
看護師国家試験の合格を目指している方は「看護師国家試験の合格率はどのくらいなのか」「年によって難易度は違うのか」など気になる点も多いのではないでしょうか。
本記事では、2025年実施の第114回看護師国家試験の合格率やボーダーライン、過去の推移から難易度を解説します。
【2025年実施】第114回看護師国家試験の合格率は90.1%
2025年2月に実施された第114回看護師国家試験の合格率は90.1%でした。
看護師国家試験の合格率は、例年90%前後で安定しています。
2024年実施の第113回は合格率が87.8%と、例年よりも少し下がりましたが、第114回では例年通りとなりました。
【参考】厚生労働省「第111回保健師国家試験、第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表」
看護師国家試験合格率の10年間の推移
本章では、看護師国家試験の合格率をご紹介します。下記の表では、過去10年間の試験結果をまとめました。
実施回(西暦) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 全体の合格率 |
第114回(2025年) | 63,131 | 56,906 | 90.1% |
第113回(2024年) | 63,301 | 55,557 | 87.8% |
第112回(2023年) | 64,051 | 58,152 | 90.8% |
第111回(2022年) | 65,025 | 59,344 | 91.3% |
第110回(2021年) | 66,124 | 59,769 | 90.4% |
第109回(2020年) | 65,568 | 58,513 | 89.2% |
第108回(2019年) | 63,603 | 56,767 | 89.3% |
第107回(2018年) | 64,488 | 58,682 | 91.0% |
第106回(2017年) | 62,534 | 55,367 | 88.5% |
第105回(2016年) | 62,154 | 55,585 | 89.4% |
第104回(2015年) | 60,947 | 54,871 | 90.0% |
看護師国家試験は、毎年約90%の受験者が合格しています。
看護師国家試験を受験する人は、学校・大学での厳しい試験や実習を乗り越えてきた人たちばかりなので、試験対策をきちんと立てれば合格が見込める試験であるといえます。
新卒者と既卒者の合格率の違い
看護師国家試験の合格率は90%前後で推移していますが、新卒者と既卒者の合格率には大きな差があります。
2025年の第114回看護師国家試験の場合、新卒者の合格率は95.9%でしたが、既卒者の合格率は44.9%でした。
実施回(西暦) | 新卒 | 既卒※ |
第114回(2025年) | 95.90% | 44.90% |
第113回(2024年) | 93.20% | 30.40% |
第112回(2023年) | 95.50% | 36.50% |
第111回(2022年) | 96.50% | 38.90% |
第110回(2021年) | 95.40% | 44.40% |
第109回(2020年) | 94.70% | 37.40% |
第108回(2019年) | 94.70% | 29.30% |
第107回(2018年) | 96.30% | 44.50% |
第106回(2017年) | 94.30% | 35.60% |
第105回(2016年) | 94.90% | 35.50% |
第104回(2015年) | 95.50% | 39.20% |
※厚生労働省が毎年発表する「看護師国家試験の合格発表」にもとづき算出した値
つまり、新卒者は10人中9人が合格する一方で、既卒者は10人中4~5人程度しか合格しない状況です。
過去10年間の新卒者と既卒者の合格率は以下の表のとおりです。
※厚生労働省が毎年発表する「看護師国家試験の合格発表」にもとづき算出した値
既卒者の合格率が低い理由としては、知識を身につけた直後の新卒者と比べて、学校で学んだ知識が薄れてしまうことや、
採用予定の施設で看護補助者として働きながら受験しているといったパターンが多く、新卒者より学習時間の確保が難しいことなどが考えられます。
既卒者が看護師国家試験を受験する場合は、勉強時間を確保し学習環境を整えることが大切です。
【参考】厚生労働省「第111回保健師国家試験、第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表」
2025年看護師国家試験のボーダーラインは148点
2025年2月16日に実施された第114回看護師国家試験のボーダーライン(合格基準)は148点でした。
看護師国家試験におけるボーダーラインとは、合格するために必要な最低点数のことです。
看護師国家試験は3種類の問題があり、うち2つは受験者全体の正答率によってボーダーラインが変わります。
本章では、看護師国家試験のボーダーラインについて解説します。
看護師国家試験のボーダーライン(合格基準)とは
看護師国家試験には、以下の3種類の問題があります。
- 必修問題
- 一般問題
- 状況設定問題
それぞれの配点や、合格点は以下のとおりです。
問題の種類 | 配点 | 満点 | 合格点 |
---|---|---|---|
必修問題 | 1問1点 | 50点 | 40点以上 |
一般問題 | 1問1点 | 250点 | 年度による |
状況設定問題 | 1問2点 |
なお、看護師国家試験の満点は通常、それぞれの問題あわせて300点満点です。
しかし、「採点除外等問題」の数により、年度ごとに満点が異なる場合があります。
採点除外等問題とは、試験実施後に「難易度が高すぎる」「選択肢が不適切である」などの理由で採点対象から除外される問題を指します。
看護師国家試験に合格するには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 必修問題の正答率約80%以上
- 一般問題・状況設定問題の合格基準以上の得点
必修問題では、1問1点の問題が50問出題され、うち約80%、つまり40問以上の正答が目安と言われています。
一般問題と状況問題は、その年の試験の難易度に応じて合格点が異なります。
看護師国家試験のボーダーラインは毎年変動する
一般問題と状況問題は相対基準であるため、ボーダーラインは毎年変動します。
厚生労働省が看護師の需給率を考慮し、試験の難易度や受験者全体の正答率に基づいて合格者数を調整するためだといわれています。
過去10年間のボーダーラインの推移は次のとおりです。
実施回 | ボーダーライン/合格点 |
第114回(2025年) | 148点/250点 |
第113回(2024年) | 158点/250点 |
第112回(2023年) | 152点/249点 |
第111回(2022年) | 167点/250点 |
第110回(2021年) | 159点/250点 |
第108回(2019年) | 155点/250点 |
第107回(2018年) | 154点/247点 |
第106回(2017年) | 142点/248点 |
第105回(2016年) | 151点/247点 |
第104回(2015年) | 159点/248点 |
看護師国家試験の「一般問題」と「状況設定問題」のボーダーラインは、厚生労働省によって合格発表時に公表されます。
そのため、具体的な得点基準を試験前に知ることはできません。
ボーダーラインは過去10年で最大25点の変動があるため、「◯点取れば問題ない」という方法での勉強は避けるべきでしょう。
合格するための効果的な勉強法
看護師国家試験は、合格率だけを見ると難易度が低くみえるものの、範囲が広く問題数も多いため、合格するには効果的な学習が大切です。
本章では、合格に向けた勉強方法のポイントを3つご紹介します。
試験の出題範囲と傾向を把握する
看護師国家試験に合格するには、試験の出題範囲と傾向を把握することが重要です。
過去問や出題傾向を分析することで、繰り返し出題される問題(プール問題)の傾向も見つけられます。
出題傾向を把握することで学習の優先順位をつけられ、より効果的に試験対策を進められるでしょう。
時間配分の練習をする
看護師国家試験は出題数が多く、制限時間内にすべての問題を解き終えるのが難しい試験です。
そのため、時間配分の練習は試験結果を左右する非常に重要なポイントとなります。
試験本番で焦らないよう、模擬試験や過去問を使い実際の試験時間に合わせて問題を解く練習をしましょう。
時間配分を意識して問題を解くことで、以下のようなメリットがあります。
- どの問題にどれくらい時間をかけるべきかがわかる
- 難しい問題は後回しにするなど、時間の使い方を工夫できる
問題を解く力があっても、時間内に解き終えられなければ得点を取りこぼしてしまいます。
時間配分の感覚をつかむことで、本番でも落ち着いて試験に臨めるでしょう。
苦手分野を把握し克服する
看護師国家試験の対策では、自分の苦手分野を把握し克服することが重要です。
模擬試験や問題集を解きながら、自分が苦手な分野を把握しましょう。
苦手な分野がわかれば、それに合わせた勉強計画を立て、集中的に学習できます。
とくに働きながら看護師国家試験を目指す方は時間短縮のためにも「苦手を克服」することが合格率を上げるポイントとなります。
既卒者が看護師国家試験に合格するための3つのポイント
新卒者に比べ既卒者は、看護師国家試験の合格率が低い傾向にあります。
そのため、既卒者が合格を目指すには、より効率的な勉強が必要です。
既卒者が看護師国家試験に合格するためのポイントは次の3つです。
- 試験日から逆算して学習スケジュールを立てる
- スキマ時間を活用する
- オンライン講座を利用する
1つずつ解説します。
試験日から逆算して学習スケジュールを立てる
既卒者の場合、限られた時間の中で試験対策を進める必要があります。
試験日から逆算して学習スケジュールを立てることが大切です。
たとえば以下のスケジュールを参考にしてみてください。
夏ごろまで | 主要科目の基礎知識を固め全体像を把握する |
秋から年末ごろまで | 過去問題演習と模擬試験を通して、出題傾向を把握する・実践的な問題演習を行う |
年明けごろから | 弱点克服や重要事項の復習を行い知識の定着を図る |
次回の看護師国家試験は2026年2月中旬に実施されると予想されます。
進捗状況を確認しながら計画的に学習を進め、試験直前に焦らないように注意しましょう。
計画的に学習することで、着実に合格を目指せるはずです。
スキマ時間を活用する
働きながら、または学校に通いながらの勉強は、まとまった勉強時間を確保しにくいこともあります。
そのため、以下のようなスキマ時間を有効活用することが重要です。
- 通勤・通学の時間
- 昼休み
- 家事の合間
- 寝る前の時間
スキマ時間を有効活用するためには、スマホアプリで学べる教材や、短時間で取り組みやすい教材を利用すると良いでしょう。
日々の積み重ねが、大きな成果につながるはずです。
オンライン講座を利用する
既卒者が独学で合格を目指すのが難しい場合は、「オンライン講座」の活用が効果的です。
オンライン講座では、経験豊富な講師による質の高い講義を自宅から受けられます。
適切な教材や過去問、学習スケジュールをプロがアドバイスしてくれるため効率的に勉強を進められるでしょう。
また、オンライン講座は、自分のペースで学習を進められる自由度も魅力です。
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看護師国家試験についてのよくある質問
看護師国家試験について、受験生からよく寄せられる質問に回答します。
看護師国家試験が難しかった年はいつですか?
過去10年間の看護師国家試験の合格率を比較すると、2024年(第113回)が87.8%ともっとも低い状況です。
そのため、2024年は問題の難易度が高かったと推測されます。
あるいは受験者層に変化があったなどの要因が考えられるでしょう。
しかし、合格率の低さは試験の難しさに直結するわけではないため、参考程度に捉えておくとよいでしょう。
看護師国家試験合格率が高い理由はなんですか?
看護師国家試験の合格率が高い理由としては、以下の点が考えられます。
- 受験者が大学や専門学校で試験対策を十分に行っている
- 大学や専門学校で課される課題や実習が難しく、進級要件も厳しいため、国家試験の合格が難しい層はあらかじめふるい落とされる
- 過去問に類似した問題が多い
一方「新卒者と既卒者の合格率の違い」で解説したように、既卒の受験者は合格率が低い傾向にあります。
これは、試験対策のポイントがわからなかったり、勉強時間が確保できなかったりすることが原因と考えられます。
既卒者の方は効率的な学習方法を意識することが重要です。
看護師国家試験の合格率を上げるために
本記事では、看護師国家試験の合格率、ボーダーライン、そして効果的な勉強方法について解説しました。
試験の合格率は、新卒者と既卒者で大きく異なり、既卒者の合格率は低い傾向にあります。
しかし、既卒者も試験対策次第では合格率を上げられます。
既卒者の場合は、計画的な学習スケジュールとスキマ時間の活用が重要です。
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