「コンサルタント」という言葉はよく聞くのですが、種類・タイプや、仕事のやり方はさまざまだと思います。「コンサルタント」の定義は何でしょうか? | |
「個人または組織からの依頼に基づき、彼ら(クライアント)の抱える固有の問題や課題について、自らが持つ知識・経験・情報・ノウハウ等をもって解決をサポートする存在」です。 |
コンサルタントの定義として、特によく知られている定まったものがあるわけではありませんが、コンサルタント養成講座では次のように定義しています。
「個人または組織からの依頼に基づき、彼ら(クライアント)の抱える固有の問題や課題について、自らが持つ知識・経験・情報・ノウハウ等をもって解決をサポートする存在」
コンサルタントは「医者」に似ている
上記のようなコンサルタントの定義を踏まえると、コンサルタントは「医者」に近いかも知れません。
医者は「患者からの依頼を受けて治療を行なう」存在ですし、患者ごとに体質が異なりますので、それぞれに対応して治療を行ないます。
また、治癒するかどうかは、最終的には患者の体力・気力に依りますので、医者は投薬や手術により治癒のサポートをすることはできるものの、患者の身代わりになる(代行する)ことはできません。
コンサルティングは“代行”ではない
「解決をサポートする存在」とあるように、解決の“主体”はクライアントです。“自分でやれば簡単なのだが……”では、コンサルタントとしては失格です。自分で手を下さないにも関わらず、クライアントを介して見事に成果を上げることができるのが「コンサルタント」です。
クライアントから真に感謝されるコンサルタントは、クライアントの「代行」をするのではなく、クライアント自身が自分でできるようにしてあげるコンサルタントです。仮に「代行」して一時的に喜ばれることがあったとしても、コンサルタントとしての価値は高いとは言えません。
とは言え、「コンサルタントだから絶対に代行しない」と決めるかどうかは、コンサルタントであるあなた自身が決めるべきことです。
代行はコンサルティングではありませんが、事業主として、クライアントの利益を損なわない範囲で、コンサルティング以外のビジネスとして代行ビジネスを行なうことについては、一概に否定はしません。
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コンサルティングは“一般論”ではない
コンサルティングを依頼する背景や状況は、クライアント毎に様々ですので、当然、処方箋も異なります。セミナーのような商品であれば、ストーリーや背景・内容は、いくらでも講師の自由裁量で決めてプレゼンすることができますが、個別性の高いコンサルティングにおいては、そのようなわけにはいきません。セミナーが一般論だとすれば、コンサルティングは個別具体論となり、それがコンサルティングという仕事の難しさであり、魅力・楽しさでもあります。
実務での経験や、そこから得た知識やノウハウを基にコンサルティングを進めるにしても、そのような“過去の経験”を、そのまま処方箋として適用できるとは限りません。豊富な経験を踏まえ、今までに遭遇しなかったような状況へも対応できる応用力が、コンサルタントには求められます。
ある意味、“出たとこ勝負”せざるを得ないことも度々あることは、覚悟しておく必要があるでしょう。
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