需要の高さや収入面の安定などを理由として、看護師を志している方も多いでしょう。看護師として働くには、看護師国家試験に合格しなければなりません。今回は、看護師国家試験に合格するまでの大まかなスケジュールをお伝えします。勉強の計画を立てる際の参考にしてください。
願書配布から合格発表までのスケジュール
看護師国家試験の合格発表までは、主に以下のような流れで進みます。
- 受験願書の配布〜提出
- 受験票の交付
- 試験日
- 合格発表
それぞれ期限が設けられているため、看護師国家試験を受験する場合は、スケジュールを確認する必要があります。
こちらでは、それぞれのスケジュールや忘れてはいけないポイントを解説します。
受験願書の配布〜提出
看護師国家試験は、受験願書を受け取り、それを提出するところから始まります。受験願書の配布は例年、試験日の前年の10月中旬ごろに行われます。2021年試験(第110回看護師国家試験)では、前年である2020年の中旬以降から配布されました。
看護師国家試験は、誰でも受験できるわけではなく、一定の受験資格が設けられています。
受験資格については、下記の表をご確認ください。
前提条件 | 高等学校を卒業 | 准看護師として3年以上業務に従事している、または高等学校・中高一貫校を卒業した准看護師 |
受験資格 | 以下のいずれかの要件を満たす必要がある
|
指定された学校・養成所で2年以上修業する |
また、受験願書には提出期限があり、例年では11月の中旬から12月上旬となっています。2023年試験の場合、2022年11月11日(金)から12月2日(金)が必要書類の提出期間でした。必要書類は、主に以下の3つです。
受験願書提出で主に必要になる書類
● 受験願書
● 写真(出願前6カ月以内に撮影したもの)
● 返信用封筒
上記に加えて、修行証明書や卒業見込証明書が必要になるケースもあります。
必ず事前に厚生労働省のホームページを確認しましょう。
受験票の交付
必要書類をそろえ、期日までに提出されて受理されると、郵送で受験票が交付されます。
例年1月中旬以降に届くため、受験票が自宅に届くよう、記載内容に間違いがないか確認しましょう。
また、1月末になっても受験票が届かない場合は、提出書類の不備や何かしらのトラブルが発生している可能性があります。
通っている学校や看護師国家試験運営本部事務所に問い合わせましょう。
試験日
試験日当日を迎えたら、受験票を持って試験会場に向かいましょう。試験日は、例年2月中旬ごろで、2022年試験は2月13日に行われました。
詳細な日程は、前年の8月ごろに発表されるため、厚生労働省のホームページをチェックしましょう。
看護師国家試験は、すべての都道府県で行われているわけではありません。
現在住んでいる都道府県に会場がない場合は、近隣へ移動する必要があります。試験会場があるのは、以下の都道府県です。
- 北海道
- 青森県
- 宮城県
- 新潟県
- 石川県
- 東京都
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
- 沖縄県
また、看護師国家試験と併願する方が多いのが、「助産師国家試験」と「保健師国家試験」です。この3つの試験は、試験日が近いため、受験する方はそれぞれでしっかりとした対策が欠かせません。ちなみに、2023年の試験日は、それぞれ以下の通りです。
- 助産師国家試験:2月9日
- 保健師国家試験:2月10日
- 看護師国家試験:2月12日
合格発表
試験で実力を出し切ったら、後は合格発表を待ちましょう。
看護師国家試験の合格発表は、例年3月下旬に行われます。2021年試験は、3月26日に行われました。
合否を確認する方法は、以下の2つがあります。
合否の確認方法
● 厚生労働省や看護師国家試験運営臨時事務所に張り出される番号を確認する
● 厚生労働省のホームページを確認する
しかし、2020年・2021年試験では、新型コロナウイルスの流行もあり、番号の貼り出しによる合格発表が中止されました。
今後の試験で同様の方法が復活するかどうかは不透明なため、基本的には厚生労働省のホームページで確認しましょう。
試験日当日のスケジュール
看護師国家試験当日のスケジュールは、午前・午後の2部構成で、試験時間は合わせて5時間20分です。午前と午後の部のスケジュールは、例年以下のように進行しており、基本的に変更はありません。
試験時間 | |
---|---|
午前の部 | 9時50分~12時30分 |
午後の部 | 14時20分~17時00分 |
集合時間については、それぞれの試験会場でアナウンスされているようです。
遅刻すると途中入場できない可能性もあるため、早めの行動を心がけましょう。
試験問題について
看護師国家試験の試験問題は、厚生労働省の「看護師国家試験出題基準」に基づいて出題されます。問題数は、午前と午後120問ずつの合計240問で、内訳は以下の通りです。
内訳 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|
必修問題 | 50問 | 各1点 |
一般問題 | 130問 | 各1点 |
状況設定問題 | 60問 | 各2点 |
必修問題は、看護師として働くために必要な基礎的な知識を問う問題で、1問1点の問題が50問出題されます。
50点満点のうち80%、つまり40点以上を取らなければ、一般問題や状況設定問題の成績が良くても合格できません。
一般問題は、「看護師国家試験出題基準」に定められた11科目について、一問一答形式で130問出題されます。
配点は、1問あたり1点ですが、試験のなかでもっとも多くの割合を占めます。11科目のなかには、出題されやすい分野とされにくい分野があるため、過去問演習などを通じて傾向をつかむことが大切です。
状況設定問題は、「看護師国家試験出題基準」に定められた7科目について問われる問題です。
必修問題や一般問題のように単純な知識を問うのではなく、リアルな現場を想定した問題が出題され、それに対する判断力や理解力が問われます。必修問題や一般問題と比較すると、設問が長い傾向にあるため、時間配分に注意する必要があります。
試験当日気をつけること
看護師国家試験は学生も多く受験するため、初めて国家試験にチャレンジする方も多いでしょう。
試験当日に焦らないためには、以下の3つに気をつけることが大切です。
試験当日に焦らないために・・・
● 持ち物は前日までに用意しておく
● 防寒対策をしておく
● 余裕をもって会場に向かう
持ち物は前日までに用意しておき、自宅を出る前にもう一度確認しておきましょう。忘れ物をすると、受験できない可能性があります。
万が一、受験票を忘れてしまった場合は、試験会場の試験管に事情を説明して指示を仰ぎましょう。
また、試験日が2月の中旬ということもあり、試験会場が寒い可能性があります。
会場が広いと暖房が行き渡らないことも考えられるため、服装やカイロなどで防寒対策をしておきましょう。
落ち着いて試験を受けるためには、余裕をもって会場に到着することも大切です。
時間ギリギリに入場すると、トイレに行く余裕もなく、すぐに試験が始まってしまいます。
試験会場の環境に慣れるためにも、少し早めに会場に向かいましょう。
まとめ
今回は、看護師国家試験の受験までのスケジュールや、試験当日の流れについてご紹介しました。
看護師国家試験を受験する際は、こちらを参考にして、期日に間に合うように手続きを行いましょう。
新型コロナウイルスの影響によって合格発表の方法が変化したように、今後もスケジュールや手続きの変更が行われる可能性があります。
受験生の方は、常に最新情報を得られるよう、厚生労働省のホームページを確認しておきましょう。