ITストラテジスト試験の最年少合格者は何歳? 20代の合格率は?

ITストラテジスト試験の最年少合格者は何歳? 20代の合格率は?

IT系資格・試験で最難関のひとつ、ITストラテジスト試験の最年少合格者は、2019年に合格した18歳の受験者です。

ITストラテジスト試験の受験には、受験資格や年齢制限が設けられていません。では、実際のところ実務経験がない人や学生、若年者にとっては合格へのハードルはどのくらい高いものなのでしょうか。

情報処理技術者試験で最難関? ITストラテジスト試験とは

ITストラテジスト試験とはIPAが実施する国家試験「情報処理技術者試験」のひとつです。

まずはITストラテジスト試験がどのような試験なのか、難易度や合格率などをもとに解説します。

ITストラテジスト試験は情報処理技術者試験で最難関とも言われています。

どのような試験か気になっている人や受験を検討している人はぜひ参考にしてください。

情報処理技術者試験で最高スキルレベルの「レベル4」

IPAの定めるCCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク)によると、ITストラテジスト試験は「スキルレベル4」に位置しています。

これはIPAが実施している情報処理技術者試験のなかでも特に難易度の高い、最上位に相当する難しさです。

試験では以下のような技術水準が問われるため、非常に高度なスキルと知識が必要な試験だといえるでしょう。

  1. 事業環境分析、IT動向分析、ビジネスモデル策定への助言を行い、事業戦略を策定できる。事業戦略の達成度を評価し、経営者にフィードバックできる。
  2. 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、情報システム戦略や全体システム化計画を策定できる。情報システム戦略や全体システム化計画を評価できる。
  3. 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、全体システム化計画にもとづいて個別システム化の計画を策定し、適切な個別システムを調達できる。システム化構想・計画の実施結果を評価できる。
  4. 情報システム戦略や改革プログラム実施の前提条件を理解し、情報システム戦略実現のモニタリングとコントロールができる。情報セキュリティリスクや情報システム戦略実現上のリスクについて原因分析、対策策定、対策の実施などができる。

【参考】ITストラテジスト試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

合格率は例年15%程度。IT企業のエース級人材でも苦戦する難関

ITストラテジスト試験の合格率は、直近の2024年度(令和6年度)で15.8%となっています。

合格率は例年15%前後で推移しているため、実務経験者でも苦戦する難易度であることがわかります。

以下は近年の合格率と受験者数の推移をまとめた表です。

年度合格率受験者数
2014年(平成26年)15.0%4,466名
2015年(平成27年)14.6%4,487名
2016年(平成28年)14.0%4,594名
2017年(平成29年)14.7%4,747名
2018年 (平成30年)14.3%4,975名
2019年(令和元年)15.4%4,938名
2021年(令和3年)15.3%3,783名
2022年(令和4年)14.8%4,450名
2023年(令和5年)15.5%4,972名
2024年(令和6年)15.8%5,327名

【参考】情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表(平成21年度春期以降)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITストラテジスト試験の最年少合格者は18歳

ITストラテジスト試験の最年少合格者は、2019年度(令和元年度)の合格者で18歳です。

なおこの年のITストラテジスト試験では、合格者の最年少だけでなく最年長も更新されました。最年長合格者は70歳です。

直近の令和7年度ITストラテジスト試験にも10代の受験者が存在

以下は2025年度(令和7年度)春期における、ITストラテジスト応募者の年齢(10〜20代)をまとめた表です。

これを見ると応募者には17歳1名、18歳2名、19歳4名が含まれていることがわかります。

春期試験の結果は令和7年6月現在まだ出ていませんが、もしかしたら最年少記録が更新されるかもしれません。

また応募者には大学生や専門学生、新卒社会人などにあたる20〜22歳の受験者も数十名います。

ITストラテジスト試験は難易度の高い試験ですが、実務経験がない若年層や学生にも合格を目指して取り組んでいる人たちがいると言えるでしょう。

年齢応募者数
17歳1名
18歳2名
19歳4名
20歳7名
21歳18名
22歳19名
23歳36名
24歳70名
25歳108名
26歳135名
27歳147名
28歳191名
29歳165名

【参考】統計情報|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITストラテジスト試験、応募者の平均年齢は41.8歳

2025年度(令和7年度)春期における、ITストラテジスト試験応募者の平均年齢は41.8歳でした。受験者および合格者の統計情報はこれから出てくることになるかと思われますが、例年、応募者・受験者の平均年齢はこれくらいの水準です。

平均年齢から考えると、ITストラテジスト試験の応募者・受験者にはエンジニアとしてのキャリアを重ね、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどのポジションを担っている人たちが多いと予想されます。彼らはさらなる上流で企業の戦略や経営に関する業務の知識を身につけるため、この試験の合格を目指しているのだと思われます。

もちろんITストラテジスト試験は学生や未経験者など、誰でも受験できる試験です。

ただ実務の現場から見ると、ITストラテジスト試験の合格者は経験豊富でIT戦略の最上流を担える貴重な存在だと言えるでしょう。

年齢制限や受験資格の制限がない情報処理技術者試験

ITストラテジスト試験を含む情報処理技術者試験は、年齢制限や受験資格の制限が設けられていないため、何歳になっても挑戦できます。

情報処理技術者試験には以下の種類があり、いずれもIPAが主催する国家試験です。

  • ITパスポート試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • ITストラテジスト試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • データベーススペシャリスト試験
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験
  • ITサービスマネージャ試験
  • システム監査技術者試験
  • 情報処理安全確保支援士

これまで述べた最年少・最高齢の事例からわかるように、情報処理技術者試験はスキルアップのために誰でもいつからでもチャレンジできる試験といえるでしょう。

まとめ

今回はITストラテジスト試験の最年少合格者の年齢や平均年齢などについて解説しました。

  • ITストラテジスト試験の合格率は例年15%程度
  • ITストラテジスト試験の最年少合格者は令和元年度の合格者で18歳
  • 令和7年度のITストラテジスト試験にも10代の受験者が数名いる
  • 令和7年度のITストラテジスト試験応募者の平均年齢は41.8歳
  • 情報処理技術者試験に受験資格や年齢制限などは特になく、誰でも受験できる

ITストラテジスト試験には受験資格や年齢制限がなく、誰でも何度でも受験できる国家試験です。

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