管理業務主任者の仕事内容
管理業務主任者は、マンション管理を委託する会社に一定数の設置が義務付けられています。つまり、管理を請け負う事業者の立場からさまざまな管理業務を担います。
管理業務主任者にも、独占業務が認められています。それは管理組合に対して行う管理委託契約に関する重要事項の説明と、管理事務報告です。このふたつは管理業務主任者にしか認められませんので、管理委託の事業者は必ず専門資格を有する者を担当にして適切に対応する必要があるのです。
そのほか、マンション内の清掃や設備の保守点検、メンテナンス計画の策定と実施、住民同士のトラブル仲介も業務範囲に含まれます。
管理業務主任者の年収はどれくらい?
管理業務主任者といっても、個人で活動しているわけではなく、実態はマンション管理会社に勤務する会社員です。その平均年収は300万円~500万円と言われ、一般的なサラリーマンと同程度と見てよいでしょう。
この年収を高いと見るか低いと見るかは人それぞれだと思いますが、独占業務を持ち、管理会社に一定数の常駐が義務付けられている存在価値を考えれば、就職・転職に生かせる有力な資格であることは間違いありません。年収だけにとらわれず、就職のしやすさや安定性、仕事の需要などさまざまな面を考慮して資格取得を検討してください。
独立開業の道もある
管理会社への就職・転職だけでなく、管理業務主任者には独立開業の道もあります。国家資格であり、独占業務も有する同資格には大きな価値があり、マンション需要が見込める限りビジネスチャンスは生まれるでしょう。実績を増やして多くの管理組合、不動産会社から信用を勝ち取れるようになれば、独立も視野にさらなる成長を目指してください。
管理業務主任者に将来性はあるのか?
マンションの管理業務全般を担う管理業務主任者の仕事は、人々がマンションという生活環境を必要とする以上、なくなることはないでしょう。国土交通省の調べによると、日本国内におけるマンションの総戸数は平成28年度現在、633万個数を超えています。そのマンションの運営を担当する管理組合が存在し、ほとんどの管理組合は管理業務のノウハウを持った管理会社に委託している実情があるのです。マンションの数が増えるほど管理組合の数も増え、それに従い、管理業務主任者の需要も高まります。現状を踏まえれば、管理業務主任者は将来性ある資格と考えてよいでしょう。
ダブルライセンスで差別化を図ろう
管理業務主任者として着実にステップアップを図るのではれば、マンション管理士や宅建士、あるいは賃貸不動産経営管理士など、不動産関連の資格を取得することをおすすめします。
これら管理業務主任者と関連の深い資格を持つことで、就職・転職活動に弾みがつき、活躍の場が与えられればより高いポジションでの管理業務を担当できるかもしれません。独立開業の可能性も高くなるでしょう。業務領域が広がり、責任ある地位につければ、資格の持つ安定度も増し、年収アップも期待できます。