看護師は、今も昔も人気の高い職業です。国家試験に焦点を当てると、毎年5万人以上が受験しており、多くの方が目指していることがわかります。
今回は、先輩たちが看護師を目指す理由やきっかけをご紹介します。面接時の志望動機の説明や、履歴書に書く際にも活用できるため、これを機会に「なぜ看護師を目指すのか」について考えてみましょう。
看護師が人気の理由
看護師は、過去から現在まで人気の高い職業です。実際、2021年の調査によると、「小学生がなりたい職業ランキング」において、看護師は女子児童の部で8位に輝いています。過去の結果を確認しても、看護師は常に上位をキープしており、時代が変わっても人気の変わらない職業といえます。
なぜ看護師は多くの方にとって魅力的に映るのでしょうか。ここでは、看護師が人気の理由を考えます。
出典
ベネッセ 教育情報サイト.「小学生がなりたい職業ランキング2021」.https://benesse.jp/juken/202112/20211217-1.html,(参照 2022-3-10)
1.高収入が期待できる
収入面は、看護師が人気である理由のひとつです。厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は「491万8300円」で、全職種の平均年収「487万3000円」と比較するとやや高くなっています。
また、女性に限定すると全職種の平均年収は「381万9000円」で、看護師との差はさらに大きくなります。男性看護師の割合は2008年から2018年にかけて2倍以上になっているものの、依然として女性看護師が全体の9割以上を占めているため、高収入の印象が強くなるのです。
出典
厚生労働省.「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingi…,(参照 2022-3-10)
厚生労働省.「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/d…,(参照 2022-3-10)
2.将来性が高い
世界では、さまざまな職種が機械や人工知能(AI)に置き換わろうとしています。この点、看護師は機械による代替不可能な職業としても人気です。処置や手術のサポートなど、一部の業務は機械でも行えるかもしれませんが、患者の精神面も含めたケア、コミュニケーションも看護師の仕事です。マニュアル通りの対応ではなく、患者に合わせた臨機応変な対応は、今後も人間だけに可能な業務といえるでしょう。
3.望むライフプランを描きやすい
看護師は、女性が多く活躍している職業のため、産休や育休制度の整った職場が多く、自分が望むライフプランを描きやすいのも人気の理由です。結婚や出産を機に退職した場合でも、更新手続きを行っていれば資格を失うことはなく、いつでも復職が可能です。
看護師を目指すきっかけ・理由
看護師として活躍する多くの先輩は、何かのきっかけや理由から資格取得を目指したはずです。ここでは、実際の先輩の声を確認します。
1.手に職をつけるため
前述の通り、看護師は就業していない期間があっても資格を失うことはありません。医療現場は常に人材不足のため、一度国家試験に合格すれば安定して就業でき、収入を得られます。
また、同じ医療職である医師や薬剤師と比較して、資格取得までの期間が短いのもポイントです。社会人として働き始めてからでも資格取得を目指しやすく、「手に職をつけたい」方からの人気が高い傾向にあります
2.看護師が身近な存在だった
現在看護師として活躍する方の中には、家族や親戚に看護師がいた、というケースも少なくありません。看護師を身近な存在として認識しており、自然と看護師の道を目指していた方もいるようです。
また、看護師として働く家族を小さいころから見ていると、看護師の良い面だけでなく大変な面も認識しているでしょう。就業後に理想と現実のギャップに悩む心配がなく、安心して仕事に取り組めます。
3.過去に看護師にお世話になった経験がある
自身や家族が過去に看護師にお世話になった経験から、看護師を目指す方も多いようです。大きなケガや手術はもちろん、予防接種や定期検診など、看護師と接する機会は少なくありません。献身的な看護を目の当たりにし、「自分も誰かの役に立ちたい」と感じたことが、看護師を目指すきっかけとなったのです。
看護師を目指す理由は志望動機につながる
看護師を目指す場合は、「なぜ看護師になりたいのか」「どんなきっかけがあったのか」を明確にしておきましょう。モチベーションの維持や目標の明確化に役立つだけでなく、志望動機を説明する際にも活用できるためです。
志望動機は、就職活動で使用する履歴書や、面接で質問されることがあります。ここでは、志望動機を考える際のポイントを解説します。
ネガティブな表現は避ける
志望動機にネガティブな表現が含まれる場合は、そのまま伝えるのではなく、できるだけポジティブな表現に言い換えましょう。特に、転職活動の際は、ネガティブな理由で退職した場合でも、ポジティブな言い回しを意識することが大切です。以下、ネガティブな表現を言い換えたものをご紹介します。
- 前職は給料が少なかった
→より高いレベルで看護を学びたい - 人間関係で問題を抱えていた
→チームワークを意識し、医師や同僚看護師と連携して業務に臨みたい
病院ごとに表現を変える
看護師の志望動機は、「なぜその病院やクリニックの求人に応募したのか」という具体性が求められます。そのため、どのよう病院にも言える内容は、面接の場では好まれません。応募する病院ごとに志望動機を考える必要があります。
志望動機を考える際に役立つのが、病院の経営理念や経営方針です。病院の経営理念には、「どんな看護師を求めているのか」が表れています。経営理念を踏まえて志望動機を考えることで、採用担当者の目に留まりやすくなります。
目安は履歴書で200〜300文字、面接では1〜2分
志望動機を考える場合、履歴書で200〜300文字、面接では1〜2分ほどが目安です。長すぎず短すぎない量に調整し、必要な情報が相手にしっかりと伝わるように工夫しましょう。志望動機が完成したら、友人や家族に読んでもらい、わかりにくい部分がないかチェックするのがおすすめです。
看護師の志望動機の例文
最後に、看護師の志望動機の例文をご紹介します。自分が看護師を目指す理由や、病院の経営方針に合わせて、適宜変更しながらご活用ください。
【例文】 私は幼いころから病弱で、何度も入退院を繰り返していました。その際、不安で心細い私にいつも寄り添ってくださった看護師の方の姿を見て、困っている方を本当の意味で支えられる存在になりたいと思い、看護師になることを決意しました。 貴院は地域で唯一の小児科専門院であり、患者様への治療はもちろん、ご家族まで含めた心身のケアに力を入れています。ご採用いただいた際には、医師や看護師の皆さんと協力し、前向きな気持ちで治療を受けてもらえるよう、心身の両面からサポートしていきたいと考えています。 |
こちらの例文は、自分の経験談と病院の経営方針を踏まえて志望動機としています。看護師になりたいと思ったきっかけを簡潔に伝えており、応募先の病院への理解もあることがわかる文章です。
まとめ
看護師になろうと思うきっかけは人それぞれです。実際に看護師と接して憧れた方もいれば、身内に看護師がいるため、自然と目指すことになった方も少なくありません。就職活動をするまでに考えを整理し、志望動機などに含められるよう工夫しましょう。
また、看護師を目指す理由を言語化する場合は、志望先の病院やクリニックの経営理念を考慮することがおすすめです。病院に対する理解を担当者にアピールでき、採用してもらえる可能性が高まります。ぜひ今回紹介した例文を活用し、自分なりの志望動機を完成させましょう。