看護師は、以前「看護婦」という名称だったこともあり、女性のイメージが強い職業のひとつです。
しかし、実際の現場では男性看護師も活躍しており、少ない男手が重宝されるシーンも少なくありません。
今回は、看護師の男女比や男性看護師が活躍している診療科の種類、女性の多い職場で良好な人間関係を築くためのポイントを解説します。
看護師を目指している男性は、ぜひこちらを参考にしてください。
看護師の男女比
看護師は、女性のイメージが強い職業です。
しかし、身体的にハードな仕事であり、男性看護師が重宝されるシーンも少なくありません。
ここでは、看護師の男女比を表で確認しましょう。
【人数(人)】
男性 | 女性 | |
2008年(平成20年) | 44,884 | 832,298 |
2010年(平成22年) | 53,748 | 898,975 |
2012年(平成24年) | 63,321 | 952,423 |
2014年(平成26年) | 73,968 | 1012,811 |
2016年(平成28年) | 84,193 | 1065,204 |
2018年(平成30年) | 95,155 | 1123,451 |
【構成割合(%)】
男性 | 女性 | |
2008年(平成20年) | 5.1 | 94.9 |
2010年(平成22年) | 5.6 | 94.4 |
2012年(平成24年) | 6.2 | 93.8 |
2014年(平成26年) | 6.8 | 93.2 |
2016年(平成28年) | 7.3 | 92.7 |
2018年(平成30年) | 7.8 | 92.2 |
出典:厚生労働省.「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/,(参照 2022-4-27)
こちらを見ると、2018年時点で女性看護師が全体の92.2%、男性看護師が7.8%となっており、圧倒的に女性の多い職場であることがわかります。しかし、2008年以降の男性看護師の推移を確認すると、人数では2倍以上、構成割合は4%弱増えているのも事実です。男性看護師を積極的に採用している職場も多く、今後も男性看護師は増えていくと考えられます。
男性看護師が活躍する診療科とは?
男性看護師は、腕力や体力を活かして、さまざまな場所で活躍しています。
特に、女性看護師には相談しづらい悩みを抱えた患者が多く訪れる現場では、男性看護師の存在が重要です。
こちらでは、男性看護師が活躍する診療科の一部をご紹介します。自分の就職先や専攻を決める際の参考にしてください。
精神科
精神科は、心に関する症状や病気の治療を行う診療科です。精神神経科と呼ばれることもあります。
ストレスなどを要因とした、身体的な症状の治療を行う「心療内科」とは区別されます。
精神科を訪れる患者の中には、重度の疾患を抱えていたり、治療に対して強い抵抗感を持っていたりする方も少なくありません。
そのため、治療時に力強く抵抗されるケースもあり、腕力と体力のある男性看護師が重宝されるのです。
救急科
救急科は、病気やケガなど、緊急性の高い症状を持つ患者に対して、診療や救命救急処置、集中治療を行います。
看護師は、救命救急医のサポートや術後患者のケアなどが主な業務です。
救急科は、いつ患者が運ばれてくるかわからないため、夜勤や当直の重要性が高い現場です。
一般的な医療現場と比較して、精神的・身体的なタフさが求められる傾向にあり、男性看護師や男性医師が重宝されます。
手術室
手術室で働く看護師は、「オペ看」や「オペナース」とも呼ばれ、ドラマなどでもよく取り上げられます。
具体的な仕事内容は、手術中の医師に必要な器具を渡す「機械出し」と、それ以外の役割を担う「外回り」の2つがあります。
病院によっても異なるものの、1日に2〜3件程度の手術を担当するケースも多く、身体的にハードな現場です。
また、高い緊張感の中で迅速かつ丁寧に仕事をする必要があり、精神的にタフで瞬発力のある人材が求められています。
脳神経外科
脳神経外科は、「脳外科」とも呼ばれ、脳や脊髄、神経に関する手術を専門に行う診療科です。
患者の命に直結するシーンが多く、常に高い緊張感にさらされるハードな現場です。
また、残業が多く、退職する看護師の方も多いため、常に新しい人材を求めています。
体力や精神力に自信がある場合は、就職先の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
人工透析科
人工透析科は、透析患者への維持血液透析を中心に、緊急透析や血液浄化療法などを行う診療科です。
透析治療とは、腎臓の機能が低下した患者に向けて、人工的に血液をろ過する治療のことです。
透析室で働く看護師は、透析治療の準備、透析患者のケアなどを主な業務としています。
透析に特化した専門的な知識が求められ、常に勉強が必要です。
神経内科
神経内科とは、脳や脊髄、神経、筋肉などに生じた病気を治療する診療科です。
回復の難しい重大な疾患を抱えている患者も多く、長期的な看護が必要になります。
心療内科の看護師は、患者の病状観察や食事・排泄の介助、検査の補助などを行います。
また、積極的な治療法のない患者も多く、十分な介助ができない精神的な辛さを味わうことも多い職場です。
整形外科
整形外科は、骨や関節、筋肉などの治療を中心に行う診療科です。
専門家署に応じて、「脊椎・脊髄外科」「スポーツ整形外科」「人工関節外科」などに枝分かれしています。
整形外科で活躍する看護師には、手術時のサポートだけでなく、術後の生活を見越した支援や回復期・慢性期・終末期に対する理解などが求められます。
リハビリテーション科
リハビリテーション科とは、病気や事故で障害を負った患者が、普段通りの生活を取り戻すためのサポートを行う診療科です。
手術をはじめとした大規模な治療は行いませんが、長期間かつ多方面からのアプローチが必要です。
男性看護師が職場で良好な人間関係を築くためのポイント
男性看護師が、女性の多い職場で円滑な人間関係を築くには、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
こちらでは、3つのポイントを解説します。
ポイント1:清潔感のある身だしなみを心がける
女性の多くは、男性と比較して身だしなみに気を遣う傾向があります。
自分自身はもちろん、他人の身だしなみも気になることがあるため、女性の多い職場では清潔感のある身だしなみを意識することが重要です。
特に、男性看護師の評価を下げる身だしなみは、以下の3つです。
<チェックしておこう!身だしなみ>
・靴の汚れ
・ヒゲの剃り残し
・体臭や口臭
看護師は、病院やクリニックの顔として、患者さんやその家族と接する機会も多い仕事です。女性看護師との良好な人間関係を築くためだけでなく、患者さんを不快な気持ちにさせないためにも、身だしなみには常に意識を向けましょう。
ポイント2:相談相手となる男性看護師を見つける
職場で抱える悩みには、男性にしか話せないものや、男性同士のほうが話しやすいものもあるはずです。
そのような悩みを抱え込まないためにも、できるだけ早い段階で相談相手となる男性看護師を見つけておくのがおすすめです。
ただし、就職先に男性看護師が一人もいない可能性があります。
そういった場合に備えて、面接時に職場の男女比を確認しておくと、働きやすい職場かどうか判断しやすくなります。
ポイント3:女性看護師との適度な距離感をつかむ
看護師として働く以上、女性看護師との関わりを断つことはできません。
職場の人間関係を良好に保つには、女性看護師との適度な距離感をできる限り早くつかむことが重要です。
業務に関係する会話だけでなく、雑談なども交えながら、近すぎず遠すぎない距離感を模索しましょう。
男性・女性という性別にとらわれすぎない
看護師は、一人で仕事をすることがほとんどなく、医師や他の看護師と連携して患者に向き合います。
そのため、「男性だから」「女性だから」という考えに固執せず、お互いを尊重し合うことが重要です。
まとめ
看護師といえば女性のイメージが強い職業ですが、実際は男性看護師も徐々に増えています。
男性看護師が管理職に就く病院も多く、キャリアアップも期待できます。
男性・女性という区別にこだわりすぎず、信念を持って働けば、自然と評価も高まるでしょう。
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