されます。
病院や施設側としては、仕事に意欲的で将来の目標などをもっている人材を選びたい、と思うものです。
そのため、面接担当者は、応募者の言葉だけでなく話し方や態度などからも意欲の有無を確認します。
採用面接では、新卒であっても「社会人として当たり前のことができるか」がチェックされています。
採用面接の基本マナーを以下に4つまとめました。勘違いしているものがないか確認しましょう。
確認しよう!採用面接の基本マナー
・面接会場へは10分前に到着する
・服装や髪型は事前に提示された指示に従い、清潔感を意識する
・面接担当者以外にもあいさつをする
・発言は聞き取りやすい声量と発音で行う
勘違いしている方が多いのが、面接会場への到着時間です。「早ければ良い」と考えている方もいますが、早すぎるとかえって迷惑になる可能性があるため、10〜15分前が適切です。
また、応募者の様子は、面接会場以外でも見られています。入り口の事務員にあいさつをしていなかったり、服装が乱れていたりすると評価に影響する可能性があります。自宅を出た瞬間から、社会人としての意識をもつことが大切です。
面接当日は、病院や施設から持ち物を指定されることがあります。忘れても即不合格になるわけではありませんが、印象が良くないのは事実です。
こちらでは、最低限必要とされる持ち物をご紹介します。
【必ず持っていく物】
・応募書類一式(事前に郵送している場合は不要)
・筆記用具
・印鑑
・メモ帳
・携帯電話
面接時や終了後には、次の試験内容や日程について説明される可能性があります。話を聞き漏らさないためには、メモ帳を持っていくのが良いでしょう。
【持っていくと便利な物】
・腕時計
・ハンカチ、ティッシュ
・手鏡
・ストッキングの予備
・折りたたみ傘
なかでも、最終的な身だしなみチェックのために、手鏡を持っていくのがおすすめです。場合によっては、すぐにトイレに行けない可能性もあるためです。また、女性であればストッキングの予備を持っていったり、雨が降りそうであれば折りたたみ傘を持っていったりしましょう。
採用面接に適した服装や身だしなみとは、以下の2つの要素を満たしているものを指します。
もっとも重要なのが、清潔感です。寝癖で髪がボサボサだったり、無精ひげが生えていたりすると印象が悪くなります。特に、看護師は患者と接するため、外見の第一印象は重要です。
以下では、服装や身だしなみのチェックポイントを用意しました。面接に行く前に必ず確認しましょう。
【服装について】
・スーツは黒や紺など目立たない色を選ぶ
・ワイシャツやインナーは白もしくは薄い色
・ネクタイはスーツに合わせて紺やグレーなどの淡い色
・靴は革靴orヒールが低いパンプス
・靴下は黒系統の無地・寒い時期はコートを羽織る
【髪型について】
・髪が肩につく場合はひとつにまとめる
・まとめられない場合はピンを使用する
・派手なヘアアクセサリーは使用しない
・髪色は黒か明るすぎない色
【その他】
・派手なネイル、メイクは避ける
・爪は短く切りそろえる
・ひげは必ずそる
・香水やにおいの強いシャンプーは控える
・バッグは暗めの色味を選ぶ
採用面接での質問は、ある程度定型化されており、事前の対策が可能です。回答をいくつか準備し、病院や施設の理念・経営方針などに応じて使い分けるのが良いでしょう。こちらでは、新卒の採用面接でほぼ確実に聞かれる質問と、回答を考えるうえでのポイントを解説します。
採用面接は、担当者の「自己紹介をしてください」の言葉からスタートします。
この場合の「自己紹介」とは、名前を述べるだけではありません。「所属(学校名など)」や「職務経歴」なども合わせて伝えるのが一般的です。
ひとりあたり1〜2分の時間が与えられるため、ゆっくりかつはっきりと面接担当者に伝えましょう。
ここで重要視されるのが、話し方や雰囲気です。名前はもちろん、学歴や職務経歴については、すべて履歴書に記載されています。それでも自己紹介を求めるのは、実際にその人が話している姿を見て、面接担当者がどう感じるかをチェックしているためです。穏やか表情でハキハキと話しましょう。
次の質問は、「志望動機」についてです。面接担当者は、「なぜ当院や当クリニックを選んだのか」について具体的な回答を求めています。なかには、明確な理由なく数ある病院や施設のひとつとして応募している方もいるため、志望動機について具体的に答えられると、面接担当者の印象は良くなるでしょう。その際に、施設側の理念や経営方針にも触れられるとベストです。
また、志望動機は「病院や施設で長く働いてもらえるか」を判断するためにも利用されます。明確な理由があってその病院やクリニックを志望している場合は、長く働いてもらえそうと判断され、合格が近づきます。
新卒の採用試験では、「なぜ看護師を志したのか」について質問されることがあります。
面接担当者は、その内容や話し方から、看護師という仕事への熱意を確認しています。エピソードや経験に具体性をもたせて、仕事への意欲を伝えることが大切です。
このときに気をつけたいのが、誇張やうそはつかないことです。エピソードを際立たせたいがために話を誇張させると、面接官に伝わり、かえって悪い印象を与える可能性があります。どんな小さなエピソードでも、話し方や表情で熱意は伝えられます。何度も練習して本番に臨みましょう。
今回は、新卒で看護師を目指す方に向けて、面接のポイントをご紹介しました。看護師の採用面接は、ある程度事前準備が可能です。
服装や身だしなみなどの最低限のマナーは、前もって確認しておき、話し方や表情などは何度も練習しましょう。
家族に面接官役をしてもらい、実際の採用面接のように練習するのも効果的です。
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