管理業務主任者試験の合格率は?難易度と合格者の傾向を解説

管理業務主任者は、マンションの管理会社への就職・転職を目指すならぜひ取得しておきたい国家資格です。

令和6年度(2024年度)は受験者14,000人以上、合格者は3,000人以上となった人気の試験です。

この記事では、管理業務主任者試験の受験者データをもとに、合格率と難易度について解説します。

管理業務主任者試験の合格率はどのくらいなのでしょうか?また、一部の試験問題が免除される制度があると聞いたのですが?

管理業務主任者試験の合格率は概ね20%台です。また、マンション管理士の試験に合格している場合は、管理業務主任者試験で一部の試験問題が免除されます。

令和6年度(2024年度)の受験者数、合格率など

令和6年度管理業務主任者試験の受験者数は14,850名。そのうち合格者が3,159名で、合格率は21.3%という結果でした。

合格者の平均年齢は43.1歳(男性44.6歳・女性38.1歳)。最高年齢は78歳、最低年齢は18歳で、幅広い年齢層が受験にトライしています。

管理業務主任者の登録条件として実務経験2年以上が必要であり、マンション管理の実務スキルが大きく問われるのもこの試験の特徴です。

業務内容の性格から社会人経験が豊富な40代が受験する傾向が高いと言えます。

管理業務主任者受験者データの統計

管理業務主任者試験は平成13年からスタートしました。公表されているこれまでの受験者数と合格者数、および合格率と合格基準点の推移を下記の表にまとめます。

年度受験者数合格者数合格率合格
基準点
令和6年14,850名3,159名21.3%38問
令和5年14,652名3,208名21.9%35問
令和4年16,217名3,065名18.9%36問
令和3年16,538名3,203名19.4%35問
令和2年15,667 名3,739名23.9%37問
令和元年15,591名3,617名23.2%34問
平成30年16,249名3,531名21.7%33問
平成29年16,950名3,679名21.7%36問
平成28年16,952名3,816名22.5%35問
平成27年17,021名4,053名23.8%34問
平成26年17,444名3,761名21.0%35問
平成25年18,852名4,241名22.5%32問
平成24年19,460名4,254名21.9%37問
平成23年20,625名4,278名20.7%35問
平成22年20,620名4,135名20.1%36問
平成21年21,113名4,329名20.5%34問
平成20年20,215名4,113名20.3%34問
平成19年20,194名4,497名22.3%33問
平成18年20,830名4,209名20.2%33問
平成17年22,576名5,019名22.2%36問
平成16年24,104名4,617名19.2%37問
平成15年27,017名5,651名20.9%35問
平成14年35,287名10,390名29.4%33問
平成13年57,719名33,742名58.5%38問

初回試験と比べると、受験者数は年々減少傾向にあるのが分かります。

昨今は景気のほうも上向き、マンションの着工数も都心を中心に増えていることから、マンション管理の仕事が減っているわけではないでしょう。

そのため、マンション市場の推移次第では、業界で人材不足という課題が起こる可能性があります。

合格率はおおむね20%台。7割以上の正答率

初回試験こそ50%を超えたものの、管理業務主任者試験の平均合格率はおおむね20%台を推移しています。

類似の国家資格にマンション管理士がありますが、こちらの平均合格率は7~11%程度。

合格率だけ見ると、管理業務主任者は国家資格としては比較的難易度がやさしめかもしれません。

また、宅建試験の合格率が15%前後ですので、合格率では管理業務主任者試験の方が高いといえます。

宅建試験の学習経験者が、次の資格として管理業務主任者試験にチャレンジしていることが多い傾向にあることを考えると、

一概に宅建試験よりも管理業務主任者試験の方が簡単であるとはいえません。

ただ、宅建試験の学習経験者にとってはその学習経験を活かすことができるため、取り組みやすい試験といえるでしょう。

ちなみに合格基準点は、令和5年度で35問(点)。相対評価で合格が決まる試験のため、毎年合格基準点は変動するのですが、その他の回もおおむね33点~37点前後が合格ラインとなっています。

つまり、7割以上の正答率を確保できれば、管理業務主任者試験の合格はかなり近づくと考えてよいでしょう。

    マンション管理士の資格があれば、試験問題が一部免除される

    マンション管理士の試験に合格すれば、管理業務主任者試験で一部の試験問題が免除されます。

    免除される問題数は5問程度で、通常試験が50問出題ですので45問の中で必要な得点を出せば合格となります。

    マンション管理士と管理業務主任者は立ち位置こそ異なりますが、マンション管理業務に携わる点においては同じです。

    そのため、試験範囲も重複する部分が多く、どちらか一方の受験経験があれば、学習計画のプランニングも立てやすいでしょう。

    マンション管理士の資格を取得後、スキルアップを目的に管理業務主任者とのダブルライセンスを目指される受験者も少なくありません。

    免除制度も活用できることから、セットでチャレンジしやすい資格と言えます。