試験時間 |
出題形式 |
出題数/解答数 |
問題別配点 |
合計点/基準点 |
採点方法 |
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午前Ⅱ |
10:50~11:30 |
四肢択一 |
25問/25問 |
各4点 |
100点/60点 |
多段階選抜方式 |
ITストラテジスト試験には、午前Ⅰ試験の免除制度が用意されており、本番では午前Ⅱ試験が最初の試験という方も少なくありません。午前Ⅱ試験にはどのような特徴があるのでしょうか。こちらでは5つご紹介します。
午前Ⅱ試験は、問題数が25問と少ないのが特徴です。この数字は、ほかの国家試験における択一問題と比べても少ない傾向にあります。例えば、司法書士試験の場合は70問、看護師国家試験は240問と、ITストラテジスト試験と比べて多くの問題が出題されます。
問題数が少なければ受験者の負担も減らせるため、メリットと考えることもできますが、1問あたりの配点が大きくなる点には注意が必要です。午前Ⅱ試験の配点は1問あたり4点で、基準点を獲得するには不正解の数を10問以下に抑えなければなりません。わからない問題に直面した場合でも簡単には諦めにくいため、しっかりと知識を身に付けることが大切です。
基準点とは、午前Ⅱ試験における合格のボーダーラインとなる点数のことです。具体的には60点に設定されており、25問中15問に正解する必要があります。午前Ⅱ試験は絶対評価のため、基準点を獲得できれば必ず合格と扱われます。
また、午前Ⅱ試験で基準点を獲得できなかった場合、以降の午後Ⅰ・午後Ⅱ試験は採点されません。これは「多段階選抜方式」と呼ばれる採点システムで、応用情報技術者試験と高度情報処理技術者試験で採用されています。
午後Ⅰ試験では記述式、午後Ⅱ試験では論述式の問題が出題され、より高度な技能が問われます。しかし、午前Ⅱ試験に合格できなければ、自分の解答がどの程度評価されたのかを確認することさえできません。午前Ⅰ試験の免除制度を活用して複数年での資格取得を目指す場合も、早い段階で午前Ⅱ試験に合格し、午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の結果を確認したいところです。
午前Ⅱ試験の出題範囲は、ストラテジ系と情報セキュリティの2つに大別されます。ストラテジ系とは、経営全般に関する知識や考え方を問う分野のことで、以下の7つの内容に細分化できます。
ITストラテジストは、企業におけるIT戦略を担う人材です。IT戦略の策定には、経営者目線での課題の抽出や企業の経営戦略に対する理解が必要となるため、ITストラテジスト試験でも経営に関する広範な知識が問われます。
午前Ⅱ試験では、ストラテジ系と情報セキュリティに関する問題が出題されますが、出題の割合は均等ではありません。目安ではあるものの、全25問中8割前後がストラテジ系、残り2割が情報セキュリティの問題と、圧倒的にストラテジ系の出題が多いのが特徴です。
そのため、理論上はストラテジ系の問題にすべて正解できれば、午前Ⅱ試験の合格が見えてきます。ただし、本番ではストラテジ系でわからない問題が出題されるケースや解答ミスをする可能性も考えられるため、情報セキュリティに関する対策も最低限行いましょう。
そもそも、2013年(平成25年)度試験までは、午前Ⅱ試験の全25問がストラテジ系からの出題でした。2014年(平成26年)度に試験制度の改革が行われ、情報セキュリティに関する問題も出題されるようになった経緯があります。今後も試験制度が変更される可能性はありますが、現状はストラテジ系の問題を中心に対策するのが良いでしょう。
午前Ⅱ試験では、過去問と類似した問題も一定数出題されます。特にストラテジ系の分野に関しては、全体の6〜7割が「過去問と同じ問題」もしくは「過去問の知識を使った問題」です。残りの3〜4割は、一般常識で解ける問題や新規の問題が出題される傾向にあります。
そのため、午前Ⅱ試験のストラテジ系の対策では、過去問演習を徹底的に行うことが基本です。過去に出題された問題は必ず解答できるようにしておき、そのうえで新規問題に対応できる知識を身に付けるのが理想といえます。
午前Ⅱ試験は、高度情報処理技術者に関する本格的な知識が問われる最初の試験です。後悔することなく午後Ⅰや午後Ⅱ試験に挑めるよう、しっかりと対策しておきましょう。ここでは、午前Ⅱ試験の具体的な対策方法をご紹介します。
ITストラテジスト試験に限らず、資格試験対策は過去問を使用するのが基本です。特にITストラテジストの午前Ⅱ試験の場合、ストラテジ系の出題が大半を占めるため、同分野の過去問を繰り返し解きましょう。過去問演習を行う際は、実際の試験時間に合わせて1年分の問題を解くことが大切です。
先に説明した通り、午前Ⅱ試験では過去問と同じ問題や同様の知識を使った問題が毎年出題されています。過去問に触れることで相場感をつかみ、同じ問題やアレンジした問題に必ず正解できるようにしましょう。
ただし、ITの現場は移り変わりが早く、新しい知識や技術も毎年のように登場するため、午前Ⅱ試験でもあまり古い知識は問われない傾向にあります。そのため、過去問を使用する際は、直近10年分程度に絞って勉強すれば十分です。過去問を完璧に理解できれば、合格に大きく近づきます。
午前Ⅱ試験のストラテジ系の問題では、過去問にはない新規問題も一定数出題されます。近年では、マーケティングやUX、最新の経営戦略などに関する出題が増加傾向にあります。
新規問題の対策は、上記分野に関する専門書やニュースなどに目を通すのが効果的です。例えば、ITエンジニア向けの専門書や、プロジェクトマネージャや中小企業診断士試験の参考書などを使って勉強している方もいます。常に最新技術や知識に関するアンテナを張り、情報をキャッチアップすることも大切です。
前述の通り、情報セキュリティ分野の出題は、ストラテジ系に比べると少ない傾向にあります。しかし、数が少ないとはいえ毎年必ず3問ほど出題されており、正解できれば午前Ⅱ試験の合格にグッと近づけます。情報セキュリティは、情報処理技術者試験で頻出の分野のため、今後別の試験区分に挑戦しようと考えている方は特に対策しておくと良いでしょう。
ただ、情報セキュリティ分野は問題の幅が広く、数カ月や半年の勉強期間ですべてを対策するのは難しいのが現状です。午前Ⅱ試験の対策は、あくまでストラテジ系の問題を中心に取り組み、余裕がある場合は範囲を絞って情報セキュリティ分野の過去問や参考書に目を通しましょう。
午前Ⅱ試験では、ストラテジ系の新規問題や情報セキュリティ分野の問題など、完璧に対策するのが難しい問題も出題されます。未知の問題に対応するためには、選択肢から「確実に正解ではないもの」を削る作業が重要です。4つの選択肢のうち1つもしくは2つ削ることができれば、正答率を大きく引き上げられます。
そこで、過去問演習を行う際は、選択肢を削る練習を繰り返し行いましょう。「なぜその選択肢が間違っているのか」まで説明できると、より知識の定着に役立ちます。
午前Ⅱ試験の対策では、過去問演習以外はインプットが中心になります。参考書や問題集の解説を読み込んだり、自作の単語帳を作って学習したりする方もいます。効率的に知識をインプットするには、スキマ時間を有効活用するのがおすすめです。通勤中や昼休みなどを利用して勉強を進めましょう。
まとまった勉強時間を確保できた場合は、過去問演習や午後Ⅰ試験の記述対策、午後Ⅱ試験の論述対策などに注力したいところです。スキマ時間でインプット、腰を据えて勉強するタイミングでアウトプットという手順を意識すると、無理なく試験対策を行えます。