看護師国家試験に落ちる人の特徴

看護師を目指す方が、必ず合格しなければならないのが「看護師国家試験」。
試験である以上、合格する方がいる一方で、残念ながら不合格となる方もいます。

合格者と不合格者には、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、看護師国家試験に落ちる方の特徴を紹介し、合格者側へ入るための秘訣を考えます。


目次

  1. 看護師国家試験の合格率
  2. 看護師国家試験の合格率はなぜ高いのか
  3. 看護師国家試験に落ちる人の特徴
  4. 看護師国家試験に落ちないための対策
  5. まとめ

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看護師国家試験の合格率

看護師国家試験は、新卒者や現役の准看護師の方が多く受ける試験であり、比較的合格率が高いのが特徴です。
以下の表では、過去10年間の試験結果をまとめました。

実施回(西暦)

受験者数(人)

合格者数(人)

合格率

第101回(2012年)

53,702

48,400

90.1%

第102回(2013年)

56,530

50,244

88.8%

第103回(2014年)

59,725

53,495

89.6%

第104回(2015年)

60,947

54,871

90.0%

第105回(2016年)

62,154

55,585

89.4%

第106回(2017年)

62,534

55,367

88.5%

第107回(2018年)

64,488

58,682

91.0%

第108回(2019年)

63,603

56,767

89.0%

第109回(2020年)

65,568

58,513

89.2%

第110回(2021年)

66,124

59,769

90.4%

第111回(2022年) 65,025 59,344 91.3%


上記の表を確認すると、看護師国家試験の合格率は、80%後半から90%前半で推移していることがわかります。この合格率は、国家試験のなかでは高く、しっかりと対策していれば合格可能です。一例として、その他の国家試験の合格率について、下記に列挙します。

  • 司法試験:20%前後
  • 司法書士試験:3〜4%
  • 社会保険労務士試験:6%前後
  • 税理士試験:15〜20%
  • 薬剤師試験:65〜70%

こちらを確認すると、看護師国家試験の合格率の高さが伺えます。決して簡単ではありませんが、しっかりと勉強を積み重ね、正しい知識を取得していれば合格できます。



看護師国家試験の合格率はなぜ高いのか

看護師国家試験は、ふるい落とすことが目的ではなく、看護師として活躍するために必要な知識を備えているか確認するための試験です。
発展的な問題はあまり出題されず、プール問題と呼ばれる過去問に類似した問題も多く出題されています。大学や専門学校で学習を積み重ね、臨床実習に意欲的に取り組んでいれば、十分合格です。これが、他の国家試験と比較して合格率が高い理由といえるでしょう。

ただし、看護師国家試験には、「必修問題で80%以上の正答率がないと不合格」というボーダーラインも存在します。このボーダーラインを超えられないと、他の科目で成績が良くても合格できないため、対策が欠かせません。必修問題は、看護師に必要な基礎的な知識を問う問題が出題されます。


看護師国家試験に落ちる人の特徴

前述の通り、看護師国家試験は受験生のおよそ9割が合格する試験です。しかし、見方を変えると、「毎年10%の受験生が落ちる」ともいえます。
今回は、看護師国家試験に落ちる方の特徴をご紹介します。10%の不合格者側にならないためにも、事前に理解しておきましょう。


勉強をスタートするのが遅い

看護師国家試験で不合格する方は、圧倒的に勉強量が足りない傾向にあります。そして、勉強量が足りない方は、試験勉強のスタートが遅いケースがほとんどです。試験勉強は、できるだけ早く開始し、十分な勉強量を確保することが大切です。

また、勉強の開始時期は、その後の軌道修正の可否にも影響を与えます。早い段階で試験勉強を開始していれば、たとえ間違った方法で勉強を進めていても、途中で軌道修正が可能です。勉強のスタートが遅れるほど余裕がなくなり、間違った方法のまま勉強を行ってしまう可能性が高まります。


必修問題対策をしていない

看護師国家試験では、「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」の3種類が出題されます。短文や長文での出題も多い一般問題と状況設定問題は、基礎的な知識を問う必修問題と比べて苦手意識が芽生えやすく、勉強時間の多くを割く方がほとんどです。

しかし、前述の通り、必修問題には「正答率80%」というボーダーラインが設定されています。必修問題の対策を怠り、正答率が振るわなかったために不合格になった方も少なくありません。

また、一般問題や状況設定問題は、必修問題で会得する基礎的な知識を前提としています。必修問題を完璧に理解していなければ、合格できないのは当然といえるでしょう。「必修問題=簡単」と軽く考えることなく、しっかりと対策を行ってください。


過去問研究をしていない

看護師国家試験では、過去問対策が欠かせません。プール問題と呼ばれる、過去に出題された問題と類似した問題が出題されるためです。予想問題集や暗記ばかりに意識が向きすぎた結果、過去問研究が不足すると、確実に取るべき問題を落とす可能性があります。看護師国家試験対策を行う場合は、必ず過去問も解き直しましょう。


すべての知識を暗記しようとしている

看護師国家試験だけでなく、資格試験に挑戦する場合、暗記は大切な要素です。暗記をせずに合格できる試験はほとんどなく、隙間時間などを活用して知識を定着させる必要があります。

しかし、すべての知識を暗記するのは不可能に近く、暗記だけで合格しようと考えている方は合格できません。最短で合格するには、暗記と並行して読解問題などにも取り組む必要があります。

また、暗記を行う際は、その根拠についても理解することが大切です。暗記した知識は、あくまで一時的なものであり、定着させるにはより深い理解が必要です。結論を導くための根拠や理由を合わせて勉強することで、定着しやすくなるでしょう。


読み間違いや記入ミスが多い

読み間違いや記入ミスなど、ケアレスミスが多い方は、合格が難しくなります。特に、看護師国家試験は問題数が多く、1問あたりの解答時間が短くなる傾向にあります。読み間違いや記入ミスをすると、修正に時間を取られてしまい、問題をすべて解くことができません。解答率が低くなると、合格率も下がるため、良い結果にはつながりにくいでしょう。

ケアレスミスを防ぐには、日ごろの勉強から意識することが大切です。問題を迅速かつ丁寧に解き、時間に余裕がある場合は、必ず見直しを行いましょう。


1問あたりに時間をかけすぎてしまう

わからない問題に出会ったとき、時間をかけすぎてしまう方も注意が必要です。前述の通り、看護師国家試験は出題数が多く、1問あたりの解答時間は決して長くありません。そのため、1問あたりに時間をかけすぎてしまうと、すべての問題に目を通すことができず、合格が難しくなります。

わからない問題に出会ったときは、思い切って後回しにしたり、時間をかけずに直感で解答したりする必要があります。すべての問題に解答した後、時間に余裕がある場合は、わからなかった問題に戻って解き直しましょう。


体調管理ができていない

看護師国家試験は長丁場になるため、体調管理も大切です。数か月〜1年間勉強をして、しっかりと知識が定着していても、当日体調を崩してしまうと、本来の実力を発揮できずに不合格になる可能性があります。試験日が近づいてきたら、夜ふかしを控えたり、外出時にはマスクをしたりして、万全の体調で試験日を迎えましょう。

また、看護師国家試験は例年2月に行われます。インフルエンザなどの感染症が流行している時期でもあるため、こまめな手洗い・うがい・手指消毒などを行い、予防を心がけましょう。


看護師国家試験に落ちないための対策

先にご紹介した、残念ながら看護師国家試験に落ちてしまう方の特徴を踏まえ、合格するためにはどのようにすればよいのか考えてみましょう。


早い時期から国試対策の勉強をスタートする

看護学生はただでさえ、学校の課題や実習で忙しい…。とはいえ、せっかく就職活動で内定をもらっても、看護師国家試験に合格しなければ看護師として働くことはできません。後になって悔いることのないよう、国試対策は早め早めにスタートすることをおすすめします。

理想的な国試対策スタート時期は「受験年度の夏休み」
この後の学生生活において、一番まとまった時間を確保できる最大のチャンスです!

単純に試験範囲を最初から、ではなく、授業で習ったことやこれから待っている実習で関わる分野から実際の過去問で出題されている問題を確認するところから始めてみるとよいでしょう。

看護師国家試験で出題される問題は、実際に看護師として働く際に最低限必要な知識を備えているかを確認する試験です。
看護実習で使う知識も同じです。夏休みから国試対策を始めることは、実習の対策のひとつにもなりますので、1日5分でも人体の構造や疾病について復習する時間を設けてみてください。


過去問研究を徹底的に行う

看護師国家試験は、過去問のプール制が採用されています。プール制とは、あらかじめ問題をストックしておき、同じ問題や改変した問題を出題する方法のことです。看護師国家試験では、試験の質や難易度を保つために、2004年から採用されました。

実際の看護師国家試験本番で出題されるもののうち、およそ約25%がこのプール制を活用した問題です。
そのため、「国試対策は過去問に始まり、過去問に終わる」と言っても過言ではありません。

国試で出題される問題パターンと傾向を押さえることで、より効果的に合格に必要な実力を身に付けることができるでしょう。


▶ 必修問題対策

必修問題は全50問出題され、そのうち40問以上の正解が必要な問題です。
なぜ80%以上の正答率が必要なのかは、「看護師国家試験の過去問をチェック」の記事で詳しく紹介していますので、そちらもぜひご参照ください。

以下、必修問題の出題内容と攻略のポイントです。

出題内容 攻略のポイント
看護師として働くうえで必要な基礎知識など
例)看護師の社会的役割、職業倫理、人体の構造、統計情報
「人体の構造と機能」を徹底的に理解!
統計情報や法律などの暗記系分野については直前期に集中して学習するとよいでしょう。


▶ 一般問題対策

一般問題は全130問出題され、状況設定問題と合わせて60%~70%以上(160〜170点前後の得点)の正解が必要な問題です。
厚生労働省の「看護師国家試験出題基準」に定められた11科目について、一問一答形式で出題されます。

必修問題と見た目は同じですが、よりアセスメント力や問題解決能力が問われます。
基礎的な知識の理解はもちろんですが、”なぜこの選択肢が正解なのか”まで押さえられていると、得点力がグッと上がります。

以下、一般問題の出題内容と攻略のポイントです。

出題内容 攻略のポイント
看護師として働くうえで必要な基礎知識・アセスメントに関することなど
例)人体の構造と機能、基礎看護学、成人看護学
「人体の構造と機能」を中心に、関連する疾患や看護について整理!
アセスメントの際に重要な視点や検査項目についても押さえておくとよいでしょう。


▶ 状況設定問題対策

状況設定問題では、はじめに看護現場の状況事例の文章があり、それに続く形で1問~3問の設問が出題されます。
いわゆる長文問題です。全30問の出題で、この問題だけ1問2点という高配点になっています。

また、必修問題や一般問題に比べ、単に知識だけではなく状況判断能力も必要な問題です。
看護師として正しい行動は何かを意識して臨むとよいでしょう。

以下、状況設定問題の出題内容と攻略のポイントです。

出題内容 攻略のポイント
具体的な看護場面での状況事例において、看護師として正しい行動・アセスメントに関することなど
例)精神看護学、在宅看護論、看護の統合と実践
事例の患者さんやまわりを取り巻く環境を押さえ、正解を導き出すための重要ポイントにチェック!
疾患の治療法や看護のポイント、検査項目の基準値などを整理しておくと、よいでしょう。



知識はただ暗記するのではなく、「根拠」や「理由」とセットで覚える

看護師国家試験で出題される問題は、基本的に4つまたは5つの選択肢から、1つないし2つの正解を答える試験です。
問われる内容も基礎知識をメインにしたものであるため、暗記を中心とした対策になってしまいがちですが、先でも述べた通り、暗記だけでは解けない問題も出題されます。

そのため、知識の暗記とセットで、「なぜこの疾患が起こるのか」「この治療法が禁忌にあたるのはどういう理由からなのか」というように根拠や理由も必ず押さえておくようにするとよいでしょう。


国試対策の段階から、本番の試験時間を想定して問題演習に取り組む

看護師国家試験は、午前と午後でそれぞれ120問、計240問を全5時間20分で解答する試験です。
単純計算すると、1問あたり1分30秒程度で答えていく必要があります。

試験本番で焦ることのないよう、国試対策中から実際の試験を想定して練習しておくとよいでしょう。

例えば、このようなポイントを意識してみてはいかがでしょうか。

【本番を想定した国試対策のポイント(例)】

・普段の問題演習から、時間を計り、制限時間とペース配分に慣れる。
・模試等を活用し、試験本番と同じ緊張感で問題を解いてみる。
・問題を解き、解答用紙に記入する順番をしっかり身につける。
・難しい問題が出てきたときの対処方法をあらかじめ決めておく。


日頃から体調管理を徹底する

知識面での対策だけでなく、自身の体調管理もしっかり行うようにしましょう。

前述の通り、看護師国家試験が行われる2月は感染症が流行しやすい時期です。
毎年決まった時期に体調を崩しやすい、という方は事前に対策法を考えておくとよいでしょう。

また、試験当日の防寒対策もしっかり準備しておきましょう。
カイロやブランケットなどがあると試験会場が思いのほか寒かった場合にも対応できます。


まとめ

今回は、看護師国家試験で不合格になってしまう方の特徴を紹介しました。看護師国家試験は、毎年90%ほどの合格率を誇る試験です。10%の不合格者に入らないためには、ただ勉強に取り組むだけでなく、勉強方法や体調管理にまで気を配る必要があります。

今回紹介した不合格者の特徴にひとつでも当てはまる場合は、普段の生活や勉強を見直してみてください。不安要素をできる限り取り除いて、合格をつかみ取りましょう。

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