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コンサルタントになるために資格は必要? それぞれの資格の違いは?

コンサルタントにとって必須の資格というものはありません。しかし、未経験からスタートする場合は、能力判断のバロメーターとなる資格があると便利です。今回は、コンサルタント活動に役立つ資格「中小企業診断士」「税理士」「ITコーディネーター」「社会保険労務士」をご紹介します。

中小企業診断士

経営コンサルティング能力を認定する国家資格といえば、中小企業診断士です。この資格は、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録を認めるもので、「中小企業診断士制度」という国の制度の中で試験が実施される特徴があります。コンサルティング業務について独占できる特定分野などはないものの、国が認める国家資格ということもあって信頼度は高く、経営診断のプロフェッショナルを目指すうえでぜひともチェックしておきたい資格です。

中小企業診断士試験には1次試験と2次試験があります。ともに合格率は20%程度。ストレートの合格率となれば3%~5%と比較的厳しめです。受験資格はないため、性別・年齢・学歴・経験に関係なくどなたでもチャレンジできる道が開かれています。


税理士

税理士といえば、納税相談や確定申告の手続き代理など、税に関するプロフェッショナルというイメージです。しかし、税務代理をこなしつつ、経営コンサルティングを請け負う専門家も少なくありません。

企業から税務コンサルタントを依頼された税理士は、企業の財務状況や帳簿管理に問題がないか、チェックできる立場にあります。つまり、税務処理を通じて、経営状況にも深く精通できるようになるのです。

経営トップからすれば、信頼のおける税理士は心強い経営のパートナーといえるでしょう。しかし、メインは税に関する業務ですので、経営コンサルタントを目指すにしてもまずは本業のほうで実務スキルを磨き、信頼を勝ち取る必要があります。


ITコーディネーター

ITコーディネーターとは、ITスキルを通して経営をサポートする専門家です。2001年に通商産業省(現・経済産業省)によって導入された比較的新しいビジネス系資格です。

ITコーディネーターには、ITに関する高いリテラシーと実務スキルはもちろん、経営に関する知識と提案力も求められます。ITの利活用を必要とする業種は幅広く、製造業・小売業・サービス業などのほか、自治体や病院、教育機関も対象範囲に含まれます。ITを巡る環境は変化のスピードもはやいため、時代に即したアイデアの提供とフレキシブルな対応力も重視される要素です。

ITコーディネーター試験の合格率は50%~70%と高めで、比較的取得しやすい資格といえます。ただし、資格認定を受けるには指定の研修を受けなければなりません。研修は試験の前後どちらで受けても可能ですが、いずれの場合も4年以内に受験と研修を済ませ、認定を受ける必要があります。


社会保険労務士

労働災害や雇用トラブルの解決をサポートする社会保険労務士ですが、経営に関するアドバイスも請け負います。社会保険労務士には独占業務が認められており、その中の3号業務はコンサルティングに関する業務です。労働や社会保険に関する相談受付および指導が可能です。

具体的には、人事制度や賃金制度に関するアドバイス、就業規則の作成、安全衛生管理に関するプランニングなど、コンサルティング内容は多岐にわたります。社会保険労務士は、主に雇用・労働の観点から経営環境の健全化をバックアップします。

社会保険労務士試験を受けるには、学歴に関する条件を満たす必要があり、誰でも簡単に受験できるものではありません。ただし、行政書士資格などほかの国家資格を保有する方は、無条件で受験が可能です。